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よもやまシネマ589 “ザリガニの鳴くところ”
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2022.12.06.

公開前から気になっていた作品、“ザリガニの鳴くところ”を鑑賞。公開している劇場や時間がかなり限られていたので、いろいろ調べ錦糸町へ。
なぜこの作品に引かれたか?というと、何と言ってもそのタイトル。子どもの頃、毎日のように近所の池に行き友だちとザリガニ吊りを楽しんだ。「ザリガニって、鳴いたっけ???」という、素直な疑問が全身を貫き、気がつくと劇場へと足をはこんでいた。
わたし好みの作品に出会いました。原作はもとより、制作スタッフのほぼ中心が女性という作品“ザリガニの鳴くところ”。制作のリース・ウィザースプーンが「読み始めたら止まらなかった」と語り、即、映像権を獲得しプロデュースすることになったと報じられています。全世界で1,500万部突破の大ベストセラーミステリーは、日本でも2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位に輝いた話題作。これだけコマが揃えば、感性を刺激されずにはいられない。
さて、感想です。原作の著者・ディーリア・オーエンズがノンフィクションの書き手として知られる動物学者という肩書きにもそそられる。その作家がはじめて書き上げたフィクション、それが“ザリガニの鳴くところ”。物語はそんな彼女のベースになっている動物学が、主人公カイアと重なる。実際に物語のような過酷な状況の中で生きる者など、いるはずも無いとだれしもが思う設定だが、気がつくとそれこそ「見始めたら止まらなくなった」。現実に世界中で起こっているDVや育児放棄の問題そして偏見と差別が、ひとりの少女カイアの人生を通し描かれている。さきほども言いましたが、ノースカロライナ州の湿地帯にひとり人との関わりを絶ち生きる少女カイア。彼女が辿ってきた過酷を極める人生は、言葉では言い尽くせないほどのもの。そんな彼女に降りかかった、殺人容疑はさらに人生を揺るがしはじめる。
その昔「野生の少年」という、映画を観た。フランスの巨匠フランソワ・トリフォー監督の作品で、実話に基づいたジャングルで野生児として育った少年の、人としての再生物語が頭に浮かんだ。時代背景は違うがフィクションとして紡がれた“ザリガニの鳴くところ”は、妙にリアリティに溢れている。単にミステリー作品として捕らえるよりも、多くの要素が見事に繋がれた最上級の作品であることは間違いない。この作品もまた「野生の少年」同様に、幼くして親に捨てられひとり、偏見の対象にさらされながら強くいきるものの物語である。彼女を支えているのは、湿地帯の住む多くの鳥類や動植物たち。自然から生きる術を学び、その才能はいつか花咲き本当の再生へと繋がる。そんな彼女の孤独につけ込む、恋愛感情がこのミステリーの核となっています。
今作はストーリーはもちろんだが、映像の美しさは紛れもなくこの作品のレベルを上げています。自然の美しさは主人公だけではなく、鑑賞側にとっても潤いを与えこころに希望の光を与えてくれています。改めて自然の大切さと慈しむこころを忘れてはいけないことを実感しました。そして最後に音楽に参加しているテイラー・スウィフトが提供している楽曲「キャロライナ」が、久しぶりに心に染みた映画音楽となりました。彼女もまた、この作品に惚れ込んでの書き下ろした作品だと語っています。はじめに言いましたが、わたしの中で、大好きな映画作品のひとつに加わりました。
P.S. 主人公カイアを演じたデイジー・エドガー=ジョーンズさんが、とても印象に残る素晴らしい演技をしています。子役の子も素晴らしかったが、メインのカイアを演じた彼女の感性豊かな表現力はこれからの活躍を多いに期待させてくれます。ほぼノーメーク状態での演技ですが、きっとメークをするとガラッと雰囲気が変わる、そんな容姿をしています。私見ですが、ちょっと森泉さんに似ています。
メガホンを取ったオリヴィア・ニューマン監督の演出も、忘れてはならない素晴らしいもの。女性目線の演出は、きっと女性ファンのこころに届く映画となったことでしょう。男のわたしでさえ、響いたのですから・・・。

by eddy-web | 2022-12-11 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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