

2023.2.17.
マーベル最新作、“アントマン&ワスプ:クアントマニア”を鑑賞。久しぶりのマーベル作品に期待に胸躍らせ出かけたわたし。マーベル作品のキャラの中では、やや地味目なキャラだがミクロの世界よりもさらに細かい量子の世界を舞台にした発想は他に無い世界感でファンも多い。しかしわたしのような凡人でさらに歳を喰っている人間には、ちょっとついていけない分野でもある。エンタメ感がハンパないマーベルのテクニック投入ですので、余り深く考えず観れば楽しめる作品ですが・・・。歳をとると無い頭を無理に使い理屈を探ってしまうようになるので、どうしてもつじつまを合わせたくなるのが昭和世代。周りはさぞや面倒くさいと思います。さて、感想に入る前にちょっと昔話を・・・。中学生の頃“ミクロの決死圏”というSFサスペンス作品を観ました。当時のわたしはSFが大好きだったので、いままで観たことのない世界感に圧倒され強烈なインパクトを受けたことを思い出します。SF作品と言えばまずは宇宙を創造しがちですが、この作品は人間の体内に入り込み施術を行うという医学と科学の世界にサスペンスをからめて描いた作品。その年のアカデミー賞の多くの部門にノミネートされ美術賞と視覚効果賞を獲得。当時はCGなどまったく存在しない時代に創られた、いわゆる特撮と呼ばれる技術を駆使しての斬新な発想の作品として今なおSFの金字塔となっています。今観ればまさに手作り感満載ですが、内容の面白さは他に類の無い素晴らしい作品です。ラストの後数秒というあの時の緊迫感は、いまも鮮烈にこころに残っています。なぜこんな話をしたかと言うと、“アントマン(以下省略)”を観て映像技術や表現の拡がりは言うまでも無く最先端をいき凄いのは認めるのだが、何か物足りなさを感じてしまうわたしがいる。発想は面白いし想像力を掻き立てる要素は申し分無いのだが、エンタメ性ばかりが強調されこころに残らないと言うのが正直なわたしの意見です。古い人間の戯言ですが、SFと言う分野が想像力を膨らませていける世界。観たものがすべてではなく、さらに次への創造の第一歩に繋がってこそその面白さがあるような気がします。“ミクロの決死圏”の中で描かれる世界は当時、あくまでも想像の域をぬけたものではありませんでしたが、レーザーを使った施術などの行為は現在当たり前の方法として使われる医療となっています。それを思うとSF作品の中にある無限大の可能性を感じます。そんなことをあれこれ考えていると、技術に走っているいまの現状にやや物足りなさを感じてしまうのはわたしだけでしょうか?
ということで、前置きが多くなりましたが“アントマン”の話に戻します。量子世界とはまさに未知の分野であくまでも想像で考えられるもの。そこにプラスしてマルチバース(多元宇宙論)という要素が加わった今回の展開。面白い題材だがあまりに深く難しい理論上の世界なので、一般の知識ではその面白さがなかなか理解出来ず頭を悩ます。マルチバースは“ドクター・ストレンジ”や“スパイダーマン”でも描かれ、何となく理解もできて単純に面白い考えだと思っている。だが、量子世界に関してはイメージだけでは追いつけない、科学の理論が存在しアップアップ状態に至る。もう何を言っているのか自分でも解らなくなっているので、この辺で終わらせます。今回観た“アントマン”に面白さはありますが、こころに残るかと問われると?と言うのが感想です。マーベルはマルチバース的な発想で、新作も多くの作品を繫げる作品づくりに走っているそんな気がします。良いのか悪いのかは、わたしの言うことではありませんが、単品でも充分な魅力を秘めたキャラや作品だと思うので、あまりエンタメに走りすぎるのはもったいない気がします。さて、みなさんの意見はどうですか?
P.S. ラストに次回作に繋がる登場人物が出ています。わたしの好きなヴィランですが、さてどんな展開へと繋がっていくのか?なんだかんだ言っても気になるわたしです。