
'08.Oct.20
ひさしぶりに恋愛映画を見た。それも大人の・・・。主演はリチャ−ド・ギアとダイアン・レインのふたり。ダイアン・レインはデビュ−作の「リトル・ロマンス」からのファン。デビュ−後、コッポラ監督作品に立て続けに出演したが、あまり興行成績にめぐまれず、しばらくスクリ−ンから消えていた時期がある。2000年以降復活しはじめ、いままたその美しい姿を見ることが出来るようになった。味のある年齢になって、これからが楽しみな彼女。もっとスクリ−ンに出てほしい女優さんである。若い頃の汚れを知らない美しさから、人生を重ね内面からでる大人の美しさが加わり、いい女(女優)になった。
絵に書いたような恋愛物語に、これまた美男・美女の俳優ふたり。いかにものアメリカ映画である。彼らは過去2度共演をしていて、息もピッタリといったところ。わたしてきには、前回の「運命の女」のほうが2人ともうんと輝いてみえる。ダイアンはこの時アカデミ−賞にノミネ−トされ、体当たりの演技は彼女のイメ−ジを完全に変えてみせた。今回の作品はそれとくらべると、物足りなさがわたしには残る。
互いに傷を持ち、引きずる2人の出会いから、ラストまでの流れはごくありがちなスト−リ−。海辺の古いホテルも使い古されたスチエ−ションである。人は人生の半分くらいにたどり着くと、こんな出会いにあこがれるのだろうか?解らないではないが・・・。ただ欲を言えば、物語の中盤にでてくる、手術で妻を失った老人や、その息子の気持ちのような内面的部分が、もっと画かれていたら良かったと思うのだが。リチャード・ギア演じる医者が老人から聞かされた、妻への深い愛。恋から愛に変わってゆく人生を知ったシ−ンがわたしは一番好きである。これがなければ、まさにハ−レ・クイン・ロマンスのぬる〜い世界だったかも・・・。たがこのあと主人公の医者が涙を流した後の展開が、手のひらを返したようなラブシ−ンにつながり、ちょっとアレッ?て感じで気持ちがさめてしまったのは事実。そんなに軽くて良いの!?といったところである。ま、イイ男とイイ女が出会えばこんなこともあるのかな?みなさん頑張りましょう(いったい何を!)。
そう言えばこの映画を見た後、30年くらい前に見た「おもいでの夏」という映画を思い出した。1971年、海辺の別荘でおこる、ひと夏の恋愛ドラマ。これはお薦め。性への好奇心と、美しく優しい年上の女性への思慕の情を画いた作品。ぜひ機会があったら見て下さい。音楽はミッシェル・ルグランが担当で、その甘く切ない調べは、映画の印象をさらに強く印象づけた名曲。そしてこの映画の主演女優ジェニファ−・オニ−ルは最高でした。