2016.Sep.23
“あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。”以来の萌え系アニメに泣かされたわたし。宮崎監督や高畑監督のジブリは言うまでもなく、細田守監督や庵野秀明と大好きなクリエーターが多いアニメ映画。今回の作品は、娘の一押しで見る事になったのだが・・・。娘曰く「おとうさん、絶対泣くから!!とにかく見て。」とわたしを泣かせる前提でお薦めされました。見事娘の術中にはまり、作品の後半はひたすら流れる涙を拭う事さえ忘れていました。久しぶりに身体が浄化された気分です。涙は堪えるものではなく、思いっきり流してこころの洗濯をするものだと思います。歳をとったせいもありますが、最近は人目もはばからず思いっきり泣かせて頂いております。
さて、作品ですが見る前と観た後の感じが大分違います。萠系のキャラなどから言い方が悪いが、緩い男波だ頂戴の恋愛劇と勝手に決めていた自分。やっぱり作品は自分の目で確かめないことには、“何もいえネ~ッ”ってことに辿りつきました。意識しているつもりですが・・・。設定が耳の不自由な女の子西宮(転校生)と、ワンパク坊主石田となれば、お決まりの展開を想像してしまったわたし。スタッフのみなさん、申し訳ありませんでした。素晴らしい作品を見させてもらい、こころから感謝します。主人公だけにスポットを当てず、まわりの関わるすべて人たちがいろいろな立場で悩み、そして苦しみ自分探しをしているのが伝わってくる作品です。人間は面倒くさいと言うことが素直に描かれ、奇麗ごとで創られていないところが率直に大好きです。普段の生活の中で、わたしたちがどれだけひとを傷つけいるのだろうと考えさせられます。もちろん悪気などなく、ただ何となく言ったり、したりしていることに・・・?
ひとの顔(こころ)をしっかりと見て生きていけたら、どんなに幸せなことでしょう。そんなラストは最高です。その前のドキドキ感はちょっと年寄りにはきつかったですが・・・。
監督をした山田尚子さんのことは存知あげませんでしたが、この作品を観てファンになりました。まだ長編は2作目とのことですが、これからも若さを武器に良質の作品を届けてくれることを願うばかりです。日本のアニメが世界中のひとに注目されています。昔は「漫画やアニメなんて観ているとバカになるよ!!」ってよく言われたものです。それは遠い昔話で、いまや漫画やアニメはサブカルチャーと位置づけられ日本の誇りとまで言われ始めました。これからも世界をアッと言わせる、日本のこころと技を発進してくださることを願い、そして多くのひとがこの作品に触れる事をお薦めいたします。