2024.4.26.
新作で一番楽しみにしていた作品、“ゴジラ×コング/新たなる帝国”を鑑賞。ゴジラを愛して70年(実質60年)。ハリウッドが放つ最新作やいかに・・・。
率直にファンとして言わせてもらいますが、残念の一言。はじめて観る人には、それなりに楽しめるエンタメ作品になっているとは感じます。日頃、このブログでは批判的な記事を投稿したことのない私。それはどの作品も時間とお金を使い、製作陣が一生懸命に創られていることをリスペクトしているから・・・。しかし「ゴジラ」映画には、強い思い入れがあり映画という枠を超えた拘りがある。アカデミー賞を獲った“ゴジラー1.0”は、素晴らしい出来で、何度観ても感動するものになりました。比べてはいけないことは重々承知の上で、言わせてもらいます。
“ゴジラ×コング/新たなる帝国”ですが、「ゴジラ」にも「コング」にも全く敬意を払っていない酷い扱いをしています。まずこれが許せない。「ゴジラ」にも「コング」にもポリシーがあり、誕生した時のコンセプトがあり、そこがファンの胸に響いたのは間違いのない事実。それを思うとここまで面白おかしく、人の手で弄ばれた作品にはガッカリです。例えば、ゴジラは走らせちゃいけません。海へジャンプなどもってのほか。コロッセオに身体を丸めて眠る姿を、誰が望んでいるのでしょうか?コングだってそうです。虫歯が痛くて顔を顰める表情は親近感を感じる前に、違和感を感じます。その上義歯を装着など・・・。人よりに寄せた作品コンセプトだとしても、これは賛成しかねます。ハリウッドの手により、ゲーム感覚で人気キャラを面白おかしく創られた、そんな作品です。
これだけ言いたいことを言った後に変ですが、ゴジラ映画とは思わずモンスターを題材にした娯楽作品と思えば、これはこれで楽しめる作品かもしれません。モンスター共演のアベンジャーズ版ってことで、いいのではないでしょうか?ゴールデンウィーク真っ只中ですので、子どもと一緒に観るのもありかも・・・。ちょっとグロい表現もあるので、そこは目を瞑ってください。
今回、ゴジラとコングのほか様々なモンスターが出てきますが、特に魅力的なキャラは見当たりません。完全に脇役という感じが否めないものばかりで、ゴジラにもコングにも絶対勝てないと観れば思うはずです。特にメインのモンスター(本作ではタイタンと呼ばれている)シーモはただ大きいだけの爬虫類。全然イけてません。そう思うとキングギドラのキャラクターデザインは秀逸だと、今更ながら思います。強くてカッコイイです。あと私の大好きなモスラもいいところでてきて活躍します。昔から美味しいところを全部持っていく正義の味方。今回も大活躍ですが、ハリウッド版は妙にリアルでりょっと気持ち悪い感じです。蛾がモチーフですから、これが本当の姿なのでしょうが・・・。長年日本のモスラを観てきたわたしには、イマイチ伝わるものがありません。平成に創られたモスラシリーズも、海に潜ったりした時はちょっとガッカリしました。バトラまでは許せたのですが・・・。顔が可愛くないのと優しさが表現されていない感じがします。すみません文句ばかりで!!ってことで、このくらいでやめておきましょう。
ゴジラ世代のお願いですが、日本の“ゴジラ”がアカデミー賞で高い評価をえたのは、脚本をはじめ様々なクリィエーターさんたちのスキルの高さが認められ証。肩を並べた表現力にさらに磨きをかけ、新作を創って欲しいと願っています。個人的には「モスラ」の復活を見てみたいと思います。可愛い幼虫もまた観たいです。
P.S. 近々新作の“猿の惑星”が公開予定ですが、めちゃ楽しみにしています。予告編を見る限り、“ゴジラ×コング/新たなる帝国”は、振り返ると“猿の惑星”とのタイアップのように写りました。まだ観て居ないので、なんとも言えませんが???第一作目の“猿の惑星”を超えるシリーズの作品は、残念ですが現れていません。ラストシーンは映画史に残るもので、いま観て心が揺さぶられます。宇宙飛行士テーラーの衝撃は、人間の犯した罪の象徴として描かれた傑作です。