カテゴリ:よもやまCINEMA(映画の話)( 423 )
よもやまシネマ429 “クリードⅡ/炎の宿敵”
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2019.1.17

クリードⅠの続編Ⅱを観に出かけた。クリードは“ロッキー”シリーズのスピンオフとして次世代の物語が描かれている。Ⅰではロッキーを演じているスタローンがアカデミー助演男優賞を受賞した。スタローンはハリウッドを代表する男優だが、演技賞には縁のない俳優さんと思っていたわたし。年月を経て重ねた年輪が開花し重厚感溢れる演技は、“クリードⅠ”で見事に助演賞の栄誉を手にした。“ロッキー”シリーズは映画史に残る作品として、興行的には大成功を収めた。第一作の“ロッキー”は映画史に残る名作と謳われ、今なお人気が高い。テーマ曲も有名でいまなお、格闘技の世界では選手の登場シーンに使われ、こちらも不動の人気を保っています。アメリカンドリームを体現した映画の内容と、シルベスター・スタローンの俳優としてのキャリアを作るきっかけとなった物語はまさに、アメリカンドリームそのものとしてファンの記憶に深く刻まれ、いまも続く人気を誇っている。
さて、“クリードⅡ”は、現役引退後のロッキーと次世代が紡ぎ出す物語。映画とともに年月が過ぎ、役そのままに年老いたロッキー姿が映し出され、その表情は豊かで優しさに満ちている。“ロッキー”シリーズは観客の心に響く、単純明快なストーリーに加えボクシングという格闘技世界を見事に演出し、男たちの本能に火をつけた作品。それと比べると今作“クリード”は家族愛にテーマを移し、格闘シーンはあるものの、こころの葛藤にメスを入れ深い人間ドラマとして作り込まれている。ロッキーとの繋がりはあるものの、別物の作品として生まれ変りちがった意味で感動しました。登場人物の総ての人たちがそれぞれに抱えてきた苦悩を、ボクシングを通し表現しています。作品は絆の大切さ重さをしっかりと伝えこころに響きました。わたしはこのシリーズも大好きです。
“ロッキー4”を背景にした宿敵との再会とリベンジマッチは、単純な勝ち負けの世界に止まらずなにかジンワリと感動を残しました。宿敵ドラゴ(ドルフ・ラングレン)も歳を取り、ロッキー同様当時の輝きはないが、存在感はいまも健在。息子に託すその姿はある意味悲しく儚い。見終わった後に、何故か適役であるドラゴ親子にこころがひかれていたわたし。純粋に闘う男たちの姿は本当に美しいと思えます。
最後に「男って、本当に馬鹿ないきものです」。でも、男として生まれ良かったとこころから思わせてくれるのが、この作品です。子育てに苦労している方、親子で見るのも良いかと思います。ぜひ、劇場に足を運びましょう。


by eddy-web | 2019-01-21 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ428 “蜘蛛の巣を払う女”
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2019.1.15

あのダークヒロイン“ドラゴンタトゥーの女”リスベットがやっと帰ってきた。第一作ではその特異な風貌に類い希なコンピューターハッカー能力を駆使したクールな行動力で、見る者をスクリーンに釘付けにした。天才ハッカーは全身黒の衣装を纏い、その背中にはドラゴンのタトゥーが彫られ、そして顔の至る所にピアスが・・・。
作品は世界的ベストセラーミステリー小説「ミレニアム」三部作の第一作が“ドラゴンタトゥーの女”。シリーズの原作はジャーナリスト出身のスティーブ・ラーソン氏。このシリーズ作品は、50歳という若さでこの世を去った彼の没後に出版され世界で二番目に売れている小説家となったもの。
シリ-ズ3作品は彼の母国スエーデンでは、総て映画化されどれも高い評価を得ている。アメリカで製作された第一作“ドラゴンタトゥーの女”が2011年に公開され、今までにないダークヒロインの登場は、映画ファンのこころを掴み大ヒット。あれから8年の歳月が経ち、再びの登場に見る前から期待度はMAX。これはわたしだけではないはず・・・。それほど前作は衝撃的且つスタイリッシュな作品で、わたしの中ではBEST3に入る。今回の作品“蜘蛛の巣を払う女”は“ドラゴンタトゥーの女”の続編として、作家ダヴィド・ラーゲルクランツが書き上げた推理小説を映画化したものであるとのこと。
前作でリスベットを演じたルーニー・マーラに変り、今回はいま最も期待されている若手女優クレア・フォイが演じ、その他のキャストも一新。正直言うとルーニー・マーラのインパクトが余りに強く、この特異なキャラを引き継いで演じられる女優さんが思い浮かばなかった。それほど難しくハードな役なのだが、その心配は鑑賞後完全に払拭されました。
冒頭の登場シーンの格好良さに、いきなり画面に引き込まれてしまったわたし。まるで地上に降り立った黒い天使である。女性を虐待する人間に対し極度に怨念を抱き、そして制裁を加えていくヒロイン、リスペット。どうしてこのダークヒロインが誕生したのか、その根幹に迫る物語がテーマになり過去と現在が交差しラストへと突っ走る。コンピューターを自在に操り、瞬時に危機を脱してゆくリスベットが本当にカッコいい!相手の裏の裏を読み頭脳を駆使する情報操作の巧みさと、身体をはったアクションは最後まで息つく暇がない。リスベットの抱えた深い悲しみと後悔が、解き明かされたとき物語は終焉を迎える。
アクションを含めハードなシーンも多い中、1シーン1シーンにセンスの良い美しい演出が随所に見られ、前作同様そのスタイリッシュさに感動したわたし。(“羊たちの沈黙”がふっと頭に甦った。)
前作でルーニー・マーラーの大ファンになったのだが、今作でクレア・フォイのファンにまたなってしまいました。クレアはドラマではすでに多くの賞に輝いているが、実力は今作を見れば納得。青く透き通る瞳がとても印象的な女優さんで、次回作“ファースト・マン”が今から楽しみです。こころの片隅でルーニーのリスベットももう一度観て見たかったわたしですが・・・??許します。


by eddy-web | 2019-01-16 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ427 ”日日是好日“
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2019.1.03

年明けの3日、2019年初の映画鑑賞に銀座へ出むいた。街は新年の買い物客で溢れ、さすがの賑わい。人混みをさけ目指した先は「シネスッチ銀座」。昨年末に訪れたばかりだが、今日は昨年見そこなっていた作品“日日是好日”を観に来ました。樹木希林さんが残した人生最後にあたる作品のひとつ。病魔と闘いながら数本の映画を掛け持ちしていた樹林さん。その中の一本にあたる今作品は、一般上映を終えこの劇場に戻って来ました。上映から随分と時間が経っているにもかかわらず、劇場内は満員。客層は中高年が中心だが、正月の3日にこれだけのひとが集まるのだから希林さんへの哀悼と人気が窺える。
希林さんが亡くなり、3ヶ月が過ぎたのだがいまだ実感が湧かない。スクリーンに映し出される姿は凜として輝き、その一挙手一投足のすべてがわたしたちに感動をいまもくれる。どんな作品に出ても自分の役割をしっかり踏まえ、演じきる俳優さんがどれだけいるのだろう。そう言う意味では俳優希林さんを失った映画界の損失は大きいのではないでしょうか?まだまだ希林さんの出演する作品を観たかったファンは多いはず・・・。
昨年公開された3本の作品のうち、今作品は2本目になる。見終わってまず感じた素直な感想は、日本人に生まれたことに対する感謝と喜びである。日本を代表する文化のひとつ「茶道」を背景に、日常の中にある憂いをきめ細かやかに紡ぎ出した作品はジンワリとこころに沁みてくる。物語から時間の流れに飲み込まれ、見失っていることの多いことに気づかされハッとさせられる。気負いなく淡々と進むお話は、時の過ごし方の大切さをあらためて考えさせられる。映像が映し出す四季の美しさは言うまでもなく、「茶道」の持つ奥深い世界に触れ、ひとが創りあげる茶道の所作の美しさに息を呑んでしまった。こころの乱れがそのまま出てしまう世界は、まるで映し鏡のようで身が引き締まる。個人的な感想だが、道と名のつく世界に身を置くわたしにはただの映画ではなく、まるで教科書みたいな作品との出会いとなりました。「習うより慣れろ」という言葉はよく使われるが、この作品内での使い方には本当に説得力があり頷いてしまう。掛け軸の書、茶道具や茶碗、床の間の生け花、振る舞われる和菓子、その全てが本当に美しいと感じられる。絶妙なバランスがそこのあり、これが“わびさび”という世界なのだろうと思えた。ラスト近くで“日日是好日”という書を眺め主人公典子(黒木華)が呟く「そう言う意味か」という瞬間、日本人で良かったと心底おもいました。ぜひ、作品を観ていただき忘れているこころを取り戻してはいかがですか?最後にこんな穏やかな日々を送るのは無理でも、気持ちのどこかに留めて置くだけでも毎日が輝いて見えるようになるかも知れません。
P.S. 樹木希林さん「ありがとうございました、そしておつかれさまでした」。こころからご冥福をお祈りいたします。まだ、観ていない“モリのいる場所”、ぜったい観ます。これからも永遠にわたしたちのこころに残り、感動を与えてくれることに感謝します。


by eddy-web | 2019-01-05 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ426 ”メアリーの総て“
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2018.12.27

久しぶりに銀座に出向いた。師走の銀座は以外と落ち着いていて、さすが銀座という感じ。何がさすがって、ちゃらちゃらした人がいない大人の街ということ。ちまたでは景気は上向きと言っていますが、それもあまり感じません。人通りも思っていたほど多くなく、落ち着いた年の瀬です。
さて、今日観に来た作品は“メアリーの総て”。前からちょっと気になっていた作品で、あの怪奇小説「フランケンシュタイン」の生みの親(原作者)を題材にした映画です。「フランケンシュタイン」と言えば、アメリカを代表する怪物。わたしがすぐ頭に浮かぶのは、怪獣映画「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」。東宝の怪獣映画の中では、ベスト3に入るわたしの評価です。後思い出すのは、水木しげるさんの描いた「ゲゲゲの鬼太郎」の日本の妖怪と西洋の妖怪との大戦争。個性豊かなキャラたちがそれぞれの特技を生かしての攻防戦は、それはそれは子どもたちのこころを掴んで離しませんでした。と言ったところがわたしの中のフランケン。後は怪物くんかな・・・。実は単体での「フランケンシュタイン」映画は観たことがなく、イメージでは悲しい怪物という感じです。そう言えば小さい頃TVドラマで観た「恐怖のミイラ男」の最期が悲しくて、泣いた事を覚えています。
さて、映画ですが中々の重厚感で気品さえ漂う質の高い作品でした。原作者メアリー・シェリーが18歳という若さで生み出した小説「フランケンシュタイン」が生まれるまでの半生を描き出しています。まず驚いたのが書き上げた人物が女性だったということ。そして見終わると、「なるほど・・・」という気持ちが湧いてきたこと。この作品に巡り会わなければ、一生こんな物語の誕生秘話を知ることはなかったでしょう。地味な作品ですが、映画の持つ役割(歴史解明)を充分はたした作品に仕上がっています。妄想の中で「フランケンシュタイン」の姿(昔の映画作品?)が、ちらっと出てきますが、あくまでも演出効果のひとつ。見終わると人間の業の深さと身勝手さに打ちのめされ、世の中で一番恐い怪物は人間だと言うことを思い知らされます。自身に起きた辛く悲しい境遇を反映させ怪物(フランケンシュタイン)を生み出した、メアリー女史の反エネルギーに驚かされます。怪物をテーマにした作品の多くは、たいてい悲しいラストを迎えます。ただ恐いだけでなく、その裏側にある真実の深さと重さを伝え、観るものに共感を投げかけます。そして自身の生き方を見直すきっかけすら喚起してくれます。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、わたしはこの作品“メアリーの総て”で感じました。時代背景を丁寧に創りあげた美術や衣装など、観るところは至る所のにあり歴史の勉強にもなる作品です。即「フランケンシュタイン」の原作を読みたくなりました。主人公メアリーを演じたエル・ファニングは何度かお目にかかっていますが、少女さを残しながらもしっかりと大人の女性に変貌していることが見て取れます。上品な顔立ちの彼女はお姫様役が似合うひと。そんな彼女がひとつ殻を破った作品と言えるのではないでしょうか?これからの彼女の出演作品が楽しみになりました。


by eddy-web | 2018-12-29 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ425 “レディ・バード”
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2018.12.20

ギンレイでの残り2本目の作品は“レディバード”。主人公「レディバード」ことクリスティンを演じるのはシャーシャ・ローナン。彼女は24歳という若さにもかかわらず、すでにその演技力は高く評価され、この作品ではゴールデン・グローブ賞主演女優賞を獲得しています。2007年“つぐない”という作品に13歳で出演し、いきなりアカデミー賞助演女優賞にノミネートと言うからただ者ではない。その後も“ラブリーボーン”“グランド・ブタペスト・ホテル”“ブルックリン”と10年くらいで、キャリアを積み上げそのすべての作品で高く評価される女優さんになった。まだ24歳というから、これからどこまで上り詰めてゆくのか空恐ろしい女優さんです。わたしは“グランド・ブタペスト・ホテル”で彼女をはじめて観ましたが、名優たちが溢れる作品の中、確かに存在感を漂わせていました。アイルランド出身の彼女は、他の女優さんにはない、何とも言えない雰囲気を持っています。そのブルーの瞳はまるで泉のような透明感で、吸い込まれそうな感じさえします。またシャープな顔立ちは一見冷たい印象を受けますが、そこがきっと彼女の武器なのかも知れません。今回も髪をオレンジに染め、卒業まじかな揺れ動く女子高生のナイーブなハートを見事に演じています。
さて、映画“レディバード”ですが、17歳の少女、通称“レディバード”が多感な時期を乗り越え、成長してゆく姿を丁寧に描いた青春映画といったところ。青春映画は今までも沢山あるが、この年齢の人にはきっと納得するところも多いはず・・・。だれもが通るその頃の悩み、苦しみ、そして希望などが入り乱れ描かれ「解る、解る!」とつい共感してしまう。よくある話しだからこそ、つい引き込まれてしまうのだろう。わたしのような年寄りでさえ、昔を思い出し自身と重ね合わせて観てしまった。かなり撫養もするが、それこそ青春の特権かも知れない。監督はインディーズ出身の女性でグレタ・ガーウィグ。女優としても多くの作品の出演し、“人生は最悪だ!”という作品では多くの賞に輝いているようだ。この作品では初の単独監督・脚本を手がけ高い評価を得、とくに公開の2017年度映画批評集積サイトで100%の支持率を記録した希有のな作品となっています。評論家の意見が正しいとは」思いませんが、専門家を唸らせた事実は高く評価されるのではないでしょうか?気むずかしい面々のこころを掴んだのですから・・・。これから彼女が作り出してゆく作品が、楽しみでならない。“レディバード”は女性の感性がほとばしり、一度しかない青春をある意味賞賛している作品である。いま青春真っ只中のひと、見に行くときっと元気、勇気をもらえます。そして感謝の気持ちも同時に湧いてくるはず・・・。青春バンザイ!
P.S.  お母さん役のローリー・メトカーフが暖かみと尊厳のある深い愛を表現していて、とても素晴らしかったです。演劇出身の女優さんで、有名なトニー賞の主演女優賞を取っている。調べると
“レディバード”と同じ2017年に“A Doll's House,Part2"という作品で授賞し、“レディバード”で取り損ねたゴールデングローブ賞助演女優賞のかりをしっかり掴んだという。いずれにしても凄いひひとに違いない。見れば納得です。


by eddy-web | 2018-12-25 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ424 “タリーと私の秘密の時間”
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2018.12.20

今年も後10日あまり。私だけかも知れないが、年末は以外と観たいと思う映画が少ない。やや前倒しで公開される作品が多く、ほとんど鑑賞済みなのがその理由。年の瀬である意味、忙しい毎日から非現実に身を浸したいと思うひとも多いはず。そんな時に観たいと思う作品が見つからないのは、実に辛いものだ。そんな時、必ずチェックするのが飯田橋の「ギンレイ・ホール」。全国展開で公開するような作品ではなく、単館での公開など普段観ることのあまり多くない作品を選りすぐり見せてくれる場所。2本立てで料金も安いので、映画好きにはたまらない。ただ一日で2本見るのはかなりしんどい。年を重ねた壮年代には体力的(集中力)にも、厳しいのである。客層はほぼ壮年の方が多く、行ったことのあるひとは解りますが、ここはその年代のオアシス。作品のチョイスも素晴らしく、何を観ても満足感が得られるいい劇場。昔はこう言う映画館が多くあったが、都内ではほんとうに少なくなってしまい、ここはまさに聖地。ず~っと残ってほしいと思うのは、わたしだけではないはずです。個人的な感情が出てしまい申し訳ありません。
さて、今回も頑張って2本、ハシゴをしてしまいました。1本目は“タリーと私の秘密の時間”。主演はハリウッドを代表する女優シャーリーズ・セロン。この女優さんにはいつも驚かされる。観る度全然ちがう役をこなし、その上見た目(容姿)さえ変貌し物語の人物になりきる。ただただそのストイックな姿勢にいつも圧倒されるばかり。メチャクチャ美人なのに、そんなものにあぐらをかかない彼女にひかれているファンはきっと多いはず。わたしもそのひとりです。“モンスター”という作品での演技は、世界中のファンの度肝を抜きその年のアカデミー賞最優秀女優賞を獲得。この主人公を何も知らず観て、シャーリーズ・セロンと思うひとはまずいないと思います。ほぼノーメイクでの出演で、その上体重を何十キロも増量しての役作りはプロとしての覚悟と、それ以上のエネルギーを感じさせる見事な演技でした。彼女が今回挑戦した主人公マーロは、育児と家族との生活に追われ、身も心もクタクタになっいる母親を演じている。きっとこの作品を観て「そうそう」と頷く女性(主婦)は多いはず・・・。男のわたしでさえ、そう思えるくらい忙しく大変な毎日。主人公マーロは、超真面目な性格で、それ故自分をどんどん追い込んでしまう。そして本来持っていた明るく前向きな性格を忘れ、どんどんと自身が持っていた輝きを失いだらしなくなっていく。身体もぶよぶよになり、こどもに指摘される始末。そんな彼女の前に現れたのが、タイトルである夜専用のベビーシッター“タリー”。彼女との出会いがマーロが忘れかけていた、輝きを取り戻す大きなきっかけをもたらす。若い上に物怖じしない自信に溢れた言動に、はじめは戸惑っていたマーロがこころを開くようになるのにそう時間はかからなかった。いつしか彼女の存在は、絶対に欠かせないほど大きなものに変っていきマーロは所々に輝きを取りもどいていく。日常の中にある、生活感を描いた普通の物語だが、こころに沁みてくる。ラストが不思議な感覚を残し、余韻が続く。この締めくくり方が、作品の質を一気に高めていることは言うまでもない。ある意味ファンタジー映画かも知れません。わたしは自分なりの答えを見つけましたが、観るひとによりきっと感じ方が違うと思います。そこは是非、確かめてくれるようお願いします。観て損のない作品であることは間違いありません。
P.S. セロンはこの作品でも、20kgちかく増量したそうですが母親の美しさは見事に見せてくれています。やっぱり凄い女優さんです。タリーを演じたマッケンジー・デイヴィスは、はじめて拝見しましたが、小気味よい外連味のない演技がピタッとはまりこれからの活躍に期待が大◎。良い作品にいっぱい出て、その魅力に磨きをかけてくれるよう願っています。劇中に流れるシンディ・ローパーの曲が、主人公の気持ちに重なってベストセレクションでした。
by eddy-web | 2018-12-21 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ423 “来る”
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2018.12.11

10月に鑑賞した“散り椿”以来の日本映画を鑑賞。監督はCM界でハ知らない人はいないくらい有名な中島哲也。映画界に入ってもそのスタイリッシュな映像美を駆使し“下妻物語”でブレイク。その後“嫌われ松子の一生”“パコと魔法の絵本”“乾き”そして“告白”と立て続けに話題作を世に送り“告白”では日本アカデミー賞の最優秀監督賞と最優秀脚本賞を受賞。名実共に日本を代表する監督となった。どの作品もすべて観たが、いつも見終わると何か考えさせられる印象が強い。物語を完結させず、観客それぞれにその後を考えさせる余韻を大切にした演出は中島ワールドの魅力に違いない。少なくともわたしはその魅力にハマッているファンのひとりです。
さて今作“来る”ですが、このタイトルにまず興味が湧きそそられる。“乾き”もそうだったが、中身がまったく想像出来ない。いったい何(あれ)が来るのだろうか?予告編で見る限り、ジャンルで言えばホラー作品なのだが、中島監督ならどんな料理を出すのかと勝手にワクワクしてしまう。基本そんなに得意な作品分野でないので、違った意味で好奇心に火が付いてしまう。終わってみれば、何が来るのか解らないし、何が来たのかも解らない。普通のホラーは、だいたい形あるものが象徴として現れ悪さをするのが普通。が、この作品は最後まで姿を現さないのである。なんと嫌らしい存在だが、それだけにやっかいだし安心できない特別なものとなって恐怖を煽る仕掛けに最後まで引っ張っていかれる。沢山の人間が出てくるが、その中のひとりに自分がだんだんなっていることに途中で気づきます。わたしだけかも知れませんが、物語の中のひとりひとりは、だれもみな近くにいる人だし実は自分なのかも知れません。中島監督は恐くて一番面白いのは「人間」と謳っています。確かにと納得してしまう、そんな作品に仕上がっていました。面白かったの一言です。キャスティングされた俳優さんたちは、岡田准一をはじめ黒木華、妻夫木聡、松たか子、小松菜奈と演技力のある俳優陣。作品はこの五人を中心に動いて行きますが、ほぼ全員が主人公でみなこころに闇をかかえています。その人たちが関わりの中で、物語を紡いでいくあたりがいままでにない展開です。ひとのこころに潜む嫌な部分が浮き彫りにされ、とても不愉快きわまりない演出ですが、それだけにリアリティがありふと我を振り返ってしまう。どの俳優さんも今までと違う役どころで、とても力のこもった演技をしています。小松菜奈さんが、どんどんと女優さんとして開花しているのが実感出来ます。
P.S. 「あれ」って呼ばれたものは、わたしたちの中にあるものだと言うことが最後に解ります。そこが一番恐いところです。原作は澤村伊智さんの「ぼぎわんが、来る」という作品ですが、「ぼぎわん」って何ですか?だれか知っていたら教えてください。そうじゃないと今夜眠れそうにありません。やっぱ「あれ」ですか???


by eddy-web | 2018-12-12 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ422  “ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生”
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2018.12.06

世界を席巻したハリーポッターシリーズが終わり、新に登場したのが“ファンタスティックビースト”。原作はもちろん同作家のJ.K.ローリング。ポッターと同じ魔法界の話しは5部にわたり、今回はその二作目にあたる作品。ここだけの話しですが、ポッターシリーズも好きですが、個人的にはビーストの展開に心ひかれています。動物(魔法)というアイテムの登場が物語りにほのぼのとした暖かさを生み、ファンタジーの世界を更に拡げワクワク感がたまりません。動物たちも個性豊かで、なんとも愛らしい。私見だがポケットモンスターを実写化したら、こんな感じになるのだろうか?話しはそれるがハリウッドでいま“ポケットモンスター”の実写化が進んでいることは、すでに知られています。さて、どうなることやら・・・???心配なのは“ドラゴンボール”の二の舞だけは、勘弁してほしいということ。
本題を戻し“ファンタステックビースト”の二作目の感想です。
第一作を上回るスケールと登場人物にスポットを当てた演出に、導入部からグイグイと引き込まれ、あっという間にラストまで見入ってしまい面白かったです。ちょっと寂しかったのは魔法動物たちの活躍が少なめな部分。はじめに言いましたが、魔法動物の登場がユーモアを生み出し物語をホッコリしてくれる。今回はそこら辺がちょっぴり少なかった気がします。このままだと“ハリーポッター”と同じように「正義VS悪」の戦いがメインになって行ってしまう展開が予想されます。バトル好きにはたまらないかも知れませんが、なんとか魔法動物の力とニュート(エディ・レッドメイン)の優しさで暖ったか~い物語の終わりを迎えてほしいものです。今回はランブルドア(ジュード・ロウ)とグリンデルバルト(ジョニー・デップ)との因縁を紐解く話しが軸になり、登場人物たちの内面に前作を上回る形で迫っています。ジュード・ロウもジョニー・デップも流石の存在感で、デップの演技は悪を越えた深みがありこれからますます目が離せません。VFXを存分に使った映像表現の素晴らしさは、さらに磨きがかかりもはや芸術。ただただ圧倒され、夢心地を満喫させてくれました。時代背景に準じたファッションも上品で、気品を感じさせてくれます。本物とはこういうものを言うのでしょう。
なかなかまねは出来ませんが、センスを磨くのには多いに参考になるのではないでしょうか?ニュートと魔法動物たちとの暖かい繋がりが随所に出ていて、彼の純真で真っ直ぐなこころが動物たちのこころも開かせる力(魔法以上)があると感動しました。彼のどことなくあどけない表情は、この物語の魅力になっています。ハンサムとは言えませんが、女性ファンもさらに増えることでしょう。前作で大活躍の唯一人間として絡んでいるジェイコブ(ダン・フォグラー)も、魔法動物と同じ立ち位置の役ですが和みます。恋する彼女のクイニー(アロソン・スドル)が、今後どうなるのかちょっと気がかりな展開で目が離せません。
P.S. 魅力ある俳優陣が多い映画ですが、一番わたしが注目しているのがティナ役のキャサリン・ウォーターストーン。一作目からひかれていて、他の女優さんには感じない内面的な美しさを感じ注目をしています。どうやら舞台出身の方のようだが、控えめな雰囲気が人間味に溢れ大好きになっています。どんどん映画に出てくれると良いのですが・・・。


by eddy-web | 2018-12-07 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ421 “30年後の同窓会”
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2018.11.20

二本目の作品は“30年後の同窓会”。この作品が往年の名作“さらば冬のかもめ”の続編と位置づけられていることを、後で知ったわたし。1973年に公開されたアメリカンニューシネマの佳作は、いまもこころに残る感動作。原作を書いたダリル・ポニクサンが1970年に発表した「The Last Detail」が“さらば冬のカモメ”になり、2005年に発表された「Last Flag Flying」が今回の“30年後の同窓会”となった。映画製作ははじめ冬のカモメの35年後をキャストであるニコルソンとクエイドで進んでいたようだが、結局出演には至らなかった用である。このような経緯もあり続編と言われていましたが、観れば解るとおり繋がってはおらずあくまで精神的な続編として描かれています。
監督は2014年に“6才のボクが、大人になるまで。”で、その年の賞を総なめにしたアメリカを代表するひとで脚本家としても活躍する才人である。“6才のボク~”は主人公の成長を6歳から18歳になるまで12年間継続して描写した作品で話題をさらったことは記憶に新しい。この年映画批評で最高の賛美を浴び、辛口の評論家たちを唸らせたのも事実である。この才能溢れる監督が脚本も手がけそしてキャスティングした、俳優陣がこれまた凄いのに吃驚(o・д・)。3人の主人公を演じるのは、アカデミー賞でもお馴染みの面々。ラリー役にスティーブ・カレル(フォックス・キャッチャー)、サル役にブライアン・クランストン(トランボ ハリウッドで最も嫌われた男)、そしてミューラー役のローレンス・フィッシュバーン(TINAティナ)。いずれ劣らぬ役者陣はひとりでも充分作品が撮れるバイブレイヤーたちばかり。そんな布陣で創られた訳ですから、ハズレるはずはありません。観る前から「これはきっと泣かされるなぁ~っ」と思っていましたが、まんまと泣かされてしまいました。決してお涙頂戴の作品ではありません。戦争というバックボーンの中に描かれたアメリカの良心みたいなものが、ジンワリと描かれ考えさせられます。ベトナム戦争とイラク戦争。この2つをまたぎ、延々と続く戦争が生んだ深い傷跡がいままた蘇るそんな映画はわたしのこころに響く作品でした。3人の名優たちが演じる旧友たちの、丁々発止の軽妙なやりとりに時はユーモアに溢れ重たい現実を和らげ優しさが伝わってくる。こんな友人がいたら、人生は最高だと羨ましくなりました。戦争という同じ恐怖と痛みを共にしたもの同士だからこそ、こんな関係を築くことが出来たのでしょう。ラストはお決まりの泣かせるシーンでしたが、わたしは墓地で息子の亡骸を埋葬する軍服姿のサルとミューラーの格好良さに涙しました。作品の主人公3人も、演じた3人にも大拍手です。その生きざまに「老兵は死なず!!」の言葉を贈ります。
by eddy-web | 2018-11-23 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ420  “さよなら、僕のマンハッタン”
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2018.11.20

観たい作品が見当たらず、今日はギンレイへと足を向けました。ここはまず外すことのない、良作をを、何時も提供してくれるところ。何の情報を手に入れなくても、まず大丈夫。オーナーのチョイスする眼力はまず完璧。今日も頑張り2本観ると、こころの準備をしてやってきた。
さて、1本目。“さよなら、僕のマンハッタン”は、公開していたことすら知らない恥ずかしい次第。結構情報を集めている方だと自負していたが、全然なってない。恥ずかしい次第です。ニューヨークを舞台にした、少年の成長する過程をドラマチックに描き出した作品はストレートにわたしの胸を打ち抜き感動した。ちょっとミステリー仕立ての展開にぐいぐいと引き込まれ、最後は思いもよらない結末へと続く。久しぶりに、宝くじに当ったくらい嬉しい作品との出会いになりました。監督は一昨年だったかに観た“ギフテッド”を撮ったマーク・ウェブ。作品は少女と叔父の慈愛に満ちた関係を紡ぎ出した作品で、強い印象を残した佳作。クリス・エバンスがヒーローの可燃を脱ぎ捨て、沁みる演技であらたな一面を魅せてくれました。そのほかにも“アメージング・スパイダーマン”シリーズを手がけています。作品の数こそ少ないが、その実力は間違いないとこの作品で確信へと変りました。
物語は大学は卒業したものの、目標も目的も見いだせないままもんもんと空虚な毎日を送る青年の成長物語を描いている。見終わって感じたのが懐かしい匂いと言うか、時代は違うが名作“卒業”が頭に浮かんだ。子どもから大人へと変わって行く、何とももどかしい時間を過ごす青年の不安定な感情と行動が見事に写し出され共感する。自身の過去と映画の出来事を重ねると、至る所でうなずく自分がいる。主人公青年トーマス(カラム・ターナー)が父親の浮気現場を観てしまったところから始まる物語は、見知らぬ隣人ジェラルド(ジェフ・ブリッジス)の登場で、ミステリー性が強くなりどんどんと加速。前編に流れる音楽と名曲の数々が、揺れ動く人物たちの感情にリンクし見事に物語を演出している。このあたりも“卒業”と同じ感覚を蘇させる。一番はやっぱりサイモン&ガーファンクルの曲「ニューヨークの少年」を使っているところなのだが・・・。さらにジャズの名曲をところどころに入れ、ニューヨークという大都会の姿を浮かび上がらせ、そこで暮らし生きる人生の難しさや戸惑いを青年の成長過程に合わせ見事に表現してうぃます。隣人ジェラルドを演じたジェフ・ブリッジスの渋い演技は秀逸。かたやジェラルドの父親を演じたピアース・ブロスナンもいい味を出しています。メチャクチャカッコいい壮年の男を演じ、とても印象に残ります。ブロスナンは“マンマ・ミーヤ”にも出ていますが、ボンドの時を超える魅力溢れる男になっていて本当にカッコいいです。いい年の重ね方をしていて、羨ましいかぎり。女性陣も負けずに魅力的でしたが、なんと言っても親子の間で、ふたりを惑わす女ジョハンナ(ケイト・ベッキンセイル)が何とも魅力的です。一見魔性の女的に表現されていますが、愛に正直なだけのとてもいい女とわたしは受け止めています。みなさんはどうでしょう?女性からは反発もあるかと思いますが、この作品を通して感じたのは、過ちを犯してもそこにはそこには真実の愛があったと感じることが出来ることではないでしょうか?
「人」という字は、互いに支え合っていると言う意味だと説いた某TVがその昔ありました。最近ある番組で異論と言うか、うがった見方で実はくっついているだけで人はひとりじゃ生きられない生き物だと語っていました(笑い)。わたしもこの意見に同感です。今回の作品はまさにそこを描いた名作です。
by eddy-web | 2018-11-22 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)


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