

2022.6.17.
ポイントが貯まり普段はあまりチョイスしない作品を選び、映画館へと足を運んだ。いつもそうだが基本観たい作品はお金を払って観るものと決めている。ただそうすると作品の選択が自分好みの片寄ったものとなる。そこでポイント制度を活用して、あまり普段は見ない作品に挑戦するスタイルを獲っている。ちょっと偉そうだが毎週1本の割合で鑑賞するため、観ていない作品の数がなくなってくる現実。そんな時に便利なのがポイントで観る映画。これが結構当りが多く、そして新しい発見が良くあり得した気分が味わえる。
今回観た作品“メタモルフォーゼ縁側”がまさにそれ!見終わって感じたのは、こんな関係も素敵だな・・・と感じたこと。それと若さを保つ秘訣は、常に好奇心のこころを磨き何にでもチャレンジをする行動力だと気づかされたこと。どんなに歳を重ねても、いつもドキドキやワクワクする気持ちを忘れてはいけないということを教わりました。
作品はあるマンガを通して結ばれた、老婦人(75歳)雪と17歳の女子高生・うららの友情を紡いでみせる。W主演のかたちで老婦人役を宮本信子、女子高生役を芦田愛菜ちゃんが等身大の演技をしています。2人共年齢差はあれど高い演技力で評価されている女優さん。息もピッタリで、こんな出会いで結ばれたらどんなに楽しいだろうと素直に思わせてくれる。出会いの切っ掛けは店頭に並んだ一冊のマンガ本。絵が綺麗で素敵と感じた老婦人の、思わず購入するところから話ははじまる。少女はそこでアルバイトをしている女子高生。
わたしがはじめに言った新しい発見とは、この二人を結びつけたアイテムのマンガ本のこと。本のテーマはBJ(ボーイズラブ)。“おっさんずラブ”は知っていましたが、BJが若い女性たちの間で密かにブームだという事実を映画を通し知った。家に帰ってから娘に聞いたら、「古いよ!!と一括」された。完全に時代に取り残されている事に築かされました。トホホ・・・。素直に認め映画の話をしたら、BJオタクは映画の主人公同様、大ピラにそう言う作品を読んでいることを伏せているケースが多いとも聞いた。確かにわたしの育った時代なら「さもありなん」だが、現代でもそんな偏見みたいなものがあるんだ!ということを知った。映画は男とか女とかの枠を超えて、マンガの主人公たちの生きざまに自分を重さね合わせワクワク・ドキドキするこころの内を年齢差を超え、本気で語り合う。いきいきとした時間がそこにはあり、二人はどんどん深く相手を思うようになって行く。マンガの主人公たちは男同士だが、それを読む二人の愛読者も年の離れた女同士。このあたりの人間関係が実に見事にリンクされ、何か違和感がなく素直に相手を想う気持ちにこころが癒やされる。
偏見や差別をテーマにした作品は、今までも沢山観てきた。名作も多くこころに届いた作品が沢山ある。今回の作品も地味な設定だが、確実にこころに残った作品である。一生懸命に生きることや、相手を思いやるこころの大切さが溢れている名作です。ぜひ、ご覧ください。いまは観ることがほとんどなくなった、縁側での談笑シーンが懐かしくもあり、羨ましくもありました。人生は死ぬその時まで、二人のようにワクワク・ドキドキをしていたいものです。わたしも頑張ってみようと思います。
P.S. 劇中でカット割りでアニメと実写が融合し、主人公のこころの揺れを上手に演出しています。架空のマンガという設定だが、本屋にもし並んでいたらきっと手に取り買ってしまうような気がします。絵の線がとっても綺麗で、それだけでも雪さんの気持ちと同調です。
※“チョコレート・ドーナツ”という同性愛者(G)をテーマにした作品があります。素晴らしい作品なので、ぜひ探して観てください。お勧めの感動作です。