カテゴリ:よもやまCINEMA(映画の話)( 413 )
よもやまシネマ419 “ボヘミアン・ラプソディ”
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2018.11.12.

伝説のロックバンド「Queen」の伝記ミュージカル映画、 “ボヘミアン・ラプソディ”を鑑賞。公開前の宣伝文句で伝説と謳っていたが、見終わって「Queen」は今でも生き続けているということを確信させられます。この作品はボーカリストのフレディ・マーキュリーに焦点を当て、バンド結成から1985年の20世紀最大のチャリティコンサート「LIVE AID」までを描いていた物語となっている。音楽プロデューサーにクイーンのメンバー、ブライアン・メイ(キタリスト)とロジャー・テイラー(ドラマー)が務め音楽への拘りに満ち溢れ、改めてクイーンの凄さを思い知らされた。映画ファンも音楽ファンも間違いなく満足するに違いない。タイトルの“ボヘミアン・ラプソディ”はクイーンの名を不動にした名曲。劇中にこの曲が流れた時は、鳥肌が立つのを感じ一気にタイムスリップする。1970~80年代世界を席巻したロックバンドの知るには、絶対お勧めの作品だある。名前は知っているけどという若者たち、観て損はありません。きっとクイーンが好きになると思います。そしてクイーンの創造する音楽が、他のどのバンドとも異なる天才的感覚であることがはっきりと分る、そんな作品に仕上がっています。
クイーンの話は切りがないので、ちょっと映画よりの話をします。この作品、企画は2010年に発表されたにも関わらず8年もの歳月たちようやく公開となった。映画会社はもとより、クイーンのメンバーや監督、そしてプロデューサーなどがすったもんだを繰り返し、誕生までにはかなりの苦労があったらしい。それぞれに立場が違う人たちが、伝説のバンド「Queen」に対する思い入れが強いがための産みの苦しみがあったのではと推測する。一番大変だったのは、監督の途中降板。撮影は2017年からブライアン・シンガー監督のもとスタートしたのだが、撮影中に監督が現場を空けた上にスタッフと衝突したのが原因で結果的に解雇されたらしい。あくまでもネットでの情報ですので、細かい事情はよく解りません。3分の2まで撮影が終了していて、その後デクスター・フレッチャーが後を引き継ぎ今年1月に完成したそうです。ファンとしてはひとまず胸をなどおろしたところ。このままお蔵入りなんて事になっていたら、ファンはもとよりフレディがきっと悲しむに違いありません。本当に良かったです。撮影後もいろいろ意見が分れ、今も名を続いているよう。偉大なアーチスト過ぎて、きっと参加したひとたちの念いがぶつかり合ったのだと思います。映画の中で、クイーンのメンバーが意見の衝突をし解散の時期が取り上げられています。ここら辺はまるで、映画と製作がWって観えある意味素人のわたしたちでもちょっと解るところ。創造者が集まると、必ず起きる出来事なのです。劇中に一度解散したメンバーが集まり、再結成する場面でフレディがソロになってからの集められたメンバーの話をするところで「俺の想い通りにすべてが進むのに、満足感が全くなかった!」と吐露するくだりは感動しました。良い仲間とは、意見を率直にぶつけ合えることが出来ると言う事。こんな仲間欲しいですよね!みなさん。
音楽面に重点を置いた作品なので、人間フレディにもっと深く切れ込んだ物語もちょと観たい気がする私ですがそこは個人的に違うかたちで勉強しようと思います。フレディをはじめ、バンドメンバーを演じた俳優さんたちが、あまりに似ていて本当にビックリ。ラストに実際のメンバーたちの写真が出てきますが、ただただ驚くばかり。俳優さんたちに大拍手です。見た目はもちろん、雰囲気や繊細な仕草などメンバーがすぐそばにいるそんな感じになりました。
P.S.最期の「LIVE AID」シーンで観客と一体化した怒濤のパフォーマンスでは、もう涙が止まりませんでした。久しぶりに最高に気持ちイイ涙を流す事ができました。フレディ最高!クイーン最高!!
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by eddy-web | 2018-11-13 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ418 “ヴェノム”
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2018.11.02.

MARVELが、マーベル史上屈指の最悪ヴィランと銘打つダークヒロー“ヴェノム”が公開されました。MARVELの作品と言うだけで、ワクワクするひとは多いはず。かく言うわたしもそのひとり。公開初日に劇場に足を運んだが、以外や以外けっこう空いていました。金曜日の午前中っていう時間帯は微妙。よっぽど好きか?それとも暇か?といった所でしょう。さてわたしは、どっちだ!!
正直な感想を言います。今回の作品のみで、とやかく言うのは問題ありかも知れませんが、わたしの中にはあまり響きませんでした。そもそもダーク・ヒーローという位置づけが、ちょっと理解しづらい。闇を抱えたヒーローという意味では、バットマン(DC)に代表されるような暗い背景があり、人間性を感じさせる弱さを合わせ持つ哀愁があるものだと思っています。いままで登場したMARVELのヒーローたちも、その部分はみな持っていた。あのサノスでさえ、わたしたちのこころに響いたのはそれが感じられたからではないでしょうか?そう考えると“ヴェノム”の位置付けがいまひとつピンと来ないのは何故だろう?VFXを駆使した創造力を駆使した表現は申し分なく、流石マーベル。おどろおどろしいそのキャラもいままで似なくインパクトは絶大だが・・・。どうもわたしの中には寄生してくれません。
比べてはいけないと思っていますがあえて言わせてもらうなら、はじめに言いました哀愁(人間性は希薄)が感じられないことが最大の問題点なのかも・・・。主人公エディ(トム・ハーディ)に寄生したシンビオート(地球外生命体)が、ヴェノムとなる訳だが、映画を観る限りシンビオートは寄生するにも相性があるという曖昧な事実が見て取れる。相性が良ければ共存でき、悪ければ双方とも死んでしまう・・・みたいな表現。そのあたりがもう少し突っ込んでもらえたら嬉しいのですが・・・。勝手を言って申し訳ない。悪なのか善なのかを明確にして欲しいというところ。
悪の代表言えば、バットマンの宿敵ジョーカーを思い浮かべる。中でもやはり「ダークナイト」のヒース・レジャーは追随をゆるさないインパクトでいまもこころに残る(悪い意味)。見た目の不気味さも大事だが、やはり想像を越えた行動や言動がそこにはあり、理解不能の世界があることで引かれる、そんなものかも知れない。“ヴェノム”は容赦なくひとを喰らうが、そんなことではないもっと別な悪を感じさせてくれたら納得いくのかも知れません。今回はどっち付かずの線上にいて、そのあたりが観客にはもどかしいところではないでしょうか?
※トム・ハーディ頑張っていました。“マッドマックス”ではシャーリーズ・セロンに喰われてしまいましたが、“レヴァナント”での演技ではいまも脳裏に焼き付いてますが、逆にデカプリオを喰らっていました。“ヴェノム”も違った意味でひとを喰って欲しいものです。
P.S.  バットマンのベイン役も個人的には大好きです。
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by eddy-web | 2018-11-03 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ418 “クワイエット・プレイス”
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2018.10.22.

気になっていた作品“クワイエット・プライス”。公開されてから大分時間が過ぎてしまったのだが、劇場を探し日本橋へ。SFホラー作品は数多く、傑作も多い。今作品は予告編で観たとき、絶対観ようと思っていたが近くの劇場では公開してなく気がつけば見逃すところ。
最近観た作品では“ドント・ブリーズ”や“ゲット・アウト”がとても印象に残っているが、これらと同じ臭いを感じた。五感を刺激するような創りは、恐怖心を掻き立てられ非日常を味わうことが出来たまらない。視覚や聴覚に訴えてくるホラー作品はもちろん多いが、今作品は聴覚を題材にし見えない恐怖をさらに倍増する。静かに物語が始まり、手話によるコミニュケーションで繋がる家族がスクリーンに映し出される。アメリカの田舎町に暮らす一家が主人公の物語は、声を潜め息を詰まらせ「音を出さない」というルールの中生きている。何の説明もなくいきなりそんな世界へ飛び込む観客も、訳も解らず息を呑む。これぞホラー映画の醍醐味で、いきなり画面にひきずり込まれる。そして始まるとテロップで「何かがやってきて89日」と表示される。街は静まりかえり人の気配はない。ここで観客は世界の終焉を何となくイメージする。見事な導入演出であっという間に主人公たちと一体化する感覚を覚え、ドキドキする感覚が増幅していく。89日目がはじまりアッという間に、家族の一番末の息子ボーが犠牲になる。一瞬の出来事で、なにも見えないが家族はその現実を目の当たりにし深く傷つく。ここから物語は進みラストへと続いて行きますが、出演者はこの家族と老人ひとり。後はだれも出てきません。久しぶりに見えない恐怖と、してはいけない恐怖(無音世界)に挟まれホラーを満喫しました。
それから約一年が経ち、472日と473日の2日間が描かれます。凝縮された時間が後半の展開を駆け抜けますが、エミリー・ブラントが演じる母親エヴリンがこどもを身ごもりっていることに驚かされます???これだけで恐怖心が倍増ですが、(ウッソ~ッ!この状況下で?)といった感じです。さてラストはいかに・・・。
エヴリンを演じたエミリー・ブラントは好きな女優さんのひとり。時に勇猛果敢な女戦士、時にアルコール依存症で心病む女性と、幅の広い演技力で観る度にその魅力を発揮する女優さん。今作でも張り詰めた緊張感のある演技を魅せ圧巻です。また、子ども役の二人も素晴らしい演技でした。長男役のノア・ジュプは“ワンダー、君は太陽”で世界が注目する子役ですが、今回も見事に繊細な役作りをしていました。もうひとり娘リーガンを演じたミリセント・シモンズが本当に素晴らしい演技をし存在感を表しています。彼女は役そのままで聴覚障害を持っているが、多くの作品で高い評価を得ているとのこと。この作品ではまさにキーパーソンの役どころを演じていて共感を呼びます。
P.S. 正直な感想をちょっとだけ言いますが、謎の生物(クリーチャー)が、はっきりと姿を現してから別次元の物語になってしまいちょっと残念に思いました。もっと違った表現はなかったのかと、生意気ですが思ってしまいました。SFは表現も落としどころも本当に難しい、作り手の覚悟が大切。名作にも愚作にもなる、諸刃の刃。前半が良かった分、ちょっぴり不満の残る結果でした。シャマラン監督の“サイン”を思い出してしまいました。


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by eddy-web | 2018-10-23 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ417 “散り椿”
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2018.10.15.

公開前から待ちわびていた作品“散り椿”を鑑賞。日本映画の王道ともいえる時代劇。一時期時代の流れに呑み込まれ、創られることがめっきりと減り衰退の一途を辿ったチャンバラ映画。制作費がかかるとか、集客が見込めないなどさまざまな理由はあったと想像される。ハリウッド映画の西部劇がまさに同様に衰退した時代があったが、これも娯楽作品への思考が時代とともに変わったという証。それでも時代はめぐり、時代劇も西部劇も映画界に戻ってきました。国は違えど本物の娯楽作品に自国のアイデンティティが描けるこのジャンルの価値を再認識したのでないでしょうか?単にノスタルジーを追っかけている訳ではなく、きちっと過去の作品をリスペクトした作品創りが感じられる良い作品が近年多い。また漫画を実写化したものなどは昔の作品ともちがい、ある意味New時代劇ともいえるものも生まれ嬉しい限りです。
さて、今回の作品は昔ながらの王道時代劇が描がき出され、オールドファンたちにはたまらない。物語のストーリーはある藩でおきた汚職をベースに展開していく定番の話しだが、なんと言っても時代描写や殺陣の見事さには息を呑む。これぞ日本映画と言ってもはばからない、日本のこころや美が丁寧に丁寧に描かれ、日本人として何か誇れる気持ちが湧いてきます。監督は“剱岳・点の記”で日本アカデミー賞最優秀監督並びに撮影賞を受賞した木村大作さん。業界に60年以上携わる日本映画とともに生きてきたひと。もともとは撮影監督出身で映像への拘りは追随をゆるさない。今回もその美意識が溢れんばかりの演出で、観客のこころに響き染み渡る。初めて撮影助手を務めたのが巨匠黒沢明監督の作品で、その後何十年の時を名匠・巨匠とともに映画と向き合って来た人。観れば感じますが、美への拘りは半端ないと実感させられる。沢山の経験を積み重ね、きっと拘り職人の監督が誕生したに違いない。主演の岡田准一も語っていた「美しい時代劇を撮りたい」という木村監督の熱い思いが見事に開花した作品となっています。久しぶりに正当派の時代劇を魅せられ、もっと沢山時代劇を創ってほしいと心底思うわたしである。
キャスティングもみなはまり役で、なんと言っても主人公・瓜生新兵衛を演じた岡田くんには拍手です。新兵衛が乗り移ったかのように、凜としていて武士道を貫く真の武士を演じていました。殺陣が得意とは知っていましたが、椿の樹木前で西島秀俊(榊原采女)との立ち回りはただただ美しく見とれてしまいました。岡田くんのアイデアでこのシーンが創られたことを某TVで知りました。印象に残るシーンとなったのは、間違いありません。自分勝手な妄想もあり、きっと泣けるのだろうと思っていましたがそこは空振り。でも後で考えると、監督がそんなめそめそした映画にはしたくなかったのだと思えてきました。これは男の中の男を描いた、人生の生きざまを魅せてくれたそんな作品です。


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by eddy-web | 2018-10-16 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ416 “フロリダ・プロジェクト/真夏の魔法”
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2018.9.25

2本目に観た作品は”フロリダ・プロジェクト“。題名だけ聞くと何だか創造もつかない。ところが見終わった後も、何故この題名がついたのか???のわたし。副題で「真夏の魔法」とあるが、こちらの方ある意味納得のいくネーミングである。タイトル(題名)は、本もそうだが重要な役割を担う。説明過ぎても駄目だし、かといってあんまり飛びすぎても心に響かない。この落としどころが実に難しい作業なのである。
後で思ったことだが今回の作品は本題と副題のペアで、なほどと思わせている気がする。副題は日本の映画配給元がつけたのだろうが、オリジナルのタイトルを壊さないよう配慮された気遣いが感じられる。いきなり小難しい話しからのスタートになりましたが、これから感想をふくめ話をしたいと思います。
さて、物語はフロリダのディズニー・ワールド近郊のモーテルで暮らす子どもたちと、その親たちやまわりの大人との日常が描かれている。主人公はシングルマザーのヘイリー(プリア・ビネイト)と、6歳の娘ムーニー(ブルックリン・キンバリー)。けっして褒められるような生活を送っているわけではないが、懸命に寄り添い必死に生きている親子がそこにいる。そして二人が暮らすモーテルの管理人ボビー(ウィリアム・デフォー)がそっとより添い厳しくも暖かく見守っている姿を重ね映し出しながら進む。ムーニーの明るく無邪気な性格が、ともすると暗くなる現実に光を灯し救われることしばしば。母親のヘイリーは客観的に観れば、間違いなく自己中の駄目親。事情はあるにせよ決して褒められる親とは言えない。そのだらしない生活ぶりが、矢継ぎ早に描かれちょっと不愉快にさえなる。それでも娘ムーニーにとってはかけがいのない存在であることが、しっかりと彼女の(*^o^*)が表している。そしてどうしようもない母親ヘイリーだが、だれよりもムーニーを愛していることが良く解る。このふたりに未来はあるのか・・・?
昨今NEWSで報道されるDVや育児放棄といったことは描かれておらず、健全とは言えないが賢明に生きようとする親子の絆が胸をうち、ラストは深く考えさせられる。映像も美しく、舞台となるフロリダの街がポップでカラフルに写し出され、内容の重い雰囲気を払拭する演出になっているところは見事です。アメリカが抱える「光と闇」を浮かび上がらせた作品は、現実を考えるためのテーマとして訴えかけてくる。思わぬ拾いものをし、とても良い時間をもらったわたしです。
P.S. 管理人役を演じたウィリアム・ディフォーがこの作品でアカデミー助演男優用にノミネートされています。その素晴らしい演技はいぶし銀の輝きで、観客を魅了します。観ていただければ納得です。ムーニーを演じたブルックリン・キンバリーも子どもとは思えない見事な役者っぷりで、末恐ろしい気がします。どんな俳優さんになって行くのか、とても楽しみ・・・。
※「フロリダ・プロジェクト」とは、60年代に始まったディズニーのテーマパーク開発計画を指す言葉とのこと。監督は幸せの象徴である”魔法の国“を皮肉にも明のシンボルとして位置づけ、そのそばで生きる貧困者の闇の現実を見事に対比させ秀作を生み出しました。
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by eddy-web | 2018-10-02 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ415 “君の名前で僕を呼んで“
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2018.9.25

ここのところペースダウンしている映画鑑賞。いろいろ訳もあるが不徳の至る所と雨の中、飯田橋に足を運んだ。見逃していた作品を観たいと思い立ち、ギンレイに朝一で・・・。二本立ての内一本が目当てだが、今日は頑張って二本観る事に・・・。
さて目当ての一本は“君の名前で僕を呼んで“。昨年アカデミー賞に四部門でノミネートされた作品で、うち見事脚本賞を授賞。作品は1980年台のイタリアを舞台にした、17歳と24歳の青年が織りなすひと夏の情熱的恋の物語。同性愛を描いた作品は、いまやそう珍しくもなくなった。いまだに差別はあるものの、昔に比べれば信じられないくらい人権も理解される時代。同性愛(LGBT)を描いた作品は、いままでも多く描かれその多くが良作ばかり。近年では“アデル、ブルーは熱い色”“チョコレート・ドーナツ”“ダラス・バイヤーズクラブ”“ムーンライト”“キャロル”と上げれば切りがないほどである。みなこころに残る傑作で観て損はない。
さて、今回の“君の名前で僕を呼んで“も間違いなく傑作と言える作品だ。同性愛に興味はないが、ひとを好きになるのに境がなくても仕方のないことだと思える。ひとはだれかに支えられ生きる生きもの。男同士であれ、女同士であれ互いが必要であるならそれはそれで自然なことと映画は描いています。物語はイタリアの避暑地を舞台に、静かにそして淡々と進んで行く。ピアノの旋律と美しい風景が全体を包み込み、主人公二人、エリオ(ティモシー・シャメラ)とオリバー(アーミー・ハマー)の繊細なこころの動きを紡ぎ出し進んでいく。いっしょに過ごす時間の中、次第に引かれて行くどうしようもない気持が痛いほど切ない。衝撃的なシーンも織り込まれているが、自然体で描かれ違和感を感じさせない。二人が中心で物語はラストへと向うが、終盤にエリオが父親とする会話が本当に沁みてきます。こんなにも深い愛もあるのだと思わされる名シーンになっています。LGBTの問題は最近でも多く取り上げられ、日本(某議員の発言)でも話題になっています。根強い差別の壁は簡単には解決しない現実。どう受け取るかは個人の問題だが、こう言う作品に触れる度「愛」という言葉の意味を考えてしまう。
長回しのラスト、暖炉の前で流すエリオの涙の美しさにわたしも涙してしまいました。結構長い表情のアップが続きますが、その分彼の想いの深さが伝わるとても良いシーンでした。この作品もきっと語り継がれる一本となる事でしょう。
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by eddy-web | 2018-09-30 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ414 “MEG・ザ・モンスター“
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2018.9.11

スピルバーグ監督の往年の名作“ジョーズ”を知らない人はそうはいない。だが、時代が進めば知らない世代が現れるのはしかたのないこと。現に20歳を超えた娘は、その映画なにっ???という始末。これが現実である。初っぱなから話題がそれたが、そんな中公開されたのが今回の作品”MEG・ザ・モンスター“。予告編を観て、久しぶりにあの恐怖が蘇り怖いもの見たさの衝動に駆られた自分。そして、期待度はMAXに・・・。巨大ザメ“ジョーズ“を遙かに超えたその大きさはジョーズをもひと飲みにするバカデカサ。まさにモンスターである。主役は鮫ではなく150万年前に絶滅したとされる鮫の一種メガロドン。人間などイワシくらいの大きさにしかならない、超巨大ザメと人間とのバトルが描かれた作品は観る前からワクワクしてたまらない。クルーザーを丸ごと飲み込むような鮫に挑む主人公テイラーを演じるのは、アクションスターのジェイソン・ステイサム。特技の格闘技では歯が立たないであろうモンスターにどう戦いを挑むのか?と興味は尽きない。劇中、ビルドアップされた裸のシーンが出てくるが、ギリシャ彫刻のようなその体型にはおもわず息をのむ。観客の視線を代弁するような演出で、ヒロインのスーイン(リー・ビンビン)が演技で表現しています。この作品はスピルバーグ監督へのリスペクトであり、時代を経て現代のテクノロジー(VFX)を最大限駆使して創られた贅沢な娯楽エンターテーメント作品になっている。”何度もドキッとさせられ、夏の終わりにはもってこいかも・・・!?。水中のシーンは無音になり、恐怖心が増幅します。音のない世界はとても怖いし、息苦しさまで伝わり水の苦手な人にはそれだけだ恐怖かも知れません。お年寄りと女性には不向きかも?多くの犠牲は伴いますが、無事ラストを迎えることができ「めでたし、めでたし」。ジョーズとジェラシック・ワールドを合わせたような作品でしたが、ステイサムが「白鯨」のエイハブ船長が乗り移ったような演出になっていて、名作へのレクイエムを感じました。さて、みなさんは“ジョーズ”派、それとも“MEG"派。
※パンフのデザインはかなりディフォルメされています。ここまでは大きくないかも?バス二台分の全長と記載されていました。そんなのが本当にいたらパニックどころの騒ぎではありません。
P.S. 興味深い話がGeekTyrantに載っていたのでひとつ。スピルバーグ監督曰くあの頃CG技術が現在と同じレベルで存在していたら、きっと“ジョーズ”は駄作になっていただろうなぁ・・・と話している。深みのある言葉だ。いまのCG技術を批判している訳ではなく、サメがあまり出てこないところが名作として生き残った要因でそれが傑作を生んだと語っています。CG技術があれば90%サメが主役になっていたと思うとも・・・。なるほど、納得である。

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by eddy-web | 2018-09-13 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ413 “アントマン&ワスプ”
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2018.9.04

MARVEL最新作“アントマン&ワスプ”を鑑賞。前作を観ていないわたしだが、MARVELのファンとしては観ない訳にはいかないと劇場へ。前作を観なかった訳を言えば、自分の単なる拘りでキャラの見た目がどうもイマイチでパスしてしまった。気を取り直し第二作目に挑戦。結果は思いのほか面白く、反省しております。“アベンジャーズ/シビルウォー”は観ていて、今回の物語がここと繋がっていることを確認した次第。こうなると第一作を観ない訳にはいかなくなる。早めに対処するように致します。見た目で判断するのは、どうかみなさんやめましょう!(ゴメンナサイ!!)
さて、今作品ですがもっと軽いお話かと思いきやとんでもなく深い話で、科学の難しい話が飛び交い我ながら猛反省。SF名作“ミクロの決死圏”を思い起こすような場面に懐かしさと夢の広がりを同時に感じました。前作を観ていないわたしは、人間関係が解らないまま鑑賞に望みましたがとくに問題なく物語を楽しむ事が出来ました。ただ、やっぱり見終わった後即第一作を観なければと衝動に駆られたのは事実。シビルウォーで登場したときに、初めてお目にかかったのだが周りが超有名すぎてちょっと影が薄かったのはいなめない。スコット(アントマン)はキャプテン・アメリカの大ファンで、まるでヒーローの匂いはなく一般人と同レベルでキャプテンとはじめて会ったときの興奮状態はカワイィ!キャプテンはヒーローの中のヒーローなのだと、ここで証明された。納得である。劇中、活躍は見せるがスパイダーマン同様やはり脇役になっていました。それを考えるとメインをはる今回の活躍は素晴らしい。ちょっと頼りないところはあるが、そこが逆に親近感が湧き他にはないキャラだとこころ引かれた。頼りないところはあるが、ひとを裏切らない実直な印象がとても良く、家族(娘)との関係や友人ルイス(マイケル・ベーニャ)との関係が物語をユーモアで包みこみ膨らみをもたせている。カッコイィ!とは言えないが、格好良いです。小さくなったり、大きくなったり大活躍でしたが、良いところはワスプ(ホープ)に持っていかれていたようにみえましたが、わたしは観ています目立たず謙虚な活躍ぶりは大拍手です。愛娘のキャシー(アビー・ライダー・ウォートソン)もきっと、自慢のお父さんです。わたしもこうありたい。
P.S.  脇を凄い俳優さんたちが固めていますが、今回大好きなミッシェル・ファイファーさんが初代ワスプで出ています。歳をとった感はありますが、相変わらずお綺麗。妖艶さは相変わらずで、匂い立つ大人の女性オーラ全開。ヒーローものの先駆者といっても過言ではない、初代キャット・ウーマンは最高でした。彼女のキャット・ウーマンは、歴代断然一位間違いなし。異論のあるひとは、どうぞご連絡を・・・。
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by eddy-web | 2018-09-06 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ412 “検察側の罪人”
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2018.8.28

今月2本目となる作品はいま話題の“検察側の罪人”。それにしても2本と言う本数は、近頃珍しい・・・。そんな中選んだのが、キムタクとニノのW主演作。予告編で観て二人の演技による、攻防に目が引かれたわたし。二人ともアイドルでありながら、演技も高く評価されている。先輩後輩の枠を超えた真っ向勝負を観るのも面白い。そんな味方は不謹慎と思う方もいるだろうが、期待を込めたエールとして捉えてくれると嬉しい。弁護士をテーマにした作品は結構多いと思うが、検察側の立場で描かれた作品は珍しいかも知れない。わたしの見識が甘いのかも知れませんが・・・。
初っぱなから緊張感が溢れ、検察官になる心づもりを話す教官・キムタク(木村拓哉)と、それに耳を傾ける研修生ニノ(二宮和也)の姿が映し出され物語がはじまる。裁判員制度がはじまり、すこし身近になった裁判。だが、まだまだ知らない事や解らないことばかり・・・。そう言う意味では、とても興味をそそられるテーマである。罪を裁くことの難しさを改めて考えさせられました。何故って、ひとを裁けるほど善良な生き方をして来たとはどうしても思えない自分がいるからに他ならない。今回の作品は、内容はかなりエンターテイメントで正直こんなことあり得ないと思うが、逆にそこが創作の面白い世界の文学であり映画である。もし借りにこんな事がまかり通る世界なら、信じられるものなど一つもない。でも、観ているうちに嘘のような本当のようなそんな気分になってくるから不思議である。脇で出ている俳優さんたちはみな、力が入っていて迫力がある。特に犯人役の二人は印象的(大倉孝二と酒向芳)。悪い奴とは理屈など関係なく身勝手で残忍、そして救いようもなく理解不能であることを描いている。こういう犯人を理解しようとするのは、困難なこと。そう思うと裁判員制度など、怖くて関われたものではない。私みたいな直情型タイプには、この主人公みたいにはいかないことがハッキリと理解出来る。二宮くんは直情型の典型として描かれているが、実は真逆でクール。相対するキミタクはそのまた逆に描かれ、その対比は見事である。どちらも人間そのものである。どちらが正しく、どちらが間違いとはだれも答えられない。なぜならみな両面を持ち生きているからである。前半のリアルで重たいシリアスな演技に吸込まれ見入ってしまったが、中盤以降だんだんと話が膨らみ過ぎてしまいチョッと待ってよ!という感じになってしまいました。でも、二人の演技には拍手だし法律の深さ難しさは充分勉強になりました。やはり専門家にまかせるところはまかせましょう。ひとつだけ言える事があるとするなら、まかせた上で無視はせずしっかりと問題と向き合うことの大切さではないでしょうか?なんだかわけの解らないコメントですみません。さて、みなさんはどんな感想を持つのでしょうか?
P.S. 検察事務官・橘沙穂役の吉高由里子さんが結構キーパーソン的な立ち位置にいて、なかなか良かったです。こう言う演技を見せられると、普段TVなどで見せるとぼけたキャラがまるで嘘のよう・・・。どっちが本当なのでしょうか?

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by eddy-web | 2018-08-29 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ411 “M:I フォールアウト”
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2018.8.21

8月に入ってはじめての、映画鑑賞。こんなに間が空くのは久しぶり。色々訳あってこんなことになりました。まっ!とはいえそんなにたいそうな事ではなく、気分がそっちに向かなかった事と観たい作品がなかっただけ・・・。
やっとその気にさせてくれたのは、トム・クルーズ主演のシリーズ“ミッション・イン・ポッシブル/フォールアウト”。往年のTVドラマ「スパイ大作戦」の虜だった私だが、映画化にあたり主人公がトム・クルーズだと知りちょっと違和感を感じたのはむかし。第1作を観て以来、そんなものはただの先入観だったことを思い知らされた。リーダー役のイーサン(TV・フェルプス)の魅力に知らず知らずに引き込まれて行くのに時間はかかりませんでした。冷静沈着なところはフェルプスと同じだが、+最後まで諦めないこころの強さと仲間との強い絆、そして自ら身体を張って戦う姿の美しさはトムの代名詞となりました。裏話で良く聞く、アクションシーンのほぼすべてを代役なしでこなすと言う彼。決して恵まれた体格ではないが、スクリーンに映し出されるトムは実物よりもひとまわりもふたまわりも大きく見える。場面場面のカット割りがこれまたスタイリッシュで、ただただカッコイイ。物語の展開も小気味よく、最後まで緊張の連続。スパイ映画の王道を行く作品は、新作が誕生する度にグレードが上がり観客のこころを満たしてくれます。
今作品“フォールアウト”は、私の中ではシリーズ最高と言っても過言ではありません。アクション映画はとかく派手なシーンの連続で、ジェットコースターにでも乗った感覚で物語が構成され楽しいのだが、終わってみれば以外と何も残っていないものが多い。が、この作品はしっかりと脚本がねられ、スパイ映画ならではの謎ときが深く盛り込まれ、巧みな静と動をものの見事に演出し飽きさせません。今作は2時間以上の放映だが、最後の最後まで緊張感が続き最高でした。お馴染みのテーマ曲も健在で、出来る事ならこれから何度も聞きたいと思っているわたし。今回もそうですが、イーサンの命の重さを大切にする人物像が味わい深く描かれ、対極にあるミッション遂行のために犠牲は問わない世界と戦う人間愛を強く感じ感動しました。
「なお、君もしくは君のメンバーが捕らわれ・・・、いっさい関知しない」と言う、ミッションの依頼テープの名シーンが、イーサンを励ます言葉のように聞こえてきたわたし。これからも期待しておりますので、できる限り長くシリーズを続けてくれることを願うばかりです。
P.S.
前回に続き出演している女スパイ・イルサを演じているレベッカ・ファーガソンに、いまはまっています。役の魅力もあるとは思いますが、上品な顔立ちと知的な立ち居振る舞いが、もうたまりません。“グレイテスト・ショーマン”のときのジェニー・リンド役で、わたしは完全にこころを持って行かれました。美しさをも上回る品格さえ感じる彼女ですが、イルサのようなハ-ドな彼女もまた魅力的。大人の女には、これからも目が離せません。

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by eddy-web | 2018-08-22 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)



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