

2024.9.10.02.
ちょっと気になっていた作品、“ベイビーわるきゅーれ/ナイスデイズ”を鑑賞。2人の普通の女子高生が、殺し屋になる荒唐無稽な発想に好奇心が強く反応。予告編で観たアクションのシーンが、女子とは思えないキレッキレッの動きに格闘技をこよなく愛する感情に火がついた。
この作品はすでに2作が公開されたもので、今作は3作目になるとのこと。全く知らなかったので、まっさらな状態で鑑賞に臨んだ。ですので単品としての初鑑賞は、予備知識なし状態。感想ですが、ストーリーそのものは特に新しさは感じられなかったが、アクションシーンに関してはCG全盛の映画界にありリアルな身体を張ったアクションの追求に拍手。まして女子がこれをこなす演出に、監督や演じた俳優さんたちのこだわりやが伝わり緊張感の溢れるシーンの連続に大いに刺激を受けた。主演の女優さん2人がとても魅力的に描かれ、カッコ良かったです。文献を調べると全体テーマは「殺し屋と暮らし」とのこと。そこは解流ような解らないような???普段はどこにでもいるような今時の女の子が、一変し非常な殺し屋に変わる姿とのギャップはそれ自体ありえない世界。そこに暮らしがどう結び付くのか?と思ってしまう。少なくとも人の命を奪う行為をする人間に、普通に生活はありえないと考えてしまうわたしは偏屈でしょうか?
今作の見どころはなんと言っても、アクションシーンの素晴らしさ。主演の二人(高石あかり、伊澤彩織)は相当鍛錬を重ね挑んだに違いありません。特にまひろ役の伊澤彩織さんのスキルの高さは本物。身体能力の高さは見れば納得の切れ味。表情も戦いモードに入ると一変し、凄みさえ感じさせる獲物を狙うギラギラした瞳がたまりません。今回相手役の孤高の殺し屋(冬村かえで役)を演じた池松壮亮がベタ褒めのアクターと語っています。二人のアクションシーンはこの作品のメインと言っていい、見応え十分な究極の表現になっています。色々と殺陣の参考になる演出でした。監督・脚本の阪元裕吾氏が全てを任せたと言っているアクション監督・園村健介氏の演出はそのレベルの高さは日本屈指と言われています。二人の信頼関係あっての、この作品かも知れません。池松壮亮さんのサイコぷりっも今作の見どころで、今まで見たことのないやばい役を見事演じ、ある意味で主演と言っていい映画です。それにしても躊躇なく人を殺していくガンアクションの連続ですが、こんなハードな世界に身を置く二人の少女たちが普段の生活で交わす会話が、笑いを誘い殺伐とした雰囲気を和らげます。そこがこの作品の最大の魅力かも知れません。
前作2本を観たいと思います。今作では見えてこない、二人の暗殺者が生まれるまでのバックボーンにどんな過去があるのかが気になっています。その辺が描かれているとすれば、ぜひ前作を観てさらにこの作品を掘り下げてみたいと感じています。もしかしたら、そんなの全く考えていないエンタメに徹したコンセプトなのかも知れませんが・・・。古い人間ですので、どうもそのあたりに拘りが強くきっと面倒臭い人間です。単純に楽しむだけで良いのですが、困った習性です。
P.S. 他にも殺し屋が出てきました中でも、俳優さんの名は解らないのですが爬虫類のような奇妙な動きを取り入れた武術に惹かれました。蟷螂拳のような構えから繰り出す打突はもちろんですが、相手との間わいをとるその動きがあまりみたことのないものでオリジナルなものかとても気になりました。まひろ役の伊澤彩織は俳優としてはこの作品で名をあげていますが、本職はスタントパフォーマーということで、“ジョン・ウィック”にも出演しているそうです。どうりでと納得のパフォーマンスでした。もっと観たいと思わせる俳優さんなので、その武器を遺憾無く発揮できるような映画作品が生まれることを願います。