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よもやまシネマ743 “名もなき者”
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2025.3.17.

今やハリウッドで若手俳優No.1の評価も高い、ティモシー・シャラメ主演の名もなき者を鑑賞。甘いマスクと高い演技力により女性ファンの心を掴んで離さないシャラメ。彼のなが一躍脚光を浴びたのが映画君の名で僕を読んで21歳という若さで第90回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされ大きな話題を読んだのは記憶に新しい。初恋をテーマにした物語だが、違っていたのは好きになったのが男性だったと言う難しいテーマ。その上映画では表現されていなかったが原作が1987年のエイズが社会問題になる前を描いている。そんな難しいテーマに付随した主人公の繊細でナイーブな感情の表現をシャラメは見事演じ脚光を浴び世界をあっと言わせた。アカデミー賞こそ獲れなかったもののその年の多くの映画賞をほぼ手にしている。

あれから8年の歳月が過ぎ29歳になった彼は、その後も話題作に出ながら着実に名優への道を歩き続けています。本日紹介する名もなき者は、今年度のアカデミー賞にもノミネートされ、世界の主な映画賞では大絶賛された彼の演技が大いに話題となった。伝説のミュージシャン「ボブ・デュラン」を題材にした電気映画である。ボブ・デュランと言えば一度は聞いたことのある名前では無いでしょうか?レジェンド中のレジェンドで1960年代アメリカを代表するシンガーソングライターである。初期はフォーク全盛でそのイメージが強い彼だが、映画の中でも描かれているようにジャンルを限定されるのをすごく嫌い自身は自由奔放に思いを音楽制作に注いでいる姿が描かれています。そんな彼の姿こそ当時の若者の心を掴み今なお支持されているのだろう・・・。わたしもその一人です。今作はデュランの若かりし頃を中心に描いた作品ですが、シャラメの素晴らしい演技力と歌に圧倒される。勝手に思い込みで思っていたことだが、歌の部分はデュランのものを使うかもしくは吹き替えで創られるものと思っていたわたし。ところがこの作品ではシャラメ自身が劇中40曲の生歌&生演奏を披露しファンを驚かせている。シャラメはこの作品に出るため凄い特訓をしたと制作過程のことを語っています。また、歌唱に関してもデュランの真似をするのではなく。自分の中で消化した本当の詩の意味を心を込め自分の声で表現することに努めたと・・・。そのパワーは映画を見れば一目瞭然。デュランも改めて凄い人と言うことを実感できたのは、シャラメがこれまた凄い演技者だったと言う証の作品になっています。シャラメのこれからが無限の可能性を秘めていることがわかる逸品です。

映画館はわたしより年上の年配者が多く、映画のファンというよりはデュランのファンが集まったような雰囲気を醸し出していました。改めてデュランの人気とその残してきた足跡に感動を味わいました。実話をもとに創られているようですが、往年のレジェンドたちが名を連ね当時を知る中高年にはたまらない時間が流れます。40曲もの楽曲が流れる訳ですから、コンサートにいるような気分が味わえます。またデュランが作り上げる曲や詩の深さに触れることができ、改めてその偉大さに気付かされます。フォークとは対照的な音楽だったロックを始めた頃の賛否の場面も劇中表現されていますが、デュランの表現は何一つ変わっていないことが伝わる素晴らしい作品です。詩に込められた思いは、曲の表現を超えた次元のメッセージが込められ、これこそデュランが今も求めている自分らしさなのかも知れません。羨ましい限りです。ぜひ劇場に足を運び、その素晴らしさに触れてください。残念ながらアカデミー賞を今回も手にすることはできませんでしたが、いずれ必ずその栄冠を手に入れると確信します。それくらいしゃらめの渾身の演技に拍手を贈ります。

P.S. 劇の中でピート・シーガーやジョーン・バエズ、ジョニー・キャッシュ、そしてディランが尊敬しやまないウディ・ガスリーなどその時代を象徴するシンガーソングライターが数多く登場します。時代の流れを共にしている仲間達の強い絆が見え隠れします。ただギターを奏で歌い始めると、どんなに食い違った感情も一つに結びつく音楽の見えない力がとても良く表現され「うるっ」とすることが度々ありました。コレクションしている古いレコードに久しぶりに針を落としたくなりました。

ジョーン・バエズ(モニカ・バルバロ)との、デュエットシーンは素敵でした。歌の素晴らしさを超える魂の繋がりを感じさせてくれます。



by eddy-web | 2025-03-22 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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