

09.Feb.16
ハチャメチャな映画に遭遇した。やりたい放題と言った感の作品である。でも、きっちり押さえるところは押え、見るものにメッセ−ジを送ってくるのが心憎い。かの宮藤官九郎監督の第2作目の作品「少年メリケンサック」がそれである。主人公の宮崎あおい演ずるかんなが発する「パンクなんか大っ嫌い!」ではじまるのだが、わたしもパンクは苦手、大っ嫌い!!である。ところがどうだろう、映画を鑑賞したあと、好きにはならないが、結構アリかも?と思えるのは??何故だろう???音楽性の問題ではなく、魂にひびく何かがあるからかも知れない。50を過ぎてこんなことを言っている自分は変?音楽の世界も本当に深いなァ〜とあらためて感じた。まあその辺をしっかり踏まえ、宮藤監督は撮ったのだろう。してやられた感がある。個性豊かな俳優陣を手玉にとり、イメージをぶちこわしたり、引き出したりと遊び心満載である。映画ではよく泣く自分だが、今回は笑い過ぎて涙が止まらなかった。だがどんな場合でも、涙を流したあとはスッキリするのが不思議だ。『100%オ馬鹿キャラ』を演じた、宮崎あおいに拍手!『キッタナイ、ダメなオッサン』を演じた佐藤浩市もすごい!!先週観た刑事はどこへ行ってしまったのだろう?篤姫は実在したのだろうか、本当に・・・。他の役者さんもハマッテいました、お疲れさま。後半のシーンでヤングを演じる、三宅弘城が「やりましょうよ!今しかないっすョ」っ言うところはグッときた。おもしろおかしく創ったようだが、きちっと現代社会に向け、若い人から中高年までもっと「元気をだせ!!」と叱咤激励している作品だ。おおいに楽しめた今回の映画である。最後に役者さんって仕事は大変なことは解るが、自分と違ういろいろな人物を表現できるから、苦しくての楽しくてきっと止められない職業なのだろと思った自分である。★ポスターのイケテルデザインに◎。