2014. May. 05
ゴールデン・ウィーク終盤の5日、家族揃って“テルマエ・ロマエ”。シリーズ累計900万部を売り上げている、ヤマザキマリさんの漫画が原作の映画。もちろんわたしも漫画の大ファン。昨年映画公開時に、配役陣の名を見て思わず絶句・・・。あまりに見事なキャスティングに、それだけで映画を見たくなったのは紛れもない事実。イャ〜もう良くこれだけ濃い顔を集めたものだと、ただただ関心。そして、パート1の映画は期待を裏切ることなく、抱腹絶倒の面白さで、こんなに笑っていいのかぐらい笑って涙を流してしまいました。今回はその第2弾。撮影も日本だけではなく、ブルガリアで行われたとのことでスケールアップ。下世話な話ですが、一作目が大ヒットし制作費がきっと跳ね上がったのではないでしょうか?ローマの市街風景など、セットも前作を遥かに超える造り。それにCGを巧みに合わせた演出効果だけ見ても“日本もやるときゃやるね”と感じたわたし。ただ中身はやはり漫画の醍醐味を100%残した、奇想天外なタイム・スリップ寓話。どこまでも手ずくり的な、マンガの味わいを残してくれたところがまたいい。まさに娯楽映画万歳になっています。へんなリアリティとのギャップを、満喫するには最高です。主人公ルシウスを演じる阿部寛の、驚きの表情がオーバーなところが妙にツボにはまり笑ってしまう。前作同様ローマ人になりきった芝居の妙味に、原作の絵が逆に阿部寛をモデルにしたのでは・・・と思ってしまうぐらいはまってます。昨年この役で、日本アカデミー主演男優賞を獲得し、並みいる名作に打ち勝ち受賞は本物です。真面目な作品ばかりが、評価の対象ではないということを証明した一作となりました。それにしても時を超えるシーンの、トイレに流れる人形などの陳腐な演出も、余りにバカバカし過ぎて笑ってしまう。久しぶりに笑い過ぎて、お腹が痛くなりました。個人的には前作の方が好きですが・・・。歴史背景がしっかりと捉えられているのも、結構勉強になり二度美味しい感があります。最後にテルマエのキャッチをご唱和。「すべての“風呂”はローマに通ず」。お風呂は、身も心もホグしてくれる文化。そしてテルマエも・・・。UEKUSA Shoji