

2023.8.22.
「DRAGON BALL」「Dr。スランプ原作漫画家・鳥山明氏。その氏による伝説の名作と言われている作品、“SAND LAND”。2000年に発表され、鳥山ワールド最高峰クォリティと謳われた作品がついに映像化。鳥山ファンはもとよりアニメファンが待ち望んだ作品は、いったいどんな姿でわたしたちの前に現れるのか?ということで、それを確かめに劇場へ…。
世界中にファンを持つ鳥山明。絵の上手い漫画家は多けれど、氏の描く線のタッチに引かれるファンは多い。唯一無二の画力はキャラクターはもとより、背景の美しさや、メカニックの緻密さなど何処をみても魅力に溢れたものばかり。ストーリーもファンタジーに溢れ、大人も子どももみな夢中でその世界に浸る。そんな氏が長きに渡り連載をして来た「DRAGON BALL」が終了した直後、短編読み切りとして発表したのが今作“SAND LAND”。氏曰く渋いネタだが個人的にはもっとも大好きな作品と言っています。そんな作品と聞けば、観ない訳には行きません。TVや映画で大人気の「DRAGON BALL」や「Dr。スランプ」。わたしも大好きでほとんど観て入るのだが、漫画オタクの小生は原作のタッチと違うアニメは漫画ほど好きにはなれないでいる。魅力溢れるキャラクターたちと創造力豊かな物語にいつもわくわくドキドキのわたしだが、原作に描かれる何とも言えないタッチの線がアニメでは表現されていないことにいつも不満を感じていた。CGではあの何とも言えない味わい深い線は表現出来ないものと、割り切っていたのだが…。
ついにやってくれました、“SAND LAND/サンドランド”のスタッフのみなさん「ありがとうございます!」。これこそ鳥山明ワールド全開の作品です。アニメ映画化に参加した製作陣はサンライズ×神風動画×ANIMAと実力派製作陣が集結して完成したもの。わたしの思い上がりかも知れませんが、わたしと同じ思いを持っていた鳥山ファンがついに立ち上がったものと勝手に思っています。鳥山明作品の本来持つ、味わい深いタッチの線がスクリーンの中を縦横無尽に走り回っている姿に感動し嬉しくなる。これこそ鳥山明といえる、最高の出来映えです。わたしの中では永久保存版です。
お話は魔物と人間が共存する摩訶不思議な砂の世界。主人公はワルだがピュアな悪魔の王子・ベルゼゼブと強い信念を持つ人間の保安官ラオ、そして王子の忠実なシモベ・魔物シーフの3人が引き起こす「幻の泉」を探す旅の物語。敵味方入り乱れての冒険旅行は、笑いあり涙ありの思想天涯な物語。個性的なキャラクターが次々に登場し、丁々発止の会話はユーモアに溢れ思わず吹き出してしまうこと度々。親父ギャグの連発もなんか許せるキャラたちの活躍は、鳥山ワールド前回です。個人的には登場するキャラたちも好きですが、メカがとても可愛くてまるで遊園地の乗り物みたいなのがたまりません。今作で大活躍する戦車104号は、たまりません。面構えと良い、ボディの色や装備など何処をとっても最高です。ペイントで眼が描かれているのですが、戦車隊の一台一台が違うのに気づいた人は流石です。そんな所をチェックするのも、オタクの醍醐味。プラモデルの商品化が決定しているようなので、これは買いでしょう!!それにしても鳥山明氏の原画を良くもここまでアニメ化してくれたこと、こころから拍手と感謝の言葉を贈りたい。まだまだ、鳥山氏には新作を描いて欲しいと思っているファンはわたしだけではないはず…。
パンフで知ったことです原作“SAND LAND”は氏がひとり、アシスタントも付けずに描ききった作品とのこと。コミックス1巻分限定で受けた作品には、気力溢れた画力に溢れ理屈抜きに感動しています。「神様、仏樣、鳥山様」これからも素晴らしい作品を、欲張りません少しだけでいいので、時間をみつけ描いてくれることを心よりお願い致します。
P.S. 好きな漫画家さんは沢山いるのですが、絵の上手さや画力の凄さに引きつけられる作家はそんなにいません。大友克洋、藤原カムイ、荒木飛呂彦、井上雄彦、そして鳥山明。個性はぜんぜん違いますが、どの方も本当に絵が上手い。羨ましい限りです。もは過言ではありません過言ではありません。日本の誇りだと思います。