2014. May. 12
映画を見た後で・・・。1週間という間が空いての投稿です。何と言うか、やるせないやら悔しいやらこんな気持ちになったのは久しぶり。とてもいい映画で、もちろん感動もしたのですが・・・。見終わった後、なにかモヤモヤして、誰にぶつるでもなく変に興奮している自分がいます。この映画、テーマは“愛”なのだが、報われないということが最後に重くのしかかるます。
突然ですがLGBTという総称をご存知でしょうか?つい先日TVで当事者を集めての番組を見ました。LGBTとは“性的少数者を限定的に指す言葉”と略され、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性の不一致)の頭文字をとったものである。急に話が飛びましたが、主人公たちがまさにこのひとたち。これはまさに偶然の出来事。予備知識を入れずに観る、わたしに何か不思議な力が働いたような感じがしました。今でこそ世の中でも認知度があがり、すこしですがそういう人がいてもあたりまえという時代になりました。なんか変に気を使った言い回しですみません。この映画の物語は今から35年もさかのぼる、カリフォルニアでのお話。差別や偏見と言った人間の醜い部分が、一番強く出ていた時代。そんな中でであった3人の物語は、あまりにピュアで涙を誘う。愛と言う言葉の持つ意味を、恥ずかしいほど確かめたくなる作品でした。人が人を愛するのに理屈は必要ないことが、あらためて思い知らされる。こんなにひとを愛することが、出来るのだろうか?ある意味羨ましい。ここまでの話だと、LGBTのひとたちの物語かと思われますが、もうひとつ大きなテーマが被さっています。身寄のないダウン症の少年マルコとの生活。社会から取り残されたひとたちが、寄り添いいたわりあい懸命に生きようともがく。それでもそれをゆるさない社会の偏見と差別。いつになったらこんな時代は無くなるのでしょうか?本当に人を愛することとはを考えさせられる映画に出会いました。
主人公のルディを演じたアラン・カミングは最高の演技と歌を披露しています。彼はカミングアウトし、ゲイであることを公表している俳優。俳優のほかプロデューサー、パフォーマー、作家、写真家、監督と多方面にその才能を発揮しているクリエイティブの固まり。彼だからこそ描けた作品と言ってもいい映画になっています。そして絶対にはずせないのは、マルコ少年を演じたアイザック・レイヴァ。彼もマルコと同じダウン症。俳優として舞台などで活躍し、ダンスを愛する読書家だそうです。脇を固める俳優たちも皆見事で、観るもののこころをゆさぶり離しません。最後にこの話は、実話だそうです。ぜひ、みなさんご覧ください。ラストにマルコ少年の新聞記事の話がでますが、このくだりはたまりません。ハッピーエンドな世の中が来ることを、こころから願ってやまないわたしです。
UEKUSA Shoji
◆アラン・カミングの歌声をどうぞ