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中村みつを個展「山とコーヒー」開催のお知らせ
e0120614_14491003.jpg朝寒の頃、みなさまいかがお過ごしfでしょうか?友人のみつをさんが恒例の個展を開催いたします。二年に一度開く恵比寿での個展は、行く度に普段忘れがちな自然の美しさや雄大さを思い出させてくれます。山をこよなく愛す、みつをさんの温かい絵に触れ、ひととき都会の雑踏から離れてみるのも良いものです。ぜひ、足を運んでみてください。

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中村みつを個展「山とコーヒー」
月がゆらーんと浮かんだ夜。
心地いい夢の旅がはじまった。
会期:11月26日(火)~12月8日(日)(月曜休廊)

12:00~19:00(最終日16:00まで)


GALERIE Malle
 東京都渋谷区恵比寿4-8-3

TEL&FAX:03-5475-5054
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# by eddy-web | 2019-11-11 00:00 | 展・覧・会 | Comments(0)
よもやまシネマ477 “午前十時の映画祭/テルマ&ルイーズ”
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2019.11.07

見逃した作品と言うのは、いったいどれくらいあるだろう。タイミングやらさまざまな事情で公開時に見逃してしまうことが多々ある。残念なことに、そう言うものに限って傑作が多い。映画をスクリーンで観る事はわたしの絶対条件で、どうしようもない映画ファンとしての拘り。昔の作品を含めDVDで鑑賞する事は可能だが、なかなかそれを許さない自分がいる。そんな中、続いている“午前十時の映画祭”はわたしに取っては救いの神。今年で終るという情報を聞いていますが、断固反対です!!これからもズ~~~っと続けてこださい、お願いします。m(_ _)m
そんでもって今日は“テルマ&ルイーズ”を観に錦糸町へやって来ました。1991年に公開されたアメリカ映画で、名匠リドリー・スコットが監督しその年のアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の両方で脚本賞を授賞した作品。「90年代の女性版/アメリカン・ニューシネマ」と称され話題になったと聞く。アメリカン・ニューシネマは60年代後半から70年代半ばにかけて製作された、反対制的な人間の心情を綴った作品を指すもので数々の名作を世に送り出している。俺たちに明日はない」「イージー・ライダー」「真夜中のカーボーイ」「いちご白書」「カッコーの巣の上で」などなど上げたら切りがない。本当に観て損のない、素晴らしい名作ばかりである。
さて、“テルマ&ルイーズ”ですが音楽の使い方などが絶妙で、「イージー・ライダー」や「ファイブ・イージー・ピーセス」「バニシング・ポイント」などが、頭をよぎったのは事実。物語の途中から、ラストシーンがモヤモヤと頭に浮かびはじめ悲惨な終り方にはならないで欲しいとドキドキしていたわたし。蒼い空と乾いた大地が、ふたりの未来を象徴しているかのようで美しい。テキサスの風景と音楽とが相まって強く印象に残る演出がアメリカン・ニューシネマを彷彿させる。ちょっとした間(運)の悪さが、大きく人生を変えることになるテルマとルイーズ。全然違う性格だが、妙に馬が合う。そして、二人とも今の生活に欲求不安を感じている。そんな二人が意を決して逃避行の旅に出る所から物語ははじまる。カントリーの音楽にのリ進んで行くロードムービーは、ある事件を基に二人を呑み込みどんどんと大きくふくれあがっていく。果たして二人の逃避行やいかに・・・。
ルイーズを演じたスーザン・サランドン、テルマを演じたジーナ・デイヴィスが、旅をはじめる前半と終わりを迎える後半では、まるで別人のような表情に変わって行くのが見て取れます。思いもよらない方向へとどんどんと引っ張られ、気がつくとどうしようもないくらい追いつめられている役を見事に演じているふたりが凄い。それでも最期は自分を取り戻したかのようで、ふたりの姿が清々しくカッコイイのである。観て良かったと思う名作に出会いました。二人を追うことになったハル警部を演じたハーヴェイ・カイテルが、いい味を出していてやはり名優です。また、若かりし頃のブラピが重要な役どころで出演しているのも見物です。腹立たしいほどイケメンでした。
この作品は何もかもがカッコいい、観といて損のない映画ですので、ぜひご覧あれ!!
P.S.  ラスト、二人のキスシーンがとても綺麗でした。ちなみにこのラストシーンは、スーザン・サランドンのアドリブだったらしい。これは同性愛を表した訳では無く、同士としての絆を表現したものと語っています。

# by eddy-web | 2019-11-08 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ476 “閉鎖病棟/それぞれの朝”
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2019.11.05

連休開けを狙い、観たかった邦画“閉鎖病棟”を鑑賞に・・・。予告編を観て触発されたのが観たかった理由だが、もう一つ理由がある。それは単純で出演している三人の俳優さんに、とても魅力を感じているため。お笑いの世界のひとが芝居をすると、ビックリすることが多い。鶴瓶さんはいままでも映画作品に出ていて、俳優としても高く評価を受けている。TVなどで全身から人なつっこさ溢れ、だれからも好かれる優しいキャラ。そんな人がひとたび役につくと、まるで想像できない別の人格へと変貌する。そのギャップが観客を驚かせ、そして飲み込まれる。北野たけしと共通する、言い方は悪いが得体の知れない雰囲気が漂い、「善と悪」の両面を表現できるひと。今回も綾野剛、小松菜奈といういま注目の俳優さんを相手に、胸に染みる芝居をしてくれました。先日観た“楽園”で印象に残る演技を見せてくれた綾野剛は、似たような役柄ではあったが流石の演技でこころを打たれました。その二人を相手に負けず劣らずの演技を見せたのが、小松菜奈さん。渾身の演技に胸打たれ、何度も涙を誘われ我慢できずほほを濡らしてしまいました。中島哲也監督の“渇き”で彼女をはじめて観た時の衝撃は半端なく、とんでもない新人が出てきたものだと思ったことがつい昨日のように思える。エキゾチックな雰囲気と個性豊かな美人さんに、いままでに出会った事の無い魅力を感じたのはわたしだけでは無いでしょう?今作でも素晴らしい演技です。
さて、物語ですが訳ありの三人が、長野県のとある精神科病院で巡り会い繋がっていく。ここに入院する人は、さまざまな症状を持ち社会から隔離された人々がひっそりと暮らしている。物語の冒頭でいきなりショッキングなシーンが写りだされ、そんなことってあるの???と戸惑う。題名からある程度想像を膨らませていたが、想定外のスタートにまず困惑したわたし。そしてそこで暮らす秀丸(笑福亭鶴瓶)と、仲良しの塚本中弥ことチュウさん(綾野剛)病院に、ある日新しい入居者・島崎由紀が入ってくる。そしてその病院内で起こるさまざまなことを通し、居場所を無くした人々が繋がりを紡ぎそして自分を取り戻して行く。先ほども言いましたが、初っぱなから驚かされる展開だったが、物語はさらに深く想像を超えた話しになっていました。患者で出演している俳優さんたちの渾身の演技も凄く、この映画にかけるスタッフのみなさんの熱意がひしひしと伝わる作品に仕上がっています。病院内で秀丸の噂話が広がり、それを確かめるかのようにチュウさんに問いかける由紀の言葉に「事情を抱えていない人間なんていないから・・・。」という言葉が胸に優しく染み込んできた。この言葉でどれだけひとが救われる事だろう。この時点でわたしは、この作品の中に自身の身を置いてしまいました。人が生きて行く上でもっとも大切な「ひとに必要とされることの意味」が、たっぷり詰まった秀作です。ぜひ、ご覧あれ!!
P.S. 来週公開予定の白石和彌監督の“ひとよ”をメチャクチャ楽しみにしているわたし。若い頃日本映画からこころが離れた事がある。いまは、観たいと思う作品が次々に登場しその期待に余りある良い作品が一杯である。良い監督良い俳優さんが沢山生まれ、日本映画の未来が明るくなり嬉しいかぎり。日本人にしか描けない繊細な作品がこれからも多く生まれてくれることをこころから願っています。
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※パンフの裏表紙の写真は劇中に出て来る風景ですが、どこにでもあるような景色ですがとても印象に残るカットでした。


# by eddy-web | 2019-11-07 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ475 “IT/THE END”それが見えたら終わり。
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2019.11.01

スティーヴン・キング原作のホラー小説“IT”の完結編が公開になりました。スティーヴン・キングと言えば、世界中にファンを持つホラー小説のカリスマ的作家ですが、名作”スタンド・バイ・ミー“もまた、彼の作品のひとつ。数多くの作品が映画化され、常に話題となりどの作品も賛否が分かれる。わたしは小説も映画も違いはあれど、どちらも大好きである。
さて前作から27年が立ち再び生まれ故郷デリーの街に呼び戻されたルーザース(負け犬)クラブの仲間たち。前作で不気味なピエロ(悪魔)、ペニーワイズとの戦いに勝利したかに見えたが・・・少年たちの27年後の再会から物語は再びはじまる。27年周期で現れると言われている悪魔ペニーワイズが降臨し、再びデリーの街で奇っ怪な事件が続発し始める。デリーの街に一人残ったマイクからの1本の電話で、27年前に誓ったルーザースクラブの仲間が薄れた記憶に引き寄せられるように集まる七人だったはずが・・・。
ここのところ道化師(ピエロ)メイクの作品(ジョーカー)が続き、これでは人の心に癒やしをもたらすキャラがすっかり恐怖のシンボルになってしまいました。何だかちょっと可愛そうな気もしています。きっと絵になり題材にしたいアイテムの代表なのでしょう。
少年期から大人に成長した姿に変り、再びはじまる“IT”。メインの主人公ビル役にジェームズマカヴォイ、ベイリー役にジェシカ・ジャステインという実力派を揃えた最終章に期待は膨らむ。少年期のイメージと繋がらないひともいますが、20年も立てば、けっして無い事でも無い。良くありませんか?久しぶりに同窓会に行ったら、ぜんぜん面影が残っておらず名前が浮かばない友人???ということでここはなんなくクリアです。さて中身ですが(映画)、ビックリする仕掛けは相変わらず多く、心臓にはかなりの負担。だが、ここでひとこと。ちょっとむやみに驚かせようとするシーンが多くは無いか?ホラーと言うより、もはやモンスター作品になっている。個人的には前編の少年時代が好きである。今作は前作と交差させての演出になり、物語同様記憶を呼び起こす展開で観るひとにも優しい創りになっている。だが、テーマの子供たちの中に潜む、弱いこころをもてあそび死へと導くペニー・ワイズの印象がちょっと遠くなる気がした。もちろん少年のこころを失わずに生きているひとと考えればこれも許せるのだが・・・。前作はこどもたちひとりひとりが抱えたこころの闇が繊細に描かれていたので、私的には気持ちとしては前作に軍配である。もちろん今回の最終章も面白い(恐い)が、心理的恐怖心があまりなくダイレクトにビジュアルで演出した表現が多くあまりにグロイ。子どもに見せたら、間違いなく夜トイレに行けなくなるに違いない。後が恐く、正直つれて見に行く気にはなれない。さて、結末はいかに・・・。自分の目で確かめましょう。
P.S. スティーブン・キングの作品はハードルが高い。映像作家の人たちは、それでも作品に挑戦をするのは、それだけ
彼の作品が素晴らしく魅力的だからにほかならない。確かに彼の作品は想像力を掻き立てるには余りある感性の宝庫。一度塡まったら、後戻りが出来なくなるほどの蜜の味。近々あの“シャイニング”の続編が公開される。あの名作に挑んだ次世代の監督の手腕が、試される話題作である。いったいどんな映像美で、わたしたちを驚かせてくれるのか楽しみです。
※今作の中で“シャイニング”のワンシーンが出てきます。キングへのリスペクトなのでしょうか?それとも番宣???


# by eddy-web | 2019-11-02 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ474 “T-34 レジェンド・オブ・ウォー”
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2019.10.31

久しぶりの大当たりが出ました。貯まったポイントを使い観に来た映画、“T-34 レジェンド・オブ・ウォー”。この作品はロシアで制作され、本国で観客動員800万人を記録した今年度No1のメガヒット戦争映画。戦争をテーマにした作品は、制作した国により、その国を賛美するような脚色が世の常。この作品もその色が濃く、第二次大戦下のロシアの戦車T-34とその乗組員たちの活躍を描いたエンターテイメント作品に仕上がっています。ロシアの映画はそれほど多く日本では公開されていない。そんな中公開されたこの作品は、戦車を題材に国を背負っての軍人たちのプライドが火花を散らす娯楽作品となっています。戦争を賛美するような作品は批判も多くあるが、エンターテーメント作品と受け止め鑑賞しましょう。今作は映画史に燦然と輝く名作の“大脱走”を彷彿させる。VFXを駆使したリアルな映像表現に、知らず知らずスクリーンの中へ引きずり込まれてしまう。ストーリーもシンプルで解りやすく、きっと男の子たちは大好きな映画では無いでしょうか?2014年に公開されたブラピ主演の“フューリー”以来の感動で、戦争アクション作品としては◎である。1台のT-34に相対するは、ドイツ軍の戦車(パンター)部隊。こんな設定で創り上げられた戦争(戦車)作品となれば、胸を躍らせない男子はまずいない。現に会場を見回すといかにも戦車大好きといった感じのおじさんたちで溢れていた。想像するに子供の頃、夢中に戦車や戦闘機のプラモデルを夢中に造っていた元少年に違いない・・・。年齢層がこれほど片寄った映画の会場は珍しい。そんな中にいる自分もやっぱりオタクなのでしょう。
物語は雪原でいきなりドイツ軍の戦車に襲われるソ連兵二人の逃亡劇で幕を開ける。戦車から打たれる砲弾を間一髪でかわす迫力あるシーンにいきなり釘付けになる。その一人が今作の主人公ニコライ(アレクサンドル・ペトロフ)で、その後小隊の車長とし抜擢され勝ち目の無いドイツ軍との戦いへと進んでいく。戦車とそれを動かす人間の話だが、見方を変えればヒーローものの戦車バージョンなのである。脈々と流れる血はガンダムなどと変らないもの。久しぶりに文句なく楽しめた映画で、面白いのひとこと。VFXの映像技術も素晴らしく、スローモーションで表現される着弾時の映像は迫力満点。主人公たちのT-34を操るスキルの高さが見事に描かれ、こんな言い方は何だがカッコいい!!一発で2台のパンターを射貫いたり、一番弱点のある戦車の底を狙ったバウンドさせる射撃シーンは圧巻。そして自車に着弾した時に起こる「キィ~~~ン!」という金属音と、乗組員たちのもがき苦しむ姿に経験したことのないリアル感が伝わってくる。こんなに凄い感じなのかと、バーチャルリアリティの世界を味わうことになる。敵のドイツ軍将校との国を超えたプライドのぶつかり合いや部下たちとのワンチームの友情など、理屈抜きで楽しめる作品に仕上がっています。宝くじでも当った気分の大当たり映画です。男たちよ劇場へ!!
P.S. 使われている戦車はすべて本物とのこと。“フューリー”の時も博物館に保存されていた戦車を復元させて創ったと聞き、さすが本物は違うと思ったが再びあのリアル感を味わう事が出来大満足なわたしです。


# by eddy-web | 2019-11-01 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ473 “マレフィセント2”
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2019.10.29

アンジェリーナ・ジョリー主演のディズニー映画、“マレフィセント2”を鑑賞。第一作では悪の化身のイメージを変えた「眠れる森の美女」の魔女マレフィセント。小学校の頃観たアニメでは、オーロラ姫に呪いをかけ本当に恐かったことを思い出す。当時ディズニーアニメの美しさに、観た事のない高いその技術にこころを奪われたことが懐かしい。近年その名作アニメの実写化が多くなり、再びディズニーの凄さに触れる機会が増えました。最近観た“ライオン・キング”や“アラジン”など、CG技術の高さに人類のもつ能力には限界はないのではとあらためて感じたわたし。小学生だった頃の自分は、実写化なんて想像すら出来なかったファンタジーの世界。それが今は実写以上に緻密かつリアルに作り出される映画界。何とも嬉しい限りで、実写化の作品を観た後、昔のアニメを見返すのはたまらないほど嬉しい気分を味わえる。
さて、第二作目の“マレフィセント2”だが、第一作をスケールアップしたファンタジーの世界を見せてくれます。主演のアンジェリーナ・ジョリーも相変わらず妖艶かつ美しい。こんな魔女なら・・・と本気で好きになりそうです。第一作ではマレフィセントが何故悪の化身へと変ってしまったのかが描かれ、人間の身勝手さに腹が立つほど怒りを感じ情けなくなる思いをしました。オーロラ姫との愛に目覚め、平和を取り戻したムーア国とマレフィセントだが、再びそれを脅かす出来事がはじまる今作2。オーロラ姫が隣国の王子フィリップとの結婚へと幸せを掴もうとしたその時・・・。そこに立ちはだかる新たな悪(人間)が、罠をしかけ妖精たちが暮らす魔法の王国ムーアを滅ぼそうと暗躍するのだがはたしてその結末やいかに。
ファンタジーと言えど、しっかりとしたコンセプトに基づき本当の悪とは人間の中に潜む欲望である事を教えてくれえる物語はさすがディズニーである。物語に新しい解釈を加え今作ではマレフィセントのルーツにもせまるダークフェイ(闇の妖精)たちも登場し、物語に厚みが増しさらに展開が面白くなっている。最新テクノロジーを駆使して描かれる映像美にはただただ溜め息が出るばかり。こんな作品づくりに参加出来たら、どんなに幸せだろうと羨ましい限り。ストーリーもさることながら、衣装、プロダクション、メイクなどすべてが素晴らしくまさにアメージングである。

# by eddy-web | 2019-10-30 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ472 “楽園”
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2019.10.22

小雨が降る午後、錦糸町まで“楽園”を観に出かけました。吉田修一原作の映画作品はいままでも多く映画化され、そのどれもが高い評価を受けています。中でも“悪人”“怒り”はわたしのこころにしっかりと刻まれた作品。芥川賞をはじめ多くの賞を獲得しているサスペンス小説の第一人者が放つ犯罪小説集の中から2編(青田Y字路と万屋善次郎)を抽出した今作“楽園”。監督・脚本には“64前・後”の瀬々敬久がメガホンを取った。スペシャリストと言える2人がタッグを組み創り上げた作品には、観る前から期待がMAXの状態です。
そして鑑賞後に残った感覚は、やるせないモヤモヤとしたぶつけようにない重たい感情。その夜はそれらを引きずり眠りにつくことが出来なかったわたし。イライラとした感情が渦巻き、その日一日不愉快な気持ちが続き、だれとも言葉を交したくないと思う自分がいました。こんな気持ちになったのは、そうそうありません。それを消化するために、物語を反芻し思い返して主人公たちの気持ちに近づこうと考えてみました。
物語は青田が広がるある集落でおこった、少女失踪事件から動き始める。浮かび上がる疑心暗鬼の人間模様を紡ぎ出し信じる事の難しさ、信じれない事の哀しさやるせなさが交差し絡み合う。どうして人は部外のものを嫌うのか?世界中に難民が溢れている現在だが、日本の歴史にも昔から根強く残る負の連鎖的差別が浮き彫りになるこの作品。そんな差別意識が招いた、予測不可能な事件へと発展していく展開に胸が締め付けられる。そして、自身の中にある怒りがわき上がる。3人の主人公たちの感情が観ているわたしに乗り移り、どうしようもない思いが行き場を失う。これほど不愉快な気持ちになったのはいつ以来だろう?こんな言い方をすると誤解を招くのでフォローしますが、作品が悪いということでなくどこにでもおきるであろう日常生活の一コマに自分が重なり恐くなるのである。
主人公のを演じた3人(綾野剛・杉咲花・佐藤浩市)が凄い。それぞれに難しい役どころを見事に演じ、観客のこころの中ににグイグイと入ってくる。それぞれに心の傷をかかえながら、懸命に生きる姿は切なく哀しい。その三人が不思議な力に引き寄せられ、予想も付かない方向へと物語は進んで行く。あり得ないようであるようなそんな感覚が纏わり付き、最後まで息苦しさが続きます。この作品はある意味見せてはいけないひともいる気がします。感情移入しすぎるような人には要注意作品。何時もながら佐藤浩市(田中善治郎役)の演技は見事としか言う事が出来ず、いつも毅然とした男を演じてきた彼のイメージがまた一つ変る。もうひとりの主人公・中村豪士を演じた綾野剛。この人は、こう言う繊細な役をやらせると本当にうまい。“怒り”のときの演技はいまでも強い印象で刻まれています。そして二人と関わる唯一の女性・湯川紡を演じた杉咲花。彼女の最後まで希望を捨てない凜とした姿こそ、この作品の唯一の救い“楽園”なのではないでしょうか。彼女の演技もまた二人の名演技に勝るとも劣らない素晴らしいもので、ラスト近くで藤木五郎(柄本明)と交す言葉「解らない!解りたくない!!」は刺さります。彼女が演じた紡という名は、豪士と善治郎という傷ついた二人の心を紡いでいくという、そんな役割なのかも知れません。プログラムの巻頭に「疑う罪。信じる罪。」と書かれた文字が強く印象に刻まれます。まさにこの答えを探すために描かれた作品ではないでしょうか?鑑賞にはかなり体力が必要ですが、気力のあるひとにはぜひ観ていただきたい作品です。
P.S. 仮面ライダー555でデビューした彼だが、こんなに素晴らしい俳優さんになるとは失礼ながら思いもしませんでした。どことなくクールで物静かなイメージですが、バンドを組んだりかなり好奇心の塊で性格もサービス精神満載の熱血漢と聞きます。それを知るとますます彼の凄さが伝わり、ますますファンになります。次回作“閉鎖病棟”“影裏”と話題作が続くようで目が離せません。


# by eddy-web | 2019-10-26 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ471 “午前十時の映画祭/時計じかけのオレンジ”
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2019.10.21

スタンリー・キューブリックの名を知らない映画ファンはまずいない。完璧主義者で知られ、映画製作に対する拘りは類を見ないものだったらしい。それほど多くの作品を世に残してはいないが、そのほとんどが映画史に残るものばかり。中でも有名なのは“2001年宇宙の旅”、そして今回観た“時計じかけのオレンジ”である。2本とも近未来を想像した作品だが、切り口の全く違うその豊かな創造力に圧倒される。プロデューサー主導のハリウッドを嫌い、アメリカを離れイギリスで生涯のキャリアを送り、前二作+“博士の異常な愛情”はSF三部作として世界中の評論家から映画作家として優れた才能を高く評価された。実は今回初めて“時計じかけのオレンジ”を鑑賞したわたし。公開が1971年だから、今から48年前の作品である。当時17歳だったわたしにこの作品が理解できたかは、はっきり言って自信がない。“2001年宇宙の旅”も当時観たが正直夢心地の中、ただひたすらその映像に魅了され唖然とした印象だけが残ったのが事実。年を重ね経験を重ねる事により、自分なりの解釈をするようになり、確実にに凄い作品だと感じるようになった。キューブリック監督の作品はどれもそうだが、根底に普遍的な倫理観のようなものを描いているような気がする。今回観た“時計じかけのオレンジ”は、人間の内に秘めた非人間性を大胆さと繊細さを掛け合わせ、風刺を込めて創られている。R指定の作品だが、きっと当時は18歳未満お断りの映画だったと思う。かなりきわどい性描写や暴力シーンが多い。いまでこそ普通に表現できる時代にはなったが、当時はきっとかなりセンセーショナルだったに違いない。原作も凄いと思うが、48年も昔にこんな作品を創り上げたことに改めて驚愕する。“2001年宇宙の旅”もそうだが、ぜんぜん古さを感じません。むしろ新しい感じさえしました。数多いる名匠の中にあり、ある意味天才かも知れません。劇中で前編のほとんどにクラッシックの曲が流れ、斬新な映像と重ねる事により独特な雰囲気を創り上げています。ともすると目を背けたくなる描写でも、何となく上品なテイストへと変わってしまう監督のセンスが溢れています。そんな中で唯一ミュージカルナンバーの「雨に唄えば」が、絶妙なタイミングで使われています。ここも外せないシーンではないでしょうか?当時のサイケデリックファッション時代が映し出され、現代アートなどが画面から溢れ懐かしさで一杯になりました。キューブリック監督って、遊び心がありヒッチコック同様作品の中に何か(なぞなぞの痕跡)残すのが好きなひと。有名なのは“2001年宇宙の旅”の中に出て来るコンピュータの名称がHALという語源の話。当時最先端を行くコンピュータの開発事業会社と言えばIBM。アルファベットの並びでIの前はH、Bの前がA、Mの前がLと、先を行くコンピュータであることをさりげなく表現したものだと昔、大好きな淀川長治さんが言ってました。今回も見つけちゃいました。主人公のアレックスが今で言うモールを闊歩し立ち寄る音楽店のレコードラックの一番前に「2001年宇宙の旅」のレコジャケ。こんな事に気づくと、なんか得した気分になるのはねぜでしょう???これってわたしだけ???
P.S. アレックスを演じたマルコム・マクダウェルはこの映画で高い評価を得一躍時の人になったと聞く。だが記録を読むと本人はこの役のイメージが強過ぎて、何かにつけアレックスの個性がついて回りへ奇癖として10年もの間作品すら観なかったらしい。いまは作品の凄さを誰よりも理解し、それを誇りにしているとのこと。俳優さんって、ホント大変ですなァ~~~。晩年の作品“シャイニング”“フルメタル・ジャケット”“アイズワイド・シャット”ぜ~~~んぶ観ましたが、やっぱ“2001年宇宙の旅”そして今作“時計じかけのオレンジ”は別格の作品と改めて感じました。是非ご鑑賞を・・・。
# by eddy-web | 2019-10-21 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ470 “蜜蜂と遠雷”
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2019.10.15

2017年に直木賞と本屋大賞をWで受賞した、恩田陸の傑作小説“蜜蜂と遠雷”。累計発行部数は150万部超え、いまなお読者が増え続けている小説の映画化。残念ながらわたしはこの作品を読んでおりません。そんな中、映画を観に・・・。率直な気持ちを言いますが、映画を見終わった瞬間、この小説をすぐ読みたいという衝動に駆られました。それは難しい音(クラシック)の世界観を題材にした小説を、あまりにもにも見事に映像化していていたというのが理由。そしてそこに描かれた音の世界を、いったいどんな風に言葉で表現していたのだろうという興味が強く湧いてきた。4人の主人公がピアノコンクール(クラッシック)で出会い、そしてこころが音で繋がる物語が“蜜蜂と遠雷”である。映画化は不可能とまで言われた物語は、石川慶(監督・脚本・編集)と多くのクリエータースタッフにより、見事に映画として命を吹き込まれました。音楽の中でもクラッシックの世界は、凡人のわたしにはとうてい解らないもの。作品の中で主人公のひとり明石(松坂桃李)が「・・・悔しいけど、俺にも解らないよ・・・あっちの側の世界は」という台詞が印象に残っています。これは自分にも重なるのですが、それ以上の意味を持つ言葉。少なくても明石はそっちの人で、わたしとは比べようがないほど音楽を理解している人間である。天才と呼ばれる人たちは、天が選んだ一握りの者だけ。そんな人たちにしか解らない世界は本当にあるのだろうなぁ~と思うのと同時に、この作品は音を通して結ばれた純粋なこころの優しさが伝わる感動作に仕上がっています。主人公4人の感性がぶつかり合い、そしてハーモニーを醸し出す様は、五感を大いに刺激しこころを揺さぶります。聴くという世界を観せるという世界に変えるのは、相当難しいことに違いない。だから、映像化は不可能と言われていたのだろう。だが今作はそれを見事にやってのけています。抽象的な表現も出てきますが、ある意味挑戦ともとれる表現で、わたしには心地よいものでした。と言う訳で、とても感動した作品のひとつになりました。そこから出たのがはじめに言いました、原点回避で小説(文章)で、いったいどんな風に音を表現しているのだろう?と好奇心に火が付いたという訳です。長い説明になりましたが、間違いなく原作も良いに決まっているでしょうが、自身ではやく確かめたいと思うわたしです。印象に残るシーンは沢山あるのですが、亜夜(松岡茉優)と塵(鈴鹿央士)月明かりの下で連弾をするところで、何故か涙が止めどなく流れ感情を抑えきれませんでした。ピアノの音色に反応したのは間違いのないことですが、とくに泣かせるような場面の演出ではありませんでした。ただ2人の爽やかな(*^o^*)が音に被さり、胸に染みたのは間違いありません。2人にしか解らない糸が結びついた瞬間を感じました。こんな仲間がいたら最高ですね!
P.S. 紅一点の主人公・栄伝亜矢を演じた松岡茉優さん、マジ良いです。憂いを秘めた表情がなんとも言えず素敵です。ここのところ映画に立て続けて出ていますが、いつも心に残る芝居をみせてくれます。近々公開の“ひとよ”も今から楽しみな一本。これからが楽しみな女優さんです。他の3人、松阪桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士(新人)もそれぞれの役を見事に演じ、4人の対比が素晴らしい物語を紡ぎ出したくれました。大拍手です。脇を固めた俳優さんたち(斉藤由貴・鹿賀丈史・片桐はいりなど)も見事でした。本編では英語での台詞のやりとりも多く、洋画でも観ている感じにもなりましたが俳優さんたちの凄さを知る事ができました。
※ピアノの旋律に久しぶりに酔いしれ、ほろ酔い気分になりました。音楽を聴いてはじめて涙した日がふっと頭に浮かびました。マル・ウォルドロン(ジャズピアノ)のレフト・アローンがその曲。40数年前に聴いた時、なぜが溢れ出る涙を止める事が出来ませんでした。いまでも解りませんが、とても静かな気持ちになれたことを覚えています。


# by eddy-web | 2019-10-16 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
これぞ庶民のオアシス。人情味溢れる下町のお風呂屋さん“高砂湯”。
e0120614_14192005.jpg銭湯探訪46/
高砂湯(墨田区菊川)
2019.10.8


都営新宿線「菊川駅」近くにある“高砂湯”さんに伺った。しばらく間が空いてしまった巡礼の銭湯巡り。近隣の銭湯は走破した今、電車やバスを使っての遠征には時間と綿密な情報収集がかかる。せっかく行くのだからできる限り、満足感の得られるそんなお風呂屋さんに巡り会いたいものだ。そんな中、一度調べていた比較的近い“高砂湯”さんに行く事を決めた。この銭湯は三つ目通り沿いにあり、幾つもの銭湯が点在する。この三つ目通り沿いはほぼ走破したが、とても言いお風呂屋さんが揃っている。ちょっと先にある“松ノ湯”さんは、王道の佇まいでとても良い雰囲気でした。
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さて、“高砂湯”さんはマンションの1階にある。玄関前に立つと大きな看板が姿を現す。お風呂の種類(遠赤外線サウナ・ボディマッサージバス・座風呂・冷水風呂・スーパージェット・バイブラなど)が、短冊状に書かれ入る前に期待度が増す演出。玄関を入ると「いらっしゃい!!」と大きな声でご主人が迎えてくれた。(*^o^*)が印象的で、はじめての人には安心するお出迎え。もうこれだけでも充分嬉しいお持てなしである。浴場内は背景画も無くこじんまりとまとまった造り。
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時間帯が早かったので客数は少なく、私的にはラッキー!!しっかりと掃除がゆきとどいた、清潔感溢れる空間はとても居心地がいい。ゆっくりとお風呂を楽しみ、いままでにない満足感を感じたわたし。とくに特徴はないものの、浴場内の至る所に張り紙や表示があり店主さんの心配りが溢れています。例えばラカンのそばに「地球にやさしく。CO₂削減に協力を。シャワーの出しっ放しはやめましょう。」さらに、「お客様へのお願い。入浴中に体調不安を感じる方はお近くの方に、『声』と『手』でお知らせください。」とのメッセージ。さらに「気分が悪くなった人がいたら、笛を吹いてください」と書かれた表示のそばにホイッスルが架かっていた。いままでに感じた事のない、やさしい心遣いが伝わり違った意味で癒やされました。冷水風呂も最高!!そばの表示「冷えてます!」はなお最高!!でした。また来たいと思わせる暖ったかあ~いお風呂屋さんでした。


# by eddy-web | 2019-10-11 00:00 | 銭湯探訪(Love ゆ Tokyo) | Comments(0)


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