人気ブログランキング | 話題のタグを見る
よもやまシネマ592 “THE FIRST SLAM DUNK”
よもやまシネマ592 “THE FIRST SLAM DUNK”_e0120614_16323872.jpgよもやまシネマ592 “THE FIRST SLAM DUNK”_e0120614_16325346.jpg




2023.1.06.

往年のバスケ漫画“SLAM DUNK”が、映画になり戻ってきた。32年も前の1990年に「週刊少年ジャンプ」で連載がはじまり、その後アニメやゲームも制作されたバスケットボールを題材にした全276話にわたる漫画作品である。作者はストイックな作風で知られている井上雄彦氏。いつだったか記憶は定かではないが、地元の現代美術館で「井上雄彦展」を観にいったことが思い出される。会場に入るや天井からつるされた大きなバナーに描かれた「バガボンド」の主人公武蔵の眼力鋭い肖像に圧倒的なパワーを感じたことを思い出す。失礼な言い方に聞こえたら謝りますが、一漫画家さんが美術館を借り切って個展をするなんて想像したことさえなかったわたし。その時に感じた圧倒する画力の凄さは、いまだに忘れることの出来ない出来事でした。画の上手な漫画家さんは多いが、漫画の枠を超えた画力の作家はそう多くない。その数少ない作家のひとりが井上雄彦氏ではないだろうか?
さて、話を映画に戻しましょう。今作は漫画でも最後で描かれていたインターハイの強豪山王戦を、緊迫感溢れる構成と表現力で描き締めくくっています。当時夢中で読んだ光景がまさに蘇りたまりません。ただ今作の主人公は漫画の桜木花道ではなく、いがいやサブキャラ的存在の宮城リョータになっている。物語では小柄だがたぐいまれなるセンスと冷静な判断力を持ち合わせる時期キャプテン候補と周囲からも認められた実力者。彼のバスケットにかける人生にスポットを当てるかたちで物語は進んで行く。わたしは素直にこの表現の選択を受け止め物語に浸ることが出来ました。派手さやユーモア的部分は漫画より少々少なめだが、その分シリアスな表現が満載です。単純にスポーツが秘めるひとのこころに響く、緊張感、高揚感、幸福感などが独特な作風とスピード感溢れる演出が見事にマッチングされ、心臓がばくばくするようなリアルな世界に引き込まれました。これだからスポーツは辞められないといった気分になれます。観ているだけでそう思うのだから、やっている人たちにはたまらないに違いない。バスケットは高校以来やってないが、他の競技にも通じる醍醐味が存分に表現され、最後まで楽しめる良い作品でした。原作と違いリョータが軸になっての展開ではありましたが、山王戦での試合シーンでは、メンバーひとりひとりにちゃんとスポットを当て、見事にこころを繋いだ青春を創造しています。井上氏の作品はみなそうだが、本人同様もの凄いストイックな角度や目線で心理を紡ぎだし、特別な人間ドラマを創りだしてくれます。大好きな作家さんのひとりですが、どの作品もラストの締めがどれも「お預け!」って感じで終わっていて、いつまでも引きずってしまい、次を期待してしまいます。何とも言えない余韻を残し、いつまでも忘れられない思いを残していく、巧みな仕掛けをする天才です。取りあえず、漫画嫌いも、スポーツに興味ないひとも、こんな世界があるんだということを観に劇場に足を運びましょう!!
P.S. 井上雄彦さんは今の漫画界において、唯一無二の画力を持つ作家なのはファンならみな認めています。漫画大ファンのわたしはいままで沢山の漫画と出会い、青春をともに生きてきました。最近の漫画はあまり知りませんが、なんとか情報を得ながら流行にはついて幾度力を続けています。内容はもちろんですが、やはり画力の美しさには強く拘りを持っています。そう言う意味では井上さん以外だと、荒木飛呂彦氏、鳥山明氏、大友克洋氏などが大好きです。みなさんは好きな作家さんはいるでしょうか?日本の漫画は世界でも認められる文化。それを支える作家さんたちには、「ありがとう」の言葉と拍手を贈ります。


by eddy-web | 2023-01-09 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
<< 本業のデザインとは別に、二足の... 年の瀬に味わう、至福の時間。「... >>



エディデザイン室
by eddy
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
最新の記事
カテゴリ
以前の記事
2024年 06月
2024年 05月
2024年 04月
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 06月
2007年 05月
フォロー中のブログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


logobr.gif