
'08.Jun.18.
久しぶりに映画館に足をはこんだ。すこし疲れているこころに注射を打ちに・・・。こんな時はやっぱり笑いが一番。ということで話題の三谷作品「ザ・マジックアワ−」を。笑えたのだが、すこしものたりなさが残ってしまった。公開前、三谷監督があちこち、なりふりかまわずプロモ−ションを兼ねTVに出ていたが、これがプラスだったのかマイナスだったのか微妙である。宣伝の難しさをつくづく感じてしまう。そして予告編の編集、美味しい部分をだすのも解るが、全く別物と考え作ることはできないのだろうか?と思った自分。いきなり作品の話しから外れてしまいすみません。セットやカメラワ−クなどこだわって撮ったという今回の作品。それがあまり中身と重なりあっていなかった気がする。三谷監督の「映画大好き!」というのは充分すぎるくらい伝わるのだが・・・。なんだか楽屋落ち的なところが否めない。それも計算なのかも知れないのだが・・・?映画館の中で笑い声がおこる度、笑いのツボがここなのかと思う箇所が随分あった。多かったのは、いろいろな役者さんがあちこちで顔をだすワンシ−ン。例えば上映映画の中に出てくる、あやしいタイ人の寺脇康文だったり、撮影所で合うカメこと市川亀治郎だったり。もちろん遊び心の演出なのは解っているのだが、こっちが目立っちゃうのはどうだろうか?主演の佐藤浩市など、すごく今までにない味を出していてよかった。思うに宣伝で美味しい所を見せ過ぎ、と言いたい。何も知らず観ていたら、もっと腹を抱え笑えたような気がする。映画好きのひとたちが集まり、ある意味オタクの世界が描かれ、そうそうとうなずく所は多々ある。個人的にはもうすこし突っ込んで欲しかった。フッと思い出したことなのだが、その昔「影武者」で黒澤監督と主演俳優、勝新太郎が映画づくりに対する考えの相違で、主演を下ろされたことがあった。引くに引けないこだわりがあったのだろう。わたしは今でも勝新の信玄を観たいと思っているひとり。残念だが、いまは叶わぬ夢である。ある意味、純粋で子供じみた話しだったが、そんな部分を喜劇にしてくれたら、すごく嬉しい自分である。大先輩たちには失礼なことを言っていますが・・・。合掌。最後にマリ役の深津絵里はキュ−トで可愛かったです。すこし評論ぽくなっちゃいました、許されよ。これは、三谷監督が好きだからです。

※マジックアワ− 太陽が消えてから、周囲が暗くなるまでのほんの僅かな時間のこと。