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よもやまシネマ-17 落下の王国

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'08.Oct.9

 銀座で映画を鑑賞するのは、いったい何年ぶりだろう。思い出せないくらい時間がたっている。以前は仕事帰りに、週一くらいは映画館に足を運んでいたものだが・・・。裏通りの風景も随分様変わりし、ますますお洒落になった。ほかのどこともちがう、大人の街、銀座。 生涯記憶に残るであろう映画に、また出会った。 
 どうしても見たい思いが足を運ばせた、「落下の王国」。大袈裟に聞こえては困るが、久しぶりに映画の枠からはみ出た作品と出会い、感動で一週間ほど余韻をひとり楽しんでしまった。言葉では言い表せない美しい映画だ。しかも実写にこだわった演出、脚本、映像、衣装、音楽、どれをとっても一級品。映画からそれを超え、芸術品といえるものになっている、そんな映画だ。映画は元来、総合芸術と言われているが、まさにそのもの。こんな想像力豊かな作品は、「2001年宇宙の旅」以来かも知れない。
 物語り事態は青年と少女の交流から生まれるお伽話なのだが、よくもこれだけ手間ひまかけすごい作品に仕上げたものと、監督やスタッフの力に喝采。構想26年、撮影4年とはさもありなん。本当にすばらしいア−トの世界がここにある。良すぎてあんまり人に言いたくないほど、ひとりじめにしておきたいほどである。監督は「ザ・セル」で世界を驚かせたタ−セム。インド生まれでヒマラヤの寄宿学校で教育を受けたという。ヒマラヤを訪れたことのある、友人があそこには神が住んでいると本当に言っていたが・・・?。そんな環境の中育った人だから、こんな映画が描けるのかも知れない。それとCMの監督として企業広告を多く手掛けてきたキャリアが、このこだわりと映像美を生んでいるのだろう。コスチュームデザインを手掛けた石岡瑛子の衣装も本当に美しいく、それだけでも充分見る価値のある作品になっている。彼女は日本を代表する芸術家として、世界に知られている。広告の賞はもちろん、そのア−トワ−クはその枠を超えグラミ−賞やアカデミ−賞までその手に掴んだすごい女性。タ−セム監督とは「ザ・セル」以来の付き合いと聞いている。才能豊かな人は互いに目に見えない糸で引き合うのだろう。彼女はわたしの大好きなアイスランドの歌姫ビヨ−クの作品も手掛けている。ビヨ−クもまた歌の世界を飛び出し、「ダンス・イン・ザ・ダ−ク」で俳優として世界の賞を総なめにした天才ア−ティストである。才能は違いに引き合う、これはその人たちしか与えられない運命みたいなものかも知れない。うらやましい限りである。
 「落下の王国」は説明無用。はじまりの白黒タイトルロ−ルのスロ−モ−ション画像からぐいぐい引き込まれてしまう。静かな映像は写真家コルベ−ルを思いおこす。とにかく見て欲しい作品。本当に贅沢な作品で、見てけっして損はない。子役の少女アレクサンドリアは取分けの美人ではないが、とても自然体ですごく愛らしい。氷屋が運んできた、氷をイタズラで舐めるシ−ンや、ベッドの上で写真を片目づつ瞑って見るシ−ンは本当に純真無垢。主人公の青年の心の闇を溶かすのは、この彼女の純真なこころ。最後のベッドで横たわる少女と青年の会話場面は、やはり涙を誘う。何度も念を押すが、ぜったいお薦めの作品です。

★なんと美しいポスターでしょう。
 これだけで映画が見たくなりますよね。
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by eddy-web | 2008-10-14 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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