
09.Nov.16
このフィルムは映画とはいえない。ただここに映された真実は、どんな映画よりエキサイティングと言える。マイケル・ジャクソンのすごさを素直に感じる映像「THIS IS IT」。映画の最後、字幕スパーが流れマイケルの曲とエンドロールが終わった瞬間に会場から拍手が起こった。昔は結構こんなことが沢山あった気がする。最近はなんか、感動した自分をだすのがカッコ悪いと思っているのか、とんとなくなった。観客は老若男女さまざま、それがどうだろうこの拍手である。自然にこの行為をさせるだけの、パワーというかエネルギーがここには描かれていた。どの世界にも凄い人は沢山いるが、M・Jほど多くの人に知られ愛された人物はもう出てこない気がする。この最後のコンサートを見ることができなかったのは残念である。ほんとうのエンターテイメントとはを、きっと見せてくれたにちがいない。映像の中、M・Jの音楽へのこだわり、そしてステージ作りへのこだわりがビシビシと感じる。この実現しなかったコンサートに関った人たちのメッセージに、いっしょに舞台に立てた喜びとか、共有した時間が最高のものだという、それが観るものに伝わってくる。終盤で、マイケルがスタッフを舞台に集め言う「誰もみたことのない世界を、みんなでつくろう!」という言葉は彼のすべてを表している気がする。M・Jの仕草、一挙手一投足が美しい。そしてかっこいい。M・Jは彼だけで、ほかのだれでもない。きっとこれが「THIS IS IT」。
M・Jはミュージシャンではなく、まぎれもなくクリエーターである。それも他に類をみない・・・。いろいろな話題やゴシップ、奇行などなど、最後までファンを翻弄したが、いま思えば全部マイケル・ジャクソンなのかも知れない。合掌。