

2025.1.10.
ここのところ体調不良のため、ペースダウン中の映画鑑賞。そんな中で重い腰を上げ足を運んだ作品は“ビーキーパー”。新年初の映画鑑賞だが自分好みの作品が見当たらない。そんな中選んだのはモヤモヤを吹っ切りたい思いで、頭を使わず楽しめる作品はとチョイスしたのがアクション映画の、“ビーキーパー”。主演はハリウッドアクション映画の今や顔とも呼べる、ジェイソン・ステーサム。最近は“ワイルド・スピードシリーズ”のレギュラーの座につき、存在感を発揮しているジェイソン。主役という立ち位置ではないものの、キレのあるアクションシーンは作品中では存在感抜群。他にも“エクスペンダブルズ”シリーズや“トランスポーター”シリーズ”などアクション大作に続けて出ている。個人的には“トランスポーター”シリーズ”が好みの作品で全て観ています。中身がある作品とは言えないもの多い中、観終わった後に爽快感だけではない付加価値を味わえる娯楽作品は数少ない。最近のアクション作品はどれも似たり寄ったりの展開が多く、その中で評価を得る作品を創り上げるにはやはり脚本のテーマ性が明確で、それに応える俳優さんの力に他ならない。そういう意味では“トランスポーター”シリーズ”が比較的レベルの高さを感じています。
さて、今回観た作品は新しいキャラクターとして創り上げられた新作“ビーキーパー”。「ビーキーパー」という名は直訳すると養蜂家。なんだかピンときませんが、物語が進むとその意味が明らかなになっていく展開はなかなか面白いと感じました。アクション映画によく上がる各国の情報機関組織の名、CIA、KGB、FBI、M16などなど。今作はそのどれとも違う「ビーキーパー」と呼ばれる秘密組織の元工作員が、組織を引退し養蜂家として静かに第二の人生を送っているときに起きた隣人の死をきっかけに再びそのスキルを使う復讐劇になっている。キレッキレのステイサムのアクションは、まさに彼のための作品と言っていい出来栄え。
今作のテーマは主人公アダム・クレイが静かに余生を送る中、唯一彼の心に初めて癒しの感情を持たせてくれたエイローズ・パーカーの死(自殺)が引き金になる。善良で心優しい彼女に突然おそいかかるフィッシング詐欺の罠。全財産を瞬時に失った絶望感から死を選んだ彼女の魂に、法で解決できない事実を自らの手で始末する男の行動が日本版「仕置人」のようで、日本人好みの展開。今まで彼の作品はいっぱい観てきましたが、わたしの中では一番になるかも知れません。フィッシング詐欺というのも今を捉えたタイムリーなテーマだし、その裏側に迫っていくととんでもなく大きな存在が浮上しその辺りもなかなか面白い脚本に仕上がっています。荒唐無稽な話と片付けるのは簡単ですが、これぞエンタメと捉えればスカッとさせてくれる頭を使わないで楽しめる作品です。わたしは久しぶりにストレスを解消でき大満足。ラストがなんか微妙に霧がかかっていて、スッキリしないところではありますが個人的には続編ありと解釈しました。大好きな「ジョン・ウィック」のようなシリーズになればいいなと勝手に願っているわたし。さて、どうなることやら???
P.S. 色々検索していたら、主演のジェイソン・ステーサムが元水泳の飛び込み選手でイギリス代表にも選ばれた事があることを知りました。見事にバランスの取れた肉体美はその競技で培われたものとの事。ウェイトで期待あげた筋肉と違い柔軟性を感じる美しいボディは、他の俳優さんにはない動きを創り上げているように感じます。アクションの世界は年齢の限界が来るとは思いますが、まだまだ見せてほしい俳優さんの一人です。スカッとしたい人は、すぐに劇場に足を運びましょう!