人気ブログランキング |
よもやましねま529 “新解釈・三国志”
よもやましねま529 “新解釈・三国志”_e0120614_12050457.jpgよもやましねま529 “新解釈・三国志”_e0120614_15201458.jpg




2020.12.11.

世の中が重たい雰囲気に包まれているコロナ禍の中。せめて気持ちを少しでも明るくと思い、笑いを求め“新解釈・三国志”を公開初日に劇場に足を運びました。TVやマスコミ等でかなり話題作として紹介されている映画は、宣伝を見る限り暗い気分を吹き飛ばしてくれそう・・・。と思い藁をもすがる気持ちで鑑賞しました。
さて、三国志と言えば中国の後漢末期から三国時代(魏・呉・蜀)の覇権をめぐり群雄割拠していた時代興亡史。中国統一を掲げる個性豊かなキャラが多く登場する物語は、さまざまな逸話が登場人物の個性と重なりその魅力は大きく膨らむ一大エンタメ。小説や漫画、ゲームなど、これを題材にした作品はいまだない創作が続き人気に陰りは見えない。近年だと2008年にジョン・ウー監督が制作した“レッドクリフ”が、記憶に新しい。スケールの大きい合戦シーンと個性豊かな武将たちが、獅子奮迅の立ち回り。それだけでな個々のこころの奧に秘めた念いを重ねあわせ、歴史の一大叙情詩として描かれファンのこころを掴みました。わたしも感動をもらったひとりです。歴史好きだけでなく、エンタメが好きなひとたちにもたまらない魅力が天こ盛りの物語だからこそ熱狂的ディープなファンも多い。今作はサブタイトルに新解釈と銘打っての登場。そしてそれを監督するのが、今乗りに乗っているコメディ界屈指の人気ヒットメーカー福田雄一氏。「銀魂」をはじめ、前作「今日から俺は!!」と立て続けにヒットを連発する監督。そんな監督が創る映画となれば、おおよその察しはつくが間違いなく笑わせてくれると確信を持っての鑑賞となりました。出演陣も豪華絢爛で主人公の劉備には大泉洋、軍師・孔明にムロツヨシ。この二人だけでも観る前から思わず、ほくそ笑んでしまうわたしは異常でしょうか?この二人の丁々発止の言葉のバトルを想像するだけでも、いったいどんな三国志と期待は膨らむ・・・。まわりを囲む出演陣も豪華なだけではなく、一癖も二癖もある個性派が名を連ねるとなれば観る前からるんるん気分。さて、感想です。福田監督の手腕とメインキャストの二人がタッグを組んだのだから、面白くない訳がない。時代劇なのに時代を彷彿させない今風に言葉遣いがのっけからはじまり、やっちゃってくれた~~~~って感じです。しゃべりに関してはもうやりたい放題状態。おいおいそこまで言うか!!ってな感じが最後まで続く。歴史ファンからすれば、ちょっとやり過ぎ~~って感じでしょう。ただ戦いのシーンなどはかなりリアルに描かれ、ちゃんと押さえるところは押さえているので史実に対するリスペクトは感じます。“レッドクリフ”と比べる必要もなく、これは別物としてみればこれも立派なエンターテーメント作品である。暗い気分を払拭したい人は、急いで劇場に行きましょう。腹を抱えて笑い「コロナ」を吹き飛ばしましょう。
P.S. 出演者人たちですが、TVなどで番宣に出てきて話しをしていますが皆が口を揃えて緩い現場で楽しかったと言っています。そしてこうも・・・。他の現場になかなか復帰できない自分がいると・・・。真面目にやってはいると思いますが、みんな楽しんでやっていたそうです。それが画面から半端なく溢れてきます。
※一つだけわたしの不満を・・・。番宣がほぼほぼネタばらし状態で、観ていなければもっと腹を抱えて笑えただろうなぁ~と思いました。前にも語ったことがありますが、宣伝の予告はもっと観る側の立場も考え創ってくれることを願います。もちろん予告を観なければ良いことなのですが・・・。


# by eddy-web | 2020-12-14 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ527 “魔女がいっぱい”
よもやまシネマ527 “魔女がいっぱい”_e0120614_12050457.jpgよもやまシネマ527 “魔女がいっぱい”_e0120614_12153318.jpg




2020.12.04.

新型コロナの影響で、洋画の公開が軒並み遅れている現状。徐々に回復は見せているものの、なかなか厳しい状況が続いています。ハリウッドのエンタメ界もかなり影響が出ていて、失業者の数も半端ないほどと報道が流れています。日本も新型コロナ第3波が押し寄せ、自粛ムードは高まるばかり・・・。こんな状況で個人の欲望を優先するのは、ばちあたりな事ですが観たい気持ちを抑えることが出来ず、やっと公開された”魔女がいっぱい“を公開日に観に来ました。
この作品は、”バック・トゥ・ザ・フューチャー“シリーズの監督ロバート・ゼメキスが手がけ、さらに美人の誉れ高いアン・ハサウェイがはじめて悪役に挑戦じた作品。これだけでも大いに心引かれる話題作である。原作は児童文学やファンタジー小説で有名なロアルド・ダールで、かの”チャーリーとチョコレート工場”も彼の作品である。これだけ駒が揃うと、観ないわけにはいかないのが映画ファンの性。時間を無理あり作り、いざ出陣。公開日なのか、コロナの三密自粛のせいなのか来場者は思いのはか少ない。みなさんきっと真面目なのでしょう。申し訳ありません、欲望に勝てずきてしまったわたしを許してください。
ハリウッドのもっとも得意とする最先端CG技術を、惜しげもなく使い豪華に創り上げられた作品はいかにものアメリカ映画となっています。アン・ハサウェーの美しさは魔女(大魔女役)になっても輝きさすがの気品を感じさせる。その美しい(^^)が突然変貌する特殊メークの凄さは、強烈でファンタジー作品でもあまり小さな子どもには見せて良いものか?と迷ってしまう。凄すぎます!!よくこの役を引き受けたなぁ~とアン・ハサウェーの覚悟も半端ない気がします。インタビュウ-記事に大魔女を演じるのに苦労したのは、脚本に書かれていた役の魔女が話す言葉のイントネーションだったことが書かれていた。観れば解るが、確かにちょとオーバーな言葉遣いとロシア語(実際はスカンジナビア)ぽい、強めのアクセントがより怖さを引き立たせていたと感じます。そのほかワイヤーアクションなどもこなし、本人は大満足の楽しい撮影だったようである。新しい個性の幅が広がり、これからの彼女がますます楽しみになってきました。主人公の少年のおばあちゃんを演じたオクタビア・スペンサーは“ドリーム”他でも多数の賞に輝いている名優さんだが、今回も懐の深い演技で希望の象徴となっていました。子どもたち(ネズミ)もみな個性的で、古き良き時代を象徴する少年像を浮かび上がらせています。ファンタジー映画としては、ややダークな色合いが強いのですが、この手の作品が好きな映画ファンにはたまらないものかも知れません。先ほども言いましたが、子どもと観に行くのは年齢層を考えた方が良いかも知れません。夢に出てきそうな魔女のインパクトは、夜トイレに立てなくなるかも知れないので注意しましょう。親の責任として・・・。衣装など見所はほかにも沢山あり、充分お金を出してのいい作品です。子どもたちが◯◯に戻らないのが、個人的には寂しかったです。人生は甘くないということでしょうか?
P.S. ゼメキス監督は流石でしたが、わたしは大好きなティム・バートン監督ならどんな作品に仕上がったろうと妄想しています。


# by eddy-web | 2020-12-09 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ526 “ドクター・デスの遺産 BLACK FILE“
よもやまシネマ526 “ドクター・デスの遺産 BLACK FILE“_e0120614_12050457.jpgよもやまシネマ526 “ドクター・デスの遺産 BLACK FILE“_e0120614_12052245.jpg




2020.12.03.

「安楽死」をテーマにした推理小説が原作の“ドクター・デスの遺産”を鑑賞。映画は同タイトルだが原作とは一部異なる表現となっています。原作は終末医療のあり方「生きる権利と死ぬ権利」の相反する当事者たちの念いと苦悩を背景に描かれている推理小説。答えを出すことの難しさを投げかけ、もし自分が当事者ならと考えさせられる。「命の尊厳とは」を問いかける難しいテーマに挑んだ社会派ミステリー映画は、いったいどんな世界を見せてくれるのか?期待は膨らむ・・・。
さて、感想ですが・・・。正直なところTVドラマの域を超えていないと感じました。TVを馬鹿にしている訳ではないので、誤解のないようにお願いします。それとせっかく倫理上難しいテーマにしているのに、その部分はあまり突っ込んでなく刑事ドラマ風の表現が強く出過ぎていたように思います。そう言う意味では単調な映画になっていたように感じます。犯人は意外とあっさりと浮かび上がり、ワクワクドキドキする感覚には至りませんでした。その昔、浅野温子主演の刑事ドラマ「佐粧紗子-最後の事件-」はまってしまったことがあります。オカルト風に描かれた表現は実に見事な演出で、息も尽かせぬ展開が繰り広げられラストはエッと思わせる映像を提供し、次週までのお預け状態がたまりませんでした。いろいろなゲストが入れ替わり立ち替わり出演し、それもひとつの楽しみになりこれほど早く観たいと思わせる作品はありませんでした。殺人現場の表現が美しくシュールで、これも大いに感性を刺激し芸術性の高い作品だと記憶しています。TVドラマを超えた作品だったと、いまも大好きな作品となっています。話しがそれましたが、“ドクター・デス”にはその辺の期待をもって臨んだので個人的には満足感を得ることが出来ませんでした。また、話しがそれますが、「尊厳死」を取り上げたNHKのドキュメンタリー作品を1年ほど前に観たことがあります。日本では認められていない事実ですが、欧米の1部国では行われているところがあるのはご存知かと思います。その作品はALSにかかった女性がスイスに出むき、自らの尊厳死を臨むものでした。なにも言葉にできないほどの深く考えさせられる映像はTVの前に正座をし、ただただ涙を流すばかりの自分がそこにいました。答えの出ないテーマではありましたが、自身に置き換えもっと真面目に一生懸命生きないと罰が当ると本気で思いました。これはいまも変わらない気持ちです。そんな記憶もあり、刑事ドラマ色がちょっと強かった今作“ドクター・デス”に、物足りなさを感じてしまいました。もっと突っ込んで患者側のことを描いても良かったのでは無いでしょうか?生意気な意見ですが、これが正直なわたしの気持ちです。主人公の刑事・犬養を演じた綾野剛さんのファンなので、それだけでも、もちろん満足ですが・・・。そして相棒役・高千穂の北川景子さんも格好良かったです。こんなに綺麗な刑事さんなら、捕まりたいと思う男は多いはず(ゲスなコメント)。いるはずありませんが???綾野くんも北川さんも、立て続けに映画に出演している情報を掴んでいます。次回作楽しみにしています。
P.S. 「突撃!カネオくん」でアシスタントをしている田牧そらちゃんが犬養のひとり娘役で出演していましたが、存在感のある役をきっちしこなし涙を誘います。これから楽しみな女優さんです。


# by eddy-web | 2020-12-06 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
朝ドラ“エール“でもらった元気と、主人公のモデルとなった古関祐而さんのこと。
朝ドラ“エール“でもらった元気と、主人公のモデルとなった古関祐而さんのこと。_e0120614_14290129.jpg
朝ドラ“エール“でもらった元気と、主人公のモデルとなった古関祐而さんのこと。_e0120614_14292752.jpg朝ドラ”エール“が今週で終わりました。コロナ禍で撮影が延期したりして、大変だったことを聞いています。”エール”というタイトル通り、波瀾万丈な主人公二人の生きざまは自粛生活を強いられているわたしたちに、力を与えてくれる素晴らしい作品でした。出演者のみなさんの熱い念いもひしひしと伝わり、いっぱい元気をいただきました。
主人公の裕一とその妻・音の、音楽で繋がる生涯を描いている物語にモデルがいる事はよく知られています。昭和の日本を代表する作曲家、古関祐而氏と妻・金子がその人。若い世代のひとたちはまず知らない人物だと思いますが、60代~70代の世代にとってはまさに神様。数多くの名曲は知らず知らず口ずさめるほど記憶に残っているものばかり。昭和29年生まれのわたしには、真っ只中のちょっと前という感じです。このドラマを通し古関祐而さんの偉大さを改めて実感し、とても勉強になりました。戦争中に軍歌の製作にあたり、終戦後にそのことが氏を大きく苦しめたという事実には胸が痛む思いでした。そして晩年「東京オリンピック」のテーマ曲を創り、世界の称賛をあびその名は音楽史に燦然と輝き今も語り継がれている。わたしは子どもの頃の記憶で、欽ちゃん(萩本欽一)が司会だったオールスター家族対抗歌合戦に審査員として出ていた古関さんのことをよく覚えています。いつも(*^o^*)で優しく暖かい言葉を出演者の家族にかけていました。懐かしい思い出として、あらためて蘇っております。残した曲の数は5000にも及び、今なほ数多くが愛されています。甲子園の大会歌「栄冠は君に輝く」や、早稲田大学第一応援歌「紺碧の空」など、野球ファンはもとより日本人な誰しも知っているものばかり・・・。幼い頃「イヨマンテの夜」を聞き、その迫力に感動したことをお覚えいます。上げたら切りがありませんが、ドラマを通し古関氏のことを改めて知り一番嬉しかったことがあります。それはわたしの大好きな怪獣「モスラの歌」が氏の作品だったということ。ザ・ピーナツ(小美人)が歌った曲は、子どものこころに間違いなく響き今でも歌える名曲のひとつです。不思議なカタカナが並ぶ呪文のような詩でしたが、全部意味があるインドネシア語だと知りました。ただ耳から入る言葉を並べて歌っていただけの歌に、深い意味がありそれを創り上げた古関祐而というひとに大きな愛と感動を感じ、いままで以上に「モスラの歌」が好きになりました。最終回では走馬燈のようにドラマが頭に浮かび涙が自然と溢れてきました。次の日に放映された出演者たちのコンサートも、素晴らしかったです。ぜひ、CDにして売り出してくれると嬉しいです、冗談ではなく古関祐而さんの曲をまとめたCD、コロンビアさん出しましょう。絶対に買います。わたしは嘘は吐きません。(たまに尽きます?ホントは・・・)。ぜひ、よろしくm(__)m致します。


# by eddy-web | 2020-11-28 00:00 | ひとこと・ひとごと・ひとりごと(つぶやき | Comments(0)
よもやまシネマ525 “タイトル、拒絶”
よもやまシネマ525 “タイトル、拒絶”_e0120614_16491404.jpgよもやまシネマ525 “タイトル、拒絶”_e0120614_16292987.jpg




2020.11.23.

風変わりなタイトルにひかれ観に来た映画、その名も”タイトル、拒絶“。普通タイトルと言えば内容を連想させるように付けられるの通常。わざとなのか?それとも意図的に狙ったものなのか?は神のみぞ知ると言うことで、興味津々で劇場に足を運んだ。主演は最近、やたらとTVや映画に出まくっている感じの女優さん伊藤沙莉。個性的な声と容姿だが、とても良い味を醸しだし存在感溢れる演技をいつも見せてくれる。NHKの朝ドラで脇役を演じていたが、その時から個性がキラリと光っていました。その後アレヨアレヨとTVドラマに登場し、CMにもつかわれはじめ「来た~~~~っ!!」って感じにブレイクしています。そんな彼女が主演をつとめていると知り、引っ張られるように劇場に・・・。
いつものように予備知識なしの鑑賞である。後で解ったのですが元々は2013年に舞台で上演された作品だと言うこと知りました。監督は山田佳奈氏で舞台でも同作品の演出と脚本を手がけ、今回長編初監督作品となっています。物語はセックスワーカー(デリヘル)で働く女性たちが、それぞれに抱える事情に抗いながら力強く生きようとする姿を浮かび上がらせるお話。主人公カノウを演じるのが伊藤沙莉だが、この作品の主人公の役を「誰にも渡したくなかった」と話すほど、意欲的に臨んだそうである。確かに映画を観れば納得のいく、全身全霊で挑んでいるさまが覗える。役はデリヘル嬢になれなかった落ちこぼれだが、そのまま世話係として働くようになった女を演じ業界の中の不条理に怒りを覚えながらも、淡々と日々流され自身の生き方を模索している。一見ドライな感じではあるが、人一倍感受性は強くそして情にもろい娘。そんな娘が同じ職場で働く女性たちや絡むスタッフの男たちの、生きざまに触れながら自身を見つけようともがき苦しみながら生きている。彼女の役は物語のストーリーテーラー的役割の立ち位置だが、そこで働く女性たちの代表でもある強い意志が芽生えはじめ物語後半爆発する。何とも言えない迫力で観る者を感動させる。ラストのメソメソ感がこれまた儚く、そしてとても愛おしく可愛い。渾身の演技で、改めて彼女の実力を確信することとなった。出ている女優さんや男優さんたちも、みな素晴らしく文句の付けようがないほどの熱演である。ひとりひとりがそれぞれに抱えた事情を繊細に演じ、ジンワリと胸を締め付けてきます。ラストシーンもなんだかソワソワさせる演出となっていて、妙な不安になる後味が残る。最悪のケースになっていないのが救いですが、結論を預けられた感じでちょっぴり恐いです。
作品の中で描かれた世界は、いい年して正直まったく知らないし解らない世界でしたが、生きることの難しさ厳しさは強く受け止めることができ勉強になりました。主人公カノウが下着姿で冒頭で語る「ワタシの人生なんてクソみたいなもんだと思うんですよね」という言葉が強く印象に残っています。こころの叫びというか?ここまで言い切れる彼女が羨ましくもあり、哀しい。わたしにはそこまでの覚悟とプライドは、まだないと思います。みなさん一見の価値ある作品です。観てはいかがでしょう?


# by eddy-web | 2020-11-24 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ524 “おもかげ”
よもやまシネマ524 “おもかげ”_e0120614_16491404.jpgよもやまシネマ524 “おもかげ”_e0120614_16535296.jpg



2020.11.18.

こんなことを言ってる自分は不謹慎だと思うのですが・・・。コロナ禍の中数少ない洋画公開の劇場を検索し、今日は久しぶりに銀座に出ました。
選んだ作品は“おもかげ”。古典的なタイトルだが、妙に惹かれるものがあり久しぶりの洋画鑑賞。美しい映像とミステリアスな構成に、久しぶりに潤いを官能しました。その昔観た大好きな作品“おもいでの夏”が脳裏に浮かびましたが、物語はもっと複雑な展開となり最後まで先が読めませんでした。冒頭は突然掛かる息子からのケイタイ電話ではじまる。サスペンス調で構成され、張り詰めた緊張感が画面からビシビシと伝わり息苦しさを覚える。そしてプロローグ的な緊張感は去り、あっという間に10年後の場面へとワープ。運命に翻弄され彷徨う女の心が、海で見かけた少年と息子の姿が重なり、そこからは創造しえない展開となる。この物語はこれからどうなっていくの???っていう感じである。いままで味わった事の無い、不思議な展開は最後まで読めず答えも見つからない。終わってみれば、エレナはこれからどう生きて行くのかが気になる。モヤモヤした感じは不思議とない。むしろ何かのどに引っかかった小骨がとれたとでも言うか、ようやく止まった時間が動き始めたとう安堵感には包まれる。答えのない問題を出された感じの作品だが、観た人がそれぞれに答えを見つけるようゆだねている作品かも知れない。いずれにしても、いままでに味わったことのない感覚を覚える作品であることには違いない。
物語は主人公のエレナが、最愛の息子が異国で失踪する場面からはじまる。母親の上気を失うさまは観客の胸を締め付け強い母性が浮かび上がり圧倒される。エレナのこころの傷は一生消えることはない。そんなエレナが、少年ジャンと出会い一筋の光を見つけこころの扉を開いていく。そこには紛れもなく母であり女であるひとりの人間が存在し、胸が痛いほど辛く美しい姿を浮かび上がらせてみせる。人間は弱い生き物であると同時に、それこそが人間であることに気づかされる作品です。エレナを演じたマルタ・ニエトは、この作品の前作“Madre”でも、主人公を演じ同役で多数の映画賞を受賞。本作はそれをベースに創られ、思いも付かない展開に再び映画界を席巻した。前半のサスペンス調はその余韻ともいえるものらしく、観客の思考回路は監督の手のひらの上で遊ばれてしまったようである。
エレナを演じたマルタ・ニエトさんはスペインの女優だが、きっとこれからスクリーンに出てくること間違いなしのオーラを醸し出しています。もうひとりの主人公ジャンを演じたジュール・ポリエくんの演技もマルタに負けず劣らずの素晴らしい演技で切ない想いを繊細に演じていました。彼もまたこれから人気の出てくる男優さんでしょう。登場人物の多くがそれぞれに違う愛を抱え、もがき苦しむヒューマンドラマが描かれていますが、人間として器の大きさを感じたのは少年ジャンだったような気がします。ラストでそれを感じたわたしです。みなさんはどう思われるでしょうか?もし観たら、意見をお聞かせください。


# by eddy-web | 2020-11-19 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ523 “罪の声”
よもやまシネマ523 “罪の声”_e0120614_16491404.jpgよもやまシネマ523 “罪の声”_e0120614_16534387.jpg



2020.11.9.

昭和の大事件(1984~85)が蘇った。気になっていた映画“罪の声”を鑑賞。この作品は作家・塩田武士氏が子どもの頃に起こった「グリコ・森永事件」を題材に、書き上げた社会派エンタメ小説。完成するまでは長い時間がかかり、「生みの苦しみ」を味わった思い入れの深い作品と氏は語っている。映画のエンドロールで、この作品は~、フィクションであると謳っている。が観れば解ることだが、当時の事件をかなりリアルに浮かび上がらせフィクションと呼ぶには少し疑問が残る。塩田氏はもと新聞記者という経歴が示すとおり、映画の主人公さながらに当時の事件を様々な角度から調べ上げ書き上げた渾身の作品。事件自体はまぎれもない事実である。モチーフとなっている脅迫電話の子どもの声など、ほとんどが事実の事件内容なのである。
1985年と言えば、わたしは当時30歳。仕事に夢中でメチャクチャ忙しい生活を送っていたが、この事件は昨日の出来事のように覚えている。グリコの社長を誘拐し身代金を要求したのを皮切りに、グリコや森永などの食品企業に脅迫状を送り小売店に青酸入り菓子を置き、日本全土を震撼させた。わたしは子どものころからグリコや森永などおまけ付きのお菓子が大好きでお世話になり、商品が食べられなくした犯人たちの行動に強い怒りを感じたものである。結局犯人は捕まらず、そのまま年月が経ち事件は時効となった。「かい人21面相」と名乗った犯人(たち?)は、結局企業からは脅迫したお金を手に入れることはなく、そのままお蔵入り。何が目的だったのかは、いまだに謎の多い事件である。
今作“罪の声”を観て、当時のことが思い出されいろいろと考えさせられてしまった。ひとつは人間という生き物は、時間と共に出来事を忘れてしまうという事実。良い意味でも、悪い意味でも・・・。映画は原作に忠実に描かれていたようだが、子どもの声という視点から掘り下げた仮説的なストーリー展開は観客の好奇心に火をつけ最後までこころを掴んで離さない。面白いといっては失礼というか罰当たりというか、事件に隠されたの真実への興味が再び湧いてきてしまった。映画には描かれていないが、当時の滋賀県警本部長が犯人を取り逃がした責任をとって退職の日に焼身自殺したことをしったわたし。そしてその後犯人側から「くいもんの 会社 いびるの もお やめや」との終息宣言がマスコミ各社に送られ、この事件は終息を迎えた。お金も奪われず、一般市民の犠牲者も出ず何事もなかったように事件は国民のこころからも消えていった。映画のように少なくとも「苦しんだ人間がいた」という事実は間違いない。そう思うと何か複雑な気持ちが入り乱れ、時効という制度を今一度見つめ直す、そんな気持ちが強くなったわたしである。みなさんはどう思われるでしょう。いろいろな意味で、問題を投げつけるいい作品ではないでしょうか?
主人公のひとり事件の真相を追う新聞記者の阿久津を演じた小栗旬、そして脅迫電話に利用され晩年苦しみを背負ってしまったテーラーの主人・曽根を演じた星野源、二人の渾身の演技は胸に染みるものとなり記憶に刻まれました。事件に関わるキャストの面々もみな存在感が半端なく、当時の事件を見事に掘り起こしてくれてます。ベテランの俳優陣がわずかな出演時間にも関わらずキラリと光るいぶし銀の演技をしていて、その熱量がそのまま映画のクォリティを高めています。俳優のみなさんに大拍手です。そして監督の土井裕泰さんにも感謝です。原作をこんなに読みたくなったのは、久しぶりの感じです。映画とはまた違った感覚で、この事件を改めて検証したいと思います。


# by eddy-web | 2020-11-11 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
実りの暮秋。2020年。
実りの暮秋。2020年。_e0120614_12035451.jpg
魚々苑-10

夏に白い花を開花させた柚子の樹が、たわわに実る果実をつけました。11月に入りだんだんと黄色く染まり始め、先日収穫をいたしました。昨年に引き続いての収穫は、去年を上回る20個となりました。収穫した柚子はジャムにしようか?それとも??とまたちがった楽しみが増えています。わたしの好きなお風呂にも入れたいと思います。自分で育てた果実の収穫は格別で、子どもの頃庭にリンゴの樹を植え、それを食べるのが夢だったわたし。庭こそ無いものの工夫をすればどんな樹でも育つことを学び、また新たな樹を仕入れようと現在物色中。そんなにスペースが無いので、大きな樹は無理ですが・・・。わくわくしています。
実りの暮秋。2020年。_e0120614_12044439.jpg
※人形は次女・実のハンドメイド作品(コン汰)です。
# by eddy-web | 2020-11-08 00:00 | 魚々苑(魚と草花の話) | Comments(0)
よもやまシネマ522 “スパイの妻”
よもやまシネマ522 “スパイの妻”_e0120614_16491404.jpgよもやまシネマ522 “スパイの妻”_e0120614_16493499.jpg




2020.11.4.

買い物がてら錦糸町まで映画を観に・・・。錦糸町は高校時代に良く来た街。印象に残る思い出がひとつ。学園祭をさぼり友人と映画を観に来た時のこと。ちょうど映画にはまっていた時期で、ちょっと背伸びをし大人に憧れをいだいていた多感な頃。観に来た作品は“個人教授”で、ナタリー・ドロンが主演の恋愛映画。当時はまだうぶだったので、映画館にすんなり入れず、劇場前を行ったり来たり。そんな時、私服の警官に呼び止められ職務質問。そん時の緊張感たるや、今思い出しても忘れることが出来ない。言葉もしどろもどろで、何をいったかも思い出せない。学校が休み(創立記念日)と嘘を吐き、“個人教授”の隣でやっていた“山本五十六”を観に来たと言ったことが思い出される。ここからが人生、嘘のはじまり・・・。警官と別れたあと、周りを伺いながら入場し“個人教授”はしっかりと観ることに成功し、記憶に残る作品となった。懐かしい青春の1ページです。
さて、観に来た映画作品は”スパイの妻“。最近ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した話題作。また主演は、ファンである蒼井優さん。コロナ禍のせいで外国作品が軒並み延期状態のいま。日本作品も頑張っているのだが、正直なかなか好奇心を刺激する作品が見当たらない。そんな中でこころ引かれたのが今作品。ミステリー仕立ての作品は昭和の戦争時代を背景に、まるで舞台劇を観ているような演出でとても重厚感溢れる作品に仕上がっていました。スパイ容疑をかけられた貿易商を営む男・福原(高橋一生)とその妻・聡子(蒼井優)の、太平洋戦争時代の嵐にさらされ運命が大きく変わっていく姿が映し出される。正義とはを問う物語は歴史の中に埋もれてしまった負の遺産を掘り起こし、当時の闇が浮かび上がる。当時の会話が丁寧に紡がれ、とてもゆったりとした時間が流れていく。そのゆったり感が、物語の本質に近づくにつれより緊張感を煽りインパクトを残してくれる。息を潜めて観ているようで、ラストまで緊張の糸が切れることはない。日本が犯した戦争の愚行が浮かび上がると、戦争はひとのこころを狂わすだけでなく運命さえも変えてしまうことを思い知らされる。平和な現在に感謝である。
監督は黒沢清。いまや日本を代表する監督のひとりとなり、特にヨーロッパで高い評価を受け人気も高い。そんな監督の渾身の一作は、ラストまで展開が読めない面白さで観客を釘付けにします。エキゾチックな演出と端正な映像美は、極上のエンタテインメントに仕上がっていました。


# by eddy-web | 2020-11-07 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ521 “異端の鳥”
よもやまシネマ521 “異端の鳥”_e0120614_09355469.jpgよもやまシネマ521 “異端の鳥”_e0120614_15341644.jpg




2020.10.27

ここ数日さわやかな秋らしい日が続き、ほんの少しだが気分がいい。そんな中Netで話題のチェコとウクライナ合作作品、“異端の鳥”を観に日比谷へ出かけた。
さて、今回見た“異端の鳥”のNet記事では「来場者が途中退場する作品」として紹介されていた。2019年に発表され各映画祭で賛否が分かれた理由は、作品のクオリティが低い訳では無く、表現が余りにリアル且つショッキングなシーンで積み上げられているからにほかならない。確かに映像表現は秀逸で、物語を章ごとに分け、まるで写真集のページを捲りながら進んで行くような演出となっている。モノトーンで撮られた各シーンは、監督の美的感覚が伝わる印象深いシーンの連続である。映画祭ではこの映像の芸術性が高く評価され、多くの賞に輝いたようである。
記事の続きに「正視に耐えられない」ということで途中退場する人が多かった反面、最後まで観た観客からはスタンディングオベーションが起こったという。この奇妙な現象に、ここ数年の中で最大の問題作と言われているそうである。
この作品は2時間49分という長尺の上、めを背けたくなる描写がこれでもかこれでもかと延々と続く。これにはわたしも正直倦怠感を覚えた。これにより途中で席を立つという流れが生じたのだと理解できる。私見だが何度も観たくなる映画とは、決して言えないのが本音。前に観た“ミッドサマー”という作品をかなりきつく言ったことがあるが、好きか嫌いかと言われれば好きな作品には選べない。“ミッドサマー”もそうであったように、作品の完成度は申し分なく素晴らしい。だが???である。単純に言えば好みでないということである。監督がこの作品を創ろうとしたことには相当な覚悟があっただろうし、その姿勢は大いに評価されるべきものであることは間違いない。戦争を背景に差別や権利、そして命の尊厳といった大きな課題を表現していて、考えさせられる。それは良い意味ででは無く、ある意味諦めに近い人間の中にある本質を問う、どうしようも無く拡がる個人主義の現われにも近い。自分の中にも「もしかしたら」と思うだけで、背筋が寒くなる。見終わると静かな歌(ポーランドの曲?)が流れ、エンドロールとなる。強烈過ぎて、すぐに席を立つことが出来なかったわたし。周りを見渡すと逆に1秒でも速くその場からいなくなりたいと思う人たちが出口へと・・・。感想はこんな感じですが、おおよそのイメージは伝わったかと思います。
物語はホロコーストから逃れ疎開した先での差別からはじまり、ひとりふるさとを目指し苦難の旅を続ける少年の話である。撮影にはかなりの時間を費やしたようで、主人公の少年も身長が伸び顔も次第に大人びてきている。もちろん少年の体験する過酷極まりない条件を乗り越えれば、当然変わる表情は当たり前。そこまでしても表現したいという信念が監督にはあったのだろう。原作はポーランドの作家イェジー・コシンスキの小説で、タイトルも同じく内容もほぼ忠実に描かれているそうである。発表当時、その内容故発禁になった国もあるそうである。リアル且つ、静寂のモノトーンで描かれた作品のインパクトは凄まじくしばらく夢にでそうである。主人公の少年を演じたぺトル・コトラールくんの頑張りには脱帽である。彼は全くの素人で選ばれたキャストというから恐れ入る。上手いなんて言葉では称賛出来ないほど、ただただ凄いのひと言です。脇をかためていた俳優さんたちの顔ぶれもすごく、ハーヴェイ・カイテルやウド・キアという個性俳優さんたちが多数でていました。みな鬼気迫る表情で役を演じていて、いっけん優しそうに見えるが何か裏がありそうと疑いたくなるような演出ばかりで疑心暗鬼になります。
さて、話しは長くなりそうなのでここまでにします。観る観ないはあなた次第。ただもし観たら、この作品について語り合うのもいいコミュニケーションを生むと思います。

P.S. ひとつ気がかりなことがある。主人公の少年は苦難を乗り越え父親と再会し、ふるさとを目指すバスに乗車し、そのバスを鳥瞰で捉えたカットで終わる。わたしはその後の少年がどうなっていくのかが、ひどく気がかりなのである。地獄のような時の中で生き残った彼が、とうていまともな精神状態であるわけが無い。物語の終盤でも、そこらへんが感じ取れるのである。それを思うとますます眠れなくなる、そんな日が続きそうで・・・。


# by eddy-web | 2020-10-28 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)


S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
最新の記事
カテゴリ
以前の記事
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 06月
2007年 05月
フォロー中のブログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


logobr.gif