
09.Mar.10
「チェ28才の革命」に続く、「チェ39才別れの手紙」を観に銀座に出た。時間が作れず、公開終了まじかでの鑑賞になってしまった。観終わっていろいろと考えてしまった。この映画はやはり、映画という枠をはずしても見なければいけなかった作品のようだ。ゲバラの生きざまを真正面から描いてる作品に、少しだけ彼に触れることが出来た気がする。彼を動かしたものは、まぎれもない人への愛かもしれない。捕虜になった終盤、見張りの若い兵士との会話にそれを感じた。兵士が彼に訪ねる、「キューバにも神はいるのですか?あなたには・・・?」と。ゲバラはこう答えた、「もちろん信じる神はいるさ。そしてわたしにとっての神は・・・人。」この会話に彼のすべてが語られている気がする。彼がいまなお、多くの人のこころをはなさずにいるのは、まぎれもないこの愛だろう。こんなに純粋に人は生きられるのだろうか?すべてを投げ打ってまで。ラスト近くの処刑シーンで、動揺を隠せない兵士に向かい「撃て!」と叫び、乾いた銃声が響く。カメラはゲバラ自身の目になり、兵士を見ながら地面に倒れそのまま動かない。このシーンをわたしはきっと一生忘れないだろう。この作品でカンヌで主演男優賞をもらった、ベニチオ・デル・トロに今一度拍手である。
いま、ゲバラのことを書いた本を読みあさっている。もっと彼を知りたい、近づきたいと・・・。
最後に戸井十月の著書「ゲバラ最後の時」の巻末に載っていたゲバラの言葉をひとつ。「もし我々が空想家のようだと言われるならば、救いがたい理想主義者だといわれるならば、できもしないことを考えていると言われるならば、何千回でも答えよう。 そのとおりだ、と」。
彼が死して41年。今もなお彼は人々のなかで生き続け、そしてこれからも永遠に生き続けることだろう。世界中のひとが幸せを願うかぎり・・・。