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よもやまシネマ-132 かぐや姫の物語
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2014. Jan. 07

2014年初に選んだ作品。その映画は・・・“かぐや姫の物語”。高畑監督の感性と意欲に脱帽です。宮崎監督ばかりがジブリのイメージですが、高畑勲監督は徒者ではないことが、いまさらながら実感させられた一本です。
感想に入る前に少しだけお話を・・・。昨年、引退を表明した宮崎監督が引退会見に臨むにあたり、高畑監督に“一緒にどう?”と誘って断られた話はご存知の方も多い筈。2人の巨匠は、似て非違なりの変わり者と聞く。作品に対する拘りは言うまでもない。今回の“かぐや姫の物語”も予定をはるかに過ぎて完成したもの。当初は“風立ちぬ”と同時公開の予定だったのは周知の事実。プロデューサーやスタッフはみな、この結果をあらかた予測していたようである。とにかくマイペースの人物らしい。高畑監督は作品づくりにおいて、時代背景や歴史、そして状況や人物の性格に至までとことん情報を集めリアルに表現する拘りの人。こんな話がある。“火垂るの墓”でB29が焼夷弾を落し町を焼き尽くしている間に、清太が着物や食べ物を盗むシーンがある。少年の必死に生きようとする、無茶な行動の場面である。このシーンの大空に編隊を組んで飛ぶB29のところだが、監督はスタッフに当時の歴史文献集めさせ、B29の編隊はどの方角から飛来し去っていったのかとを調べさせたと言う。エッ!て思いませんか?作品を見てそれを理解出来る人はまずいないと・・・。この話を聞いたとき、なんだかとてつもなく大きな力(ものづくりへの拘り)を感じました。“火垂るの墓”は何度もTVで放映していますが、何度観ても泣くことを押さえることができません。原作者である野坂昭如氏が、この作品を観て“二度と観たくない作品”と語っている。それくらい優しさと苦しさが満ちあふれているのだろう。野坂氏の実体験をもとに書かれた小説だが氏は、のちに自分は清太ほど優しくなかったと苦しかった当時を語っている。高畑監督は宮崎監督のように、コンスタントに作品を発表しない。それは真実を追いかけて行くことが、きっととめられない性格なのだろう?信じられない話だが“火垂るの墓”公開時も、納得しないまま(?)の状態で公開に踏み切ったことに自分を責め辞めようとしたそうだ。むかしの人はみな熱いですね・・・。
すみません話が長くなり、またひとりで熱くなってしまいました。わたしの悪い癖ですゴメンナサイ。でも、話せば一晩かけても終わらないほどすごい人なので、今度あらためて機会を・・・。
さて、“かぐや姫の物語”ですが、宮崎監督の“風立ちぬ”が覚悟とするなら、この作品は挑戦かも知れません。CG駆使してのアニメ製作は、いまでは当たり前。もちろんこの作品にも使われているのは事実。だがいま何故この表現なのか?と思わせるアナログ的な懐かしい表現手法で、この作品はまとめられている。だがなんて言うのか、実に良いのである。ほのぼのとあったかいのである。原作の竹取物語を丹念にそして緻密に紡いでみせてくれる。この作品はかぐや姫の真実を、本当の意味を教えてくれる。何となくしか知らなかったこの話、あらためてその深さに感動です。考えるに、ひこ星と織り姫星の七夕の話などなど・・・。昔話の内容を本当に説明できるほどしっかり読んでいないことを気づかされるきっかけになってしまいました。えんぴつの柔らかい線と水彩画風に塗られた色づけが実に美しく、物語のイメージを引き立てている。音楽もいつもと変わらず、和ませる旋律を奏で絵の美しさを引き立てている。時間もお金もきっとかかったことでしょう。でも、おつりがくるほど大切なことを思い出させてくれる作品になっていること間違いありません。また2012年に亡くなられた地井武男さんの翁の声は、見事でなんだか亡くなった気がしませんでした。遺作となってしまったこの作品、きっと完成を見たかったことだと思います。あらためてご冥福をお祈りいたします。
最後に映画館の中で聞いた、親子の会話を・・・。エンドロールが流れ場内の明かりがついたそのとき。後ろで観ていた親子のお父さんが、こどもに「“だれがいったい悪いと思う”と聞き、答えられずいると自分から“神様かなァ〜”。だっておじいさんは悪くないよ。こどものためを思い一生懸命、幸せを願ったんだから・・・。神様がお金なんか渡すからダメなんだよ。だれだってあんなにお金が手に入れば、良い生活を望み幸せを願うのは親の努め。ごく当たり前だよ。」と真剣に言っていました。感動で瞼を赤くしているであろう自分は、きっといいお父さんなのだろうと、ちょっぴり嬉しくなり幸せな気持ちになりました。
# by eddy-web | 2014-01-14 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
“人間万事塞翁が馬”の2014年に・・・。
“人間万事塞翁が馬”の2014年に・・・。_e0120614_15353299.jpg

明けましておめでとうございます。
無事新年を迎えることが出来ました。
さて、世の中は景気が戻ってきていると
言われていますがみなさんはどうでしょうか?
現実にそれを感じているひとは、
まだまだ少ないようです・・・。
今年は午年。
年男のわたしは午のように、
突っ走りたいところなのですが・・・。
歳を考えゆっくりじっくり。
そして、腐らず、焦らず、惑わず。
しっかりと自分と向き合い、
日々のできごとに一喜一憂せず、
“人間万事塞翁が馬”のことばを噛み締め、
時間を大切に使おうと思います。
本年もよろしくお願いいたします。
# by eddy-web | 2014-01-06 00:00 | ごあいさつ | Comments(0)
よもやまシネマ-131 GRAVITY(ゼロ・グラビティ)
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2013. Dec. 17

緊張に身が震え、あっと言う間に時間が過ぎた。時間を忘れてしまうほど、久しぶりに緊張感が連続する映画に出会った。今年度アメリカで、あの「アバター」を公開初日記録で抜いたと聞くこの作品。冒頭の優雅な宇宙遊泳は誘い水。あっという間に宇宙の本当の怖さを体感させる、矢継ぎ早の展開が始まる。何度も知らず知らず息を止めている時間があり、気がつくと身体を強張らせている自分。パニック映画やスリラー、オカルト、サスペンスなど、数あるドキドキとは異なる現実的な怖さを体感させる3D作品になっている。宇宙に馳せる人間の夢と希望は、それと背中合わせにこんなにも恐ろしい現実を背負っているのかと思い知らされる。主演の2人が素晴らしい演技で、ぐいぐいと映画の中に引き込んでくれる。サンドラ・ブロック、そして、ジョージ・クルーニー。見事としか言いようのない完璧な演技に、まるで自分もいっしょにいるような気になる。そして3D映像の素晴らしさに驚愕する。わたしたちが知っている地球の美しい蒼さは、時折ニュースで流れる宇宙開発の現場シーンから送られてくる。先日も“若田さん”のステーションからの放映が流れ、ゆったりと無重力遊泳の中でのメッセージ。これだけ観れば、なんと優雅で気持ち良さそうと思い、一度でいいから体験したいと思うが心理だろう。しかし、この映画のリアルな映像演出を観たあとはどうだろう、そう容易く宇宙に行ってみたいなどとは軽口が言えなくなる。宇宙は無減で深い。その闇に飛び込む勇気は、並の覚悟では到底無理な話。やはり志しのある、使命感を持つ一握りの人たちだけが今は行ける世界なのだと思える。すでにアカデミー賞の呼び声高い、サンドラ・ブロックの演技には何度も涙を誘われる。窮地を乗り越え宇宙船にたどり着き、すべてから開放されたかのように宇宙服を脱ぎ捨て、無重力の船内に浮かぶ姿は船内に散乱するコードと絡み合いまるで“羊水の中に浮かぶ胎児”のようで美しい。もちろん計算された演出にちがいないが、心にのこるワンシーンである。一年の終わりに人間ドラマをしっかり凝縮した、生命力を感じさせる傑作のひとつに出会うことが出来ました。
心臓の弱いひとには、あまりお薦めできませんが・・・。
# by eddy-web | 2013-12-24 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ-130 47RONIN
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2013. Dec. 10

武士道の物語と言えば、忠臣蔵。日本人が大好きな、時代劇の代表的作品のひとつ。これをハリウッドがどんな風に、料理するのかと観に行った“47RONIN”。主演のキアヌ・リーブス(魁役)以外は、ほとんど日本人俳優たちが脇を固めている。いまや国際俳優として数多くの作品に出ている、真田広之が大石内蔵助を。宿敵の吉良を浅野忠信となかなか面白いキャスティングである。ビックリなのは、主人公が外人ということ。時代劇の王道を行く作品も、アメリカの制作に変わるとこうもエンターテイメントなものになるのかと、色んな意味で驚かされる。ある意味ここまで様変わりすると、潔く鑑賞に浸れる。昔の人たち(高齢者の方)は、ちょっと戸惑うのかもしれないが、わたしもほどなく高齢者ですが・・・。でも、充分作品を堪能し楽しみました。軸の部分は、ちゃんと武士道精神をコンセプトにしているが、あとは全て創作の世界で荒唐無稽の娯楽作品となっています。変な怪物や怪人が出て来たりし、スターウォーズの時代劇版とでも言おうか無茶苦茶。それでも、真田広之をつかい、しっかりと殺陣を演出した構成で魅せるところは魅せる。巧みな剣捌きは流石で、まさに日本の文化(剣術)を象徴するシーン。結構日本にサービスしています。思えばかのスターウォーズは、日本の殺陣をバトルシーンに取り入れた、SFの代表作に他ならない。この映画CGも高いレベルで駆使し、アクションシーンのスケールもパワーアップ。映画を鑑賞する人は、とにかくあまり先入観を持たず、全く新しいSF映画とみた方がきっと満足するに違い有りません。わたしは多いに楽しみ満足感を得ることが出来ました。映画は娯楽、これにつきます。映画はシリアスな作品もあれば、奇想天外な作品もあり自身でそれをチョイスして多いに楽しめればそれで良いと・・・。衣装や舞台美術など奇抜でちょっと中国風なとこなど、作り手側も楽しんでいる気がします。他の出演者では、田中泯さん(よく観るベテラン俳優)がなかなかの存在感で、矍鑠とした浅野内匠頭を演じていた。でも何と言っても良かったのは、謎の女(適役)を演じた菊池凛子。元ネタには出てこない架空のキャラですが、実にいい。妖艶な容姿を思いっきり弾けさせ、菊池ここに有りと他の出演者を文字通り喰っている。役そのままである。彼女のこれからの活躍も楽しみだ。と言うことで楽しめる作品である。あっと!余談だか仇討ちの本かいをとげ凱旋するシーンで、大石主税を母が抱きしめる定番シーンも出て来ますが、ホロッときてしまったのはわたしだけでしょうか?
# by eddy-web | 2013-12-14 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
平成20年をスタートにはじめた、校長先生のお手伝い。
平成20年をスタートにはじめた、校長先生のお手伝い。_e0120614_23575744.jpg

我が子が通う江東区のT小学校。当時柄にもなくPTAの役員をやっていたのがきっかけで、わたしはK校長先生と知り合った。真っすぐな人柄の先生とはすぐに意気投合。ちょっと頑固なところなど、自分に似た部分がありとても親近感を覚えたのを思いだす。現在先生は別の小学校Mに移動したのだが、いまでも親交は続いている。T小時代わたしが、学校の“防犯マップ”や“卒業記念品”などをデザインしたのがことのはじまり。それらを高く評価してくださり、頼まれたのがこの冊子の表紙デザイン。2年おきに小学校の教職員を集めて開催される研究発表会。テーマに沿い公開授業を見学し、最後に研究発表会へと続く。そこでくばる研究紀要の冊子なのだが、今回は全国から800名以上の先生が集まると聞き、気合いを入れ制作に取りかかった。今年度の研究テーマは“「思考力・判断力・表現力」を育てる社会科授業の創造”。そして校長先生は、今回の研究紀要を最終章という位置づけで考えていると・・・。
第一章は“絆” 第2章は“無限” そして最終章・・・。いままでのコンセプトは、すべてこどもたちの姿をイメージし表現してきたもの。聞かせていただいたいろいろなお話から、最終章として導きだした表現は、「独り立ちするこどもたちが描く“未来の夢”」。それを“虹”に託しデザインを試行錯誤。どこまでもつづく子どもたちの夢に、わたしたちが出来ること。それこそが教育現場に必要な創造だと考え、3冊目が完成しました。※作品掲載ページ

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# by eddy-web | 2013-11-15 00:00 | ひとこと・ひとごと・ひとりごと(つぶやき | Comments(0)



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