

2023.7.18.
連休明けを見計らい、今話題のジブリアニメ、“君たちはどう生きるか”を鑑賞しに劇場へ。公開前から多くの話題を提供した、今作“君たちはどう生きるか”。戦略的なものなのか、そうでは無いのかは取りあえず置いといて・・・。公開前の予告編をいっさい流さず、そのほとんどがベールに包まれての公開となった。
宮崎駿監督が引退を撤回して挑んだ、“風立ちぬ”以来10年ぶりに手掛けた長編アニメ。すでに賛否が分かれる意見などがネット上に流れ、やはり宮崎監督を待つファンが多かったことを伺わせる。才能豊かなアニメクリエーターが次々に登場し、素晴らしい作品が全世界を席巻する日本のアニメ界。そんな中で、一度は退いた宮崎監督だが思うに、若手の台頭に職人魂に火がついたような気がします。まだまだやれるぞ!と言わんばかりの戦略を仕掛けての堂々とした(していないか???)新作発表。さすがにレジェンドはやることが違います。監督のオリジナルによる原作/脚本だそうだが、少年時代に読んだ吉野源三郎著の同名小説が根っこの部分にどうやらあるらしいとのこと。これを機に読んで見ようと思います。
さて感想ですが、個人的には花丸の作品です。いろいろな意見を拝読しましたが、わたしは大好きです。宮崎作品はすべて観ていますが、この作品は良いとか悪いとかの単純な基準ではない、もっと大きな枠で捉えられた世界が表現されています。私見ですが、理屈では無い感性の赴くままに感じとる作品ではないでしょうか?ある意味、人間の中にある宇宙のようなものが深層心理として、主人公眞人の人物を通して描かれた、こころの旅を紡いでいるとわたしは捉えました。物語が難解だという意見や表現が気持ち悪いなど、ネガティブな意見もかなり多いようですが、確かにそう言う描写やストーリー展開ですのであながち間違ってはいません。ただそんなのは計算してのことと感じています。宮崎監督が集大成として挑んだテーマでは無いでしょうか?この世界感は無限の力をさらに拡げる第一歩の道標のような気がします。宮崎監督がこの作品に込めたメッセージは、とてつもなく大きなもので監督自身も探し続けているような、そんな気さえする作品です。理屈は抜きに感覚を研ぎ澄まし、静かにこの映画に身を沈めてみるのも良いではありませんか?もしかしたら、何かとてつもない発見があるかも知れません。観る人ひとりひとりがそれぞれに???
長く生きてきたわたしは、この作品を観て70年間の生涯が走馬燈のように過ぎた日々が浮かび、どれもが大切な時間だったとしっかりと確信しました。あと何年生きるかは解りませんが、これからも時間を大切に後悔のない人生と呼べる生き方をしたいと考えています。
あなたは、この作品から何を感じるでしょうか?
P.S. 終わりの無い物語をコンパクトにしたのは、どんな人間の中にも主人公のような想い(宇宙)を持っているという、メッセージが込められていると勝手に思っています。主人公の牧眞人役の声優をした山時総真くん、初々しくてピッタリでした。ベテランの声優(俳優)さんたちに囲まれ大変だったと思いますが、堂々とした演じっぷりでした。「約束のネバーランド」覚えています。これからも頑張って大きく成長をしてください。
◆余談/物語の中に出てくる父親像が、どうしても好きになれません。個人的な感情移入と画わかっていますが・・・。いい年をしてバカみたいな意見ですが・・・。わたしの本音です。
■余談2/個人的昔の話ですが、40年ほど昔、長女が大病を患い死線を彷徨った時があります。無事生還し、今は2児の母になり元気で暮しているのですが、20代になった頃、突然妙な話をしたことを思い出しました。病気で死線を彷徨っていた時に観た夢があり、ひとりで真っ暗な道を歩いていたら、知らない女のひとに呼び止められ「こっちはあなたが来る道じゃないから戻りなさい!」と言われたと・・・。娘は話の後、「あの人、きっとお父さんのお母さんじゃない!」と呟きました。ドキっとしましたが、なぜか瞼が熱くなりました。母はわたしが15歳の時に亡くなっているのですが・・・。なんでこんなことを、急に思い出したのか、解りません。