人気ブログランキング | 話題のタグを見る
よもやまシネマ597 “HoLic/ホリック”
よもやまシネマ597 “HoLic/ホリック”_e0120614_14532335.jpgよもやまシネマ597 “HoLic/ホリック”_e0120614_14533991.jpg



2022.5.2.

写真家であり映画監督でもある、蜷川実花さんの新作“HoLic”を鑑賞。久しぶりの邦画鑑賞は、独自の美的センスを常に全面に押し出すゴージャスな演出を手掛ける蜷川監督の感性溢れる作品。写真家として活躍する一方で、コミック「さくらん」で映画監督として2007年にデビューし、その独特な世界感を画面いっぱいに表現する演出力は、父親譲りのまさにDNAとも言うべきもの。特に色に拘る表現力は、まさに「百花繚乱」を体現している。女性特有の感性なのかは解らないが、ど派手な色使い中にも繊細かつ緻密なバランスを醸しだし、上品さもしっかりと伝わり不思議と心地良い・・・。これぞ蜷川マジックとでも言いましょうか?
前作の“人間失格”とその前の“Dinerダイナー”を観ていますが、映画と言うよりか舞台を観ているような演出が特徴で、美術やヘアメイクなど写真家としての拘りが随所に表現のコンセプトとなっている事が覗える。原作が持つ不思議な世界感を二次元の世界から三次元へと膨らませる演出をきっと楽しんでいるに違いない。原作はコミックの中でも特殊なものばかりで、異端とも言えるものばかり。あえてそう言うものをチョイスしているだけでなく、作品に惚れての映画制作をしている、そんな感じがします。奔放で外連味のない表現力には、癖はあるが引き込まれてしまう。まさに癖になる毒の魔力かも知れない・・・。
キャスティングもいつもながら豪華で、どんだけお金をかけているんだろうと、つい下世話に考えてしまう。でも観ると思うのは、出演している俳優のみなさんが自分の本質とは違う何かを楽しんでいる様にも見える。ど派手な美術や豪華な衣装、メイクときっとこう言う世界にあこがれている学生たちには、貯まらない刺激ではないでしょうか?観る側がそう感じる以上に、演じている俳優のみなさんたちはそれ以上の高揚感を味わっているに違いありません。きっと楽しい現場ではないでしょうか?主人公・四月一日(わたぬきと読むそう)を演じた神木隆之介、忙しくいろいろな役を演じていますが、何をやっても画になるひとです。そして壱原侑子役の柴咲コウさんは“燃えよ剣”以来の再会ですが、妖艶な出立と振る舞いの女王さま振りにはこの役にぴったり。もともと彫りの深い顔をしているのもあるが、このキャラのもつ雰囲気を最大限に表現し演じています。原作の年齢はきっともっと若いとは思うのだが、キャストのみなさんそれぞれに頑張って演じていて、新しい発見が多くありました。とくに気になったのがヒール役の女郎蜘蛛を演じた吉岡理帆さん。CMでも良く目にする売れっ子さんですが、今回の役どころには度肝を抜かれた感じです。柴咲コウを相手に一歩も引かない妖艶振りでただただビックリ!!続々するキワドイ仕草や目線など、一皮もふた皮もむけたその演技に釘付け状態。今回一番の見つけものとなりました。今後の活躍が多いに期待です。
原作もちょっと見たい、そんな気持ちになっている自分です。感性を刺激する、久々の娯楽作品でした。
P.S. 衣装やメイクに先ほど触れましたが、小道具などにも細かい拘りが観て覗える演出は、付加価値が溢れ見応え充分。いままでTVドラマやアニメで放映されていたことを、全然知らなかったわたし。完全に時代に取り残された漂流者です。“HoLic”は伝統美と新感覚の表現を見事に掛け合わせた、そんな作品ではないでしょうか?劇中の「この世に偶然なんてない。あるのは必然だけ・・・・・・。」という台詞は、確かに・・・と何故かこころに刻まれる。


# by eddy-web | 2022-05-03 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ596 “カモンカモン”
よもやまシネマ596 “カモンカモン”_e0120614_14053100.jpgよもやまシネマ596 “カモンカモン”_e0120614_12043803.jpg




2022.4.25.

“ジョーカー”以来の演技が話題の、ホアキン・フェニックス主演作“カモンカモン”を鑑賞に出かけた。“ジョーカー”の主演から2年、ファンが待ち望んでいた新作“カモンカモン”。ジョーカーでアカデミー賞をはじめ数々の賞を手にした彼が次回作として選んだ作品が今作。我が道をゆく無骨なジャーナリストの男にふって湧いた、甥との共同生活でみせる苦悩と心優しき姿を丁寧に紡ぎ出した佳作。全編白黒フィルムで創られた作品は、監督マイク・ミルズ曰く、この物語はモノクロ表現以外には考えられない作品とのこと。前回観た作品“ベルファスト”もモノクロ作品だったが、どちらも色がない分人物の表情や風景の空気感が繊細に表現されていて、観る側の想像力を掻き立てる演出になっている。物静かな時間の流れが心地よい反面、突然起きる出来事がより一層緊張感を増幅させる。引きの場面はどれも写真集を捲っているように美しいものばかりで、切り取り額に納めたくなるそんなシーンで溢れています。
さて、物語は独身を謳歌するラジオ局でジャーナリストとして働く男ジョニーが突然預かることになった甥っ子ジェシーとの、つかの間の生活が淡々と描かれるストーリーとなっています。妹ヴィヴから突然に頼まれ預かることになった甥っ子ジェシー。感受性が鋭くちょっと変わった性格でふたりの距離はなかなか埋まらない。この作品を観て感じるのは、子どもとの距離感をうめることの難しさ。親でさえ苦労するところを、叔父という立場で悪戦苦闘する男の姿がときに滑稽にみえるのだが、「こんなことあるある」と妙に頷いてしまうシーンの多いこと・・・。感じたのは大人が思っているほど、子どもは子どもじゃないという事実。むしろ社会の中で置かれている立場を、子どもなりにしっかりと把握し健気に生きていると言う事が良く解る。変な話、子どもの方が先を行っていて、大人たちが妙に折り合いを付けることばかりに振り回され何だか嘘くさいことに気づかされる。子どものピュアな感情が良くも悪くもスクリーンから溢れ、忘れていた感情がふつふつと沸き上がる。ジョニーを演じたホアキン・フェニックスの演技力の高さを改めて確信する作品だ。対するジェシーを演じたウディ・ノーマンだが、難しい役どころにもかかわらず、見事に名優ホアキンを相手どり凄い存在感を創り上げている。芝居とは思えない自然体な演技には、何度もこころが打ち震える。この先どんな俳優さんになるやら?楽しみな逸材です。
この作品は観るひとにより、「子どもってやっかいで面倒くさい」って感じるひともいるような気がします。ましてや子育てに悩む親たちがみたら、ますます迷路に迷い込み頭を抱えてしまうかも知れません。ただ思うに私見ですが、だれしも子どもの頃は多かれ少なかれこんなもんだったと感じます。わたしなんかは本当に親にはもの凄く迷惑をかけたと、親になりあらためて感じる毎日です。そう思うことはとても大切なことで、子どもが無茶を言ったりしたりするのはある意味こどもの仕事。それをただし駆るのは決して正解ではないと言うことを、しっかりと学ばせてくれる大人のための学習映画では無いでしょうか?
先ほども言いましたが、子どもは私たちが思っているほど子どもではないということです。社会の荒波にもまれひとりで生きたこともないのにと、思うのは大人の傲慢な考え。むしろ社会の眼ばかりを気にして濁っている見方をする私たちの方が、ず~~~っと子どもかも知れません。エンドロールを観ながら、いつからジェシーみたいなこころを無くしてしまったのだろうと、ふと考えてしまいました。さて、みなさんにはどう映るでしょうか?
P.S. ストーリーの表現の中、主人公ジョニーがジャーナリストとしての仕事を表現している多くの子どもたちにインタビューをしているドキュメント風のシーンが沢山出てきます。どの子どももしっかりと自分の意見を持っていて、ほんとうに驚かされます。決して背伸びをして意っている訳でもなく、等身大のこころを素直に出している姿は、この作品のタイトル“カモンカモン”「先へ、先へ」を表す言葉なのだと受け止めることが出来ました。もうそんなに前には進めないと思いますが、もう残り少ない時間を大切にしあと少し先へ行けたらと思っています。
P.S.-2 ホアキン・フェニックスは2019年にルーニー・マーラーと結ばれました。どちらも大好きな俳優さんなので、とても嬉しいです。二人には第一子の男の子が生まれ、報道によると若くして亡くなったフェニックスの兄、「リヴァー」と名づけたとのこと。とても温かい気持ちになりました。お二人の幸せをこころから祝福致します。


# by eddy-web | 2022-04-27 12:04 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ595 “BELFAST/ベルファスト”
よもやまシネマ595 “BELFAST/ベルファスト”_e0120614_14053100.jpgよもやまシネマ595 “BELFAST/ベルファスト”_e0120614_14165729.jpg



2022.4.19

週一で通う映画館の日常。一週間以上感覚が空くと、まるで水を欲するかのようになり身体が渇き苦しくなる。そうは言っても、そうそう観たい作品がある訳もなくそして時間も合わせるのに苦労する。10日も空いてしまった映画鑑賞の時間だが、見逃していた作品“ベルファスト”をやっともいる事ができた。久々に電車に乗り日本橋まで足をのばしたわたし。
今年度アカデミー賞脚本賞を手にした作品は、激動の時代に揺れるアイルランドの街ベルファストを舞台にした、叙情溢れる美しくも哀しい少年期の主人公と家族の物語を紡ぎ出してみせる。冒頭、物語は少年バディの屈託のない笑顔と、平和で豊かな繋がりが覗える街並みと住民たちの姿が画面から浮かび上がる。そしてその風景が一変し、みるみるうちに様子が変わり町中が混乱の渦に巻き込まれて行く。いったい何が起こったのかは画面の中のひとたちはもとより、鑑賞しているわたしたちたちさえ解らない。それは北アイルランドで1960年代末にはじまった、「北アイルランド紛争」への突入の合図になる暴動を捉えた序章。ほんの少し前まで、町中に子どもたちの笑顔が溢れ、そして優しさと思いやりに包まれていた街ベルファスト。映像はモノクロで表現され、突然ベルファストの街を分断するプロテスタントとカトリックによる反目の長い戦いへと扉が開いてしまう。宗教改革に伴う対立の根が「北アイルランド紛争」というかたちで現われた暗く哀しい時代。この物語はそんな中、深い愛で結ばれた家族と主人公バディの目線で捉えた、理不尽な時代への憤りとそれを乗り越えていく家族の絆が強く描かれ胸を打つ。背景は違っても、これはまさにいまウクライナで起きている戦争となんら変わりない話しである。平和な日常が突然奪われる瞬間とは、まさにこういうことなのだろう・・・。映画の中では戦いでの死は写し出されない。それはある意味救われるのだが、それでも暴徒とかした顔見知りの街のひとたちがスーパーを襲い、物品を盗んでいく景色には恐怖を覚える。争いは人のこころを狂わしていくという、そんな息苦しい瞬間を目の当たりにするシーンである。主人公バディは、この経験をどう受け止め大人への階段を上って行くのだろう?父、母の苦悩、そしてやさしい爺、強い婆の後ろ姿に・・・。
この作品は監督であるケネス・ブラナーの実体験がもとになっていると書かれている。ブラナー自身が当時を思い浮かべ、いまは平和となった街ベルファストに敬意をこめ創り上げた秀作ではないだろうか?インタビューで当時のベルファストは白黒の世界に見えたと語っています。なにか凄く深い意味を感じてしまいます。作品創りの手段ではあると思っていたが、これを聞くと監督のこころの断面が見て取れる。作品中に家族で映画館に行きアメリカ映画を楽しむシーンが写し出される。はじめは「恐竜100万年」である。主人公バディよりは歳が5つくらい上だったと思うが、わたしも映画館で観ていた。ラクエル・ウェルチという女優さんが写しだされ、子どもに見せていいものなのかと気をもむ父母の姿が何とも微笑ましいシーンである。また別のシーンでは「チキチキ・バンバン」のディズニー作品は写し出され、車(クラシック)が断崖から落ちていくシーンに同じ仕草で驚く家族の顔が、これまた何とも言えない。そして車に羽が生え空へと浮かび上がるとみんな目を輝かせ笑顔が満開となる。この作品の一番コンセプトと言えるそんなシーンである。この作品もわたしには思い出深い作品でしたので、まるでこの家族とこころが繋がったかのような気になりました。作品は白黒なのですが、写し出されている映画はカラー。この粋な表現はたまらなくこころに刺さる演出。映画全体が写真集を1枚1枚、ページを捲っていく、そんな作品なのですが決めの細やかな表現におおくのメッセージが込められていると感じます。さきほど監督のコメントで当時は白黒の世界だったとのべ、そのあと「シネマは想像への世界への逃避だった」とも語っています。純粋な感性の持ち主なのが伝わるコメントでとてもファンになりました。出演していた俳優さんたちも素晴らしい表現力で言葉だけで無く、仕草や振る舞いに至るまで豊かさに溢れ見応えのある演技です。ジュディ・デンチのおばあちゃんの存在感は顔に刻まれた皺の数の美しさ同様に凄かったです。
見終わった後に、どうして浮かんでくるウクライナ。なにも出来ない歯がゆい自分ですが、一日もはやい平和な日々が訪れることを願ってやみません。
# by eddy-web | 2022-04-20 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ594 “ファンタジックビーストとランブルドアの秘密”
よもやまシネマ594 “ファンタジックビーストとランブルドアの秘密”_e0120614_14053100.jpgよもやまシネマ594 “ファンタジックビーストとランブルドアの秘密”_e0120614_13453513.jpg




2022.4.8

“ファンタビ”の最新作・ランブルドアの秘密が公開されました。息子と約束をしていたので、初日に連れ立って劇場に足を運びました。“ハリーポッター”シリーズの後を引きかたちで始まった“ファンタビ”。個人的にはこちらのシリーズに引かれているわたし。息子も同意見でひさしぶりの意思疎通。主人公ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)のピュアな魔法動物たちへの愛がとても魅力的に描かれこころに沁みる。出て来る魔法動物たちも個性豊かで、表情豊かに最新技術を駆使しての映像表現は他の追随を許さない見事な演出です。物語はもちろんのことですが、キャストもまた個性豊かで魅力に溢れ敵味方関係なくとても強く引かれるものがあります。ファンタジー映画はこうでないとと思わせる傑作といえる作品です。第3作目となる今回も、最後まであっという間に時間が過ぎ「もう少し見せて」と思ってしまうほど創造力豊かに描かれていました。次回作が最終話との話ですが、出来る限り長くやってほしいと願っています。息子と観賞後に感想を話し合ったのですが、息子が「もっと個々の登場人物たちにスポットをあてた話が観たい」との意見。大人の意見にちょっぴり感動。わたしもこの意見には賛成で、スピンオフでの映画化もできる個性豊かなキャストとを選び人物よりの物語をぜひ構築し映像化をして欲しいものです。唯一人間(マグル)として活躍するジェイコブなんかは、とても魅力的な人間で優しさに溢れた好人物ではないでしょうか?今回あらためて作品を観て、個々の魅力に溢れた個性が光っていて、なんかもったいないような気がしました。それぞれが辿ってきた人生にちょっと触れてみたいとそんな思いに駆られました。
今回は新キャラとして登場した麒麟は東洋の伝説動物でしたが、とても重要な役割として使われとても可愛かったです。不死鳥が登場したりと、この作品は本当に魅力に溢れた創造力を刺激する素晴らしい作品だと思います。アクションもののSF作品も好きですが、このような夢にあふれた、子どもたちといっしょに観ることができる作品が多く創られることを願ってやみません。
さて、物語ですが前作から引き継がれたかたちで始まる話は、魔法界を支配しようと暗躍する闇の魔法使いグリンデルバルトとそれを阻止しようとする最高の魔法使いと謳われるダンブルドアとの対決がメインとなっている。二人の過去の因縁が紐解かれゆく様は、CG技術を余すこと無く駆使され実に見事な脚色と演出になっています。今回はニュートの活躍ももちろんなのですが、各魔法使いたちの過去が暴かれ、胸がキュンとなることしばしば…。さて正義が勝つのか?悪が勝つのか?最後まで息がつけないエキサイティングな展開を思う存分楽しんでください。
中盤にマンティコイア(サソリの異系)という魔法動物が出て来るのですが、ニュートが擬態して動くシーンは本当にユニークな演出で緊張感を解きほぐしてくれるユーモアで溢れ大好きです。ここにも彼の動物愛が溢れていて、何とも言えない気持ちになります。あと、物語の時代と当時のファッションがとても美しく再現されているところも見逃せないポイント。ファンションは今観ても素敵だし、カッコイイと心引かれます。こんな服装が似合う大人でいたいと思います。まだまだですが???
ニュートが心引かれるティナ(キャサリン/ウォーターストン)が、グリンデルバルトと討伐隊に参加してなかったのが残念でしたが、最後にその美しい姿を見せてくれたのがサプライズ的でちょっと嬉しかったです。この女優さんにとても引かれているので、次回は出来るだけ沢山出演シーンを用意してくれることをこころから望んでいます。よろしくお願い致します、製作のみなさま…。
そう言えばグリンデルバルト役が、前作のジョニー・デップからマッツ・ミケルセンへと変わっていましたが、とくに違和感は感じませんでした。もちろん名優ですから文句ない演技力ですが、第1作でもコリン・ファレルが演じていた魔法保安長官パーシバルに化けていた過去があるので、物語上も成立する話。なんせ魔法使いなんですから、なんでもできるのです。さぁ、じっとしていないで劇場に出かけましょう!!
P.S.  ジョニー・デップの降板理由がネットで上がっています。スキャンダルがらみの話ですが、業界のアルアル話。残念ですがジョニーとはまた、別の作品でお目にかかりたいと思います。そう言えばクリーデンス役のエズラ・ミラーもなんか騒がれているみたいです。新作“フラッシュ”が控えているのですから、あまりファンをヤキモキさせないでくれると嬉しいです。何があってもファンはついていくもの、でも期待を裏切らないでほしいのも事実。期待しています。
# by eddy-web | 2022-04-09 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ593 “モービウス”
よもやまシネマ593 “モービウス”_e0120614_14053100.jpgよもやまシネマ593 “モービウス”_e0120614_14055082.jpg




2022.4.01.

MARVELが放つ新作、“モービウス”を鑑賞。ここのところのMARVELの新作を観ていると、何か以前のようなコミックの特徴である正義のヒーローが悪を倒すという構図が崩されてきたように見えます。DCも同じく“ジョーカー”でも解るように、単に悪人という提議を崩し、ひとからサイコキラーへと変貌をとげた人物像にスポットをあて、社会が抱える闇まであぶり出す人間ドラマへと深い内容の物語を創り出している。その背景には国や人間が抱える世界規模の不安感が、作品に投影されているような気がします。表と裏の構造は、立場によりどちらにも変わってしまう、さけられない矛盾の連鎖が永遠に続くという愚行を表現しわたしたちに考える機会を提供しているそんな気さえします。わたしの深読みかも知れませんが・・・。
さて、“モービウス”ですがその見た目は、どうひいき目にみても悪(ヴィラン)そのもの。目の前に現われたら、だれだって友だちになろうなんて考える余裕さえできない。コミックでは、まぎれもなくヴィランとして扱われスパイダーマンの宿敵となっているようだ・・・。“ヴェノム”もいっしょだが、どうしたらこんなに恐ろしいキャラを作り出せるのかと思うくらいCGを巧みに使い創られています。マンガの画はまだ愛嬌があるとつくづく思ってしまいます。絶対悪から人間味をおびたキャラに変貌を遂げはじめた、ヴィランのキャラたち。そのあたりを取り上げ構築はじめた新しいコミットクキャラたち。とくに目立つのがヴィランたち。その裏側に見え隠れする差別、偏見、人権などのいまも続く社会に根付いた問題。それらの多くが混沌とした社会に渦巻き、大きなうねりとなって世界を壊そうとしていることを暗示している作品かも知れません。何を信じて良いのかも解らない不信の時代を、いまリアルに浮かび上がらせるのにはもってこいのテーマが、ヴィランに内在していることに制作者たちが利用しはじめたようです。映画としては重たいテーマですが、これも社会を繁栄した潮流なのかも知れません。
“モービウス”を観る前は、見た目ドラキュラと狼男をたして2で割ったようなキャラで、自分勝手なイメージを抱いていました。ところが観ると、極端に言えばヒューマンドラマを過激に表現したそんな作品になっていました。SFには違いないが、あながちない話でもないようにも思えてきます。ちょっと飛躍し過ぎですが、テーマはリアル。そのあたりがコミックヒーローの壁を超えてしまった感じです。思うにDCにしても、MARVELにしてもこども相手の作品づくりはもう考えていないようです。相変わらずVFXなどを駆使したCG技術の表現は秀逸のひとことなのですが、そこらへんもそろそろ飽きてきた今日この頃。昔の古い作品を観ると何もかもが手作り感満載ですが、ちゃんとこころにも響くしスケールだって凄いと思わせてくれる作品は数多い。つい先だって観た“ウエストサイド物語”なんかは、昔の作品観るとその凄さをあらためて実感します。
面白いかそうでないかは、観たひとそれぞれの感想にゆだねます。さてわたしは???ラストにヴァルチャーの再登場ですが、いったいどんな展開になっていくのか?はしばらくお預け。2年くらい先になるのでしょうか??楽しみです・・・。
果たして“モービウス”は、ヒーローなのか、はたまたヴィランなのか?
P.S. NEWSでウィル・スミスが話題になっていますが、いろんな意味で残念です。もう一つ残念なのは、ブルース・ウィルスの引退宣言。個人としては復活を願ってやみませんが、ともあれ「お疲れさま」と感謝の言葉を贈ります。
# by eddy-web | 2022-04-05 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)


S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
最新の記事
カテゴリ
以前の記事
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 06月
2007年 05月
フォロー中のブログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


logobr.gif