09.Mar.14
先日、門下生(T一)のおかあさんからとっても嬉しい話を聞きました。突然ですが、わたしはDesignの仕事とは別にもうひとつ長年、武道を教えています。この話はある日、その道場でのこと。
今月都大会が開かれわたしの道場からも、多くのこどもが参加しました。みんなとっても頑張りましたが、勝負の世界は残酷、かならず勝者と敗者を作ってしまいます。運も含めメダルを手にした子もいれば、残念ながら結果をだせなかった子もいます。そんな中、高1のD樹は、なかなか実力を発揮できずに連敗が続きました。気持を立て直し望んだ、種目別(両手長剣)で並みいる強豪を打ち破り見事優勝。もともと力がある子だが、実力だけでは勝てないのがこの世界。わたしは素直に彼を誉め、握手をかわし喜びを分ちあいました。
ここまでは何でもない話だが後日、この日D樹は用具がなく、小1のT一に借りて出たことを知りました。本来は貸し借りは厳禁。そしてD樹は優勝。終わったあと、D樹はT一の所に行き、「今日の優勝は君の剣のおかげ。だからこのメダルは君のものだヨ!」と金メダルをT一の首にかけてあげたそうです。T一はその日、残念ながら結果が出せませんでした。でもそのことがとっても嬉しかったらしく、もらったメダルを大事そうに寝る時まで枕元に置き、朝をむかえたそうです。そして朝、おかあさんにこう言いました。「おかあさん、来年はボクが金メダルを取って、おにいちゃんにあげるんだ!」と・・・。
思わず目頭が熱くなってしまいました。いい門下生にめぐまれたことを誇りに思います。このふたりのこころにはきっと、もらったメダルより大きな金メダルが残ったに違いありません。