

2023.11.27
日本で今一番、バカバカしくて笑える映画、“翔んで埼玉”第二章を鑑賞。以前もいいましたが、たまには肩肘を張らず何も考えないで映画を観るのもたまには必要。これは褒め言葉ですので、どうか気になさらないでください。疲れている時やストレスが溜まっている時はやはり、腹を抱えて笑うのが一番。
原作は魔谷峰央が1982年に発表したギャグ漫画。漫画大好き人間のわたしだが、唯一ギャグ漫画はあまり読まない。最後に観た作品で思い出に残っているのは、赤塚不二夫の名作「おそ松くん」。授業中に隠れて教科書の片隅に、ちび太やニャロメのイラストを描きまくっていたことが思い出される。時代の流れを捉えたものが多いギャグ漫画。どちらかと言えば平和な時代の象徴みたいなもの。もともと熱血ものやSF作品が好きなわたしは、どちらかと言えばネガティブなアプローチ作品を好んで観ていた子どもだった。
と言うことでもちろん「翔んで埼玉」も読んだことがない。内容は日本の県別人気度ランキングをネタにした、「埼玉県」をディスることVS郷土愛の物語。何とも言えないバカバカしさが満載の、大袈裟な会話のやりとりと派手な衣装に身を包んだ主人公たちの生きざまを描いた、当時の社会を合わせ鏡のように表現した作品である。それをいま映画にしたのは、わたしの勝手な解釈だが、いまの日本がなにか得体の知れない不安やストレスを感じているからに違いない。ネットで誹謗中傷の記事が拡がり国会でも審議されるような時代。そんな中、正々堂々と真正面から相手をディスる言葉の数々が乱れ飛ぶ。原作が出版された時代とはまた違った意味で、この作品が必要とされているのかも知れない。
さて、感想です。正直本音を言わせてもらうと、一作目ほど笑えませんでした。笑いのツボになれてしまったせいか、イマイチ爆笑とまではいきませんでした。設定は変わったものの、相変わらずの人気ないランキングによる争いの展開。舞台は関西に移り大阪をメインにガチなディス合戦。前作は東京を中心にした、千葉、埼玉、神奈川といずれも馴染みの深い県ばかりだったので親近感もあり思いっきり笑えた。今回は関西へと舞台を移したが、あまり関西の情報にうといため笑いのツボについていけない。もう一工夫あっても良かったなと思わせました。関西のひとたちには、きっとうけたに違いありません。派手な衣装に濃い化粧の演出は健在で、言動もオーバー極まりない。宝塚は拝見したことがないのだが、きっとこんな感じなのだろう???好きな人には溜まらないのかも知れません。俳優さんたちはみな、本気(真剣)で遊んでいるようで楽しそうです。そのあたりは地元愛に溢れている事が画面からも溢れています。大阪府知事役で片岡愛之助と滋賀のオスカルこと杏が新加入し、ど派手なパフォーマンスをみせてくれます。二人とも楽しそうに役になりきっていました。百美役の二階堂ふみの出番が少ないのは寂しかったです。ほかにも沢山関西人がでていましたが、やっぱ交通標識の「トビ太」くんの活躍がいちばん印象に残りました。あっぱれ!!をあげたいと思います。麻美麗役のGACTOは相変わらず良い味を出しています。まさにピッタリの役。何だかまだまだ続きそうな気配です。次は世界を相手にするのかな???楽しみです。ディスり過ぎて戦争でも起こらないよう、祈ります。