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よもやまシネマ496 “ロマンスドール“
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2020.1.27

先週”ラストレター“を鑑賞し感動がさめやらない中、続けて観た作品は”ロマンスドール”。これには訳があり、単純にヒロインを演じている蒼井優さんのファンという理由。映画を選ぶ時、あまり深くは考えず観たいときに観たい作品を観る、と言うのがわたしの流儀。とくに構えて観る事も無く、気の向くままが普段のスタンス。だがひとつだけオタク的に選ぶのが、好きな俳優さんが出ているという時。この場合かりに作品が良かろうが悪かろうが、俳優さんを観たいという感情が優先するので、それだけですでに満足。今回は蒼井優さんが目的。彼女をはじめて観たのは”ラストレター”の監督岩井俊二が制作した”リリーシュシュ“。その時の透明感が何とも言えないくらい儚げで、それ以来ず~っとファンに・・・。
さて、話しを”ロマンスドール“に戻しましょう。先ほど彼女が出ていればそれだけで満足と言いましたが、ひとつ付け加えると彼女が出演した作品でハズレに当ったことがありません。どんな役も彼女でしか出来ない存在感があり、印象に強くのこる良い作品ばかり。今作も体当たりの演技でまた一皮むけた、そんな役どころを演じています。物語はどこにでもあるような男と女の物語。ひとつちょっと変った設定だったのが、夫の職業???妻にはず~っと隠していたアダルト商品ラブ・ドール(旧ダッチ・ワイフ)の制作技術者。この発想はなかなか面白い。これが物語の柱となり、出会いから結婚、そして・・・展開されていく。先ほども言ったがこの軸以外は、どこにでもあるラブストーリーで映画も面白おかしく、時折涙を誘うキュンとくるところを入れ淡々と進む。そんな平和な夫婦関係を突然襲う事件が・・・。これも普通に良くアル出来事で、心の隙間に忍び込んだ一瞬の過ちにすぎない。とてもリアルである。そこがこの作品の凄いところかも知れない。観てる内に「そこわかるなぁ~~」ってところが一杯でてくるのである。ようは人ごとではなく、まるで自分のことのように見えて来てしまうのである。そんな風に感じる人も多いはず。わたしは男なので、正直男の気持ちの方に傾いてしまうのは仕方ない。それでも女の気持ちも少しは解ります。中身は何時ものように話しません。ネタバレは基本しない方針なので、気になる人は毎度言ってるとおり自分で確かめに劇場へ足を運びましょう。
主人公哲雄役を最近活躍が著しい高橋一生が演じている。映画やTVでも良く観るようになった彼だが、この作品は彼にとっても代表作のひとつになったのでは無いでしょうか?男心(強さと弱さ)の不安定な感情が見事に演じられ、共感するところがそこら中に広がる。とくに目でこころの動きを伝えるさりげない仕草が、胸を打つこと度々。蒼井優さんももちろん良いのだが、一生くんは凄かったです。まわりを取り囲む脇役の俳優さんたちも芸達者ばかりで、こう言う人いるなぁ~~~って感じで親近感が湧く。舞台が立石だったか?その辺もなんだか身近に感じます。職人さんたちの思い入れというか、気質が良く出ていてあらためて拘りを無くしたら人生ってつまんないだろうな~って再認識しました。テーマはやや重だが、それをカラッと描いているのも救いである。なんか今までに観た事のない景色(蜃気楼)を見せられた感覚が残り、こころも体も「ふあぁ~~」とした感じになります。ラストも何となく笑って前を向ける感じでいいです。二人を観るだけでも充分おつりが来る演技だし、脇の俳優さんたち(お騒がせのピエール瀧など)も存在感のラッシュで「プロレスのバトルロワイヤル戦」を観ているようで楽しさ満載です。
P.S. 先輩職人の相川を演じた、きたろうさん良かったぁ~!!むかしの話しを聞かされるシーンは涙が止まらず嗚咽が出そうになりました。最後に疑問ですが、この作品ってR指定ですか?日本はうるさいですからね!
あと、忘れてならないのが監督のタナダユキさん。原作・脚本・監督と八面六臂の活躍です。女性ならではの視点で描く世界観は数多くの賞を獲っている事をみても明らか。蒼井優さん主演の“百万円と苦虫女”のファンでDVDも買いました。実は「蒼井優+4つの嘘」というBOXの中の1編で、とても良い作品です。このBOXはわたしのお宝。こちらも機会があったら観て欲しい作品です。


by eddy-web | 2020-01-29 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ495 “CATS”
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2020.1.24

初の実写映画化で話題のミュージカル“キャッツ”を初日公開に合わせ鑑賞。ミュージカルの金字塔とも言われる“キャッツ”は、1981年のロンドン初演から今なお世界中で愛され全世界累計観客動員数8100万人と言われ日本でもお馴染みの大ヒットミュージカル。劇団四季による国内通算公演も1万回を突破する舞台である。残念ながら舞台は1度も観た事のないわたし。それでも初の実写映画化となれば、当然観ないわけには行かない。物語の内容すら知らないわたしは、好奇心の塊でまるで主人公の猫ヴィクトリアそのもの。監督は“レ・ミゼラブルで歴史的ミュージカルの映画化を成功させた名監督トム・フーパー。制作陣もスティーヴン・スピルバーグを筆頭に世界最高の制作陣が集まった。そして個性豊かな猫たち(ジェリクル・キャッツ)を演じる面々が凄い。映画、音楽、ダンスなどの多彩なバイプレーヤーの磨き抜かれた演技、歌、そしてダンスは圧巻である。舞台とも違うその演出は観客をあっと驚かせ、夢の世界へと誘う。”猿の惑星“でお馴染みの視覚効果技術のモーションキャプターが、俳優陣の演技をより豊かに表現しそれは本物の猫のような不思議なリアルに包まれていた。そんな作品だから、とうぜん悪いはずも無くフィナーレまであっという間に誘い込まれる。はじめて観たわたしは、エンターテイメント性が詰まった作品に酔いその面白さだけで無く、猫に対する思いが少し変ってしまった。物語の中では、個性豊かな猫たちが思い思いの個性を爆発させ、自由奔放に生きている様が写しだされ人間もこんな風に生きられたら・・・。とつい思ってしまった。ただ、この作品アメリカでは大コケし、かなりの不評だそう。当然のことながら舞台と比較されるのはもちろんだか、そもそも映像にするとリアルさの追求と俳優さんたちの究極の技が嘘っぽくなるのは否めない。舞台では直接伝わる技術や歌の凄さが1枚フィルターがかかった状態になる。これらは舞台をこよなく愛するファンには、どう移るのでしょうか?わたしは舞台を観ていないので何とも言えませんが・・・。映画を観たとき舞台を鑑賞していた”レ・ミゼラブル“で、わたしもちょっと感じた違和感である。舞台と映画、表現の違いはあれど、これを同じ感覚で良さを望むのはいかがなものでしょう。わたしはそれぞれのよさがあり、それを認めたうえで観るのが最善の鑑賞マナーだと考えます。
映画の中、冒頭でCGを使った演出でネズミやゴキブリが出てきてちょっとブラックユーモア的な表現がありましたが、個人的にはちょっと笑えませんでした。このあたりが、表現上の大きな課題かも知れません。似た演出をするティム・バートン監督くらい、徹底するなら面白いのですが・・・。
主人公のヴィクトリアを演じたフランチェスカ・ヘイワードの愛らしさとダンスの素晴らしさは圧巻で、グリザベラ役のジェニファー・ハドソンの歌唱力は胸を打ち思わず涙を誘います。超一流のエンターテナーたちが、繰り広げる、猫たちの物語は個人的には充分過ぎるほどの感動をくれました。賛否の批評はあれど、まずは自身の目で確かめてはいかがでしょう。
P.S. 長老猫のオールドデユトロミーを演じた、ジュディ・デンチはやっぱり凄い俳優さんだなぁ~~と痛感しました。存在感は他を圧倒しています。また、ガスを演じたイアン・マッケランもしかり。ベテランと若手のコラボがこれほど見事に融合した作品はそうはないでしょう。舞台には無い楽曲「ビューティフル・ゴースト」を創り、自らも出演しているテーラー・スウィストのシーンも見逃せないワンシーンです。曲も「メモリー」に匹敵するほど印象深い曲になっています。


by eddy-web | 2020-01-25 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ494 “ラストレター”
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2020.1.20

大好きな映画作家、岩井俊二監督の“ラストレター”を観た。日本映画の監督で好きな人を上げると三人いるわたし。これは単純に好みの作家さんという、あくまでも個人的な見解で名匠・巨匠のくくりとは別物。その三人とは・・・。小栗康平、大林宣彦、そして岩井俊二。
どの方も繊細な作風で、シンパシーにとんだ視点で愛を紡ぎ出す唯一無二の存在の監督さんたちである。
さて、“ラストレター”を観て、「岩井俊二ほどロマンティックな作家を、僕は知らない。」と言う新海誠(アニメーション監督)のコメントは、今作をまさに言い当てた言葉。わたしも同感である。はじめて監督作品に触れたのが、深夜TVで放映されていた「GHOST SOUP」と「FRIED DRAGON FISH」である。日本人離れした感性が何とも言えず印象に残った。そのスタイリッシュな表現と感性に魅了され、その後多くの監督作品を観て大ファンになっていった。すべての作品を観たわけでは訳では無いので、あまり大口はたたけませんが個人的には“リリィ・シュシュのすべて”がとくに大好き。“Love Letter”など他の作品ももちろん好きですが・・・。DVDのコレクションも多く、たぶんオタクと言われても嫌ではありません。
さて、今作の“ラストレター”ですが、手紙が織りなす時空を超えたトライアングルのラブストーリーとなっています。ついに一番好きな“リリィ・シュシュのすべて”を超えてしまうくらい好きな作品と出会ったようです・・・。わたしのハートのど真ん中に直球が決まり、なんとも言い様がないほどの感動が全身を貫き、その余韻がずーっと続いています。こんなことはそう滅多にはないこと。その訳は作品の内容と断片的にリンクするような経験がわたしの中にあり、それがわたしの感情に火をつけてしまったのかも知れません。
戯言ですが、廃校となった小学校、初恋(中学クラスメートの妹)、高校時代の文通、親友との永遠の別れ・・・。時の差はあれど、みなこころの奧にしまい込んだ思い出のかけら。それらはパズルのように組み合わさり、わたしという人間を形成している。そんな自分がスクリーンの中に入り込み、まるで「Dejavu」のような感覚でわたしを覆って離さないのである。
「儚」という字はひとに夢と言う字が並ぶ。人は夢を見、それを叶えようとする。でもそのほとんどが儚く指の間をこぼれ落ちて行く。だからこそそれらは美しく輝き、自身の宝物になるのでは無いでしょうか?劇中で主人公(成人)乙坂鏡史郎が、自身を揶揄し発する「わたしは女々しい人間です」が、こころに強く突き刺さる。男はもともと女々しい生き物と自覚している。どれだけ時間が過ぎようと、思い出をこころの奥ににしまい込み忘れることが出来ない。偉そうにしていても、男とはそんなものである。余談ですがある番組で、「男はデータ(思い出)をず~っと残し、女は上書きしてデータを残す」と・・・。これは座布団2枚って感じの名言です。
なんだか今日は妙にハイテンションになり、訳の解らない話しをしてしまいました。映画はぜひ、観てください。きっとみなさんの中にも、忘れていた何かを気づかされる瞬間があるはずです。いつもどおり映像の美しさは岩井ワールドそのもので、懐かしいアルバムをそっと拡げたような作品です。そしてページをめくる度、柔らかな風が頬を撫で通り過ぎて行きます。さあ、岩井監督を知ってるひとも知らないひとも、すぐに劇場へ行きましょう。
P.S. 劇中のメールの文面で「君にまだずっと、恋してるって言ったら、信じますか?」という言葉が頭から離れません。時を経てなお想う、鏡史郎が美咲に宛てた真直ぐな気持ちが切なく胸を打つ。松たか子(裕里役)はじめ、福山雅治(鏡史郎)、広瀬すず(美咲/回想・鮎美役)、神木隆之介(鏡史郎役・回想)とみなさんがそれぞれの役に溶け込み本当に素晴らしい演技でした。演技という感じさえしないほど自然体の空間を創り上げていて秀逸です。裕里と楓香を演じた森七菜ちゃんが凄く透明感があり今後の活躍が楽しみ。また、美咲の元恋人・阿藤役で豊川悦司が汚れ役に挑んでいますが、うますぎて本当に嫌な(闇を抱えた)奴になっています。中山美穗もサプライズで出演し、また“Love Letter”を観たい衝動に駆られました。
今作は生涯で間違いなく忘れられない、映画作品の1ッ本に決まりです。


by eddy-web | 2020-01-22 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ493 “リチャード・ジュエル”
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2020.1.17

たまっていた欲求が一気に爆発したのか、昨日に続いて連日の映画鑑賞。選んだ作品はこれまた話題作“リチャード・ジュエル”。巨匠クリント・イーストウッド89歳が放つ、監督作40本目の記念を飾る問題作。物語は1996年にアトランタで起きた爆破事件をテーマにしたヒューマンドラマである。主人公の警備員リチャード・ジュエルが爆弾を発見し、多くの人名を救ったところから物語ははじまる。イーストウッド監督がもっとも得意とする実話を元にした、物語は静かに幕を開け、多くの人命を救った爆弾第一発見者のヒーローから3日後に一転し、FBI捜査局が容疑者として捜査をはじめる運命の悪戯を描き出す。真実とは何かというテーマを軸に、国家権力の強引とも思われる犯人像の構築とそれをネタに利権を争う報道各社がからむ報道合戦。そしてなんと言っても、その報道に惑わされ真実を見失う一般市民の単純さに恐怖を覚える。イーストウッド監督の見事としか言いようのない、緊張感溢れる演出の巧みさに、あっという間にその場にあたかもいるような感覚になる。一件ヒーロー像にはほど遠い感じの主人公ジュエルとその家族が、現代社会にはびこる報道の危うさに直面し、人生を翻弄される事実が浮き彫りになりひとごととは思えない怖さである。いままでも多くの作品で実話をもとに映画制作をおこなってきたイーストウッド監督渾身の一作は、さすがの仕上がりで決して過剰な表現をせずひたすら淡々とジュエルとその周辺の人たちのこころの動きを繊細に紡ぎ出し感動を呼ぶ。ジュエル役を演じたポール・ウォルター・ハウザーはもちろん素晴らしい演技で主人公の苦悩を繊細に表現し観客のこころに迫る。そして彼の苦境に寄り添い、国家権力の暴挙とマスコミによる姿無き誹謗中傷の嵐に戦いを挑む弁護士ワトソン・ブライアント(サム・ロックエル)の真実への挑戦が胸を熱くする。
彼たち二人の出会いはほんの小さな気遣いから生まれたもの。これを観るとひとはどんなに短い時間でもひとを信じる事ができ、ひとに優しくできる力をもっている事に気づかされる。現代社会でいまもっとも失われている、大切なひとへの尊厳である。
あらためてイーストウッド監督の凄さをまざまざと感じる作品となった今作。衰えを見せない監督のそのエネルギーは、いったいどこから生まれてくるのだろうか?わたしが思うにこの作品にも描かれている「真実」への探究と、「正義」への不動心にあるのでは無いでしょうか?世の中の流れに翻弄されないこころの目を持ち、ぶれないこころの創り上げてきたキャリアに乾杯(完敗)です。この作品は今年度のアカデミー賞候補に名を連ねていますが、そんなことよりも観てほしいと個人的のお勧めする秀作です。ぜひ、劇場に足をお運びください。
P.S. 母親ボビ役を演じたキャシー・ベイツが本当に素晴らしかったです。子を慕う母性が画面から溢れ、涙を誘います。1990年に公開されたスティーブン・キング原作の“ミザリー”の怪演で見事アカデミー主演女優賞を手にした彼女。その卓越した演技力は高い評価を得、多くの作品でその足跡を残しています。あの恐~~ぃ、アニーから30年。どんな役をやっても印象に残る、凄い女優さんのひとりでは無いでしょうか?これかもますますお元気で活躍してくれる事を願います。


by eddy-web | 2020-01-19 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ492 “パラサイト/半地下の家族”
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2020.1.16

話題の韓国映画“パラサイト/半地下の家族”を観た。すでに第72回カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを授賞し、アカデミー賞にもノミネートされている作品である。韓国作品を鑑賞するのは久しぶりだが、今まで観たどの作品ともちがうなにか特別な感覚を味合わせてくれ最後まで先の読めない迷路へと誘い込まれてしまった。こんな感覚を味わうのはいつ以来だろう?外国の賞レースに名を連ねるのは、当然と言ってもいい、それほどエキサイティングなエンターテーメント作品である事は紛れもない事実である。監督ポン・ジュノの作品を観るのは今回がはじめてのわたし。今作が長編第7作目となるそうだが、すでに発表されている作品も高い評価を得ていて韓国期待の映画監督である。これを基にいままでの作品を、是非観させてもらおうと本気で思っている。色々なメディアでこの作品が紹介されているのですが、監督が自ら観た人へのお願いとして「ネタばれをしないでください。」と言われているので、ここではいっさい内容のことには触れません。自分の目で確かめに、劇場に足を運んでください。絶対に損はしない映画だと思います。「わたし、失敗しないので・・・」とフォローだけさせて頂きます。
中身は話せないが、細かい映像のディテールもしっかりと演出されそれだけでも充分な芸術性を感じとれる構成でした。社会問題とも言われ始めた格差社会にメスを入れたような作品は、サスペンス仕立ての見事な演出でブラックユーモアな会話を調味料にしながら最高級の料理に仕上がっています。感じたことを言葉にすると、はじめは笑って観ていたのだが、途中から笑えなくなり、最後は笑ったら失礼と思えるくらいセツナイ気持ちになりました。場内が明るくなり隣で鑑賞していたご夫人二人のうちのひとりが、「万引き家族」にちょっと似ているかもと言ってました。確かに切ないところは似て遠からじですが、エンタメの観点からすると一歩上かも知れません。これは優れている意味ではなく、創作的な観点から観てのわたしの私見です。比べようもない視点からの創作で“万引き家族”も最高に素晴らしい作品だし大好きです。共通点は時代の流れの中に、取り残されてしまった人々が間違いなく存在しているという事実。つい最近TVのニュースでとある国の生活事情が紹介されていて、総人口の数パーセントの富裕層がその国の10%の資産を上回っているとのこと。あとの民は生きるので精一杯の生活を強いられているという。勝ち組とか負け組とかいう言葉が飛びかう今、みなさんはこの作品を観て、何を感じますか?将来を考えると、ひとごとではすまされない話ではないでしょうか?
P.S. 主人公家族(キム一家)の長ギテクを演じた、ソン・ガンホの圧倒的存在感には流石と思わずにはいられません。いままでも多くの作品で、その素晴らしい演技を見てきましたがまさに韓国の代表ともいう見事な芝居を見せてくらました。2つの(光と闇)家族で構成された舞台だが、そのどちらとも家族を演じた俳優さんたちとも見事で拍手です。中でもギテクの息子ギウを演じたチェ・ウシクが松田龍平似で強く印象に残りました。また塚本晋也監督作品“野火”に出演していた森優作さんにも凄く印象が似ていて、とても親近感を覚えます。美形男子とは言えませんが、きっと将来有望な俳優さんではないでしょうか?余談ですが“野火”も絶対に観て欲しい作品の1本です。

by eddy-web | 2020-01-17 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ491 “フォードVSフェラーリ“
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2020.1.14

2020年、年明け最初の映画鑑賞。最後に観た作品が“テッドバンディ”で、20日もの間映画を観ない日が続いた。お正月で何かとやる事が多かった事もあるが、観たいと思う作品が無かったと言うのが事実。公開されている作品はほぼ観ていたので、こんな有様になってしまいました。昨年は年間65本の映画鑑賞をし、週一ペースを何とか達成。にもかかわらず、今年のスタートがかなり出遅れてしまい焦っています。今年もよろしくお願いいたします。
さて、年明け初の作品”フォードVSフェラーリ“の感想です。実話がベースということもあり、中々の力作です。タイトルが生々しいので、いわゆる企業抗争を映像化したドラマとかってに思い込んでいました。ところがどっこい!男心に火をつける「夢に向かいひた走る、男二人の友情」が爆音とともにスクリーンに映し出される。カーマニアにとってはたまらない作品に違いないと思うが、車に全然興味の無い人でも100%と満足のいく作品です。わたしはバイク好きですが、車には特別強い思い入れはない。もちろんそんな自分でもフェラーリもフォードも知ってはいるが・・・。そんなレベルの知識しかない自分でしたが、アメリカとイタリアの名門自動車メーカー2社が、ル・マン24時間耐久レースを舞台に繰り拡げるモータースポーツの頂点をめざした争いの裏に秘められた熱い物語に酔いしれました。
主人公はマット・デイモン演じる伝説の元レーサー、キャロル・シェルビーとクリスチャン・ベイル演じる、腕は抜群だが性格に問題がある型破りの問題児レーサー、ケン・マイルズの二人が織りなす1966年のル・マン制覇を舞台に描かれる。当時ル・マンを6連覇中の絶対王者名門フェラーリをアメリカの大企業フォードが買収に失敗したところから、物語がはじまるのだが・・・。観ているうちに何だか今お騒がせの日産とルノーの事が頭に浮かんだ。自動車産業の衰退がはじまり、あれよあれよと企業合併(表向きは)が世界中に起こり、名ばかりの企業になりかねない実情の自動車メーカー。そんな裏事情を垣間見るような感覚がこの作品のベースとなり、よりリアリティを感じさせる。何十年も前から生き残りをかけた、熾烈な争いが繰り広げられていたことを知る良い機会になりました。ただわたし自身はそちら(企業抗争)より、主人公二人がとものに求めた夢の実現への戦いに挑む姿に感動し、大きな波に飲み込まれまいとする熱い思いに胸を打たれました。劇中フォード社の役員から主人公のひとりケンが異端児扱いを受け、「奴は純粋過ぎるところ」が問題だ!と言われる。ここが物語のまさにコンセプトである。公人と個人の差こそあれ、夢を掴むことへの大きな隔たりがこれほど違うことにショックを受けたと言うか現実を思い知らされた。もちろんこれは良い悪いではない。ただわたしは絶対個人の思いを優先するだろう。と言う事は大物にはなれないということです。主人公二人のプライドの輝きは紛れもない真実で、わたしはそれに賛同します。シェルビーとマイルズ、めちゃカッコいい男たちです。さて、みなさんはこの物語をどう受け止めますか・・・。
P.S. マイルズの家を訪ねたラストは泣けますが、劇中で一番印象に残ったシーンをひとつ上げるとすると・・・。それはレースで圧倒的有利にレースを進めていたフェラーリを逆転しゴールを切ったマイルズの勇姿に、レースを観戦していたフェラーリの会長がアイコンタクトで賞賛する。ここは感動です。これこそ純粋の極みでは無いでしょうか?その意味は直に映画を観て確かめてください。
※もうひとつ言いたいことが・・・。マイルズの妻モーリーという女性像が理想的に描かれ、男の夢にこんなに寄り添える女性って、世の中に存在するのでしょうか?という疑問です。演じたカトリーナ・バルブも素敵な女優さんでした。


by eddy-web | 2020-01-15 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
思い出を噛み締め、もうひとッ風呂と3丁目まで。
思い出を噛み締め、もうひとッ風呂と3丁目まで。_e0120614_11080126.jpg銭湯探訪48
吉野湯(江戸川区西小岩3)
2019.12.27


武蔵湯を後にして、駅に向かい総武線の降下したを歩いたわたし。時刻はまだ夕方の4時をちょっと回ったところ。このまま帰宅の途につこうかと思ってはいたのだが、銭湯恋しいの虫がまだ騒いで後ろ髪を引く。駅前に着くと「えいっ!!」と北口のアーケードを左へ・・・。そう、久しぶりの連湯です。
思い出を噛み締め、もうひとッ風呂と3丁目まで。_e0120614_11091014.jpg
駅前を真っ直ぐ進み蔵前通りの信号を渡り、徒歩7分目指したのは本日二軒目の“吉野湯”。お風呂屋の玄関が見えて来ました。来る前に小岩周辺の銭湯は、すでにリサーチしていたので迷う事無く”吉野湯“さんに着いた。煙突は確認出来なかったが、玄関上の伝統的破風造りの見事な彫り物(龍)がまず目に入って来た。銭湯ならでわの演出を観るのもまた江戸の文化を味わう事ができ嬉しいものだ。
思い出を噛み締め、もうひとッ風呂と3丁目まで。_e0120614_11121889.jpg
時代の流れに消えて行く街のシンボル銭湯たち。伝統を守ることの難しさはわたしたちがとやかく言える事では無いが、出来る事なら時代を超え長~~く続けてくれる嬉しい。そんなことを思ったのは、ちょっとセンチメンタルな気分になっていたからでしょうか?
早速中へ入ると、どこのお風呂屋さんでも観る常連さんたちの会話。この雰囲気がたまらなく好きです。すでにひとっ風呂浴びてきたわたしは、湯をお風呂を堪能するかのように浴場の中をガン観。外見とは裏腹に、中は意外とモダンで綺麗。湯舟うしろの絵はペンキ絵ではなく、モダンなタイル画。快晴の海に浮かぶオレンジ色のヨットが描かれていた。ちなみに女湯の方はダイナミックに流れ落ちる大きなたきのの絵が描かれているらしい。(許されるなら拝見したいのだが・・・。)もちろんやましい気持ちはこれっぽっちもありません。きっとこの絵も何代かに渡り変化をとげて今があるのだろう。ちょっと熱めの温度設定が心地良い。ゆっくりノンビリ、お湯を楽しむ事40分。苦手な電気風呂は今日はスルーし、じっくりと癒やしの時間を楽しみました。暖簾をくぐる頃にはもう夕闇が・・・。今日も一日が終わって行く。さあ、また明日も頑張って生きましょう。


by eddy-web | 2020-01-03 00:00 | 銭湯探訪(Love ゆ Tokyo) | Comments(0)


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