人気ブログランキング |
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の九/“ジェイコブス・ラダー”
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の九/“ジェイコブス・ラダー”_e0120614_15071488.jpgわたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の九/“ジェイコブス・ラダー”_e0120614_12535468.jpg



今日紹介する作品は、今までとはかなり違う感覚のもので正直言って良く解らないと言うのが本音。だが、五感を刺激する何とも言えない世界感が溢れ、妙にインパクトが強く脳裏に焼きついた作品です。先日新作“ランボー/ラスト・ブラッド”を観た後、何故か思い浮かんだのがここ作品。背景にベトナム戦争があり、そして主人公が背負ってしまった得体の知れない荷物みたいなものが共通しているからだろう。
作品は1991年公開のアメリカ映画。ジャンルは一応サイコスリラーとなっているが、ひとによってはホラー映画という人もいるようです。確かにどちらの要素も含んではいますが、そんなことより観れば解りますがかなり感覚で鑑賞する作品と言えます。あまり理屈で追うと混乱を招き、頭の中がごちゃごちゃになり訳が解らなくなること間違いなし。ですので、結末とかは観る人により受けとめ方も違うだろうと思います。クローネンバーグ監督的な映像表現も出てくるので、苦手な人は避けた方が良いかもしれません。少なくとも女性向けでは無いと思われます。でも、面白いし何故か心には残る作品です。
本作 “ジィコブス・ラダー”は旧約聖書の「ヤコブの梯子」の話にヒントを得て創られたとのことだが、聖書などというものに触れたことない俗人にはその意味は解らない。直訳すると“ジィコブス・ラダー”というらしいのだが・・・。調べると聖書の10-12節でヤコブが夢に見た、天使が上り下りしている、天から地までに至る梯子(階段)ということでした。こう言われても???ですが、ようは生と死の境を意味したものと考えられます。
映画公開時のキャッチ・コピーが「人は一日に一歩ずつ“ジェイコブの階段”を登っている」だったそうです。このフレーズは見終わった時「なるほど」と思わせてくれるかも知れません。ただこの作品、そんな単純なものでは無く見終わった後の後味が何とも複雑でしばらくの間だ夢見心地状態が続いてやばいです。
物語の主人公はベトナム戦争に従軍した元兵士ジェイコブ・シンガー。この役をティム・ロビンスが演じ、夢か現実かでもがき苦しむ青年をエキセントリックに見事演じています。個性的な俳優さんですが、確かな演技力が評価され名作にも数多く出演しています。“ショーシャンクの空に(スティーブン・キング原作・刑務所のリタ・ヘイワース)は、アカデミー賞などにもノミネートされた傑作で観て損の無い作品です。
この作品は何度も言いますが、観る人によりさまざまな答えがありどれも正解でどれも間違いかも知れません。あなたはどんな答えを出すでしょうか?
わたしは答えと言うより、“ランボー”同様、戦争が残した深い爪痕の恐ろしさみたいなものが強くこころに残りました。
前に紹介した本「死ぬまでに観たい映画1001本」にも、載っていて読むと舞台となっているニューヨークの街も実はそっくりな霊界と謳っていました。これにはさすが驚きました。監督をしたエイドリアン・ライン氏については「彼はすべてが疑わしく、予期できない究極の世界を創ることに成功した」と絶賛しています。(参考・監督作品/フォクシー・レディ、フラッシュ・ダンス、ナイン・ハーフ、危険な情事、ロリータ、運命の女etc.)
光と影のコントラストを巧みに演出しスタイリッシュな映像美が特徴で、風俗作家としても評価が高い。確かに作品群を観れば納得です。
P.S. ジェイコブの息子役で「ホーム・アローン」で有名になる前のマコーレ・カルキン君が出ているのもお見逃し無く。もう君なんて呼べない年齢になっているのですが・・・。
# by eddy-web | 2020-06-30 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ511 “ランボー/ラスト・ブラッド”
よもやまシネマ511 “ランボー/ラスト・ブラッド”_e0120614_15071488.jpgよもやまシネマ511 “ランボー/ラスト・ブラッド”_e0120614_15074910.jpg



2020.6.26

4月3日以来の新作鑑賞に行って来ました。新型コロナ感染防止の緊急事態措置により、臨時休業していた映画館が一部緩和によりようやく再開。それでもなかなか足が向かない自分でしたが、気を取り直しやっと再開の第一歩へ・・・。
そして選んだ作品が“ランボー/ラスト・ブラッド”。3ヶ月近い自粛生活でたまった欲求を吐き出すのに選んだのは、偶然公開日だった理屈抜きに楽しめるアクション映画。“ランボー”と言えばシルヴェスター・スタローンの人気シリーズ。“ロッキー”シリーズと合わせスタローンの代名詞といえる作品である。どちらもファンが多く、抜群の人気を誇る。いままでに4作が創られ、主演はスタローンだが監督はすべて違う。前作ではとうとうスタローン自身が監督をし話題になった。今回メガホンをとったのは、エイドリアン・グランバーグ監督(キック・オーバー)。子どもの頃から「ランボー」を観て育った大ファンという監督が描く新作は、前作から10年後という設定の物語。
振り返ると第一作が公開されたのが1985年。その時のサブタイトルが「ファーストブラッド」。そして今回の5作目が「ラスト・ブラッド」ということで、最終章としての位置づけとされ初心に立ち返り、原点回帰したランボーをスタローン自身が提案したようである。鑑賞したあと、さまざまな想いがが蘇り頭の中をフラッシュバックし「ああ、これで最後か?」と複雑な気持ちが残ったわたし。
すこし話しが横にそれるが、その昔友人とシリーズでどの作品が一番良かったかで言い争った事がある。第1作と続編の2作目がそれ。友人は2作目が最高に面白いと言ったのだが、わたしは1作目と2作目はあきらかにコンセプトが違い第1作目を押した。今思うと良くあんなにムキになり言い争ったなぁ~っと、若かったことを反省する。だが、今作を観て確信を持ったのは、やはり第1作目がわたしの中では一番と言う事。だが不思議なことにシリーズの中では、観客動員数が一番少なかったと言う事実に驚かされる。ちゃんと理由があるのですが、話すと長くなるのでここはいったん話しを戻します。
先ほど1作目と2作目のコンセプトが、全然違うと述べました。解る方は今さら言うことでも無いのですが、一作目は主人公ランボー(元グリーンベレー)を使いアメリカが残した愚行のひとつ「ベトナム戦争」への是非が浮かび上がるのである。ある意味すごく重たいテーマで、ランボーは単にヒーローとしてだけ描かれず、戦争の爪痕の深さを背負っての登場でした。戦争とはいかに残酷で、ひとの人生までも変えてしまうという事実を突きつけた、いわば反戦の象徴だったとわたしは捉えています。その後の作品は言うまでも無く、アクション最優先のヒーローものとして描かれ1作目のテーマはどんどん薄れていった。ランボーの魅力とは、ギリギリの極限状態の中を生き抜いてきた生身の人間が持つ、強い意志と磨き鍛え上げられた技術と体力が融合された一級のスキルである。そのスキルすら2作目以降はドンパチの派手なアクションに移って行き、日本で言う「必殺仕置き人」のような静かな緊張感が消えてしまった。好みはあっても良いと思うが、個人的には戦争を賛美(アメリカ第1主義)したようなシリーズのその後は、別物として捉えています。単純にスカッとするし、カッコいいと言う事は認めますが・・・。
第1作は原作があり、映画化に至るまで10年の歳月を費やした聞く。ラストではランボーが死ぬという内容で、このあたりも製作の間だで議論があったようである。結局、ランボーは死なずシリーズ化が生まれ今回の“ラストブラッド”として10年ぶりに復活した訳です。
ランボーシリーズには他にも多くの逸話が残っていて、興味のある方は自身で調べるとまた違った映画鑑賞が出来ると思います。
さて、今作“ランボー/ラスト・ブラッド”の話しですが原点回避と言えるのか?は個人個人で評価が分かれるのでは無いでしょうか?確かにとうなずける部分も多いのは確かですが、シリーズのどの作品ともちがうテイストになり殺伐とした展開になり、表現もリアルかつ激しい展開になり救われない主人公が哀しい結末となっています。想えば第1作では、ランボーは自身の手で人を殺める事はありませんでした。戦争という悲劇が生み出したヒーロー(人間兵器)は、最後の最後まで救われないというここだけが原点回避といえるのでは無いでしょうか?久しぶりにムキになって語ってしまいました。申し訳ありません。
つべこべと言いたいことを言って来ましたが、正真正銘のランボーファンであると言っておきたいと思います。スカッとするかどうかは観る人によって違うと思いますが、それで良いとも思います。拘りはありますがすこしだけ大人になって映画を観ることが、50年の歳月を通し身についた気がします。
P.S. 主演のシルベスタ-・スタローンですが、さすがに年を取りました。73歳と聞き吃驚です。顔に刻まれたシワの数は人生の重みを物語り、カッコいい年の重ね方をしたレジェンドそのもの。体当たりのアクションは健在でそちらは衰えを感じません。凄いのひと言です。“ロッキー”を地で行く生活を経験したひとにだけに表現できる、唯一無二の俳優さんでは無いでしょうか?これからも末永く活躍して欲しい俳優さんの代表です。
※ゴールデンラズベリー賞(最悪の映画賞)の常連でしたが、2016年“クリード”のロッキー役でアカデミー賞にノミネートされ、そして同年ゴールデングローブ賞助演男優賞を見事受賞。熟成した演技で見事にラズベリー名誉挽回賞もとり、ファンにはたまらない一報でわたしも心から嬉しくなる出来事でした。“クリード”、マジ良い作品です。
# by eddy-web | 2020-06-28 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の八/“スイス・アーミー・マン”
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の八/“スイス・アーミー・マン”_e0120614_16115134.jpgわたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の八/“スイス・アーミー・マン”_e0120614_15214685.jpg



今日紹介する作品は、3年ほど前に鑑賞した“スイス・アーミー・マン”(よもやまシネマ354/2017・10・21投稿)という一風変わった題名の映画です。名前も?と感じますが、中身はもっと??の何かが匂う奇想天外な物語。BESTに何故この作品をあげたかというと、いままで出会った事の無い奇抜な発想の内容でかなり強烈なインパクトを感じたのが理由です。メチャクチャ笑えるが、最後はホロッときてしまう不思議な作品です。いままで選考してきた作品とは明らかに隔たりは感じますが、わたしの好きなBEST作品としてはこれも中に入れたい逸品で、とにかく笑わせて貰いました。
さて、作品ですがきっと賛否が分かれること間違いなしですので、自己責任で興味を感じましたら鑑賞していただければ幸いです。公開当時、その年の映画祭などに出品され、その奇抜さについて行けず途中退席した観客がいたとの話しも残っています。それでもおおむね高評価で支持率は高い作品だと聞き、わたし的にはちょっと嬉しい気分になっています。
物語は「生きるとは何ぞや?」という事を、シュールな表現とブラックな会話が絶妙なバランスで構築され、わたしの中では秀逸の1本です。映画は主人公の青年ハンク(ポール・ダノ)は遭難し無人島に流れ着き、あまりの絶望感から自殺をしようとしているところからはじまる。そんな矢先にハンクは浜に打ち上げられた死体を発見。その死体がとんでもない機能を持っていることに気がつき、想像を超えるお伽噺がスタートする。こんな滑り出しからはじまり、死体は途中から言葉まで話すようになる。もうこれ以上は話しませんが、あまり理屈で追わず頭をつねにニュートラル状態にし観ることをお勧めします。結構過激な表現もあり、確かR指定だったような気がします。でもツボに入ると笑いが止まらないハチャメチャな映画です。
登場人物はごく少人数ですが、みなさん役をそれぞれ見事にこなし他に類の無い映画が出来上がっています。死体・メニーの役をなんと“ハリー・ポッター”を演じたダニエル・ラドクリフがやっています。これもファンが観たら、さぞやビックリするはずです。シリーズものの作品を続けた俳優さんはそのイメージから脱却するのが大変と聞きます。むかし007のボンド役を演じたショーン・コネリーがそうであったように・・・。ただ、この作品を観る限りでは、ラドクリフには最高の賛辞を贈ります。よくぞここまでやってくれたと言ったところです。そこは観て確かめていただきたい。顔が濃いので、ちょっと不気味な感じはしますが、途中からなんとなく愛おしささえ感じ始めます。きっと彼なりの決意があっての出演だったに違いないと思います。熱演に大拍手です。また、こんなぶっ飛んだ、うさん臭い映画を創造する監督ダニエルズ(ダニエル・シャイナートとダニエル・クワン)の二人に、今後の活躍を期待しています。
わたしのBESTチョイスに入った不思議な作品ですが、騙されたと思って観てはいかがでしょう。
P.S. 「スイス・アーミー・ナイフ」は、よく知られるマルチツールの多機能ナイフ。この作品の題名が“スイス・アーミー・マン”とついたのは、死体のメニーが「スイス・アーミー・ナイフ」同様様々な機能を備えていることから生まれたとのこと。お出かけには必須の観れば納得する、まるで「ドラえもん」のポケットのようでもあります。ちょびっと下品ではありますが・・・。


# by eddy-web | 2020-06-23 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の七/“火垂るの墓”
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の七/“火垂るの墓”_e0120614_16115134.jpgわたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の七/“火垂るの墓”_e0120614_10005366.jpg



この企画(BESTチョイス)をはじめてから、今回で7本目の作品紹介。コロナウィルス自粛が解除され、映画館もようやくスタートはしたものの、新作公開までは中々いかないのいが現状。それとやはり自身の中にまだ自粛の気持ちが強く残っており、劇場へはまだ二の足を踏んでいる。
そんな中はじめたBESTの映画紹介が、やっと調子に乗ってきました。映画を長く観てきて、こんな作品観なきゃ良かったと思ったことがほとんどありません。もちろんすべてに満足という訳にはいきませんが、仮想体験の中に浸り何がしら得るものも多く自分には大変勉強になっている。前にも言いましたが、観た作品すべて語れるほどの記憶力はない。その時は大いに楽しんでも、時間が経つと記憶は薄れる。そんなんでは観る意味も無いのではと、真面目に思った時期もある。でもある時、そんなに肩肘をはっても楽しくないと言う事に気づいた。それからは観たいときに観たい映画を楽しむという流儀と相成った。ジャンルへの拘りや、洋画邦画の区別もまったく無い。自由気ままに鑑賞する、そしてそんな中から一粒の宝を発見する事を、ある種生きがいとまでは言わないが楽しむようになった。
いま、続けている「大好きな映画BESTチョイス」は、もの凄く贅沢な時間を貰っているきがする。自分勝手にわがままし放題の映画選びに、異論もあろうかと思いつつひとり熱く語る時間は最高。「ちょっと調子に乗ってんじゃね~よ!!」と言われても、しばらく続けようと思います。思うにこのブログを書き始め、沢山の作品が自分のこころに残り自分を成長させてくれているんだと言う事に気がつきました。とても幸せなことだと思います。ただただ感謝あるのみ。
さて、毎回作品を思い浮かべ記事を書くのだが思い出しながらその場面が頭に浮かび、感極まることが良くある。自分でも変だとは思うのだが、それにちょっと酔っているわたしがいる。間違いなく変態です。
さて今回チョイスする作品は、宮崎駿監督が唯一無二のライバルとまでいった高畠勲監督の長編アニメ“火垂るの墓”。ジブリ作品の中では最も暗いとされる映画だが、その作品の持つ意味は大きい。映画同様漫画オタクを自称するわたしだが、この作品はそんな次元を遙かに超えた思い入れがある。まずはじめにこの作品に出会ったのが20才の専門学校生の頃。友人に「この作品はとっても良いから読んでみたら・・・」と勧められた時にはじまる。原作は野坂昭如氏だが、当時この人が作家だと言う事を知らず失礼だが「ただの危ないおじさん」と思っていました。TVに良く出ていていつもろれつが回っておらず、正直嫌悪感さえ持っていました。ところが作品を読み、このイメージが大きく崩れ去っていくのを実感。もとよりあまり読書の趣味はなく、それまでに読んだ作品は数点。そんな中読んだのが「火垂るの墓」。「アメリカひじきと」共に直木賞を受賞しているが、そんなことさえ知りませんでした。最後まで一気に読み切り、気がつくと大粒の涙が溢れていました。恥ずかしいと思っても止めることが出来ませんでした。戦争を題材にした作品は多くあるが、これはわたしの中で生涯忘れられないものとその時からなりました。そんな訳で当然、アニメ“火垂るの墓”には吸い寄せられるように鑑賞に赴いた。多少の表現の違うところもあるが、本当に素晴らしい作品に仕上がっていて大好きになりました。哀しい物語ですが、日本人としてはぜったい観なくてはいけない作品ではないでしょうか?
作品は野坂氏の実体験がもとになっているのは、よく知られています。戦争が作り出す無情の世界観が、愛情の深さと重なり言葉に出来ない叫びを発しこころに刻まれる。
何度も観ていくと、主人公の少年・清太にたいする思いがどんどん変わっていったことが頭に浮かぶ。もっと違った生き方があったのでは・・・と。それでも当時14才の少年は、一生懸命に生きようとしていた事は事実。自分ならどうしただろうと考えるには、とてもいい機会では無いでしょうか?
物語の冒頭、昭和20年(終戦直後)の神戸・三ノ宮駅構内で、衰弱死した清太の遺体の前でどうしようものか相談している駅員な話している場面からはじまる。清太の足下に置かれた錆びたドロップの缶。中にはわずか4才で衰弱死した妹・節子の小さな遺骨が入っていた。駅員が何も知らずその缶を無造作に草むらへと投げると、こぼれ落ちた遺骨のかけらが中を舞い蛍へと変わる。この映像描写は歴史に残る表現といっても良いと言えます。哀しい音楽がそこに重なり染み込んできます。ここだけ観ても、涙が溢れ止まらなくなります。
毎年終戦記念日が近づいてくると、放映される“火垂るの墓”。何度観ても考えさせられる名作を観て、大切なひとと生きる意味を考えるのも良いことだと思います。
P.S. 改めて作品の資料を調べていたら偶然、You Tubeに載っていた記事が目に入った。今回載せた映画のポスターに込められた念い(隠された意味)と題され・・・。ポスターは皆が知る清太と節子の螢に囲まれた印象的なシーンで創られている。背景の暗闇だがPCで画像調整しフラットにすると、背景に爆撃機B-29のシルエットが浮かび上がる。やってみるとその通りの事実が浮かぶ。螢の光の一部も実は爆弾という開設だった。そして監督がこの作品に込めた「戦争批判」念いが・・・。高畑監督は根っからの職人肌で劇中のB-29が街に焼夷弾を投下する画像製作の時、スタッフに爆撃機の飛んで来た方向まで調べさせ史実に拘って描かせたと聞いたことがある。そう思うとこのポスターの話も納得です。そしてもうひとつ別にタイトルの話が載っていた。火垂るの墓のホタルとは、普通「螢」と記すところをあえて「火垂る」としたのは、これも爆弾を意味しているのだろうとの事でした。こちらは野坂氏の念いではないでしょうか?いずれにしてもこの作品に込められた「人間が起こした愚行」を、忘れてはならないと伝えているのです。名作とは、こんなに深く強いエネルギーが生み出すのだと改めて思いました。こんなことも少し意識して鑑賞すると、またなにか感じることが生まれると思います。ぜひ、もう一度・・・。

# by eddy-web | 2020-06-20 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の六/“チョコレート・ドーナツ”
 わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の六/“チョコレート・ドーナツ”_e0120614_16115134.jpg わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の六/“チョコレート・ドーナツ”_e0120614_15142959.jpg



今日お勧めする作品は、2014年に鑑賞した、“チョコレート・ドーナツ”(よもやまシネマ-145(2014/5・19)。邦題があまりにファンタジーな印象なので、勘違いしてイメージを持つひとも多いかも知れない。わたしも観るまでは、そのひとり・・・。まさかこんな展開に進む内容とは想像もしていませんでした。映画はエンターティメントと良く言われるが、非日常を味わう娯楽の代表としわたしたちに夢を見させてくれる。だが中には夢とはかけ離れた、まるで対照的な作品をわたしたちに投げかけてくる。現実逃避を望んで観に行くのが映画なのだが、皮肉にも真逆の現実を突きつけてくることがある。それがまさに今作“チョコレート・ドーナツ”かも知れない。原題はAny Day Now。どうしてこの題名が“チョコレート・ドーナツ”になるのかは、正直???です。確かに本編で重要なアイテムとして使われていましたが・・・。
さて、こんなところで頭を悩ますのは止め本編の話しに移します。一度紹介しているのでかぶることもあるやと思いますが、改めてご紹介いたします。映画から受けた衝撃は、感動などと言ってはいけないショックな現実にやりきらない怒りを覚えた作品でした。作品は「1970年代のニューヨークで実際にあったゲイの男性が育児放棄された障害児を育てた」という実話がもとになっている。もうおおよそ予測がつくかと思いますが、社会のひずみともいえる「偏見と差別」にスポットを当てたヒューマンドラマである。
物語は1979年のカリフォルニアが舞台。歌手を夢見ながら、ショーパブで日銭を稼ぐパフォーマーのルディ。彼は客として訪れていた検事局に勤めるポールに引かれる。実はレディはゲイでそれを隠し生きてきた。ところがポールもまた同性愛者で二人は自然に心を通わせ交際が始まる。時代の変化に、伴いいまでは「LGBT」「セクシャルマイノリティ」という言葉が知られ一般のひとにも理解がされるようになってはきたが・・・。それでも人権といいう観点で考えれば、いまだに差別の対象と捉えられ法の壁が大きく立ちはだかっている。この映画はそんな人たちが毎日をひたむきに生き夢を追う姿を映し出す。そこに新に加わる問題が生まれ、彼たちに大きな試練を与える。隣人の子どもの母親が薬物依存で捕まり、子どもがひとり取り残される。その子の名はマルコ。彼はダウン症を患う障害児でひとりでは生きていけない。施設へ送られるが、母親が恋しく何度も脱走をし部屋に帰ってくる。そんな彼に個々色を痛め、いつしか三人は一緒に暮らしはじめる。社会から見放されるマイノリティの彼らに平穏の日々と幸せは訪れるのでしょうか?
見終わると言いようのない怒りがこみ上げる。そして辛い気持ちに襲われ、自問自答を繰り返してしまう。ひとが人として生きられる事が、こんなにも難しく当たり前ではないことを痛感する作品です。
いま、アメリカでおきた警官による黒人殺害事件が引き金になり、世界中で人権保護活動が拡がり大きなうねりとなり拡がっています。簡単な問題ではないことはみな解っているのだが、もういい加減に弱者を創る社会を卒業する日を本気で考えなくてはいけないのでは無いでしょうか?
P.S. ルディを演じたアラン・カミングが素晴らしいです。彼自身トランスジェンダーだと言うことを公言していますが、この役は彼でしか出来ない役かも知れません。舞台出身でトニー賞(キャバレーにて)をはじめ多くの賞をてにしています。歌も聴きいってしまうほど、感性に響くこころの叫びにも似た歌声です。そしてこの映画では絶対の存在なのが、ダウン症の少年マルコ。役を演じたアイザック・レイヴァくんは実際のダウン症にかかっているが、役者として活躍する人物。どれだけ彼の演技に涙を流したか、覚えてないくらい号泣しました。そんな自分がいやになるくらいで、これは本当は泣いてはいけない映画です。
劇中に良い子でいる事を条件に、ルディからもらう「チョコレートドーナツ」を頬張るマルコは抱きしめたくなるほど愛おしい存在になるでしょう。この記事をUPしながら、瞼が熱くなり大変でした。
是非とも観て欲しい1本です。
# by eddy-web | 2020-06-18 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
50歳の記念に娘と走った、佐渡周遊自転車二人旅の思い出話。
50歳の記念に娘と走った、佐渡周遊自転車二人旅の思い出話。_e0120614_16213228.jpgBLOGカテゴリの中で、一番書き込みが少ないのが「風来紀行」。コロナ禍自粛のせいではなく、外に出ていないので話もないのが現状。
そこで思いついたのが、昔日本中を走り回った自転車旅の話。基本ひとりが好きなわたしは、20代の後半から数年かけ夏休みを取り、自転車で日本中を旅した思い出がある。北海道からはじまり、四国、九州、そして本州。
いまNHK・BSTVで火野正平さんがやっている「こころ旅」という番組にはまっている。なぜかは上記に記した過去があり、その思い出が番組と重なるからである。つい先日、たまたま佐渡の旅が写し出され、そのルートがまさに自身が辿った風景と重なり何とも言えない高揚感が蘇った。
50歳の記念に娘と走った、佐渡周遊自転車二人旅の思い出話。_e0120614_15003757.jpg
そこでいまから16年前、50歳の記念に娘と行った佐渡周遊の自転車復活旅の話をひとつ。ひとり旅での経験が、自分の人生において大きな力になっていると自負しているわたし。その気持ちを伝えたく、娘(当時9歳)をつれ佐渡ケ島一周への旅に出た。普段忙しさに流され、いっしょにいられないこどもへの懺悔のつもりで出発したのだが・・・。
予定は組まずに行くのが流儀のわたしは、行き当たりばったりの風来旅がお気に入り。そんな旅に娘を連れ出すなんてと、普通のひとならみなきっと思うだろう。勝手ですが楽しい旅はもともと好みでなく、自然の中に溶け込み自身が生きていること生かされていること、そんなことを娘に感じて欲しいと思った旅でした。なれない旅に娘はさぞ困惑したに違いありません。強い海風に煽られ、漕いでも漕いでも前に進まない自転車。上れど上れど頂上に達しない上り坂。容赦なく照りつける強い夏の太陽。そのどれもがこれでもかこれでもかと降り注ぐ・・・。そんな中、娘に「頑張れ!頑張れ!!」と声をかけ佐渡を駆抜けたあの夏の日。結局旅は予定の半分も達成出来ず、東京への帰還と相成った。それでも二人でたらい船に乗ったり、その海で泳いだり・・・。いまもわたしには、大切な宝物の思い出。娘は東京に帰るなり、よっぽど辛かったのかもう二度と旅など行きたくないと言い、いまでもことあるごとにわたしをいじめます。あれから16年、娘はパティシエの道をひとりひた走っています。
50歳の記念に娘と走った、佐渡周遊自転車二人旅の思い出話。_e0120614_15011740.jpg


# by eddy-web | 2020-06-17 00:00 | 風来紀行(散歩と旅) | Comments(0)
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の五/“泥の河”
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の五/“泥の河”_e0120614_16115134.jpgわたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の五/“泥の河”_e0120614_16255274.jpg




今日紹介するお勧めの作品は、日本映画の小栗康平作品“泥の河”。一度、よもやまシネマ-350(2017/9・28)でご紹介した作品です。すでにその時熱く語っているのですが、語り尽くせない思いを少々上積みして、再度語りたいと思います。原作は1978年に刊行された宮本輝さんの小説で、氏はこの作品でデビューし「第13回太宰治賞」を受賞している。映画は1981年に公開されたもので、小栗監督にとっての記念すべき処女作となった。偶然とは言え二人には記念すべきデビュー作となっているのも、不思議な因縁かも知れない。小栗監督はあまり多く作品を世に出していない。何か拘りがあるのか、そこらは作品を観る度にいろいろと考えさせられる部分も多い。この“泥の河”は公開されるまでは、紆余曲折あったようである。拘りのせいなのか制作費がオーバーし借金をかかえてしまったことや、それを親交のある大林監督がいろいろと影で動いてくれやっと試写会にまでこぎ着けたことなどが逸話として残っています。偶然試写会で当時の東映の岡田社長の目にとまり、「良い映画だ!!」と買い取られ全国公開されたとの話。そしてその年「キネマ旬報ベスト・テン」のベスト・ワンとなりごく内外で高い評価を得、多くの賞を手にした。多くの賞を得たから良い作品であるのではなく、良い作品だから世に出たということは岡田社長の話でも裏付けられる。良いものは誰の目から見ても明らかである。
個人的に小栗監督の作品は好きだが、何と言っても“泥の河”はわたしには一番。6作品の中ではシンプルでとても客観視され、伝わる感情が表現されています。内容はもちろん、演技者たちの生き生きとした演技、そして時代を克明に蘇られた映像と演出のきめ細やかさ。すべてに感動です。前に一度気持ちを書いているので重複してしまうかも知れませんが、登場する人たちの演技が沁みます。物語は昭和30年の大阪が舞台で、わたしの子ども時代を主人公の子どもたちは重なる。そんな巡り合わせもあり、わたしのこころの中に深く刻まれたことは間違いない。人々が戦争の爪痕からようやく立ち上がり、懸命に生きているそんな姿に胸が震える。人と人との繋がりがとても深くそして暖かく哀しい。
主人公・信雄は裕福とは言えないが、河口の側で食堂をしている父母の愛情に包まれ暮らす少年。そこにある日、店の側に着岸した舟で暮らす兄弟と知り合うところから物語が進んでいく。ひと夏の出会いと別れがこの物語の軸となり、人生の中で生きること生きて行くこと難しさを教えてくれる。この少年がこの後、どういう人生を辿って生きていくのかがとても気になってしまうわたしである。信雄のお父さんやお母さんもそうであった様に、人は何かしらひとには語れない秘密(過ち)を背負って生きている。信雄にとってのこの体験はきっと生涯で消えることの無いものになった事だろう。自身を責めるこころが儚く、切なく、そして哀しい。でもこれだけは言える、きっと信雄はこの経験を糧にひとに寄り添える大人に成長するに違いない。両親がそうであるように・・・。
P.S. 三人の子役が本当に素晴らしいです。前年ながら三人ともその後俳優になったとは聞いていませんが・・・。ラストの岸から離れて行く舟を追いかけ走る信雄の姿と「きっちゃ~~ん、きっちゃ~~ん」と叫ぶ声は頭から離れず、思い浮かべるだけで号泣です。絶対に見て欲しい、日本を代表する作品の一本です。
※今回の画像は小説の表紙。
# by eddy-web | 2020-06-14 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の四/“わたしを離さないで”
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の四/“わたしを離さないで”_e0120614_16115134.jpgわたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の四/“わたしを離さないで”_e0120614_12020252.jpg



今日紹介する作品は、2010年に公開された“わたしを離さないで”。2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏の原作で、公開当時わたしは氏の作品とも知らずこの作品の中に描かれた世界に未来への不安を覚え衝撃を受けた。人間はいったい何を目指し未来に進んで行くのだろうと、深く考えさせられ数日その呪縛から抜け出すことが出来なかった。 “日の名残り”も映画化され観ましたが、二作が共通するのは共に登場人物たちが抱えた空しさが痛いくらいに描かれているところではないでしょうか?他の作品を読んでいないので、生意気なことは言えませんが氏の独特な世界観みたいなものを感じざるをえません。
さて、“わたしを離さないで”は10年前小劇場で鑑賞し見終わった後の、喪失感が忘れられないでいる。感動よりも衝撃といった表現があっているこころに刻まれた作品である。人間であることが嫌になってしまうくらい、大きなショックを受けました。
物語はイギリスのとある全寮制の寄宿学校が舞台。そこは下界から隔絶され、毎週のように健康診断が行われる多くの生徒たちが厳しい監視下の中くらしている。冒頭からなんか妙な違和感を感じるはじまりである。そこで暮らす三人の生徒(ひとりの男性と二人の女性)が、主人公で進んで行く物語は、青春映画さながら恋愛感情のつばぜり合いなどが絡むも、途中から予想だにしない展開へと変わっていく。三人と共に生活している仲間のひとりが、街に出かけたとき友人とまったく同じ顔をした人を見たという噂話が拡がる。そのあたりから物語は急展開し、とんでもない結末へと続いていく。近未来に起こるであろう(もしかしてもう現実かも?)感覚が見事に写し出され恐くなります。主人公たちの身に起こる現実に、胸が締め付けられ震えてしまう。神への冒涜とも言える所行に、人間の愚かさを思い知らされ打ちのめされる。いままでもこれからもきっと、こんな感覚を何度も感じる事だろう。そして考えさせられ悩み、それでも前に進んで行く現実。一寸でも無駄に過ごしては罰が当ります。そんなことを感じざるを得ない、こころに刻まれた一本です。
P.S. 主人公トミーをアンドリュー・ガーフィールドが演じ、宿命に絶望する繊細な感情を見事演じている。夜道に立ち慟哭を発し泣き叫ぶトミーの姿は、忘れることの出来ないワンシーンとなってしまった。彼はこの作品で数多くの賞に輝き、ハリウッドを代表する俳優となりました。二代目スパイダーマンが有名ですが、確かな演技力はどんな作品でも高く評価されています。ヒロインに話しを移しますが、物語の語り部、キャシー役のキャリー・マリガンもライバル、ルース役のキーラ・ナイトレイもそれぞれの役を見事に演じ、人生の儚さを表現し印象に残りました。キャリー・マリガンは“華麗なるギャッビー(リメイク版)”のデイジーという役で出ていましたが、とても身勝手な女を演じていてそのギャップに驚かされました。少々垂れ目な彼女ですが、とても魅力溢れる女優さんです。
最後にひとこと、「こんな過酷な人生(生まれたときから人生が決められている)、あなたは耐えられますか?」
※よもやまシネマ71/2011.4.11に掲載。


# by eddy-web | 2020-06-11 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の参/“おもいでの夏”
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の参/“おもいでの夏”_e0120614_16115134.jpgわたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の参/“おもいでの夏”_e0120614_14424351.jpg



いままでどれくらいの数の映画を観たのだろう?劇場で観たものはパンフを数えれば解る事なのだが、もはやそんなことは意味を持たない。全部を覚えている訳も無く、こころに刻まれている作品は意外と少ないもの。その時は感動しても、時間と共に記憶から消えていくものも多い。こころに残る作品は、観た時の年齢や感性が大きく左右する。適正年齢にピタッとはまると、言いようのない感動を覚えるのは確かなこと・・・。
そんなことで、今回選んだ作品は49年前に観た“おもいでの夏”(Summer of ’42)。映画作品にとって重要な役割を担っているのが、作品のテーマ曲(映画音楽)。もちろん作品が良質であることがまず第一なのだが・・・。不思議なことに名作と呼ばれる作品には、必ずと言っていいほど印象に強く残る映画音楽がついている。この2つはもはや一体として存在するもので、切っても切れない関係である。”おもいでの夏“の何とも言えない哀愁を帯びた曲は、物語にそっと寄り添いとても強い印象を残す傑作である。物語は1942年の夏、ニューイングランドのとある島でおきる思春期の少年のひと夏の経験を描いた作品になっている。観た当時、わたし17歳。まさに主人公と同世代の真っ只中。自分の思いと主人公(ハーミー)の感情が重なり、まるで自身の身の上におきているかのような錯覚さえ覚え、締め付けられるような胸の苦しさを味わったことが思い出される。大人への憧れや不安、自身の非力さに打ちのめされる思春期は切ないものである。甘酸っぱい経験は、戦争という現実を突きつけられ儚い別れへと続いて行く。とてもシンプルな話はナイーブな感情を、美しい避暑地の景色と音楽で演出され、忘れられない一作となりわたしの中に残った。歳を重ね改めて観ても、忘れかけていた感覚がきっと蘇るに違いない作品は紛れもない秀作です。ぜひ、ご覧あれ!
P.S. 主人公ハーミーを演じたゲーリー・グライムスの何とも言えない頼りなさと繊細さが、胸を締め付けます。ヒロインのドロシーを演じたジェニファー・オニールは息を飲むほど美しく、当時メロメロになった自分が懐かしい限りです。きっとドロシーその人に、恋をしていたのかも知れません。2年後、続編が同じキャストで創られましたが、第一作を超える事はありませんでした。時はあのときに止まったままで、2020年をむかえています。
ミッシェル・ルグランの曲はその年(第44回)アカデミー賞を受賞。映画史に残る名作となり、いまも多くのファンを虜にしています。
※おまけの話/主演の二人はこの作品で有名になりましたが、その後余り多くの作品には出ていません。それでも印象に残る演技力は本物で、ゲーリーが翌年に出演した“男の出発”という西部劇は一件の価値ありです。また、ジェニファーもビスコンティの遺作となった“イノセント(1976年)”に出演していて、美しさはそのまま存在感溢れる演技を披露しております。


# by eddy-web | 2020-06-09 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の弐/“おみおくりの作法”
わたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の弐/“おみおくりの作法”_e0120614_16115134.jpgわたしの中の大好きな映画(BESTチョイス)。其の弐/“おみおくりの作法”_e0120614_16122680.jpg



5月22日以来の投稿です。コロナ禍による自粛生活の中はじめた、いままで観た映画の中から選ぶMy Best作品の紹介ブログ記事。壱作目はすんなりでたのですが、弐作目のチョイスが難しく苦労をしました。甲乙つけがたい作品が次々に思い浮かび、とても順番などつけられないと閑念。そこで出た結論が、近年観た作品でもっとも心に染みた作品を選んで観ました。
その作品名は、2015年公開のイギリス・イタリア合作の“おみおくりの作法”というドラマ映画。よもやまシネマ184にて、一度記事をアップしています。もう5年も前になるのかと、時の流れの早さを感じます。この作品は現代が抱える社会問題をテーマにしているのだが、決して表には出てこないであろう、小さな小さな、それでいて一番身近にあると思える話である。そして時代の流れに取り残され忘れられたひとたちにスポットを当て、命の尊厳について考えさせられる。
物語はロンドン市の地区民生係として働く44歳のジョン・メイという独身男の物語。とても地味で、無くてはならない仕事でありながら、評価もされない行政の裏方作業。その仕事とは孤独死した人物の葬儀を行うもの。なかなかこのような設定の人物に焦点を当てた作品はない気がします。几帳面な性格のジョンが1人1人丁寧に「おみおくり」し埋葬の処理をする。そんな仕事をもくもくとこなす彼を、上司は疎んじ厄介者扱いすらしている。このあたりは役所仕事(行政)への皮肉が込められているような演出です。そんな毎日に突然、人員整理の話しが持ち上がり、ジョンは解雇されることに・・・。
そして最後となる仕事が向かいの家で孤独死を遂げたビリーという男の案件。近くで暮らしていながら一度も言葉を交したことのない男。そんな一人暮らし男の死が、自身と重なりショックを受け、その男の人生を追いはじめる・・・。
主人公ジョン・メイを演じたエディ・マーサンがはじめて主役を演じた作品である。とても個性的な顔立ちだが、瞳の奧の温かい光はこの役にピッタリ。役のオファーが来た時、脚本を読み「計算されたアイデアや小手先で書かれた脚本でなく、真面目で誠実でとてもユニークな話し」とぜひ演じたいと思ったと、後にインタビューで答えています。この役はそんな彼の人柄が巡り合わせてくれた贈り物だったに違いありません。絶対にお勧めの一本です。
P.S. 似て否なりだが、邦画の「おくりびと」に重なるものがあります。こちらは日本に伝わる知られざる伝統をテーマにした作品でしたが、+α的要素(社会問題)を加味した作品が、「おみおくりの作法」ではないでしょうか?作品はウベルト・パゾリーニが製作・監督・脚本を手がけ、2013年「第70回ヴェネツィア国際映画祭で監督賞を含む4賞を受賞しています。エディ・マーサン素晴らしい演技です。俳優としては脇役(色々出てます)が専門の彼ですが、この作品はまさに彼のために用意された作品です。ラストシーンがたまりません。



# by eddy-web | 2020-06-04 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)


S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
最新の記事
カテゴリ
以前の記事
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 06月
2007年 05月
フォロー中のブログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


logobr.gif