07/Sep26
行こう行こうと思っていた、
「男鹿和雄展」にようやく辿り着いた。祝日の日に一度足を運んだのだが、あいにくの入場規制。長蛇の列、待ち時間二時間半と聞き、すんなり諦めた。何度も現代美術館へは来ているがはじめての経験である。アニメブ−ムなのか、ジブリの力なのか、はたまた男鹿さんの魅力なのか・・・。
日をあらため平日の入館30分前に来たのだが、すでに列が・・・正直驚きである。チケット入手に20分ほどかかりようやく中へ。すごい人の波、平日とは思えない盛況ぶりだ。赤ちゃんをつれたおかあさんやら、年輩のご婦人やら、そして若い学生さんと、老若男女が会場にあふれての見学。正直、やっと観に来た私はお疲れモード。二時間あまりの見学だったが、取り合えず男鹿さん作品に触れることができた。
東京出身の私は幼い頃、「うちには田舎はないの?」と母に訪ねたことがある。ない訳ではなかったが、千葉でさほど田舎と思えるところではなかった。TVや映画に出てくる野山の風景が、一日中遊べる宝の山映っていたのだろう・・・。現在ならそうとうと変なこどもかも。50を過ぎても変わらないいま、ますます磨きがかかったようだ。
男鹿さんの画く絵は気負ったところのない、優しい絵が多い。なんてことのない、日常よく見かける風景をさりげなく画く。自然を自然体で画いている。写真をとり構成しているようだが、写真ではつたわらないあたたかさと優しさがそこには生まれる。たった一枚の絵から、時の流れや空気、そして音まで聞こえてくる。もう少しゆっくり時間を過ごしたかったが、少しだけ自分の田舎が出来た気持ちになれた。男鹿さんの表現力で、自然のもつやさしさをこれからも長くつたえ、私たちを包んで欲しい。