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よもやまシネマ779 “平場の月”
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2025.11.20.


今年も後40日となり、年々1年という時間が早く感じられるそんな歳になりました。週一ペースで映画館に足を運んでいるわたしですが、いつかそれも出来なくなると思うと何か焦りさえ感じる毎日。今日紹介する作品は原作のある映画ですが、見終わった後すぐ原作を読みたくなりました。わたしには刺さった作品で、日常の中にある情景とその中で普通だが懸命に生きる人の姿が浮かび上がりとても親近感を覚えました。主人公2人の関係性がとても歯痒くもあり、大人になっても変わらない思いが素直に表現され胸がキュンとなりました。何でも言い合える二人の関係は、互いを思いやりそして大切にする、まるで愛の原点を見せられているようで、とても羨ましいと感じました。互いを苗字で呼び捨てする姿には、歳を重ねても変わらない絆のようなものを感じさせ可愛い中年って感じでした。これが同姓ならわかるのですが、異性でこの関係を作り上げるのは結構難しいと・・・。だから先ほど羨ましい関係と述べました。

さて作品の感想です。期待した通りの映画でした。単純に好きな作品です。気を衒った特別なテーマではありませんが、とても身近に感じる内容であるある感で溢れています。誰でも主人公とは行きませんが、多かれ少なかれ似たような場面を体験している様なシーンが沢山あり自身の経験がオーバーラップするそんな映画です。

いきなりですが主演女優の井川遥さんのファンです。好きな女優さんは沢山いて、結構浮気者ですがデビュー当時からその美しさに魅了され、某CM(ビールメーカー&化粧品)で観るたびいつもため息をつき眺めていました。縁あってビールの宣伝ポスターを手に入れた時はメチャクチャ嬉しかったのは今も覚えています。若者たちがアイドルに夢中になるのとは、ちょっと違うかも知れませんが、気持ちは一緒かも???

物語は偶然再会を果たした、中学の同級生が昔の青春時代を思い出しながらまた親交を深めていくところから始まる。よくあるパターンなので、そこは普通です。男の名は青砥といい、女は須藤という。時を経て中年になり再会した二人だが、互いにさまざまな経験を踏み今は独身。決して裕福とは言えない生活を地道に生きる二人だが、この出会いで昔を取り戻していくかのような離れていた時間を埋めていく。ありそうでない、それともないようであるこんな物語は気がつくと、スクリーンの中にわたしたちを誘い込む。まるで自身が二人の気持ちになったように、心が揺れ動きなんとももどかしくもあり切ない。まさにため息の連続。いい歳して「何言っちゃてるの!」と言い聞かせるが、すっかりハマっちゃていました。主人公の二人が表面では言いたい事を言って思いの丈を吐き出すのだが、その裏で互いを思いやるやるせないほどの優しさが画面から溢れています。大人の恋は初恋とは違い、「酸いも甘い」も分かった上でのものなので相手を思う感情はどこまでも深い。そんな二人を演じた井川遥さんと堺雅人さんが素晴らしかったです。よく分かりませんが二人ともすっぴんに近いメイクで望んでいたのか、とてもリアルな感じが素直に伝わってきました。それでも井川さんは綺麗で、ほんとため息です。幸せ薄いヒロインですが、芯の強い女性を見事に演じていました。また、堺さんも幾つになってもピュアな気持ちが宿っている素直な中年男性を演じ、涙を誘います。周りを取り囲む芸達者な俳優さんたちも、しっかりと物語を支えていて居なくてはならない存在感をしっかり出していました。焼き鳥屋の大将役をやっていた塩見三省さん、いい味出しています。たまりません。

監督はTV出身の土井裕泰し。数々のヒットドラマを手がけてきた氏の作品は「愛していると言ってくれ」「青い鳥」「Beautiful Lifu」と数えきれない。昭和に人たちなら皆、お世話になったドラマたち。わたしは「青い鳥」の大ファンで今も録画したVHSが戸棚に詰まっています。映画界に進出しても勢いは止まらず「罪の声」「花束みたいな恋をした」などヒット作を連発。今もファンの期待に応え、心に寄り添う作品を産み続けています。初めにも言いましたが、日常を切り取った生活感に溢れた作品ですが、他人事とは感じられないそんな作品です。自分を振り返る時間をくれるような、そんな作品です。ぜひご覧あれ!

P.S. 少年期(青砥と須藤)を演じた二人の若い俳優さん、坂元愛登君と一色香澄さんが初々しくてとても良かったです。若さってかけがえの無いものだってことを、素直に表現しています。最近見た「秒速5センチメートル」でも感じましたが十代の俳優さんたちが凄いです。今しかできない仕事ですが、役に対する入り込み熱量が見る側にひしひしと伝わる素晴らしい演技でした。きっとこれから出てくる俳優さんたちなのだろうと確信します。楽しみにしています。

最後に劇中のセリフを記します。「お前、あのとき何考えていたの?」「夢見たいなことだよ。夢見たいなことをね、ちょっと」。この言葉に込められた深い気持ちが、切なさをより深くします。

※「平場」というタイトルの意味を調べたところ、いろんな分野で使われていることが解りましたが、この作品の場合は単純に普通(平凡)のことを際している様です。映画はその通り、私たちが暮らす日常にスポットを当てたそんな作品です。



by eddy-web | 2025-11-23 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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