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よもやまシネマ395 “ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男”
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2018.4.25

昨年度のアカデミー賞候補作品の中で、わたしの中ではもっとも感動した一作になりました。ゲイリー・オールドマンの主演男優賞は、完璧な演技で文句のつけようがない授賞です。これほど重厚感溢れる作品には、とんとご無沙汰。“ペンタゴン・ペーパーズ”も良かったですが、わたしは脚本や照明、音響効果、映像、そして演技とすべてにおいてこちらに軍配を上げたいと思います。作品賞こそ逃したが、個人的にはこちらの方が好きです。好きという判断基準なら“3ビルボード”も甲乙つけがたい作品です。「いずれにしても主演男優賞は意義なし!!」拍手です。凄すぎて称賛の言葉すら見つかりません。“レオン”で出会ってからず~っと見て来た個性派の俳優さんは、とうとうやってくれました。「良い仕事してますねェ~~!!」って誰かみたいに言っちゃいます。脇役でいつも存在感をみせてきた地道な苦労が、ようやく実を結んだそんな瞬間です。そう言えばかつて彼の事を「カメレオン・アクター」と呼んだひとがいるそうです。これこそ、最高の褒め言葉かも知れません。
さて、作品は実在のイギリス首相の生き様を、第二次世界大戦の戦時下ナチス・ドイツとの和睦か徹底抗戦かの決断に迫られた時の首相の苦悩をリアルかつ繊細に紡ぎ出す秀作。物語の冒頭、追いつめられた当時の首相チェンバレンが退任に追い込まれ後に白羽の矢がたったのが、この物語の主人公チャーチル。決して評判のいい人物とは言えないがその雄弁さは、だれもが認めそれゆえに敵視するものも多かった。当時その言動が高圧的で「政界一の嫌われ者」とさえ言われていたそうである。確かに作品の冒頭で、自分の思い通りにならないとやたら怒鳴りまくるシーンが映し出される。正直「こう言うタイプは大嫌い」と、自分の頭の中を過った。ところがあれよあれよとその人間味溢れるこのおじさんに、どんどんと引かれていく自分がいつの間にかいたのである。色々なひととの会話シーンがとても深く味わい深く描かれています。例えば妻クレメンティーンとの会話は、毅然とした妻の言葉にたじたじのチャーチルの少年のように無邪気で可愛いし・・・。かと思えば後半、国王ジョージ6世との腹を割った会話には男同士の信頼が生まれる瞬間を映し出す。そして、秘書のエリザベスが自分の立場をわきまえずに、いまイギリスはどんな状況なのかを問うた時の行動と彼女との会話。机の上に置かれた写真を観てそれが彼女の兄であり、ダンケルクで戦死したことを告げられ時のチャーチルの表情に涙が止まりませんでした。いま思い出しても涙が溢れてきます。あのときの慈愛に満ちた瞳の奥の輝きは、一生忘れる事のできないシーンとなりました。あげたら切りのないほどの名シーンの連続です。はじめて乗った地下鉄の中での民衆との会話や、ラストの議会での和睦か徹底抗戦についての決意表明演説は圧巻である。4分間にも及ぶその演説は、民衆の声に耳を澄ませ、葛藤と苦悩を抱えながら導き出した彼の言葉。国を奮い立たせた瞬間が鮮やかに甦り、いま観ているわたしたちの心さえ激しく揺さぶります。その作品を観た時、昨年観た“ダンケルク”がリンクしイギリス本土では戦場と同じくらい大きな闘いが起こっていたのだということを知りました。
余談ですが、もうひとつ思い浮かんだ映画があります。“日本のいちばん長い日”です。2015年版で、もう4年ほど前の作品ですが世界大戦末期の日本が降伏を迫られ決定をくだす数日間の出来事。この時の首相の鈴木貫太郎内閣総理大臣と、昭和天皇の姿がチャーチルと国王の覚悟と決断を思い出させ、国を背負うことの重さを痛感しました。
なんだか、いま日本でもめている事が失礼ながらチッポケ過ぎて哀しくなりました。アッ!!ちょっと言い過ぎました(失礼)。すみません国民に取っては、小さい話ではありませんでした。ある意味、日本は平和だという証なのかも知れません。あまり誇れませんが・・・。

P.S. 演技が全てと言える作品ですが、忘れてはならないのがメイクアップでアカデミー賞を授賞した辻一弘さんの話。話すと長くなるので手短に・・・。友人でもあるオールドマンから直接、オファーを受けてのスタッフ入り。この時点でその仕事からは離れ別の仕事をしていた彼に“君じゃなきゃ、ボクはこの仕事を受けない”と言わせた絆話。こちらも感動しました。称賛するのはメイクだけでなく効果音の巧みな使い方や、画面構成の中で黒をバックにしたトリミングなど総合的にみても重厚感のある傑作です。絶対のお勧め作品です。今日までの公開ですが、頑張って何処かでやっているところを探し観てください。お願いしちゃいます。ヨロシクです。
※チャーチルの演説は、のちにノーベル文学賞を受け、彼は伝説のリーダーになりました。彼の残した言葉の一遍「成功も失敗も終わりではない。肝心なのは続ける勇気だ。」


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by eddy-web | 2018-04-26 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ394 “レディ・プレイヤー1”
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2018.4.23

スピルバーグ監督の超話題作“レディ・プレイヤー1”をI-MAX 3Dで鑑賞。感想に入る前にいつもの、わたしのひとりごとにおつき合いください。世界が認める映画界の巨匠、スティーブン・スピルバーグ。知らないひとなど、もはやいないと思われる世界最高峰の監督である。その作品のほとんどに触れてきたわたしだが、今回もまたまた監督の凄さを思い知らされました。やりたい放題の作品は、まさにエンタメ世界の巨人の名を絶対のものにしてしまいました。この作品は監督以外創れないし、監督だから創りえた作品である。わたしはゲームの世界には、全くと言って興味がありません。ですからやったこともなく、やりたいとも思った事がありません。息子や周りのやっているひとを観て、「何がそんなに面白いのだろう???」といつもこころの中で呟いている。ですから、今回の作品も特別興味があった訳でもなく、ひたすらスピルバーグ監督の名前に引かれての劇場入り。つい最近監督作“ペンタゴン・ペーパーズ”を観たばかりのわたし。その2つの作品が、同じ人物が創り上げたなどとどう考えても結びつかない。ある意味正反対のエンターテイメント作品である。凄過ぎます、どんだけ才能に恵まれているのでしょうか?どうやら2作品は、ほぼ同時進行で撮られていた模様。いやはや凡人には、創造すらできないパワーです。と言う事で、監督の話は1週間あっても尽きないほど話したいことばかりですが取りあえずまた折りをみて・・・。
さて、感想です。物語は今から27年後の近未来が舞台となっている。豊かな生活が待っているかと思いきや、荒廃した街が浮かび上がり人間はみな夢のない暮らしをしている。そして唯一の楽しみがVR(バーチャル・リアリティ)の世界、オアシスに浸りもうひとりの自分になり、まったく別の世界を楽しむことができるというもの。そしてそのオアシスの創業者が亡くなり、彼の残した遺言に3つの謎解きを完成した者に全て財産を提供するというと言う、「Ready!Go!!」のはじまり。物語はまさにゲームの世界観そのものを、映画の世界に持ち込み観客に体感させるという挑戦作。全然興味のないわたしと前置きしたが、アッと言う間にその世界へと誘われてしまった。製作スタっフも一流どころであろうチームが創り上げた最新技術を駆使してのVRワールドの映像は文句のつけようもない凄さ。専門家からはどう見えるのか解りませんが、ド素人のわたしは映像を追っかけるのに精一杯でメチャ疲れました。ただ、見終わってまず思ったのは監督の深いポップカルチャーに対する愛とリスペクトの心が溢れている事でした。そしてこの作品が若者の向けての表現ではなく、むしろ監督と同世代に向けてのメッセージが満載だってことに気づいたこと。表現上で出て来るキャラはポップカルチャーの代表格ばかりで、それらを見つけるだけでも楽しくなるつくりに監督の並々ならぬ愛情を感じます。また、日本が大好きだと言わんばかりの演出には嬉し過ぎて言葉もありません。キャラクターは世界中の有名なものばかりですが、圧倒的に日本をリスペクトしているのが良~く解ります。ガンダムが出て来るところなど、もうたまりません。はじめに言いましたが、この作品はやはりスピルバーグによる、スピルバーグのための、スピルバーグしか描けない映画です。著作権の問題など、彼の力をもってすればなんの障害にもならないという、むしろ「出させて(使って)もらってありがとう」って感じです。内容もなかなか深い話で、個人の人格と組織との闘いを軸に友情や恋愛を見事にリンクさせ、夢にあふれた作品に仕上がっています。スピルバーグ監督の凄さを存分に味わい、そして時間を見つけて過去のスピルバーグ監督作品をどうぞご覧あれ!絶対に損はしませんから・・・。
主人公パーシバル(ウェイド/現実人物)を演じたタイ・シェリダンをはじめ、若い俳優さんたちが初々しくかつはつらつと役をこなしています。ウェイドがラスト近くで創始者ハリデーの心に近づき思いに触れる会話には思わず涙。この手の映画で泣くなんて?不覚です。
P.S. 80年代のPOPミュージックがわんさか使われ、また名作の映画シーンを甦らせその時代を生きて来たOG、OBにはたまりません。それだけでも大満足。懐かしいものがず~っと時間を超え、いまに続きそして未来を創り上げていくと強いメッセージがこころに響きました。感謝!
※ゲーム感覚でキャラを探すなってのも、一興かも・・・。

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by eddy-web | 2018-04-24 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ393 “娼年”
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2018.4.17

“娼年"と言うタイトルに引かれ観た作品はR-18+指定。「R-18+って!」ヒラタク言うと18歳未満お断り(成人映画)という年齢制限のついた作品を指す。国によって規制範囲はかなり違うようで、日本では映倫維持委員会が定め、第三者機関の映倫(映画倫理委員会)やビデ倫などが公開前にチェックを入れ内容や表現により4区分に分け公開が認められる。一番トップになるのがR-18+となる。他国にくらべ日本はかなり厳しい方かも知れません。むかしは成人映画と名がつくだけで如何わしい作品と言われ、鑑賞するにもかなり勇気と覚悟が必要だった気がします。それこそドキドキしながら、そして後ろめたさを背負いといった感じ・・・(ピュアなひと)。ただこれはあくまでもSEX描写という前提での話です。現在のR-18+の規制は、著しく性的感情を刺激する行動描写や著しく反社会的な行動や行為、麻薬・覚醒剤の使用を賛美するなど極めて刺激の強い表現が審査の対象となると謳っています。簡単に言えば子どもには見せちゃいけないってこと。言われてみれば確かに・・・と思えるものだが、隠されると観たくなるのが性というもの。これは永遠のテーマかも知れません。なんだか面倒くさい話をしてしまいました。久しぶりのR-18+指定作品だったもので、つい・・・。
さて、“娼年”の感想です。主人公のリョウは何となく大学生活を送り、その空しさにもんもんとした日々を送っている。そんな時に出会ったなぞの美女静香に誘われコールボーイの仕事をはじめる。女性向けの会員制ボーイズクラブが舞台設定の、様々な理由で娼年を買う女性たちとのひと夏が描かれている。壮年に入っている自分ですので、若い頃とは違いそんなに刺激は受けませんでしたが、だからと言って枯れたという訳ではありません。経験値(たんに歳をとった(笑い))の違いとでも言っておきましょう。作品は石田衣良による恋愛小説が原作で、続編に「逝年」があり映画はこの二作品を合わせた構成で創られています。わたしはまず「娼年」「逝年」というタイトルに引かれました。本を買うのに何が決めてになるかと言えば、やはりタイトル、そしてデザインである。中身がどんなものであれ、まずはそこから意欲をそそられる。素晴らしいネーミングだと思います。創造力を掻立てられる題名です。漫画にもなっているとの事ですが、わたしは本も漫画も知らず映画に食いつきました。もうひとつ観ようと思った要因があります。それは主人公のリョウを演じている松坂桃季のキャスティングに引かれたことがある。すでに彼は舞台でこの役を演じての登板と聞いた。イメージは好青年で、デビューは「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンレッド。そして最近ではNHKの朝ドラ「わろてんか」にもでていたイケメンの筆頭に上げられる若手俳優さん。そんな彼がイメージを覆す、大胆な性描写満載の作品に挑戦しているところに興味が引かれた。イケメン俳優さんが次々に登場している日本映画界だが、彼の存在は個人的にはとても興味がそそられます。役者としてのふり幅の大きさがとても強く感じられる。昨年観た“彼女がその名を知らない鳥たち”でその端正な顔立ちとは相反する、メチャクチャ嫌な性格の猾い男を演じてみせてくれました。不愉快極まりない作品でしたが、ある意味その凄さがとても印象に残ったわたし。それ以来彼の中の無限の可能性みたいなものが観え、つぎはどんな役に挑戦するのだろうと目が離せなくなった。今作“娼年”でも、渾身の演技に挑んでいる感があり見応えは充分。それだけでも観る価値はありました。大半がSEXシーンの描写ですが、そこはあまりひかれません。絡む女性たちとの、感情移入がとても繊細に描かれ個人的にはもっと掘り下げてくれても良いくらい。SEXシーンを削ってでも???こっちはちょっと乱暴で、多少の見せ方の違いはあれどちょと大げさな感じさえしました。それはもちろん彼(桃季)や女優さんたちの身体をはった熱演には、拍手を送りますが・・・。
女性たちの訳ありな事情はとても興味を引かれますが、ベッドシーンは差別化もそう深くなくもう少し演出のしかたもあったのではと・・・。いちばん深い女性の性を感じたのは、初老の婦人(江波杏子)の言葉だけで創造し果てる行為でした。ただ最期にまた登場しての部分はなくても良かったかな?と個人的には思いました。見終わり、確かにR-18+指定はしかたないと思ったのと、それでも随分日本も変わったと認識させられる映画でした。
P.S. 昼間の鑑賞でしたが、男性客よりも女性客の方が多いくらいでちょっとビックリ。なんか堂々としていて、男の方がやっぱり小心なのかも知れません。20歳の頃を重い出すと勝負になりません。松坂くん効果ももちろんあるのでしょうが・・・。

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by eddy-web | 2018-04-21 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ392 “パシフィック・リム/アップ/ライジング”
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2018.4.13

前作ですっかりはまってしまったわたし。新作に大きな期待をしての鑑賞になり、劇場へと・・・。前作を監督したギレルモ・デル・トロは製作に周り、新監督にTV出身で今作が長編大一作となるスティーブン・S・デナイトが受け継いでの作品に。デル・トロ監督は今年度アカデミー作品賞を受賞したひとで、自他共に認める日本の漫画や怪獣オタク。そんな監督が創った第一作は、オタク度満載のロボットSF作品になり、わたしのこころを満たしてくれました。今作はその続編は前作より10年を経た時代設定でスタートする。近未来の話はKAIJUは別にしても、巨大ロボット(イェーガー)はいつか観る日もそう遠い日では無いかも知れない。そんな風に思って観るとまた、楽しさが倍増する。この作品ほどの巨大なロボットはないにしても、今作で活躍した個人専用ロボ・スクラッパー(アマーラ専用)は、近い将来必ずわたしたちの前に姿を現すことでしょう。
さて、感想です。10年後ということでイェーガーも進化しバージョンアップ。某コンピューターメーカー同様、呼び名を世代別に分け、最新機種を第6世代と呼び前作よりかなりスタイリッシュなデザインに変わっています。でも他の作品の造形に酷似しているものもあり、個人的にはそんなに新しさを感じません。むしろ前作のやや野暮ったい雰囲気の無骨な形態のイェーガーにわたしは引かれます。例えばガンダムのように・・・。個人的な思考だと解ったうえでの意見ですので、お聞き流しください。ちなみに前作のチェルノ・アルファ(第一世代)だが、ロボットと言うより重機みたいでだ大好きでした。クルーもロシア人夫妻で、なんかいかにもの存在感があり、あっさりKAIJYUにやられてしまうのですが格好良かったです。形態があまり洗練されると、どうしても現実味から離れてしまい冷めた目で見てしまう自分がいます。わたしだけでしょうか?まぁ、もともと荒唐無稽な話に、「何、語っちゃってんの?(笑い)」ですが・・・。
配役は前作から引き続き出ている人に加え、新メンバーのフレッシュな顔ぶれが加わり躍動しています。前作に続き森マコ役の菊地凛子は、役柄だけでなく堂々とした貫禄さえ感じる演技で脇を締めていましたし、新加入の中に新田真剣佑頑張っていました。日本人俳優がもう当たり前にハリウッド映画に出る時代が来ています。嬉しい限りです。ただ、前作にくらべ乗組員たちの個性表現があまりに薄い感じがします。先ほども言いましたが前作は、クルーの個性と各イェガーの造形がピタッとリンクしていて、みなカッコよかったので・・・。デル・トロ監督の作家性がそのあたりにもしっかりと見て取れました。
VFXがどんどんスキルアップされ観客の目を満足させてくれるのは嬉しいですが、CG技術の向上と共に想像力豊かな物語(中身)が沢山生まれると嬉しいのですが・・・。ちょっと技術の勢いに負けてしまっている作品が増えているのは、間違いない事実。そこらへん何を期待して観るのかで、この作品に対する評価は分かれてしまう気がします。進化が必ずしも良くなるという事でないことを、ある意味証明してしまった作品ではないでしょうか?面白いところはちゃんと引き継がれています。ただデル・トロ監督のオタク感を求めているファンには、ちょっと消化不良に思えるそんな映画です。デル・トロ監督のこだわりにはほど遠い続編になってしまった気がします。スマートなカッコ良さだけが輝くのではなく、真逆の良さにも光があることを思い知ったわたしでした。
※次回作の匂いを残したラストでしたが、もし叶うのであればもう一度デル・トロ監督にメガホンをとってもらいたいと、わがままを言って感想とします。
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by eddy-web | 2018-04-16 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ391 “ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書”
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2018.4.09

今年度アカデミー賞にノミネートされた、話題作“ペンタゴン・ペーパーズ”を鑑賞。スティーブン・スピルバーグ監督の渾身の一作は、1971年に起きたアメリカ最大のスクープ記事掲載に端を発した「報道の自由と権利」を問う、国とジャーナリズムの闘いを描いたヒューマン・ドラマである。
2年前に、やはりアカデミー賞作品賞になった“スポット・ライト”が記憶に甦る。こちらも地方紙「ボストン・グローブ」がスクープしたカトリック協会が隠蔽してきた、性的虐待をテーマにした実録ドラマでした。報道の是非を問う作品はよくテーマになり創られるが、娯楽作品とはほど遠い作品ばかり。それでも歴史を大きく動かした事件の1ページを、映画を通し描いてくれることには大きな意義が・・・。
面白いとは決して言えない映画にも、知っておかなければ行けない事実を描く役割がある。それを、しっかりと創り上げたのが今作“ペンタゴン・ペーパーズ”。作品は重厚感に溢れ熱い。
作品では主人公のワシントン・ポスト社主キャサリン(ケイ)・グラハムや、編集主幹ベン・ブラッドリー、そしてケイの良き理解者取締役会長フリッツ・ビーブの関係があまり深く掘り下げてはいない。事件そのものにスポットをあて、それぞれに立場の違う登場人物たちのジャーナリズムの是非と立場の狭間で葛藤する人間模様をきめ細やかに描いてみせている・・・。だが個々の人間たちが置かれている立場や、その関係性がやや見えにくい。そこがみえるともっと深い感動が生まれたに違いない。実はこの映画を観る前、TVで“ペンタゴン・ペーパー”の公開に合わせたかのようなドキュメントをやっていたのをたまたま観たわたし。思うに、その知識がおおいに役立ち複雑な人間関係にもなんとかついて行く事ができました。実にラッキーなわたし。観る前に多少也とも予備知識を入れ観た方が、この作品は深く味わう事ができると思います。
キャストも豪華でケイ役をメリル・ストリープ、ベン役をトム・ハンクスにすえ、監督がスピルバーグとなればこの時点で期待は高まるばかり。先はども言ったが面白い作品とは言えないが、まさに王道の風格漂う重さである。主演二人のなりきった演技は、流石と言うしかことばが見つからない。終盤の記事を載せるか否かの決断を迫られるシーンは、胸が熱くまた重苦しい緊張感が伝わってくる。報道とは大変な仕事である。もちろんどんな仕事にも責任があり、その上にプライドが成り立つ。ただ今作は国を相手取っての闘いを描いているのでスケールが違う。覚悟を持って仕事に望んでいるか?をまさにそれを問うメッセージがのしかかる大きなテーマである。1971年当時高校生だったわたしは、ベトナム戦争を背景に日本でも起きていた反戦運動真っただ中で青春を送っていたひとり。この作品に出会うまで、ベトナム戦争終結までの道筋をまったく知らず生きてきた。この作品との出会いで、あらためて権力に呑み込まれないこころの強さがどれだけ大切かということと、そして歴史が動くきっかけになる事実があったと言うことを知りました。
今作ほど大きくはない事例ですが、いま日本でも隠蔽工作が問題になり毎日TVを賑わしています。いったい真実はどこにあるのか?国民はため息まじりで画面を観ています。良い意味での覚悟をもった人が現れる事を切に願うばかりです。
P.S. メリル・ストリープの凄さが本当に伝わる演技ですが、取りまく周りの役者さんたちのリアリティーに溢れた緊張感ある芝居も、見逃すことができません。スタッフ全員の念いが詰まった、作品に拍手を贈ります。
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by eddy-web | 2018-04-10 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ390 “リメンバー・ミー”
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2018.4.05

今日はいきなりですが、まったく関係のない話から・・・。昨年夏、母の50回忌と父の37回忌を一緒にした植草家の法事が行われました。とても暑い日でしたが、無事法要も済み最期にご住職より頂戴したお話です。その時のお話は「ひとはこの世に生命を受け、二度死ぬことになっています。一度目は生涯を終え命が燃え尽きる時、そしてあと一つは生きているひとたちからの記憶から消えるその時。」とのことでした。「わたしたちが生きているのは、ご先祖があればということを忘れず感謝の気持を忘れず、一日一日を大切に暮らしてください。」との説法はあらためて父や母のことを感じずにはいられませんでした。
さて、話を映画“リメンバー・ミー”に戻します。今回観た作品は国や文化の違いはあれど、まさに家族の絆(先祖との繋がり)がテーマのものでした。ディズニーのピクサーが放つアニメの最新作は、今年度アカデミー賞二部門を授賞。その主題歌「リメンバー・ミー」が見事主題歌賞を獲得し歴史に名を刻みました。これ以外でもゴールデングローブやアニー賞など多くの賞に輝き、高い評価を受けた作品は家族の大切さを唱い上げ感動を誘う。ラスト近くに主人ミゲルがひいひいばあちゃんの前で歌うシーンは、涙涙でスクリーンがぼやけてしまいます。忙しく毎日を送るわたしたちですが、ご先祖とまではいいませんがせめて父、母のことくらいはいつも胸に抱いていなくてはとあらためて思うわたし。そんなことは当たり前のことなのかも知れませんが、なかなかそうもいかないのが現実。せめてお盆や彼岸くらいは、お墓参りに出かけ手を合わせることをしましょう。面倒臭がらず、バチはあたりません。そんなことを思い出させる温か~い家族のお話です。子どもにも観て欲しいのですが、むしろ昔こどもだった大人の人たちにお勧めです。家族の大切さをみなで、噛み締めましょう。
音楽の素晴らしさは、受賞でも実証済みですがやはり映像の美しさに引きずり込まれます。前にも言いましたが、CGアニメはあまり好きでない自分。ですが今作の美しさはため息もの。“アナと雪の女王”のときにひってきするくらいの感動を覚えました。実にリアルで柔らかな感触が伝わるキャラクターたちの表現は、思わず手を伸ばし触ってみたくなりました。風景もカラフルでメキシコの伝統と良く絡み、鮮やかで美しく色彩はヒロ・ヤマガタさんの作品を連想します。いまアメリカとの国境問題でもめていますが、ぜひ行ってみたい国のひとつになりました。物語の中心になるお祭り11月1・2に開かれる「死者の日」にチャンスがあればぜひ・・・。
※日本語吹き替えに藤木直人さんや松雪泰子さん、そして渡辺直美さんなどがでていましたがまさにピッタリ。ぜんぜんだれだか解りませんでした。


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by eddy-web | 2018-04-06 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ389 “レッド・スパロー”
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2018.4.02

いま、一番気になる女優さんジェニファー・ローレンスの最新作“レッド・スパロー”を鑑賞。またまた、カッコ良いNewヒロインの登場である。昨年観た“アトミック・ブロンド”のシャーリーズ・セロンが演じた最強の女スパイが記憶に新しいところだが、今回のも負けてはいません。“アトミック・ブロンド”もR-15指定作品でしたが、今回も同じ。かなりエグイシーンが多く、リアルかつシリアスそしてハード。演出では思わず目を背けたくなる場面も。だが、そこが今までにないリアリティで、本物志向にはたまらないかもしれない。CIAやKGB(現FSB)と言った実際に存在する諜報機関はよく出て来る組織名ですが、今回ほど怖い存在感を感じたのははじめて・・・。映画に映し出されてきたスパイたちは、かなり誇張されヒーロー化され描かれて来たものが多い。がしかし今作は、育成機関の裏側にまで踏み込んだ深い切り口で、マジ怖いです。まして女性が主人公ですので、もう少し穏やかかなぁなんて思っていたらとんでもありませんでした。ここまでやるかの連続。それに出演したジェ二ファー・ローレンスの覚悟はハンパない感じです。身体を張った演技には、息をするのさえ忘れてしまうくらい緊張感に溢れていました。美しいな顔がアザだらけになり、全身傷だらけの姿は痛々しい限り。“アトミック・ブロンド”のセロンもかなりハードでしたが、さらにリアルな衝撃シーンの連続です。国と国との情報合戦の闘いは怪しさ満載で、正直だれが味方で誰が敵なのが最期まで解らず見る側にも不安を煽ります。のめり込むと主人公の苦悩が自らに体感し、疑心暗鬼になる作品です。カッコイイと言うより凄いと感じたヒロインの登場です。ここまで人は強くなれるのかと思わせる精神力には、言葉がみつかりません。さて、みなさんはどんな感想を持つでしょうか?女性にはあまりお勧めはできませんが、強い女性(鉄の女)を自負している方はどうぞ。いまなら結構いるかも知れませんね?
ジェニファー・ローレンスには大拍手です。このひとの凄さをあらためて実感しました。メイクの上手さもあるのでしょうが、表情がどんどん変わり男にはまね出来ない凄みさえ感じます。この作品の前に“マザー”という作品に出演していますが、公開間際でお蔵入りして物議を呼んでいます。わたしも楽しみにしていた作品ですが、情報を集めると賛否が大きく分れこちらもかなりハードな内容のようです。公開が中止となったほどですから、かなり覚悟を持って観た方が良いかも知れません。近日DVDが発売ということなので、楽しみに待ちたいと思います。怖いもの観たさもありますが、観なければ何も言えませんので・・・。好きか嫌いかに真っ二つに別れると、ある評論が載っていました。ジェニファーのファンなら観ない訳にはいきませんよね。
P.S. 共演にジェレミー・アイアンズとシャーロット・ランプリングと、ただいるだけでも存在感のオーラが出まくる俳優さんがやっぱり凄かったです。こんな俳優さんはそうはいません。それにも負けないジェニファー・ローレンスの女優魂に、今一度拍手です。本当に凄かった。
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by eddy-web | 2018-04-03 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ388 “ヴァレリアン”
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2018.3.30

巨匠リュック・ベッソンが放つ最新SF超大作“ヴァレリアン”を鑑賞。デビュー当時から注目を集め、3作目の“グランブルー”でそのアーチスティックな映像美の世界が映画ファンを唸らせた監督。その後も数々の話題作を世に送り出し、多くのファンを虜にし映画史に残る名作を残してきた。作家性が色濃く拘り抜いた映像表現が、インパクトのある映像美を生み出し良くも悪くもつねに話題を提供。最近はプロデューサーとしての仕事が多く、自らメガホンをとった今作は、ファンには待ち望んだ一本。いままで描いてきた作品はジャンルを問わず幅広く、その振り幅は新作が出る度に「えっ!」と思わせるものばかり?
今作はSF作品ということだが、監督が独自で企画製作した名作“フィフス・エレメント”が、今回の“ヴァレリアン”に多大の影響を与えられていると言われています。今作はコミックがベースの作品なので、また違った世界感をきっと見せてくれるに違いない。
さて、感想です。「あちゃぁぁぁ~!やっちゃってくれました。」。監督が30年積み上げてきたキャリアを思いっきり自由奔放に解き放ち創りあげた、贅沢きわまりない娯楽エンターテイメント作品の登場です。ゲスな感想ですが、どんだけ時間とお金がかかっているのかと、もはやそっちに興味が行ってしまうくらいの贅沢三昧。お金持ちの超オタクが創りあげた、お宝の詰まった玉手箱(映画)をひっくり返したような作品に最後は溜め息。きっとこの後、評論家たちから多く賛否の声があがるのは間違いないこと。それでも思うに、そんなこと百も承知で監督はこの作品を創ったに違いないと覚悟さえ読み取れます。ファンはきっと許すに違いありません。こんなこと出来るのは、他にはいないことをみな知っていますから・・・。
監督の描きたかったものが全部詰まっているようで、映像表現はもとより美術や衣装、メイク、音楽、そしてキャストとどれをとっても監督好みのディープなコンテンツのてんこ盛り。どこに注目していいのかさえ、忘れてしまう有様です。なんだか批判めいた言葉を連呼していますが、決してそうではありません。ついて行けない自分にハラが立っているだけ。さて、みなさんはどんな評価をなされるのでしょうか?個人的な意見としては、ファンはきっとまた監督のことが好きになったに違いありません。それが本当のファンだからです。
物語はSF冒険活劇と言ったところで、とくに明確なテーマがあるようには感じられません。ただ、見終わると美しいものを破壊してきた人類への警告のようなものをわたし自身は感じました。遠い遠い未来へ向けいま何を考え、すべきこととは・・・?そんなメッセージが作品に描かれているような気がします。
作品内で一番目を引かれたシーンを上げろと言われたら、絶対に一押しなのがエイリアンのバブルを演じたリアーナの踊りのシーン。その妖艶さと華麗な踊りは圧巻でここだけでもお金を払う価値がある。ただ、このシーンは作品にどんな役割があったのかはちょっと疑問である。監督のサプライズと言ったところでしょう。長くは出演していないのに、これだけインパクトを残すところがセックス・シンボルと称されるリアーナの存在感に違いありません。あとはヒロインのローレリーヌを演じた、カーラ・デルヴィーニュのの可愛らしさが際立ち光っています。主人公のヴァレリアンが初っぱなから口説き文句連発ですが、観る側の気持ちとリンクし変な疑似体験をしているかのよう。眉が濃く太い端正な顔立ちは、往年のオードリー・ヘップバーンと重なります。モデル出身の彼女のこれからが多いに楽しみ。今作では歌手としてもデビューし、話題を振りまいています。

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by eddy-web | 2018-04-01 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)



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