2023.8.7.

エンタメ作品の代表的映画、最新作“トランスフォーマー／ビーストの覚醒”を鑑賞。この作品は幅広い層の支持を受けている、まさにエンタメ作品の代表的存在。今作は新たな展開へと変わっていく、その第一弾と聞いている。いままでスピンオフを入れ６作が制作され、公開の度に大ヒット。最新CD技術を駆使したSFアクション映画シリーズだが、興行収入とは逆にどちらかと言えばあまり良い評価を受けていない。荒唐無稽な物語は落ちがなく何処までも続く様相を描き、面白いがなにも残らないといったところが観た人の印象かも知れない。わたしもそのひとり。前作はサブキャラの「バンブルビー」にスポットをあてた作品だったが、シリーズの中では一番面白かったと感じている。キャラの中では個性が強く愛らしい風貌で人気がある「バンブルビー（ビートル）」。カラーも黄色でなんかお茶目な感じを醸し出し、やんちゃ坊主的な行動に心ひかれるファンは多いのでは無いでしょうか？
元々はタカラトミーとハズプロの共同制作で1984~5年に開発され生まれた変形ロボット玩具で、アニメーション、コミック、映画と展開を拡げていったもの。“アルマゲドン”のマイケル･ベイ監督が第１作から監督を務め、興行的には大成功を収めている。観ているファンはみな解っていると思うが、どの作品も同じようなストーリー展開でその違いに新しさを見出すことが出来ない。それでもエンタメ作品と受け止め、ただ楽しめばそれほどつまらなくはない。自動車がロボットに変形していく映像などは、昭和生まれのわたしには考えもつかない出来事でそれだけでも初めて見たときは感動したものです。ただただカッコイイのひと言。内容などどうでも良いと、その時は思ったのが本音です。キャラクターがリーダーのオプティマス･プライムを筆頭にやや厳ついのがひとつ人気の壁になっているような気がします。それも長く見続ければ親しみも湧いてきて、キャプテンとしての威厳さえ感じるようになりました。キャラの中ではじめから異彩を放っていたのがバンブル･ビーで、降雨作では何と言っても原型となる車がシボレーカマロ1977年型だから、それはもうカッコイイに決まっています。今なお世界中にファンがいる名車。ましてやカラーリングが黒と黄色となれば、レトロ世代の人間にはたまらない。その当りは玩具の開発でも加味されていたとは思うのだが、映画にはそこまでの表現力はなかったのかも知れません。それと版権などもあるのかも知れませんね。プロダクションデザインは頑張っていると個人的には思いますが、人気キャラを創りあげるというのは別次元の話かも知れません。
前置きが長くなりましたが、今作“ビーストの覚醒”です。展開そのものは、今まで通りでいつ終わるか解らないズブズブ状態は相変わらず。新しさと言えば監督が“バンブルビー”同様変わりスティーブン･ケイブル･Jrに変わり、新キャラとしてビースト型トランスフォーマーの登場。トランスフォーマーは金属生命体の宇宙人という設定でそれぞれの環境に適応するため、その星の乗り物や機械をスキャンし擬態して生きていくというエイリアンと認識していたが･･･。今作で登場するビースト型は動物に擬態している？？？何だか良く解らんが、取りあえずカッコイイ。プロダクションデザインがどうのと言うより、もう打つ手が無くなったとさえ思ってしまうわたし。そしていままでは脇に回っていた人間が、今作ではトランスフォーマーたちと変わらない、いやそれ以上の活躍をするお話。新しい展開と言えばそうなのだが、ちょっとコンセプトから逸脱しはじめているような気がします。人は力は無いが、その分優しさだったり、懸命さがありトランスフォーマーとの友情を育くみ、物語にヒューマン色を浮かばせていたのが分相応だった気がします。だんだん話が大きくなり、ラストを見る限り別の話にリンクしていく様相を匂わせています。いろんな意味で目が離せません。「吉と出るか凶と出るか」は、解りませんがもうコラボの世界はお腹いっぱいです。
P.S.　新キャラの中のひとつエアレイザー（ハヤブサ）の吹き替えをハリウッド版では“エブエブ”でアカデミー賞主演女優賞を獲得したミシェル･ヨーが担当しているとのこと。声だけでは解りませんが、ここらも話題のひとつのようです。