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よもやまシネマ732 “カルキ2898-AD”
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2025.1.15.

年が明けてはや15日。今年も気がつくと年の瀬を迎えているのだと思うと、なんだか怖くなる・・・。体調(腰)が少しずつ良くなり、久しぶりに映画鑑賞。絶対に観たいと思うような作品が見当たらず、選んだ映画はインドが創ったSFスペクタルアクション作品カルキ2898-AD。鑑賞日から時間が経っていあすが、すぐにペンを走らせる気にならず今日に至りました。

インド映画界の躍進は目覚ましく、バーフバリ2部作や“RRR”など日本でも大ヒットを生んでいる。もちろん日本のみならず世界規模でインド映画が人気を博しているのは、他の国の作品とは明らかに違うその表現。インド文化が表現の中に必ずと言っていいほど取り入れられ、とりわけダンスシーンが物語の途中に突然現れたりする仕掛けは違和感を感じながらも不思議と飲み込まれてしまう。重厚な物語にも関わらずいつも「なんでここで踊るの!!」ってな具合で、肩の力が抜ける演出。これはもうインド映画界の定番とも言える文化の表現なのかも知れない。そんなに多くのインド映画を見たわけではないが、ダンスシーンが突然出てくるのは当たり前の演出で、わたしが観た作品全てに仕込まれていました。大勢の人間が一堂に介して、繰り広げるダンスは内容などぶっ飛んでしまう迫力で思わず笑みが溢れてしまう。はじめて観た時は「なんなんだ!これ!!」って思いましたが、すっかり慣れてこれぞインド映画みたいに今は楽しんでいます。ダンスシーンに意味があるのかと問われると???だが、そこはもうどうでも良くエンタメとして楽しむようになった。カチカチの内容でもなんかホッとする、休憩所間みたいなものかも知れません。思うにインドの人は映画制作を思いっきり楽しんでいる、そんな感じがします。とにかく娯楽という価値観を100パー、完成させる努力をしているのではないでしょうか?恐るべし、インド映画!

ということで、インド映画の印象を語りましたが、今作カルキ2898-ADの感想です。投稿が遅くなった理由ですが、なんと言ったら良いのか、頭の中がグチャグチャでうまく言葉がみつかりません。今作もインドならではの歴史的叙事詩「マハーバーラタ」なる古代神話がベースになっているのですが、その相関図が複雑すぎておいそれと理解できるスケールではありません。それを時空を超え6000年後という設定で創り上げている今作は、つかみどころのない大きさで何が何やらさっぱり判らないというような展開で進んで行きます。神話を背景にした物語は長きに渡り続いてきた神々の戦いから始まり、6000年後の荒廃しいた地球に運命の子が現れ新世界が生まれるという壮大な話。神がかっていて、誰が良い人で誰が悪い人なのかもよく判らないまま時間が過ぎて行きます。勝手を言えばインドの人たちの顔は異常に濃く、目鼻立ちがはっきりしている上にメイクで誇張しているので、神なのか悪魔なのかの差別化がはっきりしません。その辺りが見る側に大きな負荷をかけ、混乱を招きます。苦情ではないのですが、敵か味方かくらいの色分けはもう少しあっても良いかも???とい訳で、あっという間にラストを迎えてしまった作品は、なんと「続く」という設定で終わってしまいました。これはきっと長いシリーズになるのでは・・・。一言で言い表すならば、「スターウォーズ」と「デューン・砂の惑星」を掛け合わせたようなインド版SFスペクタル作品です。きっとこれからシリーズを追い、その相関図が紐解かれそれぞれのキャラクターが明確になっていくのだろうと思います。この作品「RRR]を上回る110億円の制作費が投じられているとの事。確かにCG技術などのテクノロジーを活かした映像は、ハリウッド映画にも見劣りしないスケールで見事です。ただ個人的な意見ですが、宗教的表現と未来的表現がイマイチ噛み合っていないような違和感が感じられ残念でした。6000年という時空を超えた神話の物語はテーマとしては、とても面白いと思いますが、精神性を追求しすぎると観客はついていけなくなる可能性を秘めています。日本のアニメや漫画が世界中に広がっているのは、なんと言っても文化や歴史を取り入れながらもあまり重たくせず、分かりやすくく紡いでいるからだと思っています。たとえ神を表現するのでも「ドラゴンボール」のように、身近で人間臭いそんな神様って良いですよね(^_^)v

これからどんな展開が待っているのか想像できませんが、こどもでも分かるような展開を期待したいと思います。

P.S. 面白いとは言えませんが、インド映画の勢いみたいなものは感じ取ることができました。途中お決まりのダンスシーンもあり、ファンにはたまらない訳にお判らない面白さがあります。色々書きましたが、あまり深く追求せず感性で観ることをお勧めします。どうしてももっと深く知りたいと思う人は、インドの大長編抒情詩「マハーバーラタ・全18巻」勉誠出版をお読みください。大変だとは思いますが・・・。



by eddy-web | 2025-01-22 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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