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よもやまシネマ493 “リチャード・ジュエル”
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2020.1.17

たまっていた欲求が一気に爆発したのか、昨日に続いて連日の映画鑑賞。選んだ作品はこれまた話題作“リチャード・ジュエル”。巨匠クリント・イーストウッド89歳が放つ、監督作40本目の記念を飾る問題作。物語は1996年にアトランタで起きた爆破事件をテーマにしたヒューマンドラマである。主人公の警備員リチャード・ジュエルが爆弾を発見し、多くの人名を救ったところから物語ははじまる。イーストウッド監督がもっとも得意とする実話を元にした、物語は静かに幕を開け、多くの人命を救った爆弾第一発見者のヒーローから3日後に一転し、FBI捜査局が容疑者として捜査をはじめる運命の悪戯を描き出す。真実とは何かというテーマを軸に、国家権力の強引とも思われる犯人像の構築とそれをネタに利権を争う報道各社がからむ報道合戦。そしてなんと言っても、その報道に惑わされ真実を見失う一般市民の単純さに恐怖を覚える。イーストウッド監督の見事としか言いようのない、緊張感溢れる演出の巧みさに、あっという間にその場にあたかもいるような感覚になる。一件ヒーロー像にはほど遠い感じの主人公ジュエルとその家族が、現代社会にはびこる報道の危うさに直面し、人生を翻弄される事実が浮き彫りになりひとごととは思えない怖さである。いままでも多くの作品で実話をもとに映画制作をおこなってきたイーストウッド監督渾身の一作は、さすがの仕上がりで決して過剰な表現をせずひたすら淡々とジュエルとその周辺の人たちのこころの動きを繊細に紡ぎ出し感動を呼ぶ。ジュエル役を演じたポール・ウォルター・ハウザーはもちろん素晴らしい演技で主人公の苦悩を繊細に表現し観客のこころに迫る。そして彼の苦境に寄り添い、国家権力の暴挙とマスコミによる姿無き誹謗中傷の嵐に戦いを挑む弁護士ワトソン・ブライアント(サム・ロックエル)の真実への挑戦が胸を熱くする。
彼たち二人の出会いはほんの小さな気遣いから生まれたもの。これを観るとひとはどんなに短い時間でもひとを信じる事ができ、ひとに優しくできる力をもっている事に気づかされる。現代社会でいまもっとも失われている、大切なひとへの尊厳である。
あらためてイーストウッド監督の凄さをまざまざと感じる作品となった今作。衰えを見せない監督のそのエネルギーは、いったいどこから生まれてくるのだろうか?わたしが思うにこの作品にも描かれている「真実」への探究と、「正義」への不動心にあるのでは無いでしょうか?世の中の流れに翻弄されないこころの目を持ち、ぶれないこころの創り上げてきたキャリアに乾杯(完敗)です。この作品は今年度のアカデミー賞候補に名を連ねていますが、そんなことよりも観てほしいと個人的のお勧めする秀作です。ぜひ、劇場に足をお運びください。
P.S. 母親ボビ役を演じたキャシー・ベイツが本当に素晴らしかったです。子を慕う母性が画面から溢れ、涙を誘います。1990年に公開されたスティーブン・キング原作の“ミザリー”の怪演で見事アカデミー主演女優賞を手にした彼女。その卓越した演技力は高い評価を得、多くの作品でその足跡を残しています。あの恐~~ぃ、アニーから30年。どんな役をやっても印象に残る、凄い女優さんのひとりでは無いでしょうか?これかもますますお元気で活躍してくれる事を願います。


# by eddy-web | 2020-01-19 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ492 “パラサイト/半地下の家族”
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2020.1.16

話題の韓国映画“パラサイト/半地下の家族”を観た。すでに第72回カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを授賞し、アカデミー賞にもノミネートされている作品である。韓国作品を鑑賞するのは久しぶりだが、今まで観たどの作品ともちがうなにか特別な感覚を味合わせてくれ最後まで先の読めない迷路へと誘い込まれてしまった。こんな感覚を味わうのはいつ以来だろう?外国の賞レースに名を連ねるのは、当然と言ってもいい、それほどエキサイティングなエンターテーメント作品である事は紛れもない事実である。監督ポン・ジュノの作品を観るのは今回がはじめてのわたし。今作が長編第7作目となるそうだが、すでに発表されている作品も高い評価を得ていて韓国期待の映画監督である。これを基にいままでの作品を、是非観させてもらおうと本気で思っている。色々なメディアでこの作品が紹介されているのですが、監督が自ら観た人へのお願いとして「ネタばれをしないでください。」と言われているので、ここではいっさい内容のことには触れません。自分の目で確かめに、劇場に足を運んでください。絶対に損はしない映画だと思います。「わたし、失敗しないので・・・」とフォローだけさせて頂きます。
中身は話せないが、細かい映像のディテールもしっかりと演出されそれだけでも充分な芸術性を感じとれる構成でした。社会問題とも言われ始めた格差社会にメスを入れたような作品は、サスペンス仕立ての見事な演出でブラックユーモアな会話を調味料にしながら最高級の料理に仕上がっています。感じたことを言葉にすると、はじめは笑って観ていたのだが、途中から笑えなくなり、最後は笑ったら失礼と思えるくらいセツナイ気持ちになりました。場内が明るくなり隣で鑑賞していたご夫人二人のうちのひとりが、「万引き家族」にちょっと似ているかもと言ってました。確かに切ないところは似て遠からじですが、エンタメの観点からすると一歩上かも知れません。これは優れている意味ではなく、創作的な観点から観てのわたしの私見です。比べようもない視点からの創作で“万引き家族”も最高に素晴らしい作品だし大好きです。共通点は時代の流れの中に、取り残されてしまった人々が間違いなく存在しているという事実。つい最近TVのニュースでとある国の生活事情が紹介されていて、総人口の数パーセントの富裕層がその国の10%の資産を上回っているとのこと。あとの民は生きるので精一杯の生活を強いられているという。勝ち組とか負け組とかいう言葉が飛びかう今、みなさんはこの作品を観て、何を感じますか?将来を考えると、ひとごとではすまされない話ではないでしょうか?
P.S. 主人公家族(キム一家)の長ギテクを演じた、ソン・ガンホの圧倒的存在感には流石と思わずにはいられません。いままでも多くの作品で、その素晴らしい演技を見てきましたがまさに韓国の代表ともいう見事な芝居を見せてくらました。2つの(光と闇)家族で構成された舞台だが、そのどちらとも家族を演じた俳優さんたちとも見事で拍手です。中でもギテクの息子ギウを演じたチェ・ウシクが松田龍平似で強く印象に残りました。また塚本晋也監督作品“野火”に出演していた森優作さんにも凄く印象が似ていて、とても親近感を覚えます。美形男子とは言えませんが、きっと将来有望な俳優さんではないでしょうか?余談ですが“野火”も絶対に観て欲しい作品の1本です。

# by eddy-web | 2020-01-17 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ491 “フォードVSフェラーリ“
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2020.1.14

2020年、年明け最初の映画鑑賞。最後に観た作品が“テッドバンディ”で、20日もの間映画を観ない日が続いた。お正月で何かとやる事が多かった事もあるが、観たいと思う作品が無かったと言うのが事実。公開されている作品はほぼ観ていたので、こんな有様になってしまいました。昨年は年間65本の映画鑑賞をし、週一ペースを何とか達成。にもかかわらず、今年のスタートがかなり出遅れてしまい焦っています。今年もよろしくお願いいたします。
さて、年明け初の作品”フォードVSフェラーリ“の感想です。実話がベースということもあり、中々の力作です。タイトルが生々しいので、いわゆる企業抗争を映像化したドラマとかってに思い込んでいました。ところがどっこい!男心に火をつける「夢に向かいひた走る、男二人の友情」が爆音とともにスクリーンに映し出される。カーマニアにとってはたまらない作品に違いないと思うが、車に全然興味の無い人でも100%と満足のいく作品です。わたしはバイク好きですが、車には特別強い思い入れはない。もちろんそんな自分でもフェラーリもフォードも知ってはいるが・・・。そんなレベルの知識しかない自分でしたが、アメリカとイタリアの名門自動車メーカー2社が、ル・マン24時間耐久レースを舞台に繰り拡げるモータースポーツの頂点をめざした争いの裏に秘められた熱い物語に酔いしれました。
主人公はマット・デイモン演じる伝説の元レーサー、キャロル・シェルビーとクリスチャン・ベイル演じる、腕は抜群だが性格に問題がある型破りの問題児レーサー、ケン・マイルズの二人が織りなす1966年のル・マン制覇を舞台に描かれる。当時ル・マンを6連覇中の絶対王者名門フェラーリをアメリカの大企業フォードが買収に失敗したところから、物語がはじまるのだが・・・。観ているうちに何だか今お騒がせの日産とルノーの事が頭に浮かんだ。自動車産業の衰退がはじまり、あれよあれよと企業合併(表向きは)が世界中に起こり、名ばかりの企業になりかねない実情の自動車メーカー。そんな裏事情を垣間見るような感覚がこの作品のベースとなり、よりリアリティを感じさせる。何十年も前から生き残りをかけた、熾烈な争いが繰り広げられていたことを知る良い機会になりました。ただわたし自身はそちら(企業抗争)より、主人公二人がとものに求めた夢の実現への戦いに挑む姿に感動し、大きな波に飲み込まれまいとする熱い思いに胸を打たれました。劇中フォード社の役員から主人公のひとりケンが異端児扱いを受け、「奴は純粋過ぎるところ」が問題だ!と言われる。ここが物語のまさにコンセプトである。公人と個人の差こそあれ、夢を掴むことへの大きな隔たりがこれほど違うことにショックを受けたと言うか現実を思い知らされた。もちろんこれは良い悪いではない。ただわたしは絶対個人の思いを優先するだろう。と言う事は大物にはなれないということです。主人公二人のプライドの輝きは紛れもない真実で、わたしはそれに賛同します。シェルビーとマイルズ、めちゃカッコいい男たちです。さて、みなさんはこの物語をどう受け止めますか・・・。
P.S. マイルズの家を訪ねたラストは泣けますが、劇中で一番印象に残ったシーンをひとつ上げるとすると・・・。それはレースで圧倒的有利にレースを進めていたフェラーリを逆転しゴールを切ったマイルズの勇姿に、レースを観戦していたフェラーリの会長がアイコンタクトで賞賛する。ここは感動です。これこそ純粋の極みでは無いでしょうか?その意味は直に映画を観て確かめてください。
※もうひとつ言いたいことが・・・。マイルズの妻モーリーという女性像が理想的に描かれ、男の夢にこんなに寄り添える女性って、世の中に存在するのでしょうか?という疑問です。演じたカトリーナ・バルブも素敵な女優さんでした。


# by eddy-web | 2020-01-15 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
思い出を噛み締め、もうひとッ風呂と3丁目まで。
思い出を噛み締め、もうひとッ風呂と3丁目まで。_e0120614_11080126.jpg銭湯探訪48
吉野湯(江戸川区西小岩3)
2019.12.27


武蔵湯を後にして、駅に向かい総武線の降下したを歩いたわたし。時刻はまだ夕方の4時をちょっと回ったところ。このまま帰宅の途につこうかと思ってはいたのだが、銭湯恋しいの虫がまだ騒いで後ろ髪を引く。駅前に着くと「えいっ!!」と北口のアーケードを左へ・・・。そう、久しぶりの連湯です。
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駅前を真っ直ぐ進み蔵前通りの信号を渡り、徒歩7分目指したのは本日二軒目の“吉野湯”。お風呂屋の玄関が見えて来ました。来る前に小岩周辺の銭湯は、すでにリサーチしていたので迷う事無く”吉野湯“さんに着いた。煙突は確認出来なかったが、玄関上の伝統的破風造りの見事な彫り物(龍)がまず目に入って来た。銭湯ならでわの演出を観るのもまた江戸の文化を味わう事ができ嬉しいものだ。
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時代の流れに消えて行く街のシンボル銭湯たち。伝統を守ることの難しさはわたしたちがとやかく言える事では無いが、出来る事なら時代を超え長~~く続けてくれる嬉しい。そんなことを思ったのは、ちょっとセンチメンタルな気分になっていたからでしょうか?
早速中へ入ると、どこのお風呂屋さんでも観る常連さんたちの会話。この雰囲気がたまらなく好きです。すでにひとっ風呂浴びてきたわたしは、湯をお風呂を堪能するかのように浴場の中をガン観。外見とは裏腹に、中は意外とモダンで綺麗。湯舟うしろの絵はペンキ絵ではなく、モダンなタイル画。快晴の海に浮かぶオレンジ色のヨットが描かれていた。ちなみに女湯の方はダイナミックに流れ落ちる大きなたきのの絵が描かれているらしい。(許されるなら拝見したいのだが・・・。)もちろんやましい気持ちはこれっぽっちもありません。きっとこの絵も何代かに渡り変化をとげて今があるのだろう。ちょっと熱めの温度設定が心地良い。ゆっくりノンビリ、お湯を楽しむ事40分。苦手な電気風呂は今日はスルーし、じっくりと癒やしの時間を楽しみました。暖簾をくぐる頃にはもう夕闇が・・・。今日も一日が終わって行く。さあ、また明日も頑張って生きましょう。


# by eddy-web | 2020-01-03 00:00 | 銭湯探訪(Love ゆ Tokyo) | Comments(0)
令和の終わりに生まれ育った町を訪ね、そして銭湯へ・・・。
令和の終わりに生まれ育った町を訪ね、そして銭湯へ・・・。_e0120614_11592135.jpg銭湯探訪47
武蔵湯(江戸川区西小岩1)
2019.12.27


令和元年がもうすぐ終わる年の瀬。北風が吹く中、バスと電車を乗り継ぎ前から計画していた銭湯の巡礼に出かけた。そこはわたしが生まれ育った町、小岩。幼少期から18歳まで住んでいた町を訪ねるのは小学校(上一色)の同窓会以来。なぜこの町に巡礼に来たのかというと、その上一色小学校が3月に廃校になったことを知り、いてもたってもいられない気持ちが湧き来てしまったのが答え。懐かしさとは裏腹に、町は変化を遂げまるで迷宮に迷い込んでしまったかのよう・・・。思い出を辿り歩いていると、まだ残っているお店がありそっと微笑んでくれる。大好きだった小学校。秘密基地を作って遊んだ土手。貨物列車を眺めながら遠い街を夢見た鉄橋。隠れんぼをして遊んだ天祖神社。むかしとはちょっぴり違っていたが、わたしには笑い声が聞こえてくる。何もかもが宝物である。長くなるので思い出話はまた別の機会をつくり、あらためて綴ることにしましょう。
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目的の銭湯探訪に話題を変えます。家族で良く通った銭湯はすでに無くなっていたのですが、もう一件知っていたお風呂屋さんを訪ねてみた。小学校にほど近いその銭湯の名は”武蔵湯“。名前は覚えていませんでしたが、場所はすぐに解りたどり着きました。思い出を探しながら町を2時間あまり歩いたわたし。さすがに疲れたというか、ぽっかりと穴が空いたこころ。寂しいこころを暖めてもらおうと暖簾をくぐり中へ。
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玄関脇から見える煙突が妙に堂々としていて、まるで「良く来たな!」って言ってるようにみえる。受付でスタンプをもらうと、おじいちゃんが「頑張ってるねぇ~~っ」とひと言。もう、このひと言で今日一日が報われた気分である。オーソドックスでレトロな銭湯は清潔感に溢れ心地良い。壁のペンキ絵は大好きな「富士山」で、男湯と女湯をまたいで裾野を拡げ迎えてくれる。湯に浸り幼い頃のことを思い出し、懐かしさで溺れてしまいそうになるわたし。湯舟に身を浸し目を閉じると、走馬燈のように思い出が頭を駆け巡る。あ~~ぁ、このまま溶けてしまいたいところだが・・・。
母校が無くなるなんて想像もしていなかった事。これも時代の流れと言ってしまえばそれまでなのかも知れない。なんだかちょっぴり悔しいですね。でもわたしはこの学校で育ったことを生涯忘れません。沢山の思い出と大切な時間を作ってくれた小学校とこの町にこころから「ありがとう」と言わせてもらいます。
P.S. 今年最後のブログ更新です。つたない文章におつき合い頂き、感謝です。2020年がみなさまにとって幸せ多き年になりますよう願っております。


# by eddy-web | 2019-12-31 00:00 | 銭湯探訪(Love ゆ Tokyo) | Comments(0)
よもやまシネマ490 “テッド・バンディ“
よもやまシネマ490 “テッド・バンディ“_e0120614_17082105.jpgよもやまシネマ490 “テッド・バンディ“_e0120614_17083956.jpg




2019.12.26

年末も押し迫り、いよいよ後1週間で令和元年が終わる。残された時間を有意義に使うには、やっぱり映画。そこで今回選んだ作品は”テッド・バンディ“。実在の犯罪者を主人公に描かれた作品は、決して楽しいとは言えないもの。多少の脚色もあるとは思うが、エンドロールで流れた実際に行われた裁判シーンを見る限り、そのまま現実に行われたものと寸分のくるいもない。サスペンスやスリラー的要素が含まれてはいるが、アメリカで起きた実話に基づいた史上最強の連続殺人の物語。ただ見終わるとこれが現実なら、サスペンスなどと言った甘いくくりは飛んでしまう。どのジャンルにも収まらない、そんな匂いを醸し出す不思議な感覚の作品に出会うことになる。
主人公のデッド・バンディは、アメリカのみならず世界を震撼させた凶悪な殺人鬼。死刑確定後に自白した殺人の数は30名を超え、いまでもその数は不明で50名は超えていると司法は確信していたと記録されている。その猟奇的な殺し方はあまりにも残忍かつ巧妙で、いつしか彼をメディアは「シリアル・キラー」と呼ぶようになったが、いまだに謎も多く本当の被害者の数は誰も知らない。
監督はドキュメンタリー出身のジョー・バリンジャー氏でエミー賞を2度獲得する名匠である。その名をはじめて知ったわたしだが、今作を観てそのリアルな演出と巧みな心理描写に翻弄されテッド・バンディが本当に有罪だったのか???と彼を愛した主人公のリズ同様、頭を抱えてしまう。この作品を観て一番強く感じたのは、日本でもはじまっている裁判員制度の有無に考えが及んでしまったこと。人が人を裁くということに対する抵抗感と葛藤が渦巻き、自身判断が恐くなる。もし冤罪っであったら???という気持ちがすこしでもあったら、どれだけ苦しみを抱える事だろう。あるTVで実際に裁判員に選ばれたひとが、その経験の重さを語っていたのを偶然観たことがある。その重さは言葉では表現できないほどと、その人は語っていました。もし自分ならと考えるだけでもこころが重たくなる。まさにそこに自分がいるような気にさえなるのが映画”テッド・バンディ“なのである。観れば考えさせられる事間違いなしの作品になっています。こんな映画もたまには必要なのかも知れません。犯罪史上最悪の殺人者を描いた作品のわりに、おぞましいシーンはほとんど出てきません。そこがこの作品の緻密な計算で、最後の最後まで本当の真実が見えて来ません。リズのこの経験を書いた作品(本)がベースになっている今作は、彼女の抱えた「信じたい」と思う気持ちが観客に乗り移り悩ませる映画です。いっしょに悩むこと、あなたは出来ますか?
P.S. 実在のテッド・バンディはIQ160の頭脳と美しい容姿を兼ね備え、司法を手玉に取るほどの人物。それだけにこの猟奇的殺人とのギャップに、世界は震撼し彼は伝説になりました。
※主人公テッドを演じたザック・エフロンを観たのは”グレーティスト・ショーマン“以来だが、見事のひとことです。そしてヒロイン・リズを演じたリリー・コリンズのリアルな演技も忘れられません。本当に素晴らしい演技でこころを引かれまたまたファンになってしまいました。脇を固めたジョン・マルコビッチの存在感はやはりさすが、そして驚いたのはリズを支える同僚ジェリー役を演じたハーレイ・ジョエル・オスメント(シックス・センス)の変りよう。あの可愛かった・・・もうビックリ仰天のひとこと。それでもやはり演技力はさすがで、観た瞬間!あれ?もしかしてっと気がつきました。ちょっと嬉しかったのは事実です。


# by eddy-web | 2019-12-28 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
冬至の日には、「ゆず湯」って何故?
冬至の日には、「ゆず湯」って何故?_e0120614_10452379.jpg銭湯探訪/番外編5
2019.12.22(日)


久しぶりの投稿です。一年間で昼が最も短く夜が最も長くなる日を「冬至」と呼びます。日本に伝わる風習に冬至の日は「ゆず湯」に入るというのがあるのだが、この習慣は江戸時代に銭湯がはやり、その頃生まれた伝わっている。その意味は、寿命が長く病気にも強い柚の木にならって、ゆず風呂に入り無病息災を祈ると言うのが一般的な言い伝え(諸説いろいろあるが、事実風邪予防の効果が高いのは確か)。
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P1 
いつもの様に馴染みに銭湯に足を運んだわたし。わたしが住む江東区では「冬至」の日、65歳以上は無料でお風呂に入れる。(※区によって違うので、銭湯に行く前にちゃんと調べて出かけましょう?)歳をとるのは決して喜ばしいものではないが、こう言う得することもありまんざら悪くも無い・・・。銭湯の壁に張り紙があり、ゆず湯についての講釈が書いてあった。まずは冬至にお風呂は湯治に架けたもので、ゆず湯は融通が利くという駄洒落。いかにも江戸っ子の好きそうな語呂合わせである。何~~だなんて言うのは野暮。しっかり身体を温め明日への鋭気を養いましょう。日本に残る風習に身を浸すのも、たまには良いもの。みなさんもたまには近くの銭湯へ足を運んではいかがでしょうか?身も心も芯まで暖まりますよ!
冬至の日には、「ゆず湯」って何故?_e0120614_10485437.jpg
P2

P.S. P1/ベランダで育てた柚の樹に、小粒ですが沢山の実がなりました。 P2/鎌倉に住む方からいただいた鬼ゆず。我が家で採れたた実の可愛い事。


# by eddy-web | 2019-12-26 00:00 | 銭湯探訪(Love ゆ Tokyo) | Comments(0)
よもやまシネマ489 ”STAR WARS/スカイウォーカーの夜明け“
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2019.12.20

42年間もの長きに渡り、ファンのこころをときめかせてくれた“スターウォーズ”がついに終わりをむかえる。初めて見たときの興奮をいまでも覚えているわたし。当時ジョージ・ルーカスが撮ったこの作品と、スティーブン・スピルバークが撮った“未知との遭遇”がほぼ同時期に公開され、どちらも異例の対ヒットを飾った。そこで起きたのが"STAR WARS"派と“未知との遭遇”派のどっちが面白い合戦。SFどいうジャンルでくくられてはいるが、全然ちがうテイストの両作品。わたしはどちらも生涯忘れる事の出来ない傑作と理解をしています。今思えば公開当時、ルーカス監督が言っていた言葉が頭に浮かぶ・・・。「わたしが生きている間に、このシリーズの完結は難しい」と・・・。それほど壮大なスケールのシリーズ作品だったのだが、持術の進歩と優秀なスタッフ、そして世界中のファンの願いが実を結び、ついに最終話を迎える年となりました。こんなに嬉しいことは、65年の年を重ね映画ファンを50年続けて来た大きなプレゼントだと感じています。まずは映画関係者の方たちに、感謝と尊敬の言葉「ありがとう、そしてごくろうさま」を贈ります。
さて、作品の感想です。とやかく言う言葉はみつかりません。ただただ感謝!感謝!!です。今回最終話のメガホンをとったJ.J.エイブラムス監督(アルマゲドン)が語っている話にこのシリーズエピソード4~6を観て育ったというのが、時代を物語ります。きっと監督はSTAR WARSファン中でもトビっきりのファンに違いない。きっとそう言う人たちが集まってず~っと、このシリーズを創って来たのだろうと思うと胸が熱くなります。シリーズは時に酷評を貰った作品もありますが、ファンにはそんなことどうでも良い事。ファンはだれよりも“STAR WARS"を愛していることを、互いに知っているのです。こんなにも長く続いて来たのが、何よりの証。作品の内容にはあえて触れません。そんなことしたら罰があたります。みなさんすぐにでも、劇場に足を運んでください。それから朝まで語り明かそうではありませんか?
P.S.  レイとカイロ・レンの対決シーンは予想どおりの格好良さでした。そしてラスト・・・。なんで涙が溢れるのでしょうか?これで終っちゃうのか?という寂しさが涙を誘うのかも知れません。アダム・ドライバー、個性が光る格好良さでした。そして何と言っても忘れられないのが、2016年に60歳という若さで亡くなったキャリー・フィッシャー。往年の名女優デビー・レイノルズを母にもち、レイア姫でその名を有名にした彼女。長い間、本当にお疲れさまでした。あなたの事は、フォースとともに永遠です。合掌。
これはわたしの勝手なお願いですが、“ローグ・ワン”のようなスピン・オフ作品をどうか創って頂けたら幸いです。すでにそう言う話が出て来ているのを、承知で言っています。“ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー”は、シリーズとも違い素晴らしい作品でした。魅力あるキャラが多い作品ですので、その中からチョイスして単独の作品を宜しくお願い致しますm(_ _)m。この後いったい何回、このラスト作品を観に出かけるのでしょうか?わたしのも予測不可能です。「スター・ウォーズは永遠に不滅です!!」みなさんご唱和をお願い致します。


# by eddy-web | 2019-12-22 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ488 ”屍人荘の殺人“
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2019.12.19

ポイントが6点貯まると、映画が1本ただで観られるシネマポイント制度。知っている人も多いはずだが、結構わたしは利用し得した気分を味わっている。そしてこのポイントを使うときの自分なりの拘りがあり、普段あまりチョイスしない作品を選んで観ることにしている。お金を払って観る作品は、自分なりに内容や俳優さんなどを吟味して観る事が第一。ただそればかりだと、作品の選択肢が狭まり片寄った作品選びになり世界が狭くなりがち。それをさけるために、ポイントで観るときはまず好んで観るような作品はさけるというのが流儀。これが以外とはまって、時々思わぬ拾いものをする事がある。そんな時はいつも以上に興奮し得した気分が味わえ一日がハッピーになる。
そんな訳で今回選んだのがミステリー作品の”屍人荘の殺人“。予告編を観て、余裕があったら観てみようと思っていた作品である。
ストーリーはある大学のミステリー愛好会の合宿(ペンション)で1年前に起きた女子部員失踪事件からはじまる、謎解きに挑む自称【ホームズ&ワトソン】の二人組と、そこに絡む美人女子大生探偵の活躍の物語である。主人公のひとり葉村を演じている神木隆之介くんが、若手俳優さんの中では好きなひとりということも選んだ理由のひとつ。原作の今村晶弘氏はデビュー作にして新人作家では前代未聞の国内主要ミステリー賞4冠を達成した話題作。そうなると観ない手は無いと劇場に足を運んだわたし。主役にはその他著しい活躍をしている、明智を演じた中村倫也や比留子を演じた渡辺美波が名(迷)探偵ぶりを発揮している。脇も個性豊かな面々が固め、期待は膨らむばかり・・・。木村ひさし監督やスタッフもミステリー好きのオタクばかりで、TVドラマ「トリック」を手がけた面々が大集合。
さて、その感想ですが・・・。申し訳ありません(^.^)ご(-.-)め(__)ん(-。-)ね(^.^)というのが本音です。原作者の今村氏はコメントで絶賛していましたが、わたしのツボには入って来ませんでした。映画の宣伝キャッチフレーズで「ようこそ、奇想天外の密室ミステリーへ」という言葉の意味が途中からそうゆうことか???と頭の中がぐちゃぐちゃになりました。ネタばらしはしませんが、この乗りに、おじさんは中々追い着いていけませんでした。確かに奇想天外の作品ではありましたが、ミステリーの薫りは正直感じません。物語の軸である奇想天外なテイストを外しても、結構いけるとおもいますが・・・。それでは普通すぎるのでしょうね・・・きっと!決して悪いとは言ってません。わたしが追い着ないだけで、若い人たちには面白いかも知れません。主人公の3人は癖のあるキャラをしっかりと演じていて、楽しそうに見えました。ひとつ収穫だったのは。剣崎比留子役の渡辺美波ちゃんが可愛いだけで無く表情が豊かで将来性を強く感じたこと。次回作が楽しみです。
P.S. 本当のペンション名は「紫湛荘」だが、見終わると”死人荘“という題名の意味が解るというか?何じゃそれ!!っていう落ちです。
※明日、街に待った最終話“STAR WARS"が公開します。すでにこころは飛んでいます。


# by eddy-web | 2019-12-21 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ487 ”午前十時の映画祭/サウンド・オブ・ミュージック“
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2019.12.16

先週に引き続き、往年の名作ミュージカル映画を観に出かけました。この作品を初めて見たのが17歳の時。趣味になった映画のまさにスタートがこの頃で、必ず買っていたのがプログラム。そのすべてに観た日と劇場名を記載してコレクション。当時のそれをひっぱり出してみると、観た日にちが記載されていて昭和45年(1970年)7月14日(火)・スカラ座)。その作品名は“サウンド・オブ・ミュージック”。洋画にはまったのが高校時代。試写会などに応募しむさぼるように映画に溺れていた頃。
この作品は1965年に公開されたのだが、わたしが観た5年前にすでに公開され世界中で大ヒットしリバイバルでの公開。ミュージカル映画に触れたのがこの作品で3本目。(チキ・チキ・バン・バン、マイフェア・レディ)。日本映画にはない華やかさやスケールの大きさに圧倒され、映画ってこんなにも楽しく夢に溢れているんだと思った当時の自分。
あれから何度、この作品を観た事か・・・。はっきりと覚えていないが、何十回にものぼるだろう。何度観てもワクワク、ドキドキさせてくれ、そして胸が温か~くなる。近年ミュージカル映画が復活し、再び名作を世に送り出しファンを楽しませてくれています。その多くの作品を並べてみても、”サウンド・オブ・ミュージカル“は間違いなく最高傑作では無いでしょうか?(個人的意見)。「死ぬまでに1弛度は観たい映画」という本が出ていますが、この作品はまさにその1本。老若男女を問わず、だれが観ても感銘を受ける作品です。幸せな気持ちを取り戻したくなったら、ぜひ観てほしい作品です。
さて、今回何度目かも解らない鑑賞になりましたが、冒頭の高原シーンで流れるアンドリュースのテーマ曲を聴いた瞬間に涙が溢れ出してしまったわたし。単に歳を取っただけなのか、周りを気にする事無く泣いてしまった。もちろん泣けるようなシーンではない。自分でも解らないのだが、スイッチが入ってしまう映画作品が何本かありこの作品はその一本なのです。実話をもとに描かれたブロードウェイ・ミュージカルの映画化。その年のアカデミー賞5部門を受賞し、監督したロバート・ワイズ氏はこの作品で”ウエストサイド物語“に続いての快挙で名を不動のものにしました。ストーリー、音楽、キャスト何をとっても文句のつけようが無い。本当に素晴らしい、こころを豊かにしてくれる作品です。172分と長い作品で途中に休憩時間が入るのだが、最後までまったく飽きる事は無い。観たひとはきっと、大切な人に見せたくなること間違いなし。
映画の内容は述べませんが、この作品が生まれるまでにはいろいろな逸話があるのでそれを紹介します。まず、監督と主演が決まるまでのお話。監督をしたロバート・ワイズ氏は1961年に”ウェストサイド物語“(共作)でオスカー像を手にしたが、この作品のオファーをはじめ断ったと言う。そこには監督としての拘りがあり、ミュージカル映画監督というイメージで染まってしまうことに強い懸念を感じていたという。同じく主演女優のジュリー・アンドリュースもはじめこのオファーを断っていたという。これにも理由があり、まだ公開はされていなかったが”メリー・ポピンズ”をすでに取り終えていたジュリーが、役柄が類似していた事に監督同様迷いがあったらしい。いずれにしろ完成した作品は結果的に世界中で大ヒットし、ふたりは作品と一緒に映画史にその名を刻みました。生意気を言いますが、このふたりで無ければ、この作品は成立しません。主演のジュリー・アンドリュースはこの時まだ無名。舞台ではもちろん経験を積み上げた名優でしたが、映画においては”メリー・ポピンズ“でオスカーを手にし、続けての”サウンド・オブ・ミュージック”でミュージカルの女王の名を手に入れました。たいていのミュージカル作品は、ほとんど歌の部分を吹き替えている。そんな中にあってこの作品では、ジュリーがすべて歌い踊ってそして演じている。伸びのあるその歌声に魅了されたひとは、いったいどれくらいいるだろう。わたしは当時この作品のサウンドトラックを買い、毎日レコードプレーヤーを回していました。ショートカットがこれほど似合う女優さんもそうはいません(ミア・ファローくらい)。主人公マリアを慈愛に満ちた演技で魅了し、映画の中と同じに大好きな先生になります。挿入歌もすべてこころに残る名曲揃いで、今のひと(平成・零和)生まれのひとが観ると「エッ!この曲って?」て、思うものも沢山あります。まさに名曲揃い。この作品も語ると1日では、自分の感じた思いを伝え切れません。やっぱり観ていただくのが一番。ぜひとも、身近にいる大切なひとと連れだって観にいくか、何とかみてください。
話しが長くなりましたが、まだ思いは尽きません。でも今日はここまで・・・。
P.S. トラップ家の子どもたち、みんなとても可愛くて素晴らしい演技を見せています。その中で三女ブリギッタを演じていたのがアンジェラ・カートライト。当時12歳でしたが可愛さは光っていて、その後TVドラマ「宇宙家族ロビンソン」で、次女ペニーを演じブレイク。SFドラマは放映当時子どもたちの心をわしづかみにし、わたしも沢山の夢をもらいました。dドラマのファンでもありましたがカートライトのファンにもなり、ブロマイドを沢山集めた事がいまは懐かしい思い出。現在67歳ということで、わたしとほぼ同級生と知るとなにか親近感を覚えます。ロボットのフライデーが言う台詞「警告!警告!」という言葉がいまも頭に浮かびます。
※画像は昭和45年のパンフ。


# by eddy-web | 2019-12-18 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)


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