映画ファンになって、かれこれ60年。心に残る作品ベスト10に入るであろう作品の公開時ポスター2点が、今日のお宝。二作品とも青春真っただ中に観た作 品である。1本は「いちご白書」。この作品を知らないひとはまずいないだろう。この映画を題材にしたユーミン作曲の楽曲“「いちご白書を」もう一度“が、 1975 年に大ヒットを飛ばし、今なお語り継がれる名曲となっています。歌は知っているが映画は観たことがないと言うひとも、いまは多いのではないでしょうか?ぜ ひ鑑賞し、楽曲に秘められた熱い思いを確かめてほしいと思うわたし。映画は実話が元になっている。1968年にアメリカコロンビア大学で実際に起きた学生 運動をモチーフにした、セツナイ青春群像が描かれています。主役を演じたブルース・デービソンとキム・ダービーは個性的な容姿ながら、この作品でスターダ ムに上りその後も活躍した俳優さんです。音楽の使い方が絶妙で、当時の名曲ロックが満載。中でも主題歌を歌ったバフィー・セント・メリーの「サークル・ ゲーム」は、わたしのこころに深く刻まれラストシーンと重なり、忘れられない曲となっています。当時アメリカン・ニューシネマと呼ばれ、「イージー・ライ ダー」や「俺たちに明日はない」などと共に人気をはくした作品です。世の中の矛盾や差別に対する若者の叫びみたいなモノを表現したこれらは、新しい潮流を 生み出す切っ掛けとなった作品たちです。どれも名作ですので、絶対に観てほしい映画です。さて、もう1本は1971年公開の「おもいでの夏」。い まから52年前の作品です。当時17歳のわたしが、この切なくも哀しい青春映画に触れどれだけ心が震えたかは、いまは懐かしい思い出。1942年夏、 ニューイングランドの沖合に浮かぶ島で起るひと夏の青春を描いています。第二次世界大戦がベースに引かれ、未亡人となった美しい女性ドロシー(ジェニ ファー・オニール)と少年ハーミー(ゲイリー・グライムズ)の、甘くせつない出会いと別れが美しい景色と共に、何とも言えぬ余韻を残す映画です。ミッシェ ル・ルグランの挿入曲がその年のアカデミー作曲賞を獲得し映画の印象をさらに増し、作品は高い評価を得ていまでも人気の高い名作となっています。どちらも 忘れられない大切な作品のひとつです。