

●Switch音-17中島みゆき
劇場版ライヴ・ヒストリー2
2022.12.31.
1月21日に観た、「中島みゆき 劇場版ライヴ・ヒストリー」の第2弾が、2022年を締めくくる年末に公開。コンサートを生で観た方がいいに決まっているのだが、なかなかチケットを手に入れるのが困難な彼女。中学時代から大ファンのわたしは、この劇場版でスクリーンに浮かび上がる彼女に会うのが、いま一番の楽しみのひとつ。今回は2022年の締めに彼女の歌声を聴くことができ、嬉しい年の瀬を迎えられました。今作は彼女が行なってきたライブ5本から、選び抜かれた珠玉の名曲15曲が迫力の5.1サラウンドで大スクリーンに映し出された。1曲目から「銀の龍の背に乗って」のイントロイントロが流れ、あっという間に目頭がウルウル。先日”Dr.コトー”を観たばかりなので、いきなりカウンターをもらってしまいました。そこからは熱くなる目頭を押さえ続けてはみたけれど、中盤にきて「蕎麦屋」を聴いていると、知らず知らず頬を一筋の涙が流れもう止められなくなりました。どの曲も自分が生きて来た時代時代にいつも寄り添ってきた曲ばかり。ひとつひとつに思い出があり、どの曲にも思い入れがある。どうして彼女の曲はこうもこころを揺さぶるのだろう。中島みゆきは間違いなく唯一無二のミュージシャンである。その描き出す世界は、時に雄大で夢や希望を謳い、そして時に日々日常の誰にも気づかれない苦しみや、哀しみを拾い上げわたしたちを慰めてくれる。人のこころの中にある本質にさりげなく寄り添い、正直な言葉でサラッと表現してみせる。50年近く音楽界にいて、詩も曲も色あせない彼女のエネルギーはいったいどこから生まれて来るのだろう?天才なのか?それとも毎日の努力なのか?計り知れない…。ひとつはっきりしていることは、どんな時代でも真剣に向き合い、人を想うこころを忘れないひとだということ。シンガーソングライターそして永遠の歌姫として、これからもわたしたちに寄り添い勇気をくれるひとでいてください。
P.S. コンサートの舞台美術や演出そして衣装など、シンプルでとても居心地の良いステージになっていました。過剰な演出が多い昨今ですが、彼女の拘りが随所に観られじっくりと聴かせる素晴らしい内容で感動しました。ツアーを共にするスタッフやクルーとの良質な関係が、エディングの映像で伝わり「中島みゆき」愛が、スタッフの中にもしっかりあることが良く解りました。