

2022.9.21.
ちょっと前に“ブラッド・トレイン”を観て、ど派手なアクションを堪能したわたし。今日はいまやアクション俳優として名をはせはじめた岡田准一くんの最新作“ヘル・ドッグス”を鑑賞。ジャニーズの一員としてデビューした彼も41歳。“永遠の0”以来俳優としての評価もたかく、すっかりアイドルから脱皮。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」での演技は、わたしの記憶にきざまれ気になる俳優さんの一人となった。そんな岡田くんの最新作が今日紹介する“ヘル・ドッグス”。相棒を演じる坂口健太郎くんのサイコパスの人物にも興味津々のわたしです。
監督は映画制作にかなり拘りを持っているように感じる原田眞人氏。もともとロンドンで語学留学をし帰国後、映画評論家として活躍していたひと。英語に堪能なところに目を付けられ、字幕翻訳ではキューブリックに抜擢され“時計じかけのオレンジ”や“フルメタル・ジャケット”という名作を担当している。俳優としてもトム・クルーズ主演の“ラスト・サムライ”に出演しハリウッドデビューをはたした。主演の岡田くんとは“関ヶ原”“燃えよ剣”とすでに関わり、そのストイックな表現姿勢は監督の映画制作に対する拘りとかにかなり一致しているようである。岡田くんは今作で、格闘デザインを担当しアクションシーンに自らの演出だけでなく深く関わったとのこと。格闘デザインという名ははじめて聞くので、実質どのような事をするのかは解りませんが、多くの格闘技を勉強している彼の拘りは画面から伝わって来ます。
さて感想です。素直な気持ちを言いますが、内容が渇いていてちょっとわたしには合いませんでした。深町秋生氏の小説「ヘル・ドッグス」シリーズの第一作。ヤクザの世界を題材にした作品は日本映画の定番と言えばそれまでだが、最近の作品の多くはリアルさを追う余りかなりハード。今作もPG12指定になっていて、子どもにはあまり観せられない。徹底したアクションへの拘りは、しっかりと表現されていて凄いとは思うのだが、復習をテーマにした内容だけに最後まで救いのない演出になっている。この手の映画で頭にすぐ浮かぶのが、北野監督の“アウトレイジ”シリーズ。「にて非なるもの」とわたしは受け止めている。良い悪いではなく、これは好きか嫌いかの違いかも知れません。見終わった後の後味というか、余韻があまり楽しめないそんな気がします。あくまでもわたしの個人的感想ですのでアクションが好きな人には、たまらないアクションエンタメ作品かも知れない。強面の俳優さんが勢揃いの中、わたしが一番注目していたのが岡田くんの演じる兼高の相棒・室岡を演じた坂口健太郎くん。彼の悪役姿はいままで観たことがないし、想像すらしたことがない。そう言う意味では、とても関心が強くそこにひかれて観たと言っても過言ではありません。優しい顔立ちの人が悪を演じる姿に強く引かれるわたし。演技力を問われる部分はもちろんだが、人間の中に潜む表裏は、とても興味深いものがある。健太郎くんはサイコパスの精神が崩壊した難しい役を見事に演じきり、役者として新たな第一歩を踏み出しました。これからが楽しみです。岡田くんは身体が、観る度にビルドアップされてきてアイドルの面影はすでにない。かなりの格闘オタクとして心も身体もすっかり染まった感じがします。そんな拘り、嫌いではありません。
P.S. 岡田くんの作品“ザ・ファブル”、殺さない殺し屋シリーズが好きなわたし。漫画が原作という事もありますが、こちらは同じアクションエンターテイメント作品でも、殺伐としたシーンがなく何かホッとするところが好きです。これも個人的なコメントですが・・・。