2023.7.3.
世界中で人気を誇るアドベンチャー・シリーズ“インディ・ジョーンズ”が、最後の冒険に・・・。長きに渡り映画ファンを楽しませ続けた“インディ・ジョーンズ”もいよいよ最後となるとされる最新作“運命のダイヤル”が公開された。この作品を嫌いな人はまずいないと思っているわたし。夢、希望、愛、そんなことを一番必要とする力をすべて兼ね備えたこの映画。コミックに出てくるヒーローではなく、生身の人間が身体をはって挑む冒険は、日常の生活に追われて生きる私たちにはたまらないほどのご馳走。ハラハラ、ドキドキの連続に胸を躍らされ、あっという間に画面へと引きずり込まれ、いっしょに冒険している感覚を手に入れることができる。そんな作品はそうはみあたらない。第一作”レイダース/失われたアーク“が公開されたのが1981年。あれから42年もの長きに渡りシリーズは続き、今作が最後とされる”インディ・ジョーンズと運命にダイヤル“。主演を演じてきたハリソン・フォードも実年齢に近い設定で登場し、最後の冒険に旅立つ今作。作品内では過去の作品が写し出され、ノスタルジーな気分にもなりつつジョーンズ博士の冒険心がいまだに燃えている姿に、憧れと敬意を感じてしまう。男ならこんな人生に憧れ、主人公に自身を投影してしまう。世界中を飛び回り、謎に包まれた秘宝を探す冒険旅行は出来そうで出来ない夢の象徴。そしてインディはわたしたちのリアルなヒーローでは無いでしょうか?
さて今作の感想です。いろんな意味でこころに残る作品となりました。40年以上に渡り私たちを喚起させ、楽しませてくれた制作スタッフのみなさんに感謝です。そもそも第一作が創られた時、一番驚かされたのは当時アメリカ映画界の人気を二分していた、ジョージ・ルーカスとスティーブン・スピルバーグが手を組んで映画制作をするなんて想像すらしていなかった。二人の天才が手を組みいったいどんな映画を創るのかと、だれもが期待に胸を膨らませ作品の公開を待ったのは紛れもない事実。当時映画ファンの間で、ルーカス派とスピルバーグ派ができ、そのクリエイティブな表現に心酔し意見を戦わせていたことが思い出される。独自のポロシーを持つふたりだが、少年時代から映画好きだったことは瓜二つの事実。互いをリスペクトし今もなお、傑作を次々と生み出す源はきっとふたりの良き関係があってのことと察します。良きライバルと言ったところでしょうか?いやきっとそんな簡単な関係ではない、それこそ創造を遙かに超える絆で結ばれているそんな気がします。羨ましい限りですね・・・。
何だか今作の映画について語ろうにも、ふたりがあまりに凄すぎて話が進みません。申し訳ありません。少し気を取り直し感想を・・・。ハリソン・フォードさんいい年の取り方をしています。こんな歳の重ね方は理想ですが、なかなか難しいのが現実。常に主人公のように冒険心を忘れないことが、こんな姿になっていくのだと思う。きっとフォードさんはインディそのものなのだと思います。いままで今作を合わせ5作のシリーズは、想像力豊かな脚本や技術の高い映像表現ばかりに目がいっていましたが、今作はなにかもっと深い何かに触れたそんな感じです。ひとにとって大切なものを、思い出させてくれました。
とうとう時空を飛び越えてしまった、ジョーンズ博士の旅でしたが強い気持ちがあれば、そんなことさえ現実なるのではそんな気がします。とにかくカッコイイ魅力溢れる人物が、画面から溢れていました。お疲れさまでした、そしてありがとうございました。感謝しかありません。
P.S. ラストのマリオン(カレン・アレン)とのキスシーンは本当に綺麗でした。ここは泣かせてもらいました。カレン・アレンさんもフォードさん同様にいい歳の重ね方した美しい顔をしています。そして最後にこの作品には欠かせない音楽(テーマ)を創ったジョン・ウイリアムズさんのメインテーマ曲に拍手です。この曲なくしてインディは語れません。インディの活躍を後押しするかのようなメロディは絶対に忘れることの出来ない名曲。これからもますますの活躍をお祈りいたします。