カテゴリ:よもやまCINEMA(映画の話)( 401 )
よもやまシネマ408 “午前十時の映画祭9/七人の侍”
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2018.7.12


黒沢明監督の代表作であり、代名詞と言っても過言ではない、だれもが知る作品の再上映に足を運びその面白さに感動と興奮を改めて感じたわたし。この作品を観るのは何度目だろう。覚えてないくらい何度も観た作品だが、観る度に新しい発見がある。若い頃は、なんと言っても豪雨の中の戦闘シーンのリアルさに感動し胸を躍らせた自分。年を重ね見返す度に、戦闘シーンはラストへと繋げる構成のひとつと捕らえるようになりました。背景にある貧困や格差などいまも続く永遠のテーマがいまなおこの作品に溢れ、それに立ち向かう人間の強さや絆が凝縮されたものだからに違いない。黒沢監督を崇拝している監督は数多く、中でもジョージ・ルーカスは自作“スターウォーズ”の劇中に黒沢作品のシーンを切り取ったオマージュが多いことは映画ファンならだれでも知っている。また、アメリカ映画の“荒野の7人”はリメイク作品としても知られ、世界中で大ヒットを記録し何本もの続編が創られています。
“七人の侍”は昭和29年(1954年)に公開された作品で、わたしが生まれた年。これだけでも信じがたいことだが、実を言うとわたしは“荒野の7人”の方が先に観たひと。これがきっかけでオリジナル“七人の侍”と出会うのである。これは不思議な縁かも知れない。観れば解ることだが、“荒野の7人”にもポリシーはしっかりと受け継がれ「弱きを助け、強気を挫く」の武士道精神が脈々と流れ胸を熱くさせるのである。こちらも何度観ても飽きない。まさにエンタテーメントの金字塔である。一昨年公開された“マグニフィセント・セブン”は、久しぶりのリメイク作品。こちらも芯はぶれてなく、なかなか面白く業界ではそこその評価をされています。ともあれ原作が良いことには間違いありません。
名作の話しは尽きませんが、今回わたしが発見したと言うより感動したシーンの話しを少し・・・。映画は207分とかなり長く途中で休憩が入ります。大きく分けると構成上の前半を「侍集め」、後半を「戦闘準備」と「野武士との戦い」となる。先ほども述べたが作品はラスト近くの豪雨の中の騎馬戦がリアル且つ大迫力でこころを奪われる。だがどうだろう、それではほかのシーンはさほどでもないのか?とんでもない、感動するシーンは全編に鏤められ改めてその深さに感動するところばかり。前編の「侍集め」では、個性溢れる7人にしっかりとスポットをあて丁寧に人物像を描いている。それぞれが魅力的に描かれ愛おしくなる。生まれも育ちも、生きてきた環境も、ましてや志しさえ違う7人。その侍たち(ひとりは?)が、なんの徳分もない仕事に命をかけるなどどう考えてもあり得ない話。だからこそ心打たれ感動してしまうのである。とりわけ今回観て感動したシーンは、宿場町で力を貸してくれる侍集めをしている農民たちが集う木賃宿。リーダーの勘兵衛(志村喬)は百姓に報償はないが腹一杯飯を食わせる、と言われそれだけでは無理な話と一蹴する。これを聞いていた人足がいままで百姓たちを馬鹿にしていたにもかかわらず「こいつらは自分たちはヒエや粟で我慢し、あんたらに米を食わせると言っている」そんな百姓の苦しみを見て見ぬふりをするのかとののしるシーンである。ここはたまりません。決意を固め引き受けた勘兵衛が言った台詞がまたたまりません、「この飯、おろそかには食わんぞ」。この台詞はラストの台詞「勝ったのはあの百姓たちだ、わたしたちではない」に繋がる名台詞である。菊千代(三船敏郎)が、百姓であった自分の過去を表に出し勘兵衛にその苦しみを吐露し詰め寄るシーンでは思わず涙してしまったわたし。
また、来年も観たい映画である。そしてまた違う発見をしたいと思わせる作品でもある。
P.S. 勘兵衛に毅然と物言う(百姓の苦しみを)、宿場の人足役を演じていたのが多々良純さんである。この作品は出演者はもうみな他界している俳優さんばかりなので、知っているひとはわたしを含め高齢者。名脇役であった多々良さんは映画やドラマに当時沢山出演していて、わたしの中では優しい頑固親父のイメージが強い。余談だがこの作品中のメイク、一本眉を観るとイモトを連想してしまいおもわず笑いがこみ上げてしまった。
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by eddy-web | 2018-07-15 13:16 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ407 “ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストリー”
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2018.6.29

スター・ウォーズシリーズのスピンオフ作“ハン・ソロ”が公開された。人気シリーズも一作目の公開(1977年)から40年もの歳月が流れたが、今も世界中のコアなファンを多く持ちSF映画の金字塔を打ち立てなお続く人気作品である。公開当時監督であるジョージ・ルーカスは、生きている間にシリーズを完結するのは無理だろうと発言していました。このとてつもないスケールを誇るスペースオペラは、今までにないSF冒険活劇として、世界をアッと言わせと同時に多くの信者獲得し新作が出る度に興行成績を伸ばす怪物映画となりました。内容もさることながら、登場するキャラクターたちの個性が際立っている上に、とても魅力的に描かれているのが人気を更に大きくしています。敵味方の枠を超えた個性豊かなキャラたちは、それぞれにファンを獲得し多くのコスプレイヤーを生んでいる。本作も後一話を残すのみとなりましたが、ファンの熱い思いは消えることなくそう簡単には終わる気配がありません。ましてや望むファンがいるのを承知の映画配給会社が、そんな簡単に手を離すはずもなく、昨年からスピンオフ作品が創られ公開されはじめました。今回の作品もそのひとつ。
若き日のハン・ソロを描いた作品は、公開前からさまざまな噂や評判がマスコミをにぎわし相変わらずの人気ぶり。一番注目を集め話題になっているのが、ハン・ソロ役が変わること。シリーズではすでに死んでしまったハン・ソロだが、いったいどんな生い立ちでどのようにしてあのヒーローになっていったのか?とだれでもが知りたいところ。このやり方だと、そんなキャラは全部と言っていいくらいなので、きっと後何十年も取っ替え引っ替え新たなキャラにスポットが当てられるに違いありません。これはもう宗教に近いのでは、いやきっとそれ以上かも・・・。話しがそれましたが、戻して“ハン・ソロ”へ再び。役を今回勝ち取ったオールデン・エアエンライクが、ハリソン・フォードとやたら比較されメディアを騒がせています。どうしてそう言う話しになるのか、全然理解出来ません。とうの本人はもともと覚悟の上と、自身のソロ役に対しての役づくりに自信を持って臨みハリソン・フォードも絶賛しています。観れば何となく面影がアリ、似ていると言えば似ています。多くの候補者の中から選ばれただけあり、堂々とした演技はなかなかでした。金字塔とまで呼ばれる作品ですので、これから創られる多くのスター・ウォーズ作品は覚悟を持って望む過酷なクリエイティブ作業になることでしょう。それでも、それにかける価値は無限ではないでしょうか?創ってみたいと思う映画人は、きっとファンの数ほどいるに違いありません。
またまた、話しがそれました。どうもいかんです。完全にファンの気持ち以上に熱くなっています。はっきり言いますが、根っからの大ファンですので、ご容赦ください。語りはじめると、もう止まりません。完全なるオタクです。作品に対しての感想などといった野暮な事は、書きません。何故なら良いとか悪いとか言っているようでは、本当のファンでは無いからです。評論家ではないので、楽しく映画をみることが一番といつも思って観ています。とくにスター・ウォーズはわたしにとって特別な作品なので、悪口を言うことなどもってのほか・・・。と言うことですぐに映画館に行きましょう。
P.S. 最後に表れた見覚えのあるキャラ。やっぱり半端ない魅力に溢れています。さて、それは自分の目で確かめにいってください。


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by eddy-web | 2018-07-02 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ406 “万引き家族”
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2018.6.22

第71回カンヌ国際映画祭で、最高賞にあたるパルム・ドール賞を獲得した話題作“万引き家族”を鑑賞。是枝裕和監督の渾身の一作と評価も高く、公開から観客動員数をつぎつぎと塗り替え記録を更新しています。是枝監督と言えばデビュー依頼、生み出す作品は常に賞の対象となり、国内外でいま最も評価を受けている日本人監督である。ドキュメンタリーディレクターとしてTV界に入り、そこで培った経験が監督デビュー以来しっかりとベースにあり、社会テーマを常に意識し一般の人々の暮らしに寄り添うものづくりを考えているとのこと。確かにいままでの作品のほとんどが、それらを具現化したもののように感じられる。わたしが初めて触れた作品は“誰も知らない”である。これにはかなりの衝撃を受け、いまでも社会の不条理に流される子どもたちの姿が目に浮かびます。憤りを感じると同時に何も出来ない己の不甲斐なさに打ちのめされる。監督は常に、社会に対してメッセージを送ってくる。単に社会批判をするのではなく、周りを良く観て幸せについて皆でもっと考えてみませんか?と・・・。見終わると自らの力のなさを思い知らされることと、いかに自身が幸せかということに気がつかされる。上から目線の説教じみたアプローチはなく、自然体の表現は素直にこころに沁みてきます。いま一番輝いている監督さんではないでしょうか?
さて、“万引き家族”。ストレートな題名が物語るような、これもまた社会のひずみを拾い上げた一作となっています。冒頭からはじまる、子どもの万引きシーン。あっと言う間に画面に引きづり込まれ、悪いと解っているのにどこかでしょうがないじゃないと思ってしまう自分がいる。見終わった瞬間に「幸せとは?」と心の底から考えさせられます。
ちょっと話は飛びますが、むかしコンクール出品作品で権利をテーマにポスターを作成した事があります。コンセプトは「生まれて来る幸せ。生まれてこない幸せ」である。サブコピーに“好きで生まれてきたんじゃない。ほしくて生んだんじゃない。”と添えている。このときに感じたわたしなりの感情が、映画を観た後ふつふつと沸き上がり甦ってきました。何十年も前のことですが、時間は経っても変わらないものがいまもある事に気づかされました。ひとは生まれる場所や親を選べない。それでも生きて行かなくてはいけない現実があり、必死に幸せを掴もうとする。自分のことさえ生きるのが大変な時代に、どうひとと関わりそして生きて行くのが幸せなのか?と考えさせられ胸が苦しくなる。それぞれに安心する居場所があり、必要とするひとたちがいる。この作品で描かれた家族は、「本当の家族ではないが、本物の家族」である。やるせなくてたまらない気持になるが、血ではなくこころで結ばれていることの強さを教えてくれ、生きて行く上で本当に大切なものとは・・・を残してくれました。絶対お勧めの一本です。
P.S. 父親(仮)役のリリー・フランキーをはじめ、出演している俳優さんたちの演技は余りにもニュートラルで圧倒されました。監督さんの演出力が凄いのか、芝居には見えませんでした。監督の手法は独特で台本は用意されるが、その時に感じたことを俳優さんたちと一緒に紡ぎ出し、どんどんと変化し創られるそうである。子役には現場で口頭説明し、その場で子ども自身から出て来る言葉を拾い上げるらしい。どおりで素直な表現になり、ス~っとこころに入ってくるのだとちょっと納得しました。でも、勇気のいることでそう簡単ではないと思います。ドキュメンタリー出身監督のここが、まさにアイデンティティなのでしょう。凄い監督さんです。これから先、どんな作品をぼくらに観せてくれるのか期待はつきません。

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by eddy-web | 2018-06-26 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ405 “メイズ・ランナー/最期の迷宮”
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2018.6.19

SFミステリー“メイズ・ランナー”が、いよいよラストを迎えました。一作目でその謎の迷宮に取り込まれ、二作目で「えっ!」って急展開。そして、時間を空けての最終章。待ちに待った公開だが、一作目と二作目が続いて公開したのにくらべ、今作の公開はちょっと空けすぎ・・・。まぁ、わたしたちには解らない、映画会社の諸事情があるのでしょう?正直言って、間が空いた分熱量は下がっていて観るにも足が重い。だがシリーズものは一度見始めたら、途中で止めるわけにはいかない。まんまと商業ベースに乗っかってしまっているわたし???シリーズものは沢山ありますが、締めくくり方は本当に難しい。観客が納得する感動のラストを創りあげるのは、そう簡単ではない。残念だが、わたしの中では満足の行く作品は見当たりません。あえて名を上げませんが・・・。
シリーズものでも、一作完結スタイルの“ミッション・イン・ポッシブル”などは、実に見事なプロデュース例に違いない。最近TVドラマが映画並みにお金をかけはじめ、その境目がなくなりはじめている。“メイズ・ランナー”は、TVドラマ「LOST」の展開のように唐突に変わり、ちょっと似ている気がする。とても面白いドラマだが、長すぎる展開は観る側にもそれだけエネルギーが求められる。映画とTVドラマにはそれぞれの良さがあり、そこを間違えると悲惨な結果を生む。ここら辺を考えなければいけないのが、いま映画界の課題ではないだろうか?こころに残る作品にする、その落としどころを見つけるのも制作者の力量で才能と呼ばれるひとつに違いありません。
さて、今作は・・・。
二作目は予想外の急展開だったため、面食らった分何か印象が薄い。バイオハザードに類似した細菌汚染の猛威から人類を救う鍵は・・・、という展開は正直またか?とすこしトーンダウン。そして最後はいったいどんな終わりを見せてくれるのだろう?スタートは共に戦ってきた仲間の奪還からはじまる。いきなりのアクションシーンは、前作に結びつけるのにはちょっと時間が・・・。ようやく結びついた頃には、一作目の不思議感がなくなり同じ作品とは思えないアクション作品になっていました。運命共同体の仲間との友情が、この作品の核で最後まで描かれていたのは唯一納得の展開でした。ただ、ラストシーンは物語を完結するような感じではなく、ちょっと消化不良です。へたをすれば、四作目があるかも?とちょっとうがった想いが残ってしまいました。
若い俳優さんたちが主人公の映画は、それぞれに個性がひかり感情移入するひとも多かったはず・・・。その中でもわたしは、裏切りの友ギャリー役を演じたウィル・ポルターが、特に印象に残った。個性的な風貌はきっとこれから出てくる逸材ではないだろうか?昨年観た“デトロイト”の警官クラウスの演技は、狂気をはらんだインパクトでわたしの中に残りました。これからが楽しみな個性派男優のひとりです。
P.S. この作品は当初、シリーズ化は考えず一作品として進んでいたらしい。それが何故シリーズになったのかは知るよしもないが、一本でまとめた方が良かったかも???
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by eddy-web | 2018-06-24 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ404 “ローズの秘密の頁”
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2018.6.15


さて、はしご2本目の作品です。こちらは今回観たかったメイン。内容はともかく、観たかった要因は主演女優のルーニ・マーラ。この女優さんは観る度、その魅力でわたしを惑わす。はじめて観たのが“ドラゴンタトゥーの女”。実ははじめてとは言ったが“ソーシャル・ネットワーク”でも観ていたが、それほど印象がなく後に彼女がその人だったことを知りました。“ドラゴンタトゥーの女”のリスベットの役があまりにも強烈なインパクトゆえ、この時彼女の名を心に刻んだ。それ以来彼女の名が出る度、出演作品になぜか引かれ映画館へと足を運びました。彼女は期待を裏切らない演技をいつも魅せ、観る度に彼女に引かれていきました。それを決定づけた作品はケイト・ブランシェットとW主演した、“キャロル”で、完全に彼女の匂い立つ魅力に圧倒され大ファンに・・・。
“ローズの秘密の頁”は2年前に公開されたもの。見逃してしまったが、今回鑑賞することができたことに見終わった後、こころから実感したわたし。その年に公開された“ライオン~25年目のただいま~”でも、恋人役で堅実な演技力をみせましたが、共演のニコール・キッドマン(養母)があまりに素晴らしい演技をし話題をさらってしまいました。ですが、今作品を鑑賞し、やっぱり彼女の才能と美しさに触れ間違いなくこれから映画界を牽引していくであろうと確信しました。
ストーリーは第2次世界大戦時のアイルランドが舞台。ピアノの旋律が静かに流れる中、やや重苦しい雰囲気ではじまる。プロパガンダの波に呑み込まれながらも愛を貫き、最期まで闘い抜いた女の生涯を描いたサスペンスである。主人公ローズは赤ん坊殺しの容疑で告発され、精神病院で40年以上も暮らしている。彼女はそれを否定続けていたが、病院の取り壊しが決定したのを機に主治医グリーンと知り合う。そして物語は時間を巻き戻し、過去への旅へと誘う。空の色が冷たい北の青さを写し出し美しい。その風景にピアノの旋律が重なり合い、静けさの中で迫り来る戦争の足音がじわじわと迫り来る。息を潜め見入るわたしは、知らず知らず画面へと吸い込まれていきました。現在と過去が交差し写し出され、物語の核心へと少しずつ近づく展開はオーソドックスな手法だが堅実で上手い。主人公のローズを演じた二人の女優さんが、本当に素晴らしい。晩年のローズを名女優ヴァネッサ・レッドグレイヴ、そして若き日のローズをルーニー・マーラがそれぞれ演じました。二人ともローズの深い愛と、こころの葛藤を見事に演じ女の強さと優しさをみせてくれました。ラストはなんとなく、予想した通りになりましたが大満足。アメリカの評論家には酷評され、作品は「ページに記されたままの方が良かった」と思わせると皮肉なコメントがよせられたと聞きました。原作とよく比較されるのが映画の宿命。これもどうやらその口らしいが、わたしは感動しました。100人いたら100とおりの見方があり、100点満点を取るのは不可能。それでもわたしは、ひとりでも観客のこころに届けば、それはもう良い作品だと思っています。レッドグレイヴの味わい深い演技と、マーラの豊かな表現力に大拍手。マーラは今まで観た作品で、一番美しく輝いて、わたしのこころの中に鮮明に焼き付きました。これからも多いに活躍し、新しい魅力をまたみせてほしいと願うわたしです。


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by eddy-web | 2018-06-20 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ403 “ロング, ロングバケーション”
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2018.6.15

しばらく忙しく、映画鑑賞の時間がとれずにいた。やっと落ち着きいざと選んだ作品は、見落としてしまった2作品。前にも言ったことがありますが、一日に2本の鑑賞はじつにきつい。年のせいか集中力が持たない。泣き言を言って恥ずかしいが、作品を充分堪能するにはゆとりが必要な年齢になってしまいました。
そんなことでギンレイ(飯田橋)に足を運んだわたし。1本目を見終わると、いつもより何故か気持ちが高揚し久しぶりのハシゴ。若い頃は1日5本ハシゴした事があるわたしだが、まだ少しだけエネルギーが残っているようだ。
さて、1本目の作品“ロング・ロングバケーション”の感想からはじめます。
物語は人生の終りが近づく50年連れ添った老夫婦の、アメリカ縦断の旅を通して幸せの形とはを描きだす。最近TVや雑誌などでよく取り上げられる「終活」を、考えさせられる作品はラストでより深く胸に突き刺さり考えさせられる。自分自身が考えはじめる年齢になり、このテーマはひとごととは流せない。終始ユーモアたっぷりに綴られる物語ゆえ、ラストの締めくくりは強くこころに刻まれた。自分だったら?と考えさせられる作品は、改めて終活を考えさせられる時間をもらいました。
主演の二人があまりに素晴らしく、役と自身(本人)が重なりまさに名演技で胸を打つ。妻エラを演じたヘレン・ミレン(72歳)。だれもが知る名優さんは、多くの賞を手にしている大ベテラン。3年ほど前見た“黄金のアデーレ・名画の帰還”でも、圧巻の演技力で強い存在感を残しました。今作では夫を包み込む深い愛を、時にユーモアチックに時に内に押さえ複雑な胸の内を完璧に魅せてくれました。表現された深く強いその母性愛は、彼女の人生の深さゆえににじみ出てくるものと感じさせるものでした。年をとってもこんな可愛い女性がいるのにふれ、わたしもそうなりたい(無理だろうなぁ~)と思いました。こんな伴侶に恵まれた人は、間違いなく幸せ者。
かたや夫ジョンを演じたのが、往年の名優ドナルド・サザーランド(82歳)。わたしがはじめて彼と出会ったのは1970年の作品“M★A★S★H”。朝鮮戦争を背景にした物語は三人の軍医を描いたブラック・コメディ。70年代を代表する作品となった映画は、多くの賞を受賞し映画史に残る名作になりました。当時わたしはそのノリについていけず、アメリカって自由を通り越しメチャクチャだと思ったことが思い出される・・・。内容もさることながら、三人のキャラがあまりのも強烈で、その時代の寵児となったひとりがサザーランドそのひと。あれから約50年、イイ年の重ね方をし渋い俳優さんになりました。いまも現役バリバリで“ハンガーゲーム”ではアクの強い演技を披露し元気な姿を見せてくれています。
この二人が熟年の老夫婦を、実年齢で演じてみせる物語は繊細で深い愛に満ちあふれ観るものに「人生の終わりかた」を問いかけます。あなたはどんな人生の終わりかたをしたいですか?
わたしはいつかは来るその時、“幸せな人生”だったと思えることを目指し、もう少し頑張ってみようと思います。


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by eddy-web | 2018-06-18 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ402 “ビューティフル・デイ”
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2018.6.12

久々に五感をねじ伏せられた作品に出会ってしまいました。第70回カンヌ国際映画祭にて、「脚本賞&男優賞」のW授賞をはたした話題作“ビューティフル・デイ”がそれ。観る前はベッソン監督“レオン”のイメージをもって挑んだのだが、それとは全く違う感覚の観たことのない新世界がそこには広がっていました。ジャンルも当てはまるものもなく、いろいろな要素が含まれていて、いままで感じたことのない衝撃の連続。感性にジワジワと染み込んで、まるで全身がウィルスに浸食されて行くような感覚を覚えた・・・。映像、音楽、音響効果、脚本、そして俳優。どれをとっても隙が見つからない。この感覚は何なんだろうと、息が詰まる想いが最期まで続く。
サスペンス、スリラー、バイオレンス、ヒューマン、それらのすべてが巧みに交差しラストへとわたしたちを導く。監督・脚本・制作のすべてを担当したのは、映画界でその手腕を高く評価されている女性監督:リン・ラムジー。わたしは初めて観る、監督作品である。PG12指定の作品は、かなり際どい描写もあるが、女性ならではの視点が随所にみられけっして不快ではない。バイオレンスの描写は、とかくリアルを追求するあまりグロに限りなく近くなる。しかしこの作品は、音や音楽との組み合わせを巧みに使い、創造力を掻立てる。五感のすべて、いや第六感までもが刺激され奮い立つ。わたしには、近年観た多くの作品の中でもきわめて特別のものになった。
“ビューティフル・デイ”というタイトルがイメージにリンクしないまま、ラストへと物語はひた走る。そして最期やっとその意味に辿り着き、主人公二人のさらに続く長い人生を創造して終わりを告げる。五感の中の特に視覚と聴覚が刺激され、スリリングでたまらない傑作の誕生である。台詞が極力押さえられ説明的なところが一切みつからない。それなのに主人公二人の感覚が、まるで手に取るように不思議な疑似体験の迷路へと誘い込む。1コマ1コマの切り取られ繋がれた画面は、スタイリッシュで美しい。それゆえスリリングな内容がよりリアルさを増し、そして音にリンクした瞬間、物語の世界へと呑み込まれていく。だが、それは恐怖ではなく開放されたこころの咆哮とでもいう刹那さに他ならない。凄い作品に出会ってしまいました。この監督さんの才能は本物。まだ4作目と聞くと、その可能性は創造すら追いつきません。
いずれ時間をつくり別作品で、監督さんの凄さにも触れ確認しようと思います。
もうひとり語らなくてはいけないひと、主人公の殺し屋ジョーを演じたホアキン・フェニックス。凄い存在感は観れば納得ですが、何か匂い立つというか言葉では表せない圧倒的な迫力と、内に秘めた繊細さにこころを奪われる事間違いなし。カストロ将軍のような風貌の大男だが体系はややぽっちゃり。どうみてもいままでの殺し屋(例えばジョン・ウィック)のような研ぎすまされた感じがない。武器も何ソレっ!て感じだし、その泥臭さがリアルさを増し凄いのである。この役のためウエイトをUPし、役づくりのため監督と何度もジョーの内面を話し合い創造を膨らませたそうである。さすが男優賞の名にふさわしい名演技です。観に行ってください、損はしません。デートにはちょっと不向きかとも思いますが、解る女性なら大丈夫。ジョーのこころに触れてみてください。
P.S. 誘拐された少女役のニーナを演じた、エカテリーナ・サムソノフはまさに天使。ハードな役だが、実に可憐で美しくカゲロウのような儚さを感じさせます。ラストの台詞「今日は、いい天気よ!」は、こころに残る台詞になりました。神秘性を漂わせ、きっとこれを期にブレイクすること間違いなし。“ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ”の時にデビューした、ジェニファー・コネリーの登場と同じ感覚を覚えました。


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by eddy-web | 2018-06-13 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ401 “デッドプール2”
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2018.5.31

401 本目に選んだ作品はマーベルの異端児キャラ“デッドプール2”。マーベルはもとより、DCにも見かけないアンチヒーローのデッドプール。はじめて映画に登場したのは、X-MENシリーズのX-MEN ZEROでミュータント特殊部隊一員ウェイドとして強い印象を残した。この時からいまのキャラを彷彿させ、お喋りで減らず口をたたきウザイ存在だが気になるキャラNo.1。物語では最後、複数のミュータントのDNAを移植され生物兵器ウェポンXⅠ(イレブン)に変貌しウルヴァリンと対決し首を飛ばされた。だが、エンドロールで再生しカメラ目線で「しぃー!!」と口ずさむ。マーベルの巧みな気の持たせた演出は見事。そして数年後、“デッドプール”が登場するのである。
こうして見ていくと、すべて計算され抜擢されたスーパーヒーローなのかも知れない。数いるキャラの中でも、これほどヒーローとは言いがたい特異キャラはめずらしい。善悪に偏らないトリックスターでヴィランと言っても不思議ではないくらいアクが強い。他のキャラとは一線をかいた魅力があり、ファンも多い。汚い言葉を連発し、ふざけているように殺戮を繰り返す。そしていつもカメラ目線で、台詞をはき観客を挑発する。ブラックなギャグが限りなく口から溢れだし、ウザイが面白いといつの間にかペースに飲み込まれてしまう。なんと言いましょうか、不思議な魅力に汚染されてしまいます。今回の2では、まさに魅力爆発状態。1以上にその活躍が光り、知らず知らずファンになってしまいます。青春の頃、ちょっと不良に憧れるみたいな、そんな感じかも???
感想ですが、めちゃ面白かったです。なんか最後はいい人ぽっくなっちゃいましたが、いままで通りのおふざけキャラを貫いてと言うより、きわめてここにデップありと一時代を築いてほしいと願うわたしです。音楽の使い方も絶妙な間合いで導入され、各シーンを盛り上げ随所に盛り込まれるポップカルチャーねたに、何度もほくそ笑んでしまったわたし。コミックや映画、音楽と纏わるねた台詞の連発は好きな人にはたまらない刺激。この作品はヒーロー映画と言うよりはスーパーコミック映画というジャンルを確立させるべき作品です。一作目を観たとき、コスチュームもマスクもいまいちピンとこなく、その上軽いノリの物言いがやっぱりウザイとちょっと引いたのは事実。白い目も、何を考えているのか検討もつかず不気味だった。それがどうだろう、この二作目で完全に飲み込まれてしまった。次が楽しみでしかたない。この変態キャラから目が離せません。
P.S. 前回のキャラに加え新キャラも多く登場し、物語を盛り上げてくれますが、ケーブルを演じたジョシュ・ブローリンがサノス役(インフィニティ・ウォー)に続きピタッとはまり役でした。もちろんデップーを演じたライアン・レイノルズも最高です。素顔のシーンがでますが、カッコイイし優しい目をしています。彼はこの役と自身がとても重なっていると、インタビューで語っています。あそこまで下品ではないとは思いますが・・・。コロッサスはCGで描かれてますが、デップーと抱き合うシーンはおしりをすりすりされいやがるシーンが可愛いです。あっさりと死んでしまうX-フォースのメンバー、もうちょっと活躍を期待しましたが他のキャラが頑張ったので成仏してください。ネガソニックの恋人役・ユキオを演じた忽那汐里ちゃん可愛かったです。また出てほしいです。もう一つ言い忘れていました。大好きな映画“おみおくりの作法”に出ていた、エディ・マーサンがヒール役で最後車にはねられ終わるのですが、とても同じひととは思えません。死に方もいっしょなのですが・・・。
※最後にデップーと恋人ヴァネッサのラブシーンは、まじでぐっときてしまい、さんざん笑かされたあげく泣かされるところでした。これはマジックです(笑い)。今回の画像は、デザインが表紙を上回っていたので裏表紙。これを観て笑えるひとは、かなりの映画通です。


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by eddy-web | 2018-06-05 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ400 “午前十時の映画祭9・地獄の黙示録”
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2018.5.28

フランシス・F・コッポラ監督の映画史に残る名作“地獄の黙示録”を鑑賞。昨年からはまっている“午前十時の映画祭”。往年の懐かしい作品を再びスクリーンで観れる喜びを、全身で楽しんでいるわたし。午前10時という時間帯のためか、それとも懐かしい映画を観て青春時代の思い出に浸りたいのか劇場内はほぼ高壮年のひとたちで埋まる。それぞれの想いを胸に足を運ぶのはわたしも同じ。名作をまとめてくれるこの企画は、ファンにとってはたまらない贈り物。見落としてしまった作品をスクリーンで観られる喜び、そして昔感動した作品にまた触れる喜び。「ありがとう」の言葉しか見つかりません。
さて、400本目に選んだ“地獄の黙示録”は、39年前に公開されわたし25歳の青春真っ只中で観た思い出深い作品。作品はアカデミー賞をはじめ多くの賞を手にし、高い評価を得ての公開となったもの。ベトナム戦争を背景にした作品は数あるが、コッポラ監督の渾身の作品はそれまでには観たことのない、独自の映像表現と音響効果を駆使した贅沢きわまりない作品となっていました。独創的な脚本により、ある意味戦争映画の枠を超えてよく解らない作品としてわたしの中では残っている。その意味を39年の時を経て、確かめてみようと思ったのが今回の鑑賞理由である。
改めてこの映画のことを調べてみた。原作はイギリスの小説家ジョセフ・コンラッドの代表作「闇の奥」という、アフリカを舞台にした西洋植民地主義時代の暗い側面を描写した体験談である。この話を当時社会問題になっていたベトナム戦争に重ね、舞台背景をベトナムに移しての創作となったのが“地獄の黙示録”である。内容は戦争という極限の世界で、失って行く人間の理性の象徴としてジャングルの奥地に王国を築き上げた元軍人(カーツ大佐)の暗殺をテーマにした反戦映画である。小説の主人公クルツをカーツ大佐(マーロン・ブランド)に変え、当時の世相に反映した人間の狂気を創造豊かに描いてみせた。だれもが持っているであろう人間の中に潜む狂気。理性をも壊す究極の状況(戦争)でひとが壊れて行くさまを見せつけられる。わたしは今回再鑑賞で感じたのは、その芸術性の高さから虚像と実像の境を見失ってしまう事実。よりディフォルメされた表現に頭の中が???で追いつくのがやっと・・・。リアルだがリアルでない。そんな印象が強く残ったのは事実。前半は戦争映画で後半はファンタジーのような作品である。ただ戦争をこんな表現もあるのだ、という形で創造してみせたコッポラ監督の凄さは本物だと痛感した。そして映画監督の枠を超え芸術家になったとさえ思わせる作品は、80年代を代表する映画となった。ただ評論家たちは、この映画を傑作と呼ばず快作と呼んだのは、実に面白い話しである。
人間の犯す愚行を代表する事実が戦争。いままでもたびたびテーマになり数多くの名作を残してきた。だが、“地獄の黙示録”はどの作品とも比べようのない作品となりその名を映画史に刻みました。好き嫌いがはっきりと分かれる作品には間違いない。時間とお金がかかった作品であることは間違いない。芸術性も高くそしてエンターテイメント性も併せ持つ、まれな戦争映画であることは観れば納得である。みなさんはどうこの映画を捕らえますか?言いたいことが沢山あり、まとめきれないジレンマに襲われる。そんな作品でした。
話しは変わるがこの作品について調べてみると、エピソード(製作秘話)の面白いこと。でるはでるはのてんこ盛り。よくぞ公開までこぎ着けたものである。ひとつふたつ拾ってみると、さまざまなトラブルが続き、制作費が当初の3倍にふくれあがりと同時にその長さも大きく膨らみ編集が大変だったそうである。未公開の部分を足したものが、何度も上映されその度に全然ちがう印象を持たれたと聞きました。追加したお金はすべて監督が出したと聞き、それはそれで凄いなと正直思いました。
あと、メチャクチャ笑えたのがカーツ大佐を演じたマーロン・ブランドが撮影に待てど暮らせど表れず、来たと思ったら台詞をまったく覚えていなかったという話し。さすが大物は違う。確かにマーロン・ブランドの圧倒的存在感は、いるだけで充分といったオーラを放っていました。
みなさん映画史に残る作品、是非観てください。今日だけでは話しを語りきれないので、是非折を見てまた・・・。はじめにいいましたが、音楽と音響効果が凄く圧倒的シーンをより迫力あるものに仕上げています。エピソードの中にこの作品をオペラと称したひとがいるそうです。
制作に参加していたコッポラ夫人エレノアは、後日談で撮影半ばでコッポラ監督がまさにカーツ大佐になっていたと言っているのが制作の重さを語っています。
また、あるインタビューで監督自身「この作品のテーマ」はとの問いに、いったい何でしょうね?と答えているそうで、きっと苦労が多く行き先を見失っていたのかも???そして「芸術は爆発だ!!」の境地に達していたのかも知れません。

P.S. もうひとつだけ言わせてください。劇中、ある意味カーツ大佐より危ない指揮官キルゴア中佐(ロバート・デュバル)の台詞「朝のナパームの臭いは格別だ!」は、まさに当時のアメリカの狂気を象徴している恐ろしい言葉としてこころに刻まれました。
※今日の画像は日本で創られた駅貼りポスター。日本を代表するデザイナー石岡瑛子氏によるもので、イラストは滝野晴夫氏。2連作の一枚は傑作で、のどから手がでるほど欲しかったことを思い出します。


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by eddy-web | 2018-05-30 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ399 “孤狼の血”
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2018.5.18

何故いま、ヤクザ映画なのか?そんなことを思いながら“孤狼の血”に足を運んだ。
ヤクザ映画の代名詞となった東映の作品“仁義なき戦い”は、今なお語り継がれている実録のバイオレンス作品。1973年に第一作が発表され、瞬く間に人気を集め多くのシリーズ作品が公開され一時代を創った。その作品を手がけた深作欣二監督は、この“仁義なき戦い”シリーズで監督としての名声を不動にし今なお多くの崇拝者がいる。その中にはクエンティン・タランティーノやジョン・ウーという世界の巨匠も名を連ねその凄さを伺わせる。時代と共にヤクザ映画は影を潜め、同時に東映の一時代は終わりを告げた。当時実録のヤクザ抗争をリアルに描いた“仁義なき戦い”は、度肝をぬく迫力で良くも悪くも大きな影響を社会に与えていたのは間違いない。時代がどんどんと平和になり、映画と同じように「仁義」という名も消え、ひとのこころからも遠い世界の話になって行きました。
実録のヤクザ抗争をもとに創られた今回の作品“孤狼の血”は、原作者が柚月裕子氏でメガホンを撮ったのが白石和彌監督。原作が女性だと言うところにまず驚かされる。内容もさることながら、かなりハードな描写の連続でこの男社会を描く感性がどこから来るのかとても興味深い。白石監督は“凶悪”で日本アカデミー賞を授賞し、昨年も“彼女がその名を知らない鳥たち”“サニー/32”と立て続けに話題作を提供しています。どの作品もかなり人間の奥底にある理屈では計り知れない感情を引き出し、不愉快になるほどハードな世界を描きだす気鋭の監督さん。そんな二人が造り出す現代版のヤクザ映画に、70年代を生きてきたわたしは興味全快。今回も内容はいっさい触れません。自身の目で観てください。はたしてその感想は・・・。
近年バイオレンス作品といえば、北野監督が創ってきた“アウトレイジ”が真っ先に頭に浮かぶ。どうしてもこの作品と、今回の“孤狼の血”は比較されるに違いない。これは覚悟の上で製作されたに違いないと、見終わって改めて感じました。個人的には似て非ひなりの作品と受け止めたわたし。ヤクザの世界がベースで創られたところは共通ですが、まず男性と女性の視点の違いがあることと、もうひとつは実録ものとしての映像表現に対するエンターテイメントを追った表現の違いがはっきり現れた作品ではないでしょうか?どちらが良い悪いは、きっとファンの気持次第。両方とも好きというひとは、きっと映画が大好きなひとたち。今作もRー15指定で暴力描写は目を覆いたくなるシーンの連続。いくら松坂桃李くんがでているからと言っても、デートで観るのはシンドイと思います。観るなら男女別々で・・・。
いろんなひとの名が出ましたが、間違いなくみなさん“仁義なき戦い”という作品をリスペクトしています。時代は回るとよく言いますが、緩い今の世の中に刺激が欲しいひと、そして刺激を与えたいひと、そんなひとたちがきっといるのかも知れません。そんなメッセージを感じたわたし。みなさんはどんな感想を持つでしょうか?
P.S. 役所広司さんは何をやっても凄いということが、はっきり解りました。重たく暗くハードな話に選ばれた俳優さんたちは個性派揃い。しっかりと役に徹しその世界をリアルに表現してくれました。中でも桃李くんの頑張りは凄かったです。ここのところ意欲的にイメージを打ち破るような役に挑戦している感じが、たまらなく良いです。俳優としての志しをしっかりと持って、仕事に望んでいるそんな印象を受けました。これからも頑張ってほしい俳優さんのひとりです。
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by eddy-web | 2018-05-22 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)



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