
'08.Dec.2
いま、ある曲にとても引かれている。静かな旋律にこころが癒され、目頭が熱くなることしばし・・・。平原綾香が出した最新作「ノクタ−ン」がそれである。「ジュピタ−」と言うクラシックの楽曲をモチ−フに鮮烈デビュ−を飾った彼女。今回は再びショパンの名曲を、彼女の世界観で実に見事に甦らせている。はじめて聞いた時の感覚はなんだろう?言葉ではうまく言えないが「夜の湖面に浮かぶ月、寄り添うように写るもうひとつの月。」そんな風景が頭に浮んだ。静寂に満ち、こころを穏やかにしてくれる。
これと似た感覚を随分とむかし、一度だけ味わったことがある。それは遠いむかし、わたしが二十歳の頃のこと。友人から聴かされたマル・ウォルドロンの「オ−ル・アロ−ン」というジャズピアノの曲。彼の名曲「レフト・アロ−ン」は有名だが、はじめて「オ−ル・アロ−ン」を聞いたときのことは今だに忘れられない。ジャズなど聴いたこともないわたしが、静かで孤独観に満ちたその旋律に、不覚にも涙腺をきられてしまったのだ。そして再び、あの時の感覚が甦った曲が「ノクタ−ン」。同じにおい、同じ色、同じ感覚がわたしのこころにせまってくる。理窟なくこころにしみてくる。じわじわと静かに・・・。
この曲、現在放映中のTVドラマ「風のガ−デン」のエンディンングテ−マに使われている。タイトルロ−ルの背景画像になっている、庭に咲く美しく鮮やかな花々。そこにおよそ不似合いと思われる儚い旋律。それがすごくいいのだ、なんとも言えずいいのだ。短い命を憂れうようで・・・。わたしはこの最後のエンドロ−ルだけでも、恥ずかしながら、うるうるしてしまう。とにかくぜひ、一度聴いてみてください。ドラマの話しもしたいが、今度にしょう。
※ということで、今回は20才の頃に旅した、北海道の花たちの写真を添えて見ました。ラベンダ−以外は解りません、ゴメンナサイ。



