

銭湯探訪76・吉野湯(江戸川区平井4)
2025.3.25.
3月も後わずかになった今日、NEWSで東京の桜開花宣言が流れた。我が家のマンション前にある桜の木も早咲きの花を開き、春の訪れを歓迎し始めました。ここのところ陽気の寒暖差に、いまいち体調がすぐれなかったわたし。そんな中久しぶりに広がった青空と、枝をいっぱい広げて咲き誇る桜に気持ちが踊り、突然思いついたように銭湯に行こうと決めたわたし。前々からチェックしていた銭湯3ヶ所を、改めて検索し比較的近い平井駅そばの「吉野湯」を選択。チャリでの銭湯探訪は久しぶり。雲ひとつない青空に胸躍り、のんびりとペダルを漕ぐこと約45分。今回は動物的感が働き、迷うことなく「吉野湯」に到着。夕方の4時くらいだが外はまだ明るい。吉野湯の売りは井戸水を汲み上げての水風呂、そして高濃度炭酸泉の各種湯船たち。2020年にリニューアルOPENしたお風呂屋さんは下町風情を残しつつモダンなデザインを融合させた「レトロポップ」がコンセプトとのこと。到着すると玄関前は確かに庭木などを施し、綺麗に整備された外観になっていた。すでに地元のお客さんたちが乗ってきたであろう、自転車たちがお行儀良く並んでいた。マイチャリを隅に置き、いざ出陣。女将さんと思わしき人が、優しい笑顔で迎えてくれた。いつものルーティーン、スタンプ帳にハンを推してもらい男の暖簾をくぐり中へ。清潔感あふれる脱衣場には年記の入った体重計がドンと置いてあり、歴史を物語る承認として鎮座していた。照明などはとてもモダンな創りにしてある中のアンバランスな体重計が可愛い。

中庭があり湯上がりの熱った身体にはたまらない空間がそこにある。チンタラとチャリを漕いでは来たものの、結構汗をかいていたわたしは手早く裸になり洗い場へと・・・。ガラス戸を開くと真正面に女湯と男湯を跨いで大きな富士山のパノラマが迎えてくれた。明るく綺麗な洗い場を誇るかのように、堂々と裾野を広げている姿に思わず合掌。謳い文句通りの「レトロポップ」な創りに身も心も感動。カラン数は18と多くはないが、二段構えのシャンプー置き場がやや高めに設置されこれまた今風。椅子もやや高めのものが使われ、腰の悪い人などにはとても使い勝手が良い高さ。湯船はくの字方に施され、高温湯、座風呂(ジャグジーなど)、電気湯、低温高濃度炭酸泉、そして井戸水を汲み上げた水風呂。高温度と表示されたお湯もそれほど熱くなく。温度計は32~3°cを針が刺していた。お客さんを見渡すとやはり常連客といった感じのおじいちゃんたちがほぼメイン。こっと地元に根付いたお風呂屋さんなのだろう。それにしても良く計算された光の取り込み方と清潔感あふれる館内のタイル張りは美しいかぎり。とても居心地の良いゆったりとした時間を過ごせる空間を提供している。お湯はぬるめだが高濃度炭酸泉の高価なのがじんわりと汗が額に浮かび上がってくる。お客さんは皆目を瞑り、長湯をしているのが印象的。これなら30分浸かっていても上せることはないだろう。さすがに30分は独占できないので、わたしは20分で我慢。久しぶりにゆったりと長湯を楽しみ、すっかり上機嫌。本当なら一杯と行きたいところだが、あいにく今日はひとり。後ろ髪を引かれつつ、帰路の道を再びペダルを漕ぎ、夕日に向かい東陽町へと向かった。今まで行ったこと沢山の銭湯だが、スペースの広さや清潔感など申し分のない良い感じの銭湯でした。これからも末長く、地元に愛されるお風呂屋さんでいてください。また、ぜひ寄りたいと思う銭湯でした。(^_^)v