2023.Aug.10.
山梨で観た「ミレー展」から3ヶ月。近隣ではじまっている「ディヴィット・ホックニー展」。学生時代からず~~~っと憧れていたアーティストは60年代、アメリカ西海岸の陽光あふれる情景を描き、一躍美術界の寵児となったひと。デザイン学校に通っていた、カケダシのわたしはその美しい色彩や大胆な構図に言葉にならない刺激を受けた。そのホックニーが再び日本にやってきた。一線から身を引いたものの、ホックニーはわたしにとっては掛け替えのない存在。蝉の声をかいくぐり会館直後を狙い、現代美術館へ自転車を走らせた。展覧会は好きなのだが、人ごみが苦手なわたしが狙って訪れた連休前の早朝だったが…。会場はすでに多くの観覧者でいっぱい。流石“デイヴィット・ホックニー”。
入り口を入るなり人、ひと、そしてまたひと。老若男女が溢れ、みな思い思いの期待を胸に目を凝らして作品たちと向き合っていました。御歳86歳になり今も尚
革新的表現を続けるホックニーは、健在というよりさらに進化しパワーをましていました。彼の表現方法に拘らない自由奔放な作品は、まるで踊っているかのように次から次に目に飛び込み、こころが軽やかになる。年代を追って進化する表現は、自身の心の投影とでもいうような、何にも縛られない感性が爆発していて思わず笑が自然に溢れる。なんて素敵な作品たちなのだろう…。天才とはこういう人をさす言葉なのだろうと、こころから思った瞬間です。このエネルギーはいったいどこから生まれて来るのだろう?展覧会会場の最後をかざる大パノラマの風景画は圧巻で、美しさを通り超えまるで天国。まだ行ったことはないが、きっとこんな場所に違いない。どこまでも広がる大地と空、そして咲き誇る花たち。時空を超え春夏秋冬が見事にひとつの世界になり、こころを和ませ寄り添ってくれる。久しぶりに豊な心地よさを味わい、くたびれていたこころが元気をもらいました。いつまでもお元気で作品を創作し続け、どうかわたしたちの心を洗ってくれることを願っています。時間を見つけ、今度は息子と来ようとおもいます。
DAVID HOCKNEY
「ディヴィット・ホックニー展」
2023.7.15 sat - 11.5 sun
東京都現代美術館