

2023.2.24.
今日ご紹介する作品は、邦画の“湯道”です。無類の映画好き、そして同じく銭湯好きのわたし。映画は週一、銭湯は週二で通っている。趣味は多いがこのふたつはわたしには、自分を取り戻す大切な時間。今日紹介する映画は、このふたつを合わせた、わたしには絶対に観なくてはいけない作品、“湯道”。
公開前からチェックを入れ、公開と同時に鑑賞。銭湯好きにはたまらない作品になっています。映画としても充分楽しめますが、お風呂大好き人間たちには笑いあり、涙あり、そして勉強にもなると、お金を出しても充分おつりがくる。ちなみに映画鑑賞料金は一般1,900円(シニア1,000円)、銭湯入浴料は大人500円である。昨年両方が値上がりしこの価格になったばかり。庶民の憩いにもお金が掛る現実が前に立ちはだかっています。それでも止められないのがこのふたつ。けっして贅沢ではないと思うのですが・・・。
さて、映画“湯道”ですが、そのタイトル「湯道」とは・・・。日本古来より伝承される華道や茶道のような芸道として継承されているという設定で、入浴の作法を極めたものが「湯道」とされている。今作品の企画・脚本を手掛けた小山薫堂が、自ら提唱し実践するかたわら放送作家、脚本家、ラジオパーソナリティと多岐にわたる才能の持ち、趣味と仕事が合体した生活をしている人とのこと。羨ましいかぎりだが、映画を観るとうなずけるオタク感覚である。物語は亡き父親が残した古びた銭湯「まるきん温泉」をめぐる、兄弟の葛藤と周りに集まる常連客との悲喜交々の交流が描かれている。主人公のふたりを生田斗真(長男)と濱田岳(次男)が演じ、銭湯の経営に纏わる兄弟喧嘩が発端になり物語りははじまる。そして「まるきん温泉」で看板娘として働く橋本環奈がからんでの人情味あふれるお話が展開する。ゲスト陣がハンパなく豪華で、役者として出ているというよりもみな銭湯が大好きに違いないと思わせてくれる。それぞれが個性を生かし、銭湯の伝承に一役をかっています。天童よしみとクリス・ハートの親子愛には涙してしまいました。それにしても舞台となる銭湯のセットが実に昭和レトロ感が漂い、拘りの美術が雰囲気を盛り上げたまりません。似た風情の銭湯は東京にも数件ありますが、きっと参考にしていると考えられます。こんな銭湯があったら毎日でも通うであろう、素敵なお風呂屋さんです。銭湯好きの人は観るべし!映画好きの人は、この作品を観て銭湯に行きましょう!!
P.S. 看板娘・秋山いづみを演じた橋本環奈さんの売れっ子ぶりは、CMの多さが物語っていますが、昨年末のNHK「紅白歌合戦」の見事な司会ぶりには恐れ入りました。いままで多くの人がその重圧にあたふたしている様を目にしてきましたが、彼女の堂々としたそしてはつらつとした司会振りは完全に彼女のひとり舞台でした。若いのに凄いと感じざるをえません。計り知れない才能を感じた一幕は、これからどんな花を咲かせることやら楽しみです。