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よもやまシネマ635 “ローマの休日 制作70周年 4K(※)レストア版”
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2023.8.30.

不朽の名作“ローマの休日”が公開から70年の時を経て、再び蘇りました。ハリウッドの黄金期に銀幕を輝かせた女優オードリー・ヘップバーンの代表作にして、初主演作品の“ローマの休日”。誰もが知っている名作である。日本ではわたしが生まれた1954年に公開されています。
もう何度観たかを覚えていないくらい観た作品ですが、何度観ても感動するのは何故でしょう。これこそ名作とよばれる由縁なのかを、改めて実感しました。この作品は言うまでも無くオードリーの代表作で、その年のアカデミー主演女優賞に輝き、世界中に彼女の名が知れ渡ったもの。世の中にこんなに美しい女(ひと)が、いるのだろかとはじめて思わせてくれた女優さんがオードリーそのひと。話は飛びますがわたしがはじめて観た洋画が、彼女主演の“マイ・フェアレディ”。6歳上の姉に連れられ銀座で観たのが思い出される。確か中学生だったと記憶しています。日本映画では感じたことの無い不思議な感覚が全身を覆い、訳が解らないほど興奮する、まるで夢のような世界がスクリーンに映し出されていたことはいまでも鮮烈に残っています。ミュージカルも初めてだったし、映画の中に写し出される豪華絢爛な世界は、裕福とは縁遠い家に育ったわたしには夢そのもの。そしてスクリーンに浮かび上がるオードリーの美しさは少年のこころをわしづかみにしました。そこからわたしの映画鑑賞人生ははじまり、いまに至っています。あの時、“マイ・フェアレディ”に出会っていなければ、わたしのオタク(映画)人生は無かったかも知れません。BLOGで何度も好きな女優さんジャクリーン・ビセットのことを書いてきましたが、実は初めてあこがれたのは何を隠そうオードリー・ヘップバーン。当時買い集めた彼女のプロマイド(マルベル堂)は、いまでも大事に保管しています。ジャッキーほどではありませんが・・・。
そう言えばオードリーの作品“いつも二人で”にまだ駆け出しの頃のジャッキーがジャッキーという役で出演していますが、なにか縁を感じます。
さて、本題の“ローマの休日”のお話ですが、小国の王女アン(オードリー・ヘップバーン)がローマ訪問時に、護衛の厳しい館を抜け出し自由を謳歌する数日の出来事。シンプルだが繊細なこころの動きや心情を丁寧に浮かび上がらせ、ローマの美しい街並や庶民の生活に触れ合う冒険の旅を創り上げている。美術や衣装など、オードリーのイメージに合わせた、美しい演出だけでも見応え充分。いまさら何を言おうかなんて考えるのも無駄なほど、ただただ素晴らしい作品だと、こころから感じました。観ないで一生を終えるのは損だと言いたい!!誰が何と言おうと名作中の名作です。何度観ても飽きないし、感動するし、涙します。わたしだけでは無いはず!!オードリーの美しさは唯一無二の存在で、気品に溢れ近寄りがたいほど輝き、オーラが取り巻いています。それでいてキュートでピュアなお姫様は何もかもパーフェクトで男心をくすぐります。美しい女性を例える言葉は沢山あります。華人、麗人、美人などなど・・・。そのどれを持ってしても彼女の美しさを讃える言葉は見つかりません。きっともうこんな女優さんはこの世に生まれてはこないと思います。
原案はダルトン・トランボによるもので、当時共産党に入党していた氏はアメリカを追われていたため、アカデミー賞を獲ったにも関わらずその手にブロンズを手にしたのは40年後の1993年。「1953年アカデミー賞最優秀原案賞」を贈呈された。ひとつひとつの映画作品には、あまり知られていない違った物語が存在するということ。“ローマの休日”にもこんな話があることを知ると、あらためてより作品に対する愛着が募ります。こんなことも踏まえ映画鑑賞に望むと、また違った印象が生まれるかも知れません。“ローマの休日”はオールローマロケ。名所旧跡など映画の中でも紹介されますが、当時この映画を観てローマを訪れた人も多いはず。旧蹟のひとつ「真実の口」のシーンは、本当に素敵でなんだか幸せな気分になります。本当に可愛いシーンです。あげたらキリが無いほど思い出深いシーンがあり、それだけでも一日中話が尽きません。ペック(アメリカの記者ブラッドレー役)と二人で、ローマ中をベスパ(スクーター)に乗り、走るシーンも想い出深い。ラストの女王アン(オードリー)の記者会見シーンは、もう涙が止まりません。何度観ても感動です。悲しみの涙ではない、優しさに満ちたシーンです。まだ観ていない人は損しませんので、ぜひご覧ください。

P.S. 画像は今回購入したパンフの表紙です。見えにくいですが、素晴らしいデザインです。映画のイメージをとらえたデザインは白い紙にエンボス加工で、アン王女のティアラ&ネックレスの文様が浮かびあがる演出。清潔感にとんだ表現は、オードリー・ヘップバーンのイメージを美しく表しています。
上映前にわたしが大尊敬する映画評論家・淀川長治さんの映画紹介映像が流れます。懐かしさと喜びで幸せな気分になりました。コメントは“ローマの休日”への愛に溢れ、たまりません。「また、お会いいましょう。サイナラ、サイナラ」の言葉通り、出来るならまた逢いたいと思う先生です。

※4Kレストア版とは/オリジナルのフィルムをスキャニング後デジタルデータ化し、フィルムの傷、汚れ、ゴミ、フィルムのつなぎ目の痕跡、退職などを1コマずつ修復する作業をレストアと呼ぶ。


# by eddy-web | 2023-08-31 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ634 “MEG・ザ・モンスターズ2”
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2023.8.25.

夏休みも終盤に入り、宿題に追われている子どもたちも少なくないかと思いきや、映画館は家族づれでいっぱい。この時期は毎年のことだが、子ども向けのラインアップでアニメーション中心の展開になっている。そんな中登場したのが、海洋パニックアクション“MEG/ザ・モンスターズ2”。作品は二作目となるもので、キャスティングはほぼ前作と同じ。いまやアクション俳優として知らないひとはいない、ジエィソン・ステイサムによる主人公テイラーと巨大ザメMEG(メガロドン)との死闘を繰り広げるエンタメ作品。
年間を通し映画興行の流れは一定しており、この時期はやはり娯楽作品の山。個人的にはヒューマンドラマや社会派の作品を観たい気持ちが強いのだが、映画界はそれには答えてくれない。贅沢な要望なのかとなかば諦め、劇場に足を運ぶ。週一で映画を楽しむわたしがチョイスした作品が今作“MEG”。通称メグと名づけられた巨大ザメだが、名前ほど可愛くもなく、何でもかんでもお構いなく食い尽くす地球最大の鮫。現在地球上で最大とされる鯨さえひと飲みにすることが化石から証明されているという。映画の中でも初っぱなから食物連鎖を象徴し、ティラノサウルスをパクっとひと飲みシーンで幕を開ける。実在した地球最大の鮫を扱った作品は子どもや大人、そして恐竜ファンなど多くの人に人気を博し大ヒット。その2匹目のドジョウを狙っての第2作。正直内容を求めるならパスだが、単純に楽しむなら悪くは無い。理屈っぽいひとはスルーしたほうが身のため・・・。前回をも凌ぐアクションの連続は、笑ってしまうほどステイサムの超人ぶりを披露した作品に仕上がっています。ステイサムがMEGの顎に踵をかけ、身を守るなんていくら何でもやり過ぎなんて思うひとは、やっぱりパスした方がいいと思います。このバカバカしさを素直に受け入れ、笑える人は夏を充分に楽しめるひとかも知れません。
その昔、スピルバーグが“ジョーズ”を発表した時、こんな作品を創れるんだと驚いたものだ。がしかし年月が経ち、いまや映像で表現出来ない作品はもはや無いとさえ言われ少しぐらいの最先端技術による映像では驚かないわたしたち。ただ考えるに技術だけでは超えられないスピリットみたいなものが、すこし薄らいできているそんな気はします。“Jaws”は今観ても、ドキドキするし、リアリティがあり人の心理を突いてくる名作。別に比べる必要もないが、技術ばかりに頼るようなそんな時代にはなって欲しくないと願う。きっとしっぺ返しが来るに違いないのだから・・・。人間の感性はそんなに単純でもないし、可能性だって未知のものと信じてやまない。
と言うことで、夏休み最後をスカッとしたい方は劇場に・・・。前半の海底探索シーンまでは、なんかワクワクして観ていましたが、巨大ダコが登場したあたりから東宝の怪獣映画を観ている感じが強くなりました。誤解しないで欲しいのは、わたしは怪獣映画大好き人間です。特にゴジラとモスラは、親友みたいなもの。11月に公開予定の山崎貴監督の“ゴジラ”最新作。「ゴジラの日」と定められた日の公開となっていますが、もうワクワク感でいっぱいなわたし。初代ゴジラが降臨した日が1954年11月3日、68年の時を超え通算30作目を迎える“ゴジラ”。はやく逢いたいです。


# by eddy-web | 2023-08-28 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
NANNJYa?COLLe69 今日紹介するお宝は、バットマン大好きのわたしが大切に保管している監修・桂正和のプラモデル(パッケージ入り)。
NANNJYa?COLLe69 今日紹介するお宝は、バットマン大好きのわたしが大切に保管している監修・桂正和のプラモデル(パッケージ入り)。_e0120614_15573278.jpg
NANNJYa?COLLe69 今日紹介するお宝は、バットマン大好きのわたしが大切に保管している監修・桂正和のプラモデル(パッケージ入り)。_e0120614_15575649.jpgバットマンシリーズの中でも、特に好きなアイテム「バットポッド」。この格好良さは言葉では言い尽くせないほどの完成度です。パッケージデザインも素晴らしく、中身に負けないほどのクオリティです。
「ウィングマン』「電影少女」で一世を風靡した桂正和と、「牙狼」「S.I.C.」シリーズで世界的支持を得ている竹谷隆之の夢のコラボレーションが生み出す“最狂”の映画的超造形の世界。と謳われ発売されたプラモ「BATMAN&BAT-POD」です。

BATMAN&BAT-POD
2008発売/バンダイ イラスト桂正和×竹谷隆之
監修/桂正和 原型制作/竹谷祐二(バットマン)、山口泰弘(バットポッド) 井田恒之・小関正明・藤岡ユキオ・山口隆・SACHI
写真撮影・パッケージデザイン/鈴木雅人 イラスト/桂正和
# by eddy-web | 2023-08-24 00:00 | NANJYa?COLLe(オタク訪問) | Comments(0)
よもやまシネマ633 “SAND LAND/サンドランド”
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2023.8.22.

「DRAGON BALL」「Dr。スランプ原作漫画家・鳥山明氏。その氏による伝説の名作と言われている作品、“SAND LAND”。2000年に発表され、鳥山ワールド最高峰クォリティと謳われた作品がついに映像化。鳥山ファンはもとよりアニメファンが待ち望んだ作品は、いったいどんな姿でわたしたちの前に現れるのか?ということで、それを確かめに劇場へ…。
世界中にファンを持つ鳥山明。絵の上手い漫画家は多けれど、氏の描く線のタッチに引かれるファンは多い。唯一無二の画力はキャラクターはもとより、背景の美しさや、メカニックの緻密さなど何処をみても魅力に溢れたものばかり。ストーリーもファンタジーに溢れ、大人も子どももみな夢中でその世界に浸る。そんな氏が長きに渡り連載をして来た「DRAGON BALL」が終了した直後、短編読み切りとして発表したのが今作“SAND LAND”。氏曰く渋いネタだが個人的にはもっとも大好きな作品と言っています。そんな作品と聞けば、観ない訳には行きません。TVや映画で大人気の「DRAGON BALL」や「Dr。スランプ」。わたしも大好きでほとんど観て入るのだが、漫画オタクの小生は原作のタッチと違うアニメは漫画ほど好きにはなれないでいる。魅力溢れるキャラクターたちと創造力豊かな物語にいつもわくわくドキドキのわたしだが、原作に描かれる何とも言えないタッチの線がアニメでは表現されていないことにいつも不満を感じていた。CGではあの何とも言えない味わい深い線は表現出来ないものと、割り切っていたのだが…。
ついにやってくれました、“SAND LAND/サンドランド”のスタッフのみなさん「ありがとうございます!」。これこそ鳥山明ワールド全開の作品です。アニメ映画化に参加した製作陣はサンライズ×神風動画×ANIMAと実力派製作陣が集結して完成したもの。わたしの思い上がりかも知れませんが、わたしと同じ思いを持っていた鳥山ファンがついに立ち上がったものと勝手に思っています。鳥山明作品の本来持つ、味わい深いタッチの線がスクリーンの中を縦横無尽に走り回っている姿に感動し嬉しくなる。これこそ鳥山明といえる、最高の出来映えです。わたしの中では永久保存版です。
お話は魔物と人間が共存する摩訶不思議な砂の世界。主人公はワルだがピュアな悪魔の王子・ベルゼゼブと強い信念を持つ人間の保安官ラオ、そして王子の忠実なシモベ・魔物シーフの3人が引き起こす「幻の泉」を探す旅の物語。敵味方入り乱れての冒険旅行は、笑いあり涙ありの思想天涯な物語。個性的なキャラクターが次々に登場し、丁々発止の会話はユーモアに溢れ思わず吹き出してしまうこと度々。親父ギャグの連発もなんか許せるキャラたちの活躍は、鳥山ワールド前回です。個人的には登場するキャラたちも好きですが、メカがとても可愛くてまるで遊園地の乗り物みたいなのがたまりません。今作で大活躍する戦車104号は、たまりません。面構えと良い、ボディの色や装備など何処をとっても最高です。ペイントで眼が描かれているのですが、戦車隊の一台一台が違うのに気づいた人は流石です。そんな所をチェックするのも、オタクの醍醐味。プラモデルの商品化が決定しているようなので、これは買いでしょう!!それにしても鳥山明氏の原画を良くもここまでアニメ化してくれたこと、こころから拍手と感謝の言葉を贈りたい。まだまだ、鳥山氏には新作を描いて欲しいと思っているファンはわたしだけではないはず…。
パンフで知ったことです原作“SAND LAND”は氏がひとり、アシスタントも付けずに描ききった作品とのこと。コミックス1巻分限定で受けた作品には、気力溢れた画力に溢れ理屈抜きに感動しています。「神様、仏樣、鳥山様」これからも素晴らしい作品を、欲張りません少しだけでいいので、時間をみつけ描いてくれることを心よりお願い致します。
P.S. 好きな漫画家さんは沢山いるのですが、絵の上手さや画力の凄さに引きつけられる作家はそんなにいません。大友克洋、藤原カムイ、荒木飛呂彦、井上雄彦、そして鳥山明。個性はぜんぜん違いますが、どの方も本当に絵が上手い。羨ましい限りです。もは過言ではありません過言ではありません。日本の誇りだと思います。

# by eddy-web | 2023-08-23 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ632 “リボルバー・リリー”
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2023.8.15.

人気女優の綾瀬はるかが挑む、ガン・アクション映画“リボルバー・リリー”を鑑賞。ガンアクション作品は日本では珍しいのと、女性を主人公に据えた作品は余り記憶に無い。主演が綾瀬はるかというのも、ちょっと惹かれるものがあり劇場に足を運んだ。綾瀬はるかという女中の印象は、勝手ながら天然でどこかボ~~~っとしたイメージ。そして透明感。毎年行われるアンケート調査では常にトップをキープする人気女優さん。そんな彼女だが以外や以外、アクション女優としても高い評価をえていること。確かに調べるとアクション作品もかなり多い。実像と虚像(女優)との、ギャップの激しさが彼女の最大の魅力であることは確かである。原作が大ヒットしドラマ化した「世界の中心で、愛をさけぶ」でヒロインを演じて、多くの男性のこころを虜にした彼女。その後数々のTVや映画に出演し、女優として今や誰もが認める人気女優になった。わたしはTVシリーズ「JIN-仁」で彼女が演じた咲さんが大好きです。聡明で健気な女性の魅力を画面いっぱいに表現し、何度も涙しました。
さて、今作“リボルバー・リリー”の感想です。物語は大正13年、震災後復興に向かい動き始めた帝都東京を舞台に、もと伝説の情報員・小曽根百合ことリリーに舞い降りた、謎の殺害事件が発端となりはじまる。やや難解な部分も多くすんなり理解に結びつけるには、やや時間がかかる。放映後に観客の声がちょっと耳に入ったが、お年寄りが多かったこともありイマイチの声。わたしは内容はともかく、映画としての完成度は高く感じました。邦画ではいまや珍しいガン・アクション作品。むかしは結構多く創られていたのだが、時代の移り変わりで創られる数は激減。日本はピストルとは縁のない社会ということで、リアリティがあまりないようだ。あと、結構制作費が掛るという情報もある。そんな中で創られた本作品の、役割はかなり大きなものであるとプロデュサーの紀伊宗之氏は語っています。そして今作はいろんな意味で新たな挑戦とも・・・。そんな中監督として白羽の矢を立てたのが、行定勲氏(世界に中心で愛をさけぶ/映画)。行定氏にとっても初めてのアクション作品とのこと。並々ならぬ覚悟で創られた映画であることは、鑑賞後にじわっ~と感じた。綾瀬はるかという女優さんのイメージが、観た観客のそれぞれの感性にリンクした人、しない人に分かれる作品かも知れません。これはきっと賛否の分かれる作品になると思います。わたし個人は細かいことありますが、面白かったのと綾瀬はるかの新境地を確認でき大満足。ただカッコイイだけのヒロインではなく、人間性も構築された哀愁を帯びたヒロイン像はとても気に入りました。強さと弱さを兼ねそなえたヒロインは、日本映画の新時代を創りあげるかも知れません。その昔「緋牡丹博徒」で一世を風靡したお竜(藤純子)が人気を博したように・・・。
わたしは物語よりも、時代背景となった大正時代に興味をひかれ、鑑賞後あらためて大正時代の日本を調べ、この作品の生まれた源を探ってみた。明治と昭和の間わずか15年の短い日本元号。明治維新や世界大戦というエポックの狭間にいた時代は、大震災という大きな試練を乗り越えた直後でつかの間の平和に酔いしれていた。そんな中フィクションであるのは解っていても、軍国主義の時代の危うさがひたひたと忍び寄る設定は緊張感に溢れている。サスペンス要素をとり入れ、人々の細やかな幸せを願うこころの揺らめきなどを逆手に取り、きめ細やかな表現に繋がっている作品ではないでしょうか?舞台美術やヘアメイク、ファッションなど見所は沢山あり、モダンボーイ(モボ)、モダンガール(モガ)という、言葉が生まれた時代を多いに堪能する機会になります。物語の内容とは裏腹に、何とも言えないレトロ感と心地良い映像美に酔いしれました。勝手な想いですが、何かゆったりとした時間の流れを感じました。
P.S. 個性豊かな俳優陣がキャストで参加していますが、リリーをつけ狙う謎の男・南始役を演じた、清水尋也くんが不気味な雰囲気が印象的でした。存在自体が謎なので、設定上の立ち位置は良く解りませんが、無機質な存在感を醸し出しています。“東京リベンジャーズ”の半間役も存在感があり、彼の今後が楽しみです。原作は長浦京氏の作品で、かなり長編作。それを新たにまとめようで、良くここまで「純愛ピストル・オペラ」に仕上げてくれたと氏は言っています。日本では映像化は無理と思っていたとも…。ラスト近くで作品中、唯一実在の人物として登場する山本五十六(阿部サダオ)に問う、リリーの言葉に答えるセリフはなかなか深い意味を秘め印象に残ります。


# by eddy-web | 2023-08-17 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)



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