
08.Jan.27
大阪国際女子マラソンが号砲とともにスタ−トした。北京五輪の代表選考をかねた今回のレ−ス。注目はやはりひとりのランナ−にむけられていた。中距離に於いては国内に敵のいない、福士加代子その人である。いつも笑顔を絶やさない、明るいイメ−ジの彼女。どんなレ−スを見せてくれるのか・・・。わたしは稽古の関係で、レ−ス20kmくらいまでをTVで見て出かけた。その時点ではブッチギリの展開で、福士選手が独走していた。レ−ス前のインタビュ−でも、自信を覗かせていた彼女。このまま終わるとだれもが思ったに違いない。帰宅し一番気になっていたのは、朝青龍と白鵬の優勝あらそいと女子マラソンの結果。画面から目に飛び込んできた映像にわたしは驚き、そしてふるえた。涙がとまらない。そこには何度も顔から前のめりにたおれる福士の姿。信じられない光景だった。完全に足にきている様子が伺える。なぜか彼女はそんな状態なのに、笑みを浮かべている。それがなおさらこころを締め付けた。競技場内からは悲鳴にもにた、声援が画面から伝わってきた。そしてGOOL。終わった。
結果は19位。彼女にとって生涯わすれることのないレ−スになったことは間違いない。だれがこの結末を予想しただろうか?いろいろなコメントが、解説者から寄せられてていた。残念な結果と言ってしまうには、あまりに過酷で重い。わたしはこの結果は、きっと彼女をひとまわりもふたまわりも大きくすると信じている。それは1ランナ−としてだけでなく、人として。なぜなら彼女自身が一番この結果を、良くも悪くも受け止めているからである。これからがもしかしたら本番なのかも知れない。少なくとも彼女のレ−スへのこだわりや、自分自身に負けない姿は、しっかりとわたしのこころに刻まれ残った。レ−ス後のコメントで、倒れたことすら覚えていないと彼女はいった。闘争本能のみが彼女の足を動かしたのだろうか?それは彼女しか解らない。こんど彼女のレ−スを見る時は、いままでとちがった笑顔が見たいと思う自分。そしてその日を楽しみに明日も頑張ろうと思う。