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よもやまシネマ591 “ウェスト・サイド・ストーリー”
よもやまシネマ591 “ウェスト・サイド・ストーリー”_e0120614_16034141.jpgよもやまシネマ591 “ウェスト・サイド・ストーリー”_e0120614_12181735.jpg




2022.3.24.

スピルバーグ監督が制作した往年の名作“ウェスト・サイド物語”を鑑賞しました。タイトルも「ウェスト・サイド物語」から「ウェスト・サイド・ストーリー“とオリジナル名に戻してのリメイク。1957年にウェストウェイで上演されたウウェストル「ウェスト・サイド・ストーリー」は、シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」を元に創られたのはだれもが知るところの話。現代版にアレンジされ公演されたミュージカルは大人気になり、その後ロバート・ワイズとジェローム・ロビンス監督の共作で映画化され、1961年に公開された。こちらも大ヒットとなり、その年のアカデミー賞11部門にノミネートされ、10部門を受賞しミュージカル映画の金字塔となった。ミュージカル映画の中でも高い評価を得ている、まさに名作の中の名作。わたしが7歳の時に公開された作品である。そう考えると、なんて凄い作品なのだろうとつくづく思う。作品をはじめて観たのは19歳の時。なぜこんなことを覚えているかと言えば、その当時にかったパンフや鑑賞券をしっかりとコレクションしているからである。そしてパンフにもチケットにも、鑑賞した日付(1973/6/21)と場所(スカラ座)が記載されている。それがわたしの癖。いままで観た作品は、そのほとんどにこのような記載があり今回みたいな時に、その当時のことを思い出し感傷に浸る。19歳ではじめてこの作品に触れたときの衝撃は、いまも忘れることが出来ない。ストーリーはもとより、タンスシーンの圧巻なパフォーマンス、そして名曲の数々に圧倒され洋画の凄さを実感したのを覚えている。デザイン学校に通う多感な時期に観た作品は、生涯忘れることの出来ない作品となりました。よもやまシネマ591 “ウェスト・サイド・ストーリー”_e0120614_12194461.jpgあれから61年の時を経て、再び名匠スピルバーグの手で蘇った作品がどんな姿に変貌しわたしのこころを揺さぶってくれるのか・・・。今作“ウェスト・サイド・ストーリー”は、オリジナルに原点回帰した作品のようですが、一部の変更は観られるがほぼ内容は同じ。それでも随所に今らしい表現やスピルバーグ監督のセンスがひかり、前作ともひと味ちがう作品となりました。キャストはそのほとんどがオーディションで選ばれた若手の俳優さんたち。前作ではジョージ・チャキリス(ベルナルド役)とその恋人アニタを演じたリタ・モレノが二人揃ってアカデミー賞助演男優と助演女優賞を獲得している。当時そのキレッキレッのダンスに圧倒され溜め息ばかりがもれたことが昨日のことのように蘇る。当時もオーディションだったらしいが、出演者たちはすでに多くの作品で活躍している俳優さんばかり。ナタリー・ウッド(マリア)、リチャード・ベイマー(トニー)、ラス・タンブリン(リフ)と、そうそうたるメンバーである。どの俳優さんにとっても、この作品出演により知名度があがったのは間違えのないこと。当時ブロマイドがバカ売れしたことを覚えています。
そんな重圧がかかる中、選ばれた若手俳優さんたちだがそのプレッシャーを見事にはねのけた見事な演技並びにダンス・パフォーマンスそして歌唱はほんとうに素晴らしかったです。ふたたび19歳の時の感動が蘇る、とても素晴らしい時間を持てました。スピルバーグ監督が一流と評価されることを再確認する作品です。前作をリスペクトした姿勢は随所に鏤められ、かつオリジナル性もしっかりと打ち出した作品は間違いなく一級品。脱帽です。
今回の作品で起用された俳優さんのほとんどが新人だが、主役のトニー役を演じたアンセル・エルゴート、アニタ役のアリアナ・デボーズそしてバレンティナ(前作のドク役)を演じたリタ・モレノはすでに実績を積んでいる俳優さんたち。アンセルは“きっと、星のせいじゃない”でお目にかかっていて、その時の繊細な演技力は確認済み。アリアナははじめてでしたが、往年のリタが蘇る鮮烈なインパクトを残してくれます。また、何と言っても嬉しいキャスティングはなんと言っても61年ぶりの復活リタ・モレノ。きっとこれはスピルバーグ監督のサプライズでしょうと勝手に解釈しています。ダンス・パフォーマンスこそありませんが、圧倒される存在感はキャリアに裏打ちされたものと“ウェスト・サイド・ストーリー”への愛ではないでしょうか?最後に絶対の言わなければならないのがマリア役を見事に再現したと言うよりも、さらに進化させたレイチェル・ゼグラーそのひと。新人とは思えない堂々とした演技に歌唱力抜群の歌、そしてダンス。そのどれもが魅力的で個人的には今作の最大のほりだしものではないでしょうか?もの扱いなんて失礼な話ですが、これは最大の褒め言葉です。これからの彼女の活躍は間違いのないものと、確信しています。今作で彼女はアカデミー賞にノミネートされています。前作では歌はほぼ吹き替えが使われ田のですが、今回はほとんど俳優さん自ら歌ったと聞いています。ナタリー・ウッドでさえなし得なかった快挙に胸が膨らみます。長くなりました、思い入れの深い作品になるとどうしても熱くなってしまう自分。まだ知らないひとたちにも、ぜひ観て欲しい作品です。機会があれば旧作もまた、ご覧ください。
P.S. 挿入曲の「トゥナイト」「アメリカ」「マンボ」「クール」「マリア」など映画の中で歌われる曲は、やはり名曲ぞろい。今耳にしても新鮮そのもので、胸がワクワクします。当時買ったサウンドトラックは、いまもわたしの宝物。最後に、この作品が今も色褪せないのは、単にカッコいいだけではなく、世界中でいまだある「人種差別」の壁がしっかりと根に描かれているということ。そういった社会派テーマがベースになっている事を忘れてはいけません。



by eddy-web | 2022-03-26 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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