2023.7.28.
大ヒット作“キングダム”の三作目にあたる最新作「運命の炎」が公開された。原泰久氏による人気コミックを映画化した実写作品は、スケールの大きい作品となりコミック同様に大ヒット。もともと戦国時代を描いた歴史作品が大好きなわたし。日本や中国にかかわらず実在した人物たちの生きざまや、歴史に纏わる物語はたまらないほど魅力を感じる。
あえて言う必要はないが、物語は天下の大将軍を夢見る戦災孤児の信と、彼が使えた嬴政(後の始皇帝)の中華統一を目指す物語。すべてがノンフィクションという訳ではないのは承知の上だが、二人を中心のした歴史絵巻は壮大なスケールと魅力溢れる登場人物たちのアンサンブルで観客(読者)のこころを掴んではなさない。今回の作品は中国の有名な7つの国が争い続ける中国春秋戦国時代を舞台にした歴史物語。始皇帝は初めて中華統一を果たした人物としてあまりにも有名だが、日本の信長同様、悪しき評判も数多く残る人物。いろんな意味で興味が尽きないひとであることは間違いない。その皇帝に仕え大将軍まで上り詰めた主人公・信も実際に存在した李信をベースに、さまざまな脚色を施し友のために信念を貫く若きヒーロー像を創りあげています。敵味方関係なく、それぞれに魅力溢れる個性を浮かび上がらせ、歴史好きに止まらず漫画や映画ファンのこころもしっかりと掴んだ作品である。
さて今作の感想です。嬴政の中華統一を目指す切っ掛けとなったある人物との約束というテーマを過去に時間を巻き戻して紐解く演出はよくある展開だが、解っていても泣かされるシーンに逆らえず涙してしまう。ひとのこころを巧みに操る手法は緻密で、戦の時のダイナミックな演出と見事につなぎ合わせメリハリのきいたエンタメ作品となっています。原作もきっと同じだろうが、次週が気になってそわそわさせるそんな映画に仕上がっています。終わった瞬間にはやく次回作が観たいと思う、そんな映画です。
先ほども言いましたが、個性豊かな登場人物たちに、一喜一憂してしまうファンはわたしだけではないだろう。歴史上の人物以外でも、個性を生かした演出に胸が熱くなることしばし。日本で中国の歴史物語が創られるとは、時代が創造を超え進んでいるようです。同じような歴史物語はハリウッド作品でも中国作品でも創られていますが、マジで負けていないと思える出来映えではないでしょうか?“レッドクリフ”などが特に記憶に残っていますが、本当に負けていないと感じます。勝ち負けの問題ではありませんが、どっちも素晴らしい作品です。わたしはここだけの話、ジェット・リー主演の“英雄~HERO”が大好きです。この作品も始皇帝を題材にした暗殺者のお話ですが、アクションの凄さを上回る義の話に泣けた作品です。余計なお世話ばなしですが・・・。
次回作も新たに魅力溢れる登場人物が現われるようで、いまから楽しみが尽きません。わたしの好きな俳優さん(ミュージシャン)が、出演するようなのですでにワクワクしています。わたしが観て来たかぎり、いつも良い存在感をだし記憶に残る演技をしてくれるひと。きっと間違いないでしょう。キャステングはとても素晴らしいと感じている作品です。
P.S. 扱う武器や武具にも目がいってしまい、欲しくなってしまうものまであるバカなオタクです。衣装や美術のスタッフさんたちにも拍手です。エンドロールで流れる、宇多田ヒカルさんのテーマ曲も良かったです。