
'08.Oct.3
楽しみにしていた映画を鑑賞した。監督はいまもっとも注目されている、中島哲也監督。広告の世界から映画界に転身したひとで、映像に対するこだわりが随所に見られる。「嫌われ松子の一生」では暗いテ−マをミュ−ジカルじたてに演出し、今までにないエンタ−テ−メント作品を作り上げた。いままでの日本映画にはない、新しい表現が生まれた気がする。今回もその手法はますます磨きがかかり、大人のファンタジ−を見事に創ってくれました。大好きな作品がまた一つ、わたしの中に増え大満足。CGの使い方で前回すこしグチったが、この作品みたいなら何も文句などない。むかし見た「オズの魔法使い」が思い浮かんだ。夢がいっぱいで、手作りの暖かさと、とてもうまく重なって美しい。出演した役者のひとりひとりがいきいきして、とても輝いて見えた。きっとみなこの作品が大好きにちがいないと思う。とくに役所広司の大貫は圧巻である。ほんとうに憎たらしいクソじじいで、見ていて腹立たしくその上手さゆえ、後で思いっきり泣かされる。こんなに笑い、こんなに泣いた作品は久々。妻夫木聡、上川隆也はあまり見たことのない芝居を見せ、大いに笑わせてくれる。ほかの俳優さんたちも元気いっぱい。おかま役の國村隼なんか、新宿にいそうで恐いほどはまっていた。「萌の朱雀」の彼はどこにもいません。いやとにかく良かった、何度も見たくなるそんな映画。あんまり泣きすぎ、さすがに映画終了時にすぐ席を立てなかった。きっと目が赤いのがぜったい分かってしまう。実はラスト近くでもうこれで終わりだろうと、自分なりに泣くのを押さえていたのだが、最後にこれでもかともうひと押し、NAMIDAのツボをつかれてしまったかれである。クソ−ッ!!みなさんとにかくぜひ御鑑賞あれ。思いっきり泣きたい人お薦めです。女性が泣くとさっぱりする気持ちがすこし解るかも・・・。
最後に大貫と浅野の名セリフ。「先生、涙ってのは、どうやって止めるんだ?」「簡単です。いっぱい泣けばとまります。」このシ−ンは感動です。見たあとは、やさしい気持ちがいっぱいになり、幸せな気分になること間違い無し。人のためにこころをつくすことの大切さが、ここに画かれています。