2025.7.11.

待ちに待った映画、ジェームズ・ガン監督の“スーパーマン”が公開されました。予告編を観て以来、首を長くして待っていました。公開初日のI-MAXのチケットを前もって購入し、ワクワクしながら劇場にやってきました。会場内はやはり想像していた通り、お客さんでいっぱい。驚いたのはシニアのファンの多かった事。長きに渡りアメリカのシンボル的存在のスーパーヒーローは未だ健在にようです。

子供の頃TVでやっていた、モノクロ作品の「スーパーマン」。胸を躍らせTVの前に正座し、観ていた頃が懐かしい。冒頭のナレーション「弾よりも速く、力は機関車よりも強く、高いビルディングもひとっ跳び！」「空を見ろ！」「鳥だ！」「飛行機だ！」「いや、スーパーマンだ！」は、今も強烈に残るキャッチ・フレーズである。今聞くと時代がわかるフレーズです。スーパーマンは多くのヒーローの中でも頂点と言える存在なのは誰しもが認めるところ。

さて、今作はスーパーマンの単独映画としては2013年“マン・オブ・スティール（クリストファー・ノーラン制作・原案／ザック・スナイダー監督）”以来の作品。それ以降はバットマンとのコラボや他のヒーローとの合作が続いてきた。12年の時を経て復活した“スーパーマン”への期待度は計り知れない。きっと私以外にも誰もが思っている事だろう・・・。

今作を手がけたのは、公私にわたりその発言が世間を騒がせている一方で、DC作品を多く手がけ現在DCスタジオの共同会長兼CEOに就任したジェームズ・ガン。“ガーディアン・オブ・ギャラクシー”でその名を世界に知らしめた人。さてそのお手並みやいかに・・・。

感想です。あくまでも個人的意見ですが、わたしの期待はちょっぴりハズレてしまいました。最新鋭の映像技術を駆使した表現はもちろん言う事ない出来です。またスーパーマンというキャラクターに重ねたテーマはとても共感が湧くコンセプトになっていて良いのですが？？？正直噛み合っていない、そんな気がします。今作のスーパーマンは今までに映画化されてきた多くの彼より、とても弱いそんな表現になっています。むしろ人間以上に悩み、そして苦しみ追い詰められるキャラ設定になっています。それ自体は悪くもないし、むしろ親近感を覚え逆に応援もしたくなる。完全無欠ではないというところが強く表現されています。思うに今作のスーパーマンはアメリカが抱えている現在の社会問題（差別・偏見・SNSによるフェイクetc）を投影した作品と言える。観れば明かだが、彼は地球では異端の者で、一つ間違えれば驚異になる存在。一生懸命に人間のために、悪と戦っていても報われないというそんな形で脚本が創られています。いろんな意味で、イラッとさせるそんな展開になっていて、どうもスッキリした気分にならずラストへと続いています。せっかく良いコンセプトなのだが、どうも消化不良状態を感じます。何がそうさせているのかは、人それぞれで意見もあるでしょうが、わたしはまず登場人物（キャラクター）が多すぎると感じます。スーパーマン以外にも多くのヒーローキャラ（敵・味方）が登場しますが、何か中途半端な使い方でしっくりきません。ちょっとサービス過剰なのではと思うくらいの、雑な起用ではないでしょうか？お祭り状態にしたおかげで、コンセプトがぼやけてしまいました。残念です。そういう意味では最大のライバル（ビラン）は、人間のレックス・ルーサーが一番存在感があり、まさに人間の代表のような気さえします。ずる賢くて傲慢でエゴのかたまり。人間の一番だめなところを代表するキャラクターに表現され、むしろこれこそこの作品のコンセプトそのものと言っても過言ではない。一番目立っていたような気がします。結局この作品は「人間よ！真実を見抜く心の目を持て！！」と言っているような気がします。そこは成功かもしれませんが・・・ぜひ、トランプ大統領に観ていただきたいものです。

ちょっと言い過ぎでしたm(_ _)m

皆さんはこの作品をどう評価するでしょうか？

この作品中、一番好きなカットは生まれ故郷で育ての親（父）と夕暮れ時に風景を眺めながら会話をするシーン。ジーンときました。

P.S.　スーパーマン役のデイビッド・コレンスウェットさん良い感じです。舞台を中心に活動してきた人のようで、地に足のついた演技でした。スーパーマンという役が持つ重さに潰されないで、幅広い役を今後続けてほしいと願っています。先ほどちょっと触れましたが、レックス・ルーサー役を演じたニコラス・ホルトさん今作では主役を食っています。一番輝いていたのは、間違いなくあなたです。どっかで観た顔だと思っていたら、“ザ・メニュー”に準主役で出ていましたね。くせのある役でしたが、しっかりと記憶に残る演技でした。調べると“マッドマックス”“Xメン”などにも出演していたようですが、そう言えばいたなぁ～～っと思い出しました。どれも濃いめのキャラでメイクがキツく言われないと分かりません。スキンヘッドはそのままだったようですが・・・。スキンヘッドがこんなに似合う人はそうザラにいないかも？イケメンだし、これからに期待大です。

※スーパーガールやピースメイカーのちょい見せ場面、いらないと思います。怪獣も・・・。