よもやまシネマ380 “午前十時の映画祭8/バグダット・カフェ ”
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2018.2.21

映画史に残る傑作と思う作品、”グダット・カフェ ”のディレクターズカット版を鑑賞。何度観ても素敵な作品である。どこをとってもわたし好みの大好き映画のひとつで、死ぬまでに一度は観て欲しい作品。
公開当時に観た印象は、今までに観たことのない独特な雰囲気を醸し出す不思議な世界観を感じたわたし。そして何より耳に残る主題歌の「コーリング・ユー」のジュペッタ・スティールの歌声。もの悲しくも艶やかなその声は、そっと物語を包み込み印象を高めています。映画音楽で有名な曲は多いが、この曲も間違いなく心に残る一曲になりました。
ドイツ映画だが、舞台はアメリカラスヴェガス近くの郊外の寂れたカフェ。この設定にアメリカには不似合いなドイツ人女となれば、もうすでにお伽噺の予感がする。見終わると、期待を裏切らない傑作でとても気持ちが癒やされる。映像も実に美しく、雄大なアメリカ大陸の風景にふれ一度は行ってみたくなるような気持ちにさえなる。乾いた空気感と艶のある歌声による、演出効果の見事さは圧巻。
物語はドイツからアメリカに観光でやってきた女ジャスミン(本当はヤスミン)が、見知らぬ土地にひとり投げ出され(夫婦喧嘩により)偶然見つけた一軒のカフェ。そこで暮らす人々との交流を通し「幸せとは・・・」を紡いでくれる。砂漠のど真ん中に放り出され、ハイウェイを大きなスーツケースを引きずりながら歩く太ったドイツ人女の姿はかなりインパクトがある。顔立ちもコテコテのドイツ人で失礼だが、メイクのせいもありちょっと怖い。額に汗してやっとたどり着いたハイウェイ沿いのカフェ兼モーテル(&ガソリンスタンド)、その名も“バグダットカフェ”。実にお洒落な名の店だが、客などほとんどこない。店の前で椅子に座り涙を流している女主人ブレンダの前に現れた、異邦人ジャスミン。この出会いから物語ははじまり、最後までグイグイと引き込まれて行く。冒頭ちょっと怖い顔と表現したジャスミンだが、ラスト近くになるとまるで女神のように思えてしまうくらい可愛いと感じてしまう。まさにマジック。映画の中でもマジックの場面が出てくるが、彼女自身がマジックである。絶対に観なくては損をする作品である。彼女が乾いた砂漠に舞い降りた天使で、カフェがそこに暮らす人々のオアシスになる瞬間を是非観てはいかがでしょうか?
ジャスミンを演じたマリアンネ・ゼーゲブレヒトの存在感は凄いのひとこと。ドイツでの活躍は知りませんが、この映画で彼女は間違いなく映画史に残る女優さんになりました。現在70歳を超えたようですが、もっと沢山映画で観てみたいひとりです。そして対するブレンダを演じたCCH・パウンダーの演技もマリアンネに負けない素晴らしいものでした。二人の掛け合いがこの物語を創るあげたと言っても過言ではありません。ラストは涙がジンワリとほほを濡らし、とても幸せな気持ちになります。
P.S. ジャスミンに淡い恋心を抱くカウボーイ風の老いた男を演じた、ジャック・パランス。名作“シェーン”の殺し屋役をした名優が輝いています。とてもピュアな男を演じ、こんな年寄りになれたら良いなと思ったわたし。すでに年寄りの域には入っていますが、まだ修行が足りません。頑張ってジャックを目指します。
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# by eddy-web | 2018-02-23 16:46 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ379 “スリー・ビルボード ”
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2018.2.13

今年度のアカデミー賞候補筆頭の作品“スリー・ビルボード ”を鑑賞。間違いなしの傑作です。アカデミー賞候補に上がっている作品は、まだ公開前の作品が多く鑑賞に至っていない。なので賞を獲るのかは定かではありません。ですが観た感想を素直に言えば、久しぶりに胸にくる作品でした。何よりも出演者の演技が素晴らしく、だれひとり掛けても成立しないであろう表現力の高さを感じざるをえません。
物語はアメリカ中西部の小さな町エビング(架空)の日常を舞台にしている。きっと普通なら何事も無く穏やかで、静かな生活が平々凡々と繰り返されるそんな場所に違いない。ただそれは閉鎖的な環境の中、波風を恐れた人々が息をひそめ我慢している証でもある。アメリカのミズーリ州が背景のこの映画ですが、人権問題や差別がいまだに多く絶対に行っては行けない、生きたくない土地だと聞きます。先日観た“デトロイト”同様に人種差別は露骨に横行し、その中みな息を殺し生きているようだ。
作品は冒頭のシーンから朽ち果てたビルボードが映し出され、うっすらと霧の中に浮かぶ。BGMの曲(アイルランド民謡)がやさしく静かに流れ、何やら不穏な雰囲気を醸し出し一気に画面に吸込まれる見事の演出である。3枚のビルボードに込められたメッセージが町に波紋を拡げ物語ははじまる。人間とは何と愚かな生きものなのかと、つくづく考えさせられる。悪い人間もいないかわり、良いと言える人間もあまり見当たらない。みな生きることに精一杯で、もがき苦しみながら虚勢をはり何とか精神のバランスを保とうとしています。これはまさに人間の本来の姿なのかも知れません。誰が悪い訳でもないのに、つい感情をむき出しにしてしまう人間のこころのあさはかさが物語ひっぱり、ラストへと繋がれる。結末は描かれていないが、考えさせられる余韻を残し幕は閉じます。ダメな人間ばかりなのに、なぜか愛しいのは何故だろう・・・。きっと私たちも同じようにひとを傷つけ、そして悩みもがき苦しみながら生きているからに違いない。人間の内面にこれほど深く切り込んだ作品は久しぶりである。小さな田舎町を舞台にしたところが、逆に印象を深め人の関わりの大切さが見事に謳われている。監督の研ぎすまされた見事な演出力に、圧倒されます。汚い言葉が飛び交い、むき出しの感情のぶつかりあいに思わず苦笑してしまうことすらある。ここまで本音をぶつけあうことなど、私たちの生活ではあり得ないこと。それだけに羨ましさ半分、怖さ半分の極限状態を体験させられる。
監督はマーティン・マクドナーという人物で、監督・脚本・製作の全てを手がけた今作。もとは舞台の脚本からのスタートと聞き、今作は珍しいダークな作品と言われているらしい。本人は哀しい作品と呼んでいるらしい・・・。確かに見終わると儚い哀しみが込み上げてくるのは間違いない。はじめて監督の作品に触れましたが、わたしの中の扉はしっかりと開きつぎをお強請りしています。
冒頭俳優人が素晴らしいと言いました。観れば納得の演技力で、どの役の俳優さんも存在感が半端ありません。主人公の母親ミルドレッドを演じたフランシス・マクドーマンドの鬼気迫る迫力に終始圧倒されますが、それゆえ時に見せる寂しさ哀しさはグサッと胸に突き刺さります。ビルボードの前でひとり花を植えている、彼女の前に現れた子鹿に話しかけるシーンはたまりません。これまでも高い評価を受けているひとだが、わたしははじめて・・・。こんなに凄い俳優さんがいるのだと、勉強不足に猛反省。正直美人とは言いがたいがとてもチャーミングな女性ではないでしょうか?ちょっと怖いですが・・・。敵対する警察所長のウィロビーを演じたウディ・ハレルソン、そしてその部下の危ない警官ディクソンを演じたサム・ロックウェル、この二人の俳優さんも甲乙つけがたい記憶に焼き付く演技でした。3人はアカデミー賞の女優賞と助演男優賞にノミネートされています。観れば納得ですので、ぜひ3人の演技を堪能してみてはいかがでしょうか?
P.S. 劇中で使われたミルドレッドへの言葉(バカ夫の恋人が発した)、「怒りは怒りを来す」はこの作品のコンセプトと言っていい言葉。強くこころに残りました。
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# by eddy-web | 2018-02-14 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ378 “THE DARK TOWER ”
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2018.2.05

モダン・ホラーの開拓者と称される、人気作家スティーブン・キングのライフワークとされる同名小説の映画化である。作品の名は
“ダーク・タワー”。つい最近“IT-イット”を観たばかりだが、この人の作品は本当にワクワクドキドキさせてくれ、まずはずれることがない。彼の才能は他の作家には感じられない、日常の中に潜む不思議な感覚を抽出する類いまれなるセンスにある。ホラー作品も他とは違う、非現実世界の中で描かれ気がつけば夢見心地の中・・・。また、ホラー作家とは思えない「ショーシャンクの空に」や「スタンド・バイ・ミー」のような感動作も執筆するまさに天才。彼の作品はほとんどと言っていいくらい映画化されヒットする。その中身がいいからに他ならないのだが、そう思うととそれらを映像化する側にはそうとうなプレッシャーがあるに違いない。わたしが観た作品群の中にも良いものばかりでなく?っと思う作品はあった。どうしてもスティーブン・キングの名が、期待を大きくしてしまうのはしょうがないことだろう。
さて、“ダーク・タワー”の感想です。原作は長編ですでに第7巻まで出版されているもので、世界幻想文学大賞を授賞した大作。その内容は彼のどの作品とも類似しない壮大かつスリリングな旅が描かれている。特にシリーズとしては描かれておらず、一話分冊形式で書かれているようである。個別に読んでも楽しめるということ。映画は全体の一部をピックアップし脚本が創られたようですが、やはりその世界感は流石と言わざるをえない。毎夜得体の知れない夢にうなされる少年の体験からはじまり、あっと言う間に物語の中に引きずり込まれてしまう。設定も実に奇想天外で宇宙と現実世界との間に存在する「中間世界」での善と悪の闘いが描かれている。その舞台が西部開拓時代を彷彿させる設定なのも意外な感じで、武器も拳銃というアナログな表現である。そこらへんが逆に新鮮なのも面白いところである。中間世界に立つダークタワー(世界の平和を保つ塔)を破棄しようと企む悪の権化「黒衣の男」とタワーを守る最期の守護者「孤高の拳銃使い」とその仲間の壮大な闘いが軸になっている。黒衣の男ウォルターは魔術を操り、対抗するローランド(ガンスリンガーと呼ばれる守護神)は、目にも留まらぬ拳銃さばきで弾丸を撃ち敵を倒す。荒唐無稽な世界なのだが、観ているうちにすっかりはまってしまうのは何故でしょう?よくこんな発想が生まれてくるなと、キングの才能にまたまた驚かされる。彼の創造力には限界など無いのかもしれません。ちょと聞きかじった話だが、彼は実生活で大事故に遭い生死の境を彷徨った経験があるらしい。そんな体験が彼のような、天才を生んだのかもしれない。
監督がスウェーデン版映画“ミレニアムドラゴン・タトゥーの女”を撮ったニコライ・アーセル。知らずに観て、なるほどと思わせてくれました。ガンスリンガーを演じたイドリス・エルバは“マイティー・ソー”のヘイムダル役でお馴染みの俳優さんですが、今回はメインでしっかりと存在感を出しカッコいいです。敵の黒衣の男ウォルターを演じたマシュー・マコノヒーに関しては言うことはありません。何をやっても絵になる男ではないでしょうか?鍵を握る不思議な力を持つ少年ジェイク役のトム・テイラーも二人に負けない演技で、次回作がとっても楽しみです。新たなキングの世界に、みなさんも一歩足を踏み入れてみませんか?きっと癖になると思います。
P.S. 中間世界に足を踏み入れたジェイクが観た屋敷の残骸。その壁に描かれた「ペニー・ワイズ」の文字には、ちょっとほくそ笑んでしまいました。まさにサプライズの演出で、思わず「キング万歳!!」とこころの中で叫んだ瞬間でした。

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# by eddy-web | 2018-02-06 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ377 “デトロイト”
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2018.1.31

いきなり関係ない話ですが、今回の映画鑑賞のチケットですが見知らぬご夫人から頂きました。実は先日“午前十時の映画祭”に来た時、チケット売り場で財布を出していたら後ろから「このチケット余っているので、よかったらどうぞ!」って声をかけられました。ちょっとビックリはしましたが、「いいんですか?」といいありがたく頂戴をしました。その日はとてもハッピーな気分でいちにちを過ごしたわたし。せっかく頂いたものなので、その日は大事に持ち帰り今日“デトロイト”の鑑賞に使わせて頂いた次第。想いも知らない出来事でしたが、映画ファンへのご褒美と勝手に喜んでおります。頂いた方へ感謝をこめ「この場をかり、ありがとうございました」と言わせて頂きます。
さて、“デトロイト”ですが公開前から気になっていた作品。なぜ、興味を引かれたかと言うと物語が1967年に起きたデトロイト暴動の最中に発生した「アルジェ・モーテル事件」の実話が題材だと言うこと。人種差別がまだ色濃く残る時代の警察官のよる、無抵抗の黒人殺害事件がベースになっています。更に監督が、史上初の女性アカデミー監督賞受賞者キャスリン・ビグローであること。“ハート・ロッカー”での監督賞受賞だが、わたしは“その後に公開さてた“ゼロ・ダーク・サーティ”で大ファンになった。女性目線でとらえた作品は、やはり実話の「ウサーマ・ビン・ラーディン殺害」に挑む特殊部隊の物語で秘密裏に行われた作戦の舞台裏が描かれ緊張感溢れる作品でした。正直こんなハードな内容の作品を女性が監督したなどと、当時はにわかに信じがたいものがありました。でも、今作を観れば彼女の実力は間違いなく本物と納得。ここのところ実話ベースの作品が多いが、リアリティを追求する姿勢にはとても共感するものがある。いま、「アメリカン・ファースト」を叫ぶかなり危ない大統領の出現に、迷えるアメリカが抱える深い問題が浮き彫りにされているようにさえ感じる。この作品で再び浮かび上がらせ一石を投じているように思えるタイミングの公開である。
世界中で大きく平和を訴える時代になっても、未だ無くなることのない人種に対する偏見と差別の根深さが、鬼気迫る緊張の中描き出される今作。言いようのない怒りが込み上げて、思わず大声で叫びたくなる衝動に駆られる。どうして人間は、こんな過ちを犯すのだろうとつくづく考えさせられる。事件の被害にあった人たちのこころの傷は、一生消えること無く続くと思うとやるせない気持でいっぱいになる。本当に平和と呼べる日は来るのでしょうか?人間が愚かな生きものである限り、きっとまた同じようなことが起きるだろうと残念だが思ってします。決して簡単なことではないが、少なくとも相手を思いやる気持を忘れない、そんなひとでありたいと自身に言い聞かせる作品との出会いになりました。
作品のすべてが事実かは解らないが、キャスリン・ビグロー監督の描いた“ハート・ロッカー”や“ゼロ・ダーク・サーティ”、そして“デトロイト”は忘れては行けない歴史の1ページの裏側を見せている。だからこそ観るべきだし、記憶に残してどう生きるべきかを考えるヒントにすべき作品ではないでしょうか?
今作品ではあまり馴染みのない俳優さんが多く出ていて、ひとりジョン・ボイエガ(スターウォーズのフィン)だけが知っている俳優さんでした。地味な存在ではありましたが、しっかりと存在感を伺わせこれからの活躍が楽しみになりました。そして強く印象に残った俳優さんは加害者の警察官クラウスを演じたウィル・ポールターそのひと。もの凄い嫌な奴を身体前身でエネルギーを発散し、近くにいたら殴りたくなるそんな演技で圧倒されました。すでに沢山の賞を獲っているようですが、タダモのではありません。要注目の俳優さんです。もうひとり歌手を夢見る黒人青年ラリーを演じたアルジー・スミスのきめの細かい演技は実に見事で、強く心に響くものがありました。二人に拍手です。
最期にこのような痛ましい事件が再び起こらないことを願うのと、事実を忘れず語り継ぐことの大切さをクリエーターのみなさまにお願いしたいと思います。
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# by eddy-web | 2018-02-05 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ376 “午前十時の映画祭/ギルバートグレイプ”
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2018.1.29

懐かしの名作“ギルバートグレイプ”を観に寒さをこらえ劇場に・・・。1994年の公開時に観たのだが、改めて観て当時とはまた違った印象と感動を覚えました。紛れもない名作です。この作品には、ジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオが共演していてとても初々しい演技が心をうちます。ディカプリオ19歳の頃ですが、すでに二人とも大物になるオーラを感じさせます。実に繊細なこころの動きを見事に表現していて、あらためて二人の凄さを実感しました。ディカプリオはこの作品の演技でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、将来を嘱望される若手俳優として注目をあびました。もちろんジョニー・デップも・・・。デップは最近ややあくの強いキャラが多いので、こういう役をもっとやって欲しいと強く感じました。力のある人なので、個人的意見ですがもっと素のままの繊細なお芝居も沢山観て見たいわたしです。でも、“シザー・ハンズ”は最高です。見た目ジョニーだとは解りませんが・・・。
さて、物語はアメリカアイオワの小さな街に暮らす家族の絆を描いた作品。閉鎖的だが穏やかで、とくに大きな事件などなく日々淡々と生活する人たちがいっていの距離感で暮らす街のお話。主人公の青年ギルバート(デップ)は重度の知的障害を持つ弟アーニー(ディカプリオ)と7年間も家から出たことのない過食症の母、そして二人の姉妹と5人暮らし。生活は楽ではないがなんとか生きて行ける。家族内でときには言い争いもするが肩を寄せ合い静かに暮らしているギルバート。だが悶々とした閉塞感の中暮らすその生活に決して満足している訳でもなく、背負ってしまった運命のようなものを自分なりに受けとめ何とかバランスを保っている。そんな時、旅の途中でトレーラー故障し街にしばらく留まることになったベッキーど知り合う。ひと目観た瞬間に引かれ合う二人は、自然と距離を縮めていく・・・。
田舎町の日常をベースに淡々と暮らす人たちと平和な街が描かれてはいるが、何か刺激になることがあると群がるという危険をはらんでいる。閉鎖的環境であればあるほど、その根は深い。その辺りが考えさせられるテーマとなっていることに、改めて考えさせられる。一生懸命に生きているだけなのに、それが許されない社会。そんなテーマがこの物語の奥底に隠れています。感動的なシーンも多いが、ある意味怖さも感じる物語である。小さな街だからこそ、些細なできごとが大きな話になり生きて行くのに我慢を強いられる。いっぱい泣いて、また考えさせられました。最期は多少救われるが、根本的な解決には至らない。これからどんな生活を彼らを待つのか、とても気になる作品です。
今回改めて観た劇中のセリフで、ギルバートとベッキーが交わす「雄と雌のカマキリの交尾」を観ながらのシーンがなにか意味深で深い。“どう交尾するか知ってる?雄が雌に忍び寄ると、雌は雄の頭を噛みちぎるの。雄は交尾を続けるんだけど、交尾が終わると雌は残りの身体も食べちゃうのよ”さらっと言ってる言葉だが、なにかとても深い意味を感じてしまいます。ちょっと考え過ぎ!!って・・・そうかも知れませんが・・・。
デップもディカプリオも素晴らしい演技で引き込まれますが、まわりの人たちもとても印象に残る演技でした。恋に落ちるベッキーを演じたジュリエット・ルイスがとてもチャーミングです。個性的な面立ちですが、とてもナチュラルな感じで魅力溢れる存在感を出しています。“ケープ・フィアー”ではじめて観た時、いつか出て来る俳優さんと思ったわたし。“ナチュラル・ボーン・キラーズ”ではかなりヤバイ女を演じちょっとビックリさせられました。全然違うキャラですが、自然体といえば自然体。実生活では歌手でもありそれもパンクロックだそうです。納得!!! 余談ですが、ブラピと同棲していた時期もあったようできっと魅力溢れるひとなのだと思います。最近あまり観ないのがとても残念です。
P.S. お母さんボニー役を演じたダーレン・ケイツさんの存在感色んな意味凄かったのですが、あの役を演じる覚悟はハンパないことだったと思います。自責の念に苛まれながらも、母性で包み込む姿は優しさと強さに満ち素晴らしかったです。残念ながら2017年に69歳で生涯を閉じられました。没後ディカプリオは彼女のことを「最高の母親」とメッセージを送っています。合掌。


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# by eddy-web | 2018-01-30 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ375 “マジンガーZ/INFINITY”
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2018.1.22

ポイントが溜まると一本ただになる、ちょっとお得な劇場サービスがある。時折使うのだが、あえてあまり普段選ばない作品に使うことにしている。今回はそのチケットを使い、大雪の中伝説のロボットアニメ “マジンガーZ/INFINITY”劇場版を観に来た。往年の名作は実に45年ぶりの復活。「そ~らにそびえる、黒金の城。スーパーロボット マジンガーZ」のテーマ曲からはじまるオープニングが懐かしい。TVの前で釘付けになって観た世代には、たまらない響きのその曲は今なお胸を熱くする。原作は永井豪氏。画業50周年ということで創られたプロジェクトを率いて、70年代に子どもたちのこころを鷲掴みにし最高視聴率30.4%(スペインでは80%)をたたき出した名作アニメの復活である。間違いなくアニメブームを創った先駆けの永井さんの作風は、リアルとギャグを併せ持った独特のスタイルは今作でも健在。シリアスなストーリー展開の中でも、必ずと言っていいほどギャグを絡めてくる。デビュー当時に大ヒットした作品が“ハレンチ学園”というエロチックギャグ漫画で、漫画内で描かれる「スカートめくり」が当時PTAなどから強い批判を受けた『子どもには見せたくない作品』として社会現象まで引き起こしていたことが思い出される。いろんな意味でその世界観は当時ブームを巻き起こし、時代を席巻したことは間違いない。ちなみに“マジンガーZ”は、アニメが先に創られている。世に名を残す漫画家は多いが、この人も間違いなくそのひとり。
さて、45年ぶりの物語はTVアニメ最終回から5年後という設定で始まる。主人公・兜甲児をはじめ懐かしい往年のキャラが顔を揃え、それだけでも嬉しくなる。まして当時のアニメとは比較にならない、3DCGという最先端技術を駆使した映像はファンにとってはたまらない。Dr.ヘル率いる個性豊かな機械獣たちもカラフルな出で立ちで登場し暴れ回るが、それをバッタバッタとなぎ倒すマジンガーのカッコイイこと・・・。物語はDr.ヘルの人間との共存共栄という提案の展開だが、はたしてそれは???といったところ。劇場に行って確かめてください。大人になった甲児とさやかの関係にも終止符が・・・。その決め台詞が、まさに永井ギャグで会場から笑いがもれていました。
死の直前に父十蔵博士が甲児にマジンガーZを与え、「お前は神にも悪魔にもなれる」と言った言葉がしっかりと受け継がれたコンセプトは、単に娯楽作品だけではないことをファンはしっかりと受け止めた事でしょう。すくなくともわたしは受け止めました。
P.S. 水木一郎のオープニング曲はもちろん感動ものですが、今作で使われた吉川晃司のエンディングテーマが実に良かったです。俳優としての活躍が著しい彼ですが、今回自ら書き下ろした「The Last Lerter」をひっ下げミュージシャンとして戻ってきました。彼自身“マジンガーZ”をリアルタイムで観ていた大ファンだという。その想いが哀愁を帯びた名曲となって映画をよりもり立てています。※永井さんの作品で一番好きな作品は“デビルマン”で、こちらもぜひ劇場版を観て見たいとひとり願うわたしです。


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# by eddy-web | 2018-01-24 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ374 “花筐”
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2018.1.16

いま、日本人監督の中で一番好きな監督と言えば大林宣彦さん。映画界には名匠、巨匠と呼ばれたひとは多い。作品の質や内容が高いからこそ、そこにひとは集まり高い支持を得、時代に名を残すひととなる。もちろんわたしも多くの素晴らしい作品に触れ感動をもらい、好きな作品(好きな監督)は多い。だが、ひととして好きな監督って言うのはこの人をおいていない。いつでも暖か~い気持ちにしてくれるこころの薬を、上手に調合して作品を創ってくれます。人柄が溢れていると言うか、こころに寄り添うような作品でいつも包み込んでくれる大好きな監督さん。その監督が創った作品は、発表と同時に監督がガンにかかり余命3ヶ月と宣告を受けているというショッキングな会見だった。監督がそんな状態の中で創り上げた作品には、どんなメッセージが紡がれているのだろう。
早速最新作“花筐”が公開されている、聖地有楽町に足を運びました。余談ですが映画を見始めロードショウを観に、何百回と足を運んだ街。この街も大きく様変わりし大きなビルが覆い被さるように聳え立っています。映画館の興行形態も変わり単館での公開が少ない現在だが、いまでも歴史をまもり続けているところが数は減ったがある。そのひとつがスバル座。今日はそのスバル座にやって来ました。何十年ぶりかも思い出せないが、昔のまま同じ場所に存在し何だかふるさとに帰ってきたような気分になりました。
さて、“花筐”。大林監督の世界が美しい風景(唐津)をバックに百花繚乱の勢いで冒頭から溢れ出す。その様式は舞台劇を映像にしたかのような演出で、原作の時代を丁寧に描き一場面ごとに深い拘りを感じさせる。監督が長く表現に使ってきた合成技術をふんだんに使い創り上げた、動く日本絵巻といった伝統さえ感じさせる。カットカット1枚に美への拘りが表れ、屏風絵が動いているような気持ちになる。また良き日本語のやさしい言葉のやりとりに、あらためて日本語の美しさを味わうことも・・・。そして絶妙なタイミングで挿入される音と音楽。笛、鼓、チェロ、ハーモニカなどが、主人公たちの感情と重なりより印象を深める。物語は今とは全然ちがう時代背景(大戦へと繋がる頃)の青春群像だが、時代は違えど青春期の悩めるこころを描き出し、いまを生きるわたしたちがいかに幸せかと再認識する。もがき苦しみ、時にあこがれをいだき揺れるこころが絵画のような映像に重ねられ、運命の残酷さに考えさせられる。時代の悲壮感を美しい映像で包み、どんな環境の中でも強く自身と向き合う若者たちの姿が儚くも美しい。原作は檀一雄さんの有名な作品だが、監督がデビュー作“HOUSE”撮る前に書き上げた脚本を、40年越しで映画化した青春群像劇とのこと。監督も生まれる前の時代に創られた檀一雄の短編だが、そこに込められた大林監督の思いとは・・・。
大林ワールドの血は脈々と流れているが、いままでのどの作品とも違う沢山のメッセージが込められていることを強く感じます。監督の作品では良く泣いた。と言うよりは泣かされたといった方が正しい。だが今回の作品は泣けなかった。胸に来る場面は幾度もあるのだが、何故か涙は出てこない。どうしてなのかはわたしにも解らない・・・。
監督が余命宣告を受けてから、1年半かけて創りあげた作品に込められた思いを、ぜひみなさんにもご覧いただきたい。そして監督にはまだまだ映画を通し、忘れがちな「ひとを思う(憶う/想う)優しさ」を描き続け、道標となり引っ張っていただきたいと、こころから願ってやみません。どうかよろしくお願いいたします。
P.S. 作品に参加した俳優のみなさんが、みな素晴らしい演技を見せてくれました、「ありがとう」の言葉を贈ります。
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# by eddy-web | 2018-01-16 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ373 “キングスマン:ゴールデン・サークル”

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2018.1.10


「あけましておめでとうございいます。」2018年の幕開けです。昨年は近年まれなペースで映画鑑賞をしました。楽しい時間を過ごせたことにこころから感謝です。

さて、今年第1作目にチョイスした作品は“キングマスン:ゴールデン・サークル”。前作を観ていないので、わたしには初物。スパイ映画と言えば“007”をまず頭に思い浮かべる。長い歴史を作りいまもなお、その人気は衰えを知らない。そんな名作を生んだイギリスが新たに挑み「スパイ映画の復活」と高い評価を得た前作。興行的にもまずまずの成績を残し「スタイリッシュで破壊的であり、何よりも楽しい」と当時批評されていたようです。その第2弾となれば期待も膨らむ。

鑑賞後の感想ですが、確かにスタイリッシュと言えばそうでした。英国の伝統を匂わす気品溢れるスーツをピシッと決め、小道具への拘りも半端ない演出はこれぞ紳士の証と贅沢な限り・・・。ボンドもそうですが英国秘密情報部員(スパイ)は、どの国とも違う品の良さがある。これこそが伝統に裏付けされた拘りなのでしょうが、わたしなどにはとうてい近づくことのできない世界観があり、観るだけでお腹いっぱい。(ヒガミ半分)そんなバリバリの見た目紳士たちが、実は世界のどこにも属さないスパイ組織で活躍するエージェントとはだれが想像するだろうというのが、原作コミックの物語。組織の場所も表向きは、ロンドンにある紳士服の高級テーラー。まさに贅沢の極みをふんだんに使い、およそ見た目とは違う優男がハチャメチャな武器とアクションで相手を倒す(倒すと言うより壊す)という映画は新感覚のスパイ作品になっています。時間も忘れあっという間の出来事で終了。あくまでも個人的意見ですので聞き流してほしいのですが、わたしの好みとはちょと違うタイプの作品でした。確かにスタイリッシュだし、派手なアクションシーンは破壊的で楽しくも映る。ただなんて言ったらいいのか、乾いていて人肌を感じる事が出来ない。そんなものは必要ないと言えばそれまでなのだが・・・。昔みた007“ゴールド・フィンガー”でボンドガールの女ジルが裏切りの報いで殺されたシーンがある。全身に金粉を塗られての窒息死(皮膚呼吸)という演出の衝撃は、いまでも忘れられない。ショックと同時に美しいその姿がなんとも言えないインパクトで、そのシーンはこころに刻まれた。思うに、こう言う演出をスタイリッシュというのではないでしょうか?わたしが古いのでしょうか?美学への考えはひとにより価値観が違うとは思います。でもわたしの中でのスタイリッシュとは、「ドライではなくクール」。今回の“ゴールデン・サークル”でも殺戮シーンがふんだんに盛り込まれ、息つく暇ないアクションの連続。確かにカッコイイです。でもゲームでもしているような命のやり取りをする感覚は、わたしの中には入ってきません。結構エグイ殺しのシーンも、笑い(ブラック)に変えての演出でしたが、わたしは笑えませんでした。久しぶりに批判的な感想を述べてしまいました。単純に好みではないというだけのことですので、ご理解していただきたく思います。これをきっかけに、前作の観てみようと思います。

P.S. 余談だが007の金粉前身塗りでの窒息死は、都市伝説で皮膚呼吸が出来なくなり死ぬことはないとのこと。この映画の影響はいろんな意味で凄かったようです。実際、撮影は医師を立ち会わせて行われたと逸話が残っています。



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# by eddy-web | 2018-01-12 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ372 “スターウォーズ:最期のジェダイ”
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2017.12.30

2017年の締めに、再び“スターウォーズ”を鑑賞。いまごろの投稿ですが、ひとことだけ書かせて頂きます。今回はI-MAX3Dで2度目の鑑賞だが、やっぱりSF(宇宙もの)は3Dに限る。迫力はむろんだがスケールの大きさに圧倒され、まさに画面の中に引き込まれる。そしてまるで自身がその世界にいるかのような体感が得られる。もうたまりません。再度観て思ったのですが、“スターウォーズ”の凄さは本物。数あるSF作品の中でも特別なオーラを感じざるを得ない。内容、キャラクター、映像美、などどこをとっても最高峰の一級品である。何度も見ると細かい設定や演出、シーンひとつひとつに拘るシンボライズされたカットの数々と、ため息がでるほど美しい。これはもう芸術といっていい代物。製作に関わる人たちが羨ましい限りです。きっと製作スタッフは参加したことを誇りに思っていることでしょう。同じ作品を何度も観ると、細かなディテールが見えて来て深く感動を味わうことが出来る。そしてますます作品が好きになるのです。前作も4週続けて観に行ったことが思い出されます。今回も後何度観るのだろう・・・。
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# by eddy-web | 2018-01-11 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
あけましておめでとうございます。
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新年あけましておめでとうございます。「光陰矢の如し」とは言いますが、年々時の流れが加速し時間の大切さを痛感しております。みなさまに取って今年が、幸せ多き一年になりますよう、心からお祈り申し上げます。
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# by eddy-web | 2018-01-05 15:31 | ごあいさつ | Comments(0)



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