'08.July.28
久しぶりに銀座に降り立った。友人などと言っては失礼かも知れないが、むかし仕事をご一緒した画家の木部一樹さんから、個展の案内をいただきはせ参じた。しばらくぶりに立つ銀座。厳密に言えば東銀座にあたる、歌舞伎座周辺である。デザインをはじめたばかりの、まだ青かった頃。勤めていた会社、そして独立してからお世話になっていた代理店があり長い間通っていた場所だ。ここしばらく、このあたりには足をのばしていない。せっかくなので個展会場に行くまでの道、ぶらぶらと昔歩いた裏道を散策してみた。ちょっと裏に入ると、面白いお店や不思議な雰囲気の空間がそちこちにあり楽しい町である。今でも変わらずある店に懐かしさを覚え、また今は無くなってしまった店にちょっぴり寂しさを感じながら、時間を巻き戻してみる。いくつもの思い出が浮かび、ちょっとセンチメンタルな気分になってしまった。
すっかり時間を忘れ、気がつけば予定を過ぎて会場に到着。ドアを開けると鳥の声が響き、いつものやさしい顔がそこに・・・。「お久しぶりです」「元気でしたか」と言葉をかわす。しばらくぶりでも、すぐに時間は戻すことができる。懐かしさに浸る間もなく、いきなり木部さん、「一杯どうですか?」と。自分も至って自然体の方、先に来ていたお客さんといっしょにいきなりビ−ルである。いいのかなァ−と思いつつ、乾いたのどにビ−ルを流しこんだ。ウマイ!!まさにこの感じが木部一樹なのだ。絵を一通り見させてもらい、相変わらずの木部ワ−ルドを堪能した。額の中では窮屈だとでも言っているような鳥たちの絵。今にも飛び出して、山に帰っていきそうである。木部さんを絵が上手いなどという言葉では表現できない。その描く絵の世界は、自然に対する深い愛情がにじみ出ていて見るもののこころを癒してくれる。いつ頃だったか山の雑誌の表紙をお願いしたことがある。また機会があったら、一緒に仕事をしたいと思いそれを伝えた。何げに聞けば私より2歳ほど若いとのこと。ちょっと驚いたがむかしから仙人みたいな印象で、それはさらに磨きがかかっていた。
●新・花鳥画
木部一樹個展
2008年
7/25(金)→31(木)
11時→19時
場所/銀座煉瓦画廊
Tel/03-3542-8626
http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rengagarou/