'08.Nov.6
この映画は英雄伝「三国志」、中国の後漢末期から三国時代にかけて群雄割拠していた時代(180年頃〜280年頃)の興亡史をもとに創られた作品で、その中でも読者のもっとも心を掴んだ“赤壁の戦い”を画いている。三国志はかなり複雑で史書と三国志演義(小説)ではかなりちがいがあり、信頼性に乏しいとも聞く。わたしは小説は読んでいない。横山光輝の「三国志」がすべての情報源である。
本題に入ろう。レッドクリフは三国志の中でも、もっとも激しい戦いが繰り広げられた「赤壁の戦い」を画いている。制作にあたったのは、いま旬のジョン・ウ−監督。制作費100億円と聞けば期待しない訳には行かない。アクション演出には定評のあるウ−監督だが、10億円の私財をつぎ込み追加撮影をしたとの話を聞いた。監督渾身の一作に期待もふくらむ。登場人物たちが個性豊かでカッコイイ。男ならだれでもあこがれる世界がここにある。今回は日本からも中村獅童が「甘興」の役で花をそえ、馬上の殺陣は中々見ごたえがあった。今回は2部作の前編ですこしダイジェスト色が強く、もう少し登場人物ひとりひとりにスポットをあてて欲しかった気もする。それほど出てくる男たちが魅力的なのだ。
物語は三国の君主、劉備、曹繰、孫権が天下統一の戦いの話を軸に、トニ−・レオン演じる「周瑜」を中心に進む。出演者はみな役にピッタリとはまり素晴らしい。孔明を演じた金城武はすこし意外だが、見事に役をこなしている。わたしは上記の登場人物より、武将の「趙雲」「張飛」「関羽」の3人が大好きで特に関羽のファンである。映画の中でも男気を静かに漂わせ、とても魅力的だ。大槍を振り登場するシ−ンは、本当にカッコイイのひとこと。演じている俳優はモンゴル人とのことだが、とても品のある良い顔をしている。前編戦いのシ−ンは文句なく素晴らしい。CGのシ−ンも上手く合わせられているが、すこし使い過ぎ?まぁこれだけの映画をまとめるには今は仕方ないのか・・・。とするとむかしの映画「ベン・ハ−」や「風とともに去りぬ」のスペクタルシ−ンは、本当にすごいと改めて実感する。来年春に続編が公開されるが、はやく見たくて今からワクワクして待ちどうしい。