人気ブログランキング | 話題のタグを見る
よもやまシネマ599 “シン・ウルトラマン”
よもやまシネマ599 “シン・ウルトラマン”_e0120614_15170333.jpgよもやまシネマ599 “シン・ウルトラマン”_e0120614_15172296.jpg



2022.5.17

これほど待ち望んだ作品が最近あっただろうか?作品の名は“シン・ウルトラマン”。少年期にTVにしがみつき見入っていたヒーロー「ウルトラマン」。そのヒーローが庵野氏の手によって令和時代に蘇るその瞬間に、立ち会えるとはよもや思ってもいなかったわたし。幼少期よりヒーローものにはまり、首に風呂敷をマントがわりにつけ走り回った路地裏の道。ヒーローは時代と共に進化し、円谷監督が想像し創り上げた特撮の不思議な世界感にどれだけ感性を刺激されただろう。「ウルトラQ」がTVで公開された時は、体中に電気が走ったとでも言うような衝撃を受けたことを覚えている。第一話に登場した古代怪獣ゴメスが、ゴジラとオーバーラップし、こころが震えたことをいまも覚えている。あれから56年の時が過ぎ、いままた光の国(M78星雲)から、ウルトラマンが帰ってきました。
ウルトラマンの話をし出すと止まらなくなってしまう、どうしようもないわたしですので今日はちょっと抑え気味に語りたいと思います。ウルトラQの後を引き継いで創られたウルトラマン。いまもその歴史は延々と引き継がれ、子どもたちのこころを掴んではなさない。当時変身ブームが起こり、その代表だったのが「ウルトラマン」と「仮面ライダー」。どちらも大好きだったが、どちらかを選べと言われればわたしは「ウルトラマン」派。特撮技術を駆使してのバトルシーンも当時のわたしには、まるで夢の中にいるようなそんな感じだった。そして内容がこれまた沁みる話が多く、当時何度も泣いた記憶がある。なんで怪獣とウルトラマンが戦う話なのに泣けるのか?は、ファンの方ならみな知っているとおもいます。そこには深~~いぃ生きるものたちへの愛が描かれていたからなのです。「ジャミラ」や「シーボーズ」など、上げれば切りが無いほど好きな怪獣ばかり。みな個性的で今観てもそのプロダクトデザインは凄いと感じます。最近のTVに出てくる怪獣はごてごてといろんなものがくっついていて、個人的には×です。CGを使った技術志向が強く、脚本が響いてこないのはわたしの感性が追い着いていないだけなのだろうか・・・。わたしの中では「ウルトラマン」は永遠のヒーローで、「セブン」までが、ウルトラマンと呼べるヒーロー。ちなみにライダーはV3までです。
さて、庵野秀明氏が脚本とプロデュースを手掛け、「シン・ゴジラ」でタッグを組んだ樋口真嗣監督が再び挑む日本を代表するキャラの復活やいかに・・・。昭和世代のおじさんたちには、さっきも言いましたがこんな日が訪れるなんて夢にも思っていませんでした。「ゴジラ」の時もそうですが、新しい視点で切り込み、現代を見据えての脚本と構成を創り上げたお二人の想像豊かな表現力には子どもの頃に感じたものが蘇っただけでない、新しい感動を手にすることが出来ました。物語はウルトラマンの誕生秘話がベースになり、組み立てられていますが、冒頭から懐かしい怪獣(巨大不明生物→禍威獣)が、リアルに進化して登場しあっというまに物語へと引き込まれて行く。その時点で庵野さんと樋口さんの“ウルトラマン2に対する思い入れとリスペクトのこころが伝わって来ました。ウルトラマンの登場シーンがキモイと話題になっていますが、ゴジラのときと同じように進化の過程として作り込まれていることが解り、原点に視点をおいた素晴らしい表現だと感動しました。あんまり話すとネタバレになるので、あまり熱くならずこれくらいにしておきます。科学特捜隊も禍威獣特設対策室(禍特隊)と、名前を変えユニフォームはなく科学者っぽい白衣を纏いシリアスな演出になり現実味が強く描かれています。ウルトラQのときの不思議な世界感も随所に取り入れられていて、ファンにはたまりません。宇宙人も敵性外星人と呼ばれザラブ、メフィラスそしてゼットンと往年の天敵たちが勢揃い。スタイリッシュなボディに生まれ変わりウルトラマン同様にカッコいいにひと言。このあたりのプロダクトデザインは”エヴァンゲリオンを彷彿とさせ、庵野色がしっかりと反映されています。
とにもかくにも個人としては大満足の“シン・ウルトラマン”でした。開場はわたし同様のその昔子どもだったひとたちが多く鑑賞に来ていて、まるで同窓会にでも来た感じ・・・。時代は変わってもこころは変わらないことを改めて感じた嬉しい時間になりました。子どもをつれ観に行き、自分たちの子どもの頃のことを話題に、コミュニケーションをとるのも良いのではないでしょうか?

P.S. 昔の余韻に浸ったあと、映画を反芻すると気がついたことがあった。そう言えば昔のウルトラマンにこころを振るわせていたのは、出てくる怪獣たちにそれぞれ物語(人生)があり、ただの敵としてだけでなく戦っていたという事実。科学特捜隊が戦い倒した怪獣たちのお葬式をした作品を覚えている。あれこそがウルトラマンのコンセプトで、子どもたちのこころに深く届いた相手を思う優しさを説いたメッセージだった。今作にはそのあたりが継承されていなかったのが、個人的にはちょっと残念だった。唯一の駄目だしです。次回作がもしあるのなら、その部分の創作を期待しています。

by eddy-web | 2022-05-21 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
<< よもやまシネマ560 “流浪の月” 水草の芽吹きと、春のいぶき。 >>



エディデザイン室
by eddy
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新の記事
カテゴリ
以前の記事
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 06月
2007年 05月
フォロー中のブログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


logobr.gif