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よもやまシネマ387 “トゥームレイダー/ファースト・ミッション”
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2018.3.27

アンジェリーナ・ジョリーの名を決定づけた代表作、“トゥームレイダー”が生まれ変わって公開されました。主人公のララ・クロフトはマニアには知られたゲームシリーズ“トゥームレイダー”のアクションヒロイン。同ゲームキャラで有名な“バイオハザード”シリーズのアリスと双璧と言っていいキャラクターのヒロイン。どちらもゲームファンのみならず映画ファンをもうならせる、カッコイイ女の代表である。
今回リメイクされた新作“トゥームレイダー”は、ララ役に若手演技派女優アリシア・ヴィキャンデルを迎え、新しいララを遺憾なく見せてくれる。アリシアは“リリーのすべて”でアカデミー助演女優賞を獲得し、いまやハリウッドで最も注目されている女優さんのひとり。アンジーとはまた違う光を放つ、彼女がどんなララを演じてくれるのか期待大。“光をくれた人”という作品で彼女の清らかな美しさに引かれたわたしだが、アクションのイメージがどうしても湧いてこない・・・。そんなところも興味がつきない作品である。
さて、感想です。新制ララ・クロフトは、アンジーが演じたララを全くと言っていいくらい派手さがない。というとなんか駄目だしをしているかのようだが、そうではありません。前のシリーズのララは、女版のスーパーマンとでも言うかとにかく強く、シャープに研ぎ澄まされた頭脳と肉体を駆使して冒険を集結させるスーパーヒロイン。もちろん格好良くそして美しい憧れの存在である。比べられること自体をきっと想定しての作品づくりが、今作品には見て取れる。あれだけ印象強く描かれたアンジーのララを、また同じように創ってはクリエーターとしての意地が許さないと挑んだに違いない。だからこそあえて真逆のイメージをもつアリシアに白羽の矢を立てたに違いありません。監督したロアー・ウードックの作品は観るのがはじめてだが、製作への拘りはわたしには充分伝わってこれからの展開がまたひとつ楽しみになりました。前作が完璧なスーパーヒロインだとするなら、今作は人間味溢れる等身大の人間ララ・クロフトの登場である。わたしたちと同じ怒りや悲しみを抱え、迷いながらも生まれながらに持った強い好奇心に突き動されるそんな女性がそこにいる。アンジーのような色気は皆無だが、なんかほっとけない危うい魅力満載のララ・クロフトの登場となっています。
物語はララの生い立ちに迫り、プロローグ的要素を多分に含み女性トレジャー・ハンターの誕生編と言った作品に仕上がっています。謎解きから始まる展開は前作同様ですが、新しい解釈でオリジナリティを出すことにも余念がない。ララと言えば大金持ちで、冒険の資金には事欠かないセレブがイメージ。ところが今回は、アルバイトで生計を立てる超貧乏生活で暮らすララが・・・。ちゃっかり無料で格闘技を学ぶ発展途上にいる彼女の姿が映し出され、自分を投影する形がとられています。父親の残した遺言メッセージも邪馬台国のヒミコが出てきたりで、日本人にはたまらない導入の脚色になり最後まで息つく暇のない物語に仕上がりました。
さて、みなさんはどんな評価をすることでしょう。ゲーム感覚が満載だった、前作とはまた違う新星ララ・クロフト。個人的にはどっちも魅力いっぱいですが、比べられません。どうぞ劇場に足を運び、自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか?あなたはアンジー派、それともアリシア派・・・。
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by eddy-web | 2018-03-31 00:00 | Comments(0)
よもやまシネマ386 “午前十時の映画祭8/麥秋”
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2018.3.23

最終日駆け込みで、往年の名作“麥秋”をはじめてスクリーンで観ることに・・・。公開されてから60年以上も経つという昔の作品なのに、どうしてこうも感動させられるのか。1951年に上映された作品は、時が経っても色あせないジンワリとこころに染み込む演出で、あらためて小津安二郎監督の凄さを味わうことになりました。日本を代表する監督として、かの黒沢明よりも世界では評価が高いとされる名匠小津安二郎。いままでDVDでしか観たことのない自分ですが、今回劇場スクリーンで鑑賞し何とも言えない世界観にすっかり酔ってしまいました。平凡な生活をただ描き出すだけなのに、なんでこんなにもひとを愛しく思えるのだろう。日常の中にある風景をほんのちょっと切り取った物語に、どうしてこうも感動してしまうのか?見終わった時感じたのは、小津監督の中にある人間愛が、人並みはずれ深く大きいことに気づかされる。そう、人が大好きで愛おしくてたまらないという、そんな感情が作品の中に溢れ出ているのです。庶民の何気ない生活を切り取り、だれにでもあるこころの動きを描き出すだだそれだけなのに・・・。タイトル名の“麥秋”の麥と言う字をよく見ると、人という字が幾つも重なり合って構成されています。想うにきっと人生の秋を迎える人々への賛歌として創られた作品なのだと、ひとり想うわたしでした。
映画はまずテーマを決め、観客にメッセージを贈る形で創られるもの。基本かなり題材を選び吟味し表現に繋げて行くため、ある意味独創性が要求され、時に押しつけや思い込みへと繋がってしまうもの。伝えるべきテーマがはっきりとしていればいるほど、良くも悪くも作品は創りやすいとは思うのだが・・・。小津監督作品には、そうした大上段に構えたテーマはほとんど見受けられない。それなのに何故こんなにも、人に寄り添い感動を与えてくれるのか不思議である。催眠術にでもかかったような気分になる。世界で賞賛されるのは、自分たちと同じ人間が織りなす等身大の世界を包み込むように優しく描き出すからではないでしょうか?時折入るユーモアを巧みに交えそれもサラッと・・・。観る側がこんなにも肩の力を抜いて鑑賞出来る作品は、エンターテイメントを目指す作品が多い中そうそうない。ここがだれにもまねの出来ない、小津ワールドなのでしょう。“麥秋”は、小津作品の中では最高の呼び声高い作品だと言われています。観て損のないことは、わたしも保証いたします。偉そうに言って恥ずかしいのですが、時代がどんなに変わっても、絶対に変わることのない人を想うこころ、そして忘れがちな人に寄り添う気持ちを思い出させてくれます。こころがじわぁ~っと暖かくなりとても幸せな気持ちになりました。
小津監督には欠かせない女優の原節子さんは、まさに伝説になっている人。この作品でも他の女優さんにはないオーラが出まくり物語の主人公紀子を演じています。役は少しだけ裕福ではあるが、戦後間もない頃の日本なので生活はごくごく質素である。そんな庶民役でも何とも言えない上品さが溢れ、まさにこれぞ女優と言わせる魅力が画面から溢れてきます。まわりの俳優陣もみな実力者揃いで、映画史に残る名優ばかり・・・。原さんを含め当時はまだ、みなさんそんなお年を召していないのに凄い存在感。名を残す人は、はじめから輝いていると言うことをまざまざと見せられます。後に紀子が嫁ぐ家の姑さん役の杉村春子さんがやっぱり半端ない存在感でした。戦後ようやく平和を迎えたひとびとの、細やかな幸せを描いた作品の“麥秋”だが、監督はこの作品で「人の世の、輪廻と無情」を描きたかったと述べています。
P.S. 劇の最後、お母さん役の東山千栄子さんがぼ~っと部屋のどこかを見つめ発した言葉「いろいろありましたが、幸せな人生でしたねぇ~。」が、すべてを表しているようなそんな気がします。
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by eddy-web | 2018-03-27 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ385 “ちはやふる・結び”
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2018.3.20

天候のせいなどあって、ちょっと間が空いてしまった映画鑑賞。そんな時偶然目にしたTV放送の映画“ちはやふる”。広瀬すず主演の映画は、思っていた以上にこころに響きいつの間にか食い入るように観ていたわたし。漫画が原作の作品なので、勝手に恋愛をベースにした青春ドラマと位置づけ遠くで眺めていた。青春ものは嫌いではないが、60を超えたおっさんが夢中になって観るのには躊躇いが・・・。ところが以外や、その内容の深さといきいきと生きている主人公たちの姿に、遠い昔に置いてきた忘れ物を見つけたような感動がふつふつと。競技カルタという知らなかった舞台設定にも強く引かれ、そこでぶつかり合う若者たちの想いをかけた熱い戦いにすっかりはまってしまいました。カルタが宙を舞う瞬間、「何じゃこれ!まるで格闘技じゃん!!」って正直思い、概念もいっしょに吹っ飛んだわたし。1000年もの長き歴史を重ねいまも続く日本伝統の文化の奥深さと進化に完全にKOです。
その時に感じた勢いのまま、“ちはやふる・結び”の章を劇場へ観に・・・。主人公千早はもとより、周りを取り囲むキャラが実に個性に溢れ魅力的に描かれた作品は見終わると何故か爽やかな気分に・・・。まさにこれぞ青春。野球やサッカーと何ら変わらないスポ根の世界がそこに描かれ、人と人との絆が大切に描かれ涙を誘います。青春ものにありがちなストーリー展開と言えばその通りですが、時代がどんなに変わろうとも一度はその時間を過ごした者にはたまりません。さきほども言いましたが、キャラがみな輝いていて「いるいるこんな奴」っていった人物が大勢出てきます。はじめ「いや~な感じ!」って思っていた奴が、終わって観れば好きになっていたりして中々の設定です。切磋琢磨して頑張るライバルたちの存在が、どれだけ大切なものかをしっかりと伝えてくれます。時々立ち止まり、悩む姿はじれったくもあり愛おしい瞬間。あ~ぁ!こんな時もあったよなぁ~って、おじさんはひとりジィ~ンと来てしまいました。やれやれ!!劇中に交わされる言葉の中にも、思わず「ふ~ん、良いこというなぁ」と感動することしきり。いい年したわたしまで関心させられます。まだまだ修行が足りないのでしょうか???
原作は漫画なのだが、これを観てつくづく思った事がある。日本の漫画ってやっぱり凄いということ。まさに新しい文化といってもいいものではないでしょうか?外国のひとたちが、絶賛する日本の漫画やアニメはその題材の広さにある。衣食住など何でもテーマにしてしまう、日本人の感性に世界中のひとの興味が向いていることは紛れもない事実です。もうひとつ言えるのは、伝統を重んじ日本文化の継承がしっかりと今に繋がっているではないでしょうか。外国の人が一番リスペクトしているのは、間違いなくそこ。
何だか変な話になってしまいましたが、日本人で良かったと思えた時間を感じたわたしです。
P.S. 広瀬すずちゃんは可愛いだけでなく、実力も兼ね備えた女優さん。若いのに出来すぎ感が半端じゃない。これからどこまで駆け上って行くのでしょうか?いろんな役をこれからもこなし、きっと日本を代表するような女優さんになるのでしょうね。そう、そう、クイーン役をやった松岡美優さん、良かったです。独特のキャラを見事に演じ何度もほくそ笑んでしまいました。彼女もこれから楽しみな女優さんです。


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by eddy-web | 2018-03-22 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ384 “午前十時の映画祭8/招かれざる客”
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2018.3.09

公開から51年にもなる懐かしい名作、“招かれざる客”を鑑賞。この作品を観たのはリアルタイムではなく、数年がたったころ名画座での鑑賞だったと記憶している。いまでもテーマとされる人種差別問題に深く切り込んだ作品に、当時胸を打たれたことが思い出されます。時が経ち先日64歳になったばかりの今観ると、また違った意味で色々感じるところがありました。単に人種を超えた愛の物語などとは、言い表せない奥の深い問題をきめ細かに描いていることに気がつかされます。当時の時代を考えれば、こんなに奇麗ごとではすまされない話ではないでしょうか?
それにしても、出ている俳優さんたちの演技力には舌を巻いてしまいます。たった一日の出来事を描いているのに、なんと濃い時間を感じさせてくれるのだろう。交わす言葉の誠実に満ちた感情移入は、一言一言に重みがありこころにズシンと響きます。時代も大きく変わり今でこそ自由になった恋愛だが、もしこの状況が自分に降り掛かったらどんな答えを導き出すなかと考えさせられてしまいます。そのくらいの圧倒的な俳優さんたちの演技力が、ただただ凄いのひとこと。この作品は多くのアカデミー賞にノミネートされて話題になった訳だが、主演女優賞と脚本賞を授賞した。母親役を演じたキャサリン・ヘップバーンが見事な演技で、2度目の女優賞に輝いた文句のつけようがない作品である。複雑な母親の感情をきめ細やかな演技で演じ、思わず涙を誘う。主人公の黒人青年医師を演じたシドニー・ポワチエは、この作品の4年前に“野のユリ”で黒人俳優ではじめてのアカデミー主演男優賞を獲得した俳優で脂ののった見事な演技でした。実父との口論で「黒人である前に、人間でありたい」と訴えるシーンはまぎれもなくこの作品のテーマそのものである。脇を固める俳優さんたちも、みな人間味に溢れ突然降って湧いた出来事を右往左往しながらウェットに富んだ会話でこころを和ませてくれます。こんなひとばかりなら、世界平和も夢ではないと思わせてくれます。わたしが一番感動したのは、何と言っても父親を演じたスペンサー・トレーシーの演技。凄過ぎて言葉が見つかりません。残念ながらアカデミー賞は逃しましたが、紛れもない名優の演技で忘れることのできない作品となっています。残念ながらこの作品が彼の遺作となってしまい、観れば観るほど残念に思えてしまうわたしです。キャサリン同様彼もまた映画史に残る名優として、燦然と輝くスターとなりアカデミー賞ノミネートはジャック・ニコルソンに抜かれるまで9回を誇る俳優さんでした。
映画を見終わって、現在描かれている人種差別をテーマにしたものの原点はここにあるような気がします。至ってシンプルな内容の作品ですが、まさしく名作とはこういう作品を言うのだろうと改めて確信しました。あなたも是非、観てはいかがですか?
P.S. キャサリン・ヘップバーンとスペンサー・トレーシーの関係は周知の事実だった当時、籍こそ入れていなかった二人だが最期を看取ったのはやはりヘップバーンだったそうです。映画の中と同じ、愛に満ち溢れたパートナーだったに違いありません。彼の死後、彼を思い出し辛いという理由でヘップバーンはこの完成版を観ていないと記述に残っています。いまは天国で幸せに、下界を見下ろしていることでしょう。合掌。
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by eddy-web | 2018-03-09 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ383 “シェイプ・オブ・ウォーター”
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2018.3.06

話題作“シェイプ・オブ・ウォーター”を鑑賞。今年度のアカデミー賞候補No.1の呼び声が高かった作品だが、見事に作品賞を受賞。つい昨日の発表に、いても立ってもいられず劇場へと足を運びました。
感想ですが、大人向けのお伽噺と言ってしまえばそうなのだが、かなり深い愛のテーマを描いています。でも見終わって感じたのは、こう言う作品がアカデミー作品賞を獲るようになったこと。あまり今までにはない事例ではないでしょうか?3年前に作品賞を受賞した“バードマン”も同じような要素を含んだ内容でしたが、それとはまた違う表現には複雑なメッセージが含まれ、なかなか整理がつかないわたし。監督したギレルモ・デル・トロの書き下ろしで創られた作品は、独自の世界観で溢れ、夢とも現実とも思える不思議な空間を想像させてくれます。監督はオタクとしても知られるひとで、日本のまんがなどにも精通し強い影響を受けていると聞きます。そんなひとが創った作品は、主人公のモンスター(半漁人)への拘りも凄く、リアルな作り込みにまず驚かされます。目の動きは特にリアルで、その表情はことばでは表現出来ない感情を見事に表しています。このモンスターを創るのに、今回アカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞(ウィンストン・チャーチル)を受賞した辻一弘さんに目だけでも創ってほしいと頼んでいたという話が流れていました。本当ならすごい話。いずれにしてもそのリアルさは観ていただければ納得のはず。
さて、主人公のモンスターと心を通わせる女性イライザ(サリー・ホーキンス)は、生まれつき声を失っている障害を持った人物。その彼女は物語の中ではマイノリティを代表していて、友人のゼルダもまた黒人というだけで差別を受けている設定。間違いなく差別への警鐘を訴えたメッセージ性が読んで取れます。ましてやモンスターとなればマイノリティの代表。そんな二人の恋という異例な愛の形の表現が、アカデミー賞という栄誉に繋がったことは間違いないことでしょう。ラストの水中の抱擁シーンは、絵画のように綺麗で美しくこころに残るものとなりました。イライザは全然美人ではありませんが、見終わるととても愛おしく可愛い女にみえて来ます。内面から溢れ出す無償の愛が、彼女をそう見せるのでしょう。荒唐無稽な話ではありますが、こんな愛の表現もあるのかとデル・トロ監督の創造力には拍手を贈ります。
作品はSFともラブロマンスともモンスター作品とも言える要素を併せ持つ、監督のオタク度100%の作品に仕上がっています。アカデミー賞を受賞したほどの作品ですが、結構賛否は分かれるのではないでしょうか?個人的には好みですが、微妙なモヤモヤが残り、わたしの中の満足度が100%にならなかったのは事実。ラストも「へぇ~、そうなるか?」といった感じだし・・・。オタク好みの作品であることは間違いありません。映像表現がちょっと“アメリ”の色彩感に似ていたり、音楽の使い方が郷愁を誘うような古典の曲を使ったりと、独特の演出を施しています。ちょっと凝り過ぎていて、その演出が何を意味しているのかと考えてしまうほど・・・。“美女と野獣”は100%のお伽話でしたが、今作はまさにリアル版ともいえます。斬新な発想の物語は、単に好きとか嫌いとかだけでは評価できないところが、良くも悪くも考えさせられる厄介な作品。このモヤモヤ感は「エヴァンゲリオンの最終回」以来の出来事です。さて、みなさんはどのような感想を持たれるでしょうか?見終わった後に、あれやこれやと話が尽きない物語ではないでしょうか?

P.S. 劇中でイライザが手話で、「彼を助けないんだったら、私たちだって、人間じゃないわ」っていう言葉は胸に突き刺さります。


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by eddy-web | 2018-03-07 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ382 “BLACK PANTHER ”
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2018.3.01

マーベル最新作“BLACK PANTHER ”を、公開初日に鑑賞。マーベル・コミックの実写化作品としては18作目となるもので、黒人が主役のはじめての作品でもある。この黒人主役の作品と言うのは映画界でも少なく、ましてやヒーローものともなればはじめて。話題にならないはずも無く、全米では異例の大ヒットを記録している。またアメリカでは、オバマ大統領の誕生以来の歴史的出来事と称賛されている。それは単に黒人のスーパーヒーローが活躍する単純な設定ではなく、奴隷制度や植民地主義、※アフロフューチャリズムといったテーマも含まれ、社会現象にまでなっているとのこと。
さて、作品の感想です。マーベル発のニューヒーローは、すでに“キャプテン・アメリカ/シビルウォー”にて登場しているのはご存知だと思います。キャラのひとりという設定だったので、あまり素性が明かされず興味をそそられるひとも多かったはず。今回はそのすべてが解明される作りとなっていて、やはり単独の物語でしか描けない細部にわたっての創り込みがあり素晴らしい仕上がりでした。いままでのヒーローとも違う、新しいヒーロー像を創り上げている気がします。はじめに述べたように、アメリカの歴史にも深く関わる人権問題がバックボーンにあることがよく伝わり感銘を受けました。出演者のほとんどが黒人というのも異例だし、ましてや黒人がメインのヒーローものなど数十年まえなら考えられなかったことではないでしょうか?舞台はアメリカとアフリカの小国「ワカンダ」(架空の国)。この国の若き国王ティ・チャラが主人公だが、この国表向きは途上国の貧しい国なのだが実は・・・?と言う、この発想がまず面白い。まんざらあり得ない話でもないかも知れません。これだけでも創造力が掻立てられ、わくわくドキドキします。ハイテクの最先端をいくこの国の科学の粋を集め生まれたヒーローが、今回の主役ブラック・パンサー。いやぁ~、メチャクチャカッコイイです。シンプルな黒のコスチュームに身を包み、いっけん地味なようで切れ味は最高。他のヒーローの艶やかさはないが、逆に引かれるキャラである。目立ってなんぼのヒーローものではあるが、このヒーローの存在はマニア向けではないでしょうか?さきほど述べた人権問題などを抱えている背景が、新しいヒーロー像に組み込まれているコンセプトに拍手です。一発で好きになりました。近く公開予定の“アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー”にも登場することになっている訳だが、あまり進化しないでこのままのシンプルなスタイルを崩さないでほしいと願うわたし。昨今のヒーローは続編が公開される度に、進化を重ねだんだんとロボットみたいな重装備になっています。はじめからそう言うキャラは別として、そうでないキャラは原点を忘れないで欲しいと一ファンとしてお願いしたい。予告でチラっと観たスパイダーマンのコスチュームですが、ちょっとやり過ぎに見えたのはわたしだけでしょうか?軟弱な青年の面影が全く感じられませんでした。それぞれにキャラの特徴があり、スパイダーマンのようなおおよそ虫も殺せないような男が変身するのが面白いし、夢を与えてくれるのではないでしょうか?昔のヒーローはなぞが多く、だからカッコ良かったのです。あまり目立ってはいけません。あれ!!いつの間にか話が変わってしまいました。まだ観てもいないのに、余計なことを言ってしまいました。悪い癖です、申し訳ありません。
ニューヒーロー登場に熱くなってしまいましたが、ぜひ劇場に足を運び確かめてください。きっとあなたも好きになるはず・・・。
P.S. 俳優さんもほとんどが黒人でしたが、監督さんも黒人のライアン・クーグラー。“フルートベール駅で(実話の射殺事件)”でデビューを飾りその才能を高く評価されたひと。今作が3作目だが、これからがますます楽しみ。マイノリティの視線にたった作品は、もちろんですがこれからも沢山良い作品を創って欲しいと願うわたし。あと映画の中で目を引いたのが、衣装デザイン。古典的なアフリカの民族文様や色彩などを生かし、実に見事なアレンジで近未来の衣装を創造しています。そのあたりも、ひとつの見所ではないでしょうか?
※“アフロ・フューチャリズム”とはミュージシャンに限らず一部の黒人 アーティストが表現する宇宙思想。

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by eddy-web | 2018-03-02 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)



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