
07.Dec.18.
友人の紹介ではじめた、みなみらんぼうさんのコンサートフライヤーデザイン。暮れに毎年行われる、らんぼうさんの通年行事だが、今年もお手伝いをさせてもらった。そのおかげで今回も招待状が届いた。らんぼうさんは最近はシンガーソングライターというより、作家のイメージが強いかも知れない。しかし毎年コンサートを開いて、中高年の人たちにひとときの安らぎをくれる。昭和20年代生まれのわたしは、まさに青春まっただ中、らんぼうさんの「ウィスキーの小瓶」を良く口づさんだものだ・・・。昨年はゲストに小椋佳さんが出演し、一度で二度おいしい気分になった。らんぼうさんとの絶妙な話術のやりとりで大いに会場をわかせた。もちろん歌は最高!!そして今年・・・。あの山崎ハコさんの登場。彼女もまた70年代にデビューしたフォークシンガーで、多くのファンの心をその歌で魅了したひとりである。小さく細いからだで、全身から絞り出すような歌はいまも健在。コンサートのなかばに、3曲ほど歌ってくれた。わたしはふかくにも最初の曲「織江の唄」を聞き、涙で頬を濡らしてしまった。もともと涙もろい自分だが、年のせいか堪えることがぜんぜんできなくなっている。むかしと変わらないその歌声が全身をゆさぶり、いろいろなことが頭の中を駆け巡ったからだろう。この唄は映画「青春の門」の主題歌であった。この本のことや、自分の青春や、当時のことが一瞬で甦りこんなことになったのだろう。ハコさんは一時わたしたちの記憶から消えた。時代の流れのなかの出来事かも知れない。でも彼女は歌はもちろん、舞台に立っていたり、活動を続けしっかり生きていた。すごくうれしい。さっき変わらない歌声と言ったが、いや以前にも増しその歌は強くエナジーを発していた。彼女は昨年、30周年を迎えたという。きっとその30年の重さが、さらに加わったのだろう。とにかくとてもいい気分になり、いい時間を過ごした。

話は変わるが、いまもむかしのLPレコードを200枚ほど持っていて、その中にハコさんの「人間まがい」とらんぼうさんの「武蔵野詩人」がある。大切なたからものである。コンサート会場でハコさんの記念アルバムが売っていたので、もちろん買いサインをいただいた。その日は家で夜中にそっと、むかしを思い出しながら彼女の唄を噛み締め、ふたたび過ごしたわたしである。